2階の主に女性用相部屋として利用している「まつ」をリフォームする事としました。
もともと松は6畳和室+押入れ1畳の部屋でしたが、少々不便な点も。
6畳に布団を3人分敷くとあまりスペースに余裕がありません。荷物は枕もとの奥行き40センチ程のスペースに
置くしかな
く、お客様に不便を強いているのがつねに気がかりでした。また畳も古くなって擦り切れてきていて
布団に擦り切れた畳の繊維が付くなどしてきていたのです。
 そこで和室6畳+1畳押入れの押入れをなくして7畳の洋室+2段ベッドの部屋にすることとしました。
 まずは解体です。押入れを解体して天井をはがし、
壁をはがして畳もはがしていきます。
 このように天井も下地も含めてすべて解体します。
 畳を剥した下の板も剥すと1階の天井裏が見えます。
1階天井裏はグラスウール100㍉の断熱なのですが、
その上に100㍉グラスウールを重ねる事にしました。
こうする事でより断熱効果を高める事が出来ます。
 元々2階の床下には断熱材が入っていませんでした。
1階と2階の間の屋根裏は、1階屋根の軒下換気口で
外部と繋がっているので外の冷たい空気が入ります。
ですが1階の天井に断熱材が入っているのに2階の床に
なぜ断熱材を入れないのか?この家を建てた大工の
やっていることはどうもちぐはぐで良くわかりません。
そこで2階床にも断熱材を入れる事としました。
床下の根太が三寸五部の半柱を使っているので、
この部分に100㍉のグラスウールを入れます。
グラスウールを下から支える為に根太間に下から
合板を細く切った物を固定して、その上にベニヤ板を
敷いて行きます。断熱材を支える為だけなので強度は
これで十分です。
 そしてその上にグラスウールを詰めていきます。
根太と根太の間に入っているのは45㍉角材で
ちょうどこの部分がこの上に張る構造用合板の
板と板との境目になるからです。
上方に見えるのは元々畳の下に敷かれていた板で、
これは元通りに根太に張っていきます。
 家の外側に面する壁は壁板を剥しません。
元々和室だった為、柱が露出するタイプの慎壁です。
今度は洋室にするのでこの上から合板を張るのですが、
柱が元々の壁から20㍉ほど出っ張っています。
 そこでこの20㍉の空間にスタイロフォームを入れます。
その前に合板を固定する為の下地を作っていきます。
約450㍉間隔で角材を固定していきます。
これは壁の中の間柱等の間隔に合わせて木ねじを
壁板を貫通させてその下の間柱などに固定していきます。
 そしてその間にスタイロフォームを詰めていきます。
これで25㍉スタイロフォーム+100㍉グラスウール
+20㍉のスタイロフォームの断熱となります。
 栄の内側に面する(廊下や階段に面する)壁には
断熱材が入っていませんでした。
外に面していない壁なので断熱時は不要に思えますが
壁内の空洞は屋根裏や床下と繋がっているので冷気が
入り込んでしまい壁を内側から冷やしてしまいます。
 そこでここにもグラスウールを100㍉入れました。
 床下と壁の断熱材を入れ終えたらすきま風防止の
ビニールを張っていきます。
 このように床や壁にもビニールを貼っていくことで
機密性を高め、部屋に冷気を入れないようにする事で
断熱効果を高める事が出来ます。
 
 もっともこれは近年の高気密高断熱の住宅では
当たり前のことなのですが、20~30年前の住宅は
ちょうど昔の隙間だらけの家から高気密高断熱の家に
移行してゆく過渡期に当るので、機密性に関する考えが
まだまだ甘く、外側に面する壁や天井にはビニールが
貼ってあるのに、内側の壁や床下には貼っていない
といったちぐはぐな事があるのです。(だと思う)
 そしてその上から床板となるウレタンコートコンパネ
を張っていきます。フローリングにするならコンパネ
ではなく、フローリング材を張って行くのですが、今回は
この上からタイルカーペットを張るのでこの様にします。
 そして壁には石膏ボードを張っていきます。
 壁を張り終えると天井の下地作りです。
天井を張る高さのところの壁に45×30㍉の角材を
ぐるりと部屋の壁一周固定していきます。
 そしてその角材間に45㍉角の角材を渡していきます。
角材を全部固定してしまうとグラスウールを入れにくく
なってしまうので、グラスウールを入れつつ、その下から
角材を固定していきます。
 ご覧の様に100㍉のグラスウールを二枚重ねで
入れて断熱効果を高めます。(元は100㍉一枚)
壁と壁の間を角材で渡しただけでは強度不足で
天井がたわみます。そこで間数箇所でこの様に
屋根の母屋や垂木から天井下地の角材を吊ります。
 しかし今回施工した天井下地のほうが、元々の
天井下地(大工の施工した)より明らかにクオリティが
高いのはどういうわけだ(笑)
 しろーとは手抜きが出来ないのです。
 天井下地が完成したらすきま風防止のビニールを張り、
石膏ボードを張っていきます。3尺×6尺のボードを
はしごに登り頭上に持ち上げながら片手で支えて
ボード釘を打つのは結構大変な作業で重労働です。
そんなわけで張り終わってからの写真しかありません。
 石膏ボードを張り終えたら壁、天井共に釘を打った所
ボードを繫ぎ目をボード用パテで埋めて平らに均します。
 そして水性の塗料で塗装していきます。
壁の下の方が塗られていないのは、パイン材の
腰壁とするためです。
 天井と壁の境目には台輪を張り巡らせます。
 2段ベッドは造り付けの物を2X4材で製作します。
 ベッドが完成してから腰壁のパイン材を張っていきます。
床にはコンパネの上にタイルカーペットを敷きます。
 2段ベッドは下段は床に布団を敷くようにする事で
高さ方向の余裕が生まれ、幅を1400㍉とする事で
(市販のベッドは大体1000㍉ぐらいですが、これだと
掛け布団(1300~1400㍉幅)が敷きづらい)
ベッドメイキングがしやすくなります。

 ただ二段ベッドは掃除がちょっと面倒なんですよね~
 ご参考までに今回のリフォームにかかった費用です。断熱材や木材、ペンキ、カーペットすべて含めて
125000円ほどでした。ベッドの製作は別途13000円ほどでした。
部屋のリフォームで10万いくらと言われてもピンとこないでしょうけど、このベッドで1万ちょっとなら安いでしょう?
しろーと大工は自分の思い通りに出来るだけでなく、凄く安上がりなのです♪