エッセー(クマゲラ)
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カラス クマゲラ オシドリ

「心やさしき クマゲラ」

鳥に関心のない人でも 、あの カラスが真っ赤なベレーを被ったような鳥、クマゲラの姿は、どこかで 見覚えがあることと思う。

先日、6月の初め、 クマゲラの研究では第1人者の有沢氏の 案内で 富良野の東大演習林へ  鳥仲間と1泊で行ってきた。

クマゲラの巣は 竪穴でボート形をしている。
4月頃から巣作りを始めて6月の中旬ごろには 巣立っていくそうだ。

有沢氏が言うには、「みなさんに 案内しようと思っていたクマゲラの巣が 実はオシドリに乗っ取られてしまいまして」と。

クマゲラ夫婦は実に デートが好きで  卵を産むまでは、しょっちゅう 家を留守にする。
2〜3時間遊びに出掛けた隙に オシドリのハイジャックにあってしまった。
クマゲラは  「じゃあ、君たちに その家をあげるから 大事に子育てをしなさいね」というように すんなりと 明け渡してしまう。
そして、他の木にまた、シコシコと巣穴を彫る。

以前には スズメほどの小さな「ゴジュウカラ」という鳥にも乗っ取られたことがある。
ゴジュウカラはクマゲラの巣穴の入り口を 泥を唾液でかためたものを 貼り付けて 入り口を小さくして、 クマゲラが入れないようにしてしまった。

クマゲラの好物は蟻。腐った木をつついて、やっと蟻を見つけた頃に、他の鳥が寄ってくると さっと 身をかわして譲ってしまう。

それから、夫婦愛にも涙さえ誘う。 子育ても、もちろん両親そろって餌をはこぶ。 夫はけして、浮気はしないで,生涯ペアーを貫きとおす。
 が、もし妻に先立たれた夫は すぐに再婚などしないで、1年間は 喪にふくする。
森には、やもめのクマゲラが 哀しげに「ドロロ〜ン、ドロロ〜ン」という ドラミングが響く。
このように、クマゲラはなんと、お人よしなのであろう。 だから、個体数がなかなか増えない。
絶滅危惧種にも指定されている。
 少しでも自然を守って、動物たち(人間も含めて)が住みやすい環境にしたいものだ。