八卦掌
八卦掌
八卦掌は,今から200年ほど前の董海川を開祖とします。その名のごとく拳を握らずに掌を開いたままの動作が特徴的な流派です。円周上を回る八つの基本形があるのが一般的ですが,現在「○○八卦掌」という名前がつくものは非常に多数あり,同じ型を行うのは同門だけと言われるほど多種多様な型が存在します。
董海川には,形意拳の郭雲深と三日三晩闘ったが決着がつかなかったという伝説があります。これは形意拳と八卦掌は原理が似ていて甲乙つけ難いということを言わんとする逸話と考えられます。形意門の李存義,張占魁なども董海川に八卦掌を学んでいたようです。一方を深めた後,他方を学ぶべきではありますが,形意拳と八卦掌は兼習することで功が深まると言われています。
八卦掌は全身を捻る動作と,その捻りが戻る作用を功の根源としています。そのため,拳で直線的に相手を打つのではなく,掌や肘,あるいは体側面などで触れた部分で相手を螺旋の力に巻き込むのです。
先天八卦図
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