5年生の理科は、「植物の発芽と成長」(啓林館)から始まっている。 次の学習指導要領にある
植物を育て、植物の発芽、成長及び結実の様子を調べ、植物の発芽、成長及び結実とその条件についての考えを持つようにする。
という目標を達成するために単元設定されている。
教科書が違ってもほとんどが5年生の最初に行う学習のはずである。
実験・観察というのは失敗がつきものであるが、長期間の観察での失敗は45分授業の中での失敗よりやり直しが大変で、子どもも教師もショックが大きい。
でも、「植物の発芽と成長」を勉強している間に魔のゴールデンウィークがやってくる。
個人的にゴールデンウィークは待ち遠しく楽しみで、ゴールデンウィークが終わった瞬間に「来年のゴールデンウィークは何連休だ?」とカレンダーを調べるのだが、5年生を受け持ったときだけ「せっかく芽が出たインゲンマメをどうしよう」と思い悩んでしまう。
そして、ゴールデンウィークが終わって学校に出てくると、案の定多くのインゲンマメが干からびて枯れている。こんな経験をしたことがあるのは、私だけではないはずだ。
ゴールデンウィークが終わった後の授業も楽しく行うためにちょっとした工夫をしてみたい。
発芽の勉強では、脱脂綿の上にインゲンマメの種子を蒔くことが多い。市販のセットを見ても大きめのカット綿の上に蒔くようになっている。
脱脂綿(カット綿)は管理しやすく、観察もしやすいのでとても重宝するが、乾燥に弱いのが弱点である。
思い切ってカット綿を10枚重ねぐらいにすると水の持ちはいいのだが、そうも行かない。
普段でも気をつけないと乾燥してしまい、「先生、僕のインゲンマメ……」と言いながら暗い表情をした男の子が理科の時間になるとやってくる。
(なぜか男子が多い)
市販のセットを買わないでプリンのカップと脱脂綿やティッシュを利用しても同様である。
普段でこうなのだから、ゴールデンウィークが終わると教室の棚は干し草畑になってしまう。
家に持ち帰らせても、旅行に出かけてしまえば同様である。
今年のゴールデンウィークは本校では7連休だった。
(5月2日が開校記念日なので)
植物が発芽する条件は、「水」「空気」「適温」の3つである。
連休中のインゲンマメを乾燥から防ぐためには水をたっぷりあげさえすればそれでいい。
ただ、1週間の水をそのままあげると、種子が水の底に沈んでしまう。
これでは「空気」という条件が必要かどうかを調べる実験になってしまう。
そこでの工夫が「種子のうきわ」ともいうべきウレタンのマットである。
このウレタンマットは100円ショップで売られていた。
レジャーシートのコーナーにあり、敷物として使うものらしい。
@ 1枚100円のこのマットを5p四方に切り分ける。 1枚のマットで40個位できる。
A 小さく切ったマットの中に一辺2pの正方形を書き、カッターナイフで切り抜く。
B ウレタンマットの上にカット綿(私は保健室の先生からもらった)を置き、種子をのせる。
これでうきわの完成である。
これを給食の牛乳パックの上を切ったものに水を半分くらい入れて浮かべる。
サイズ的には牛乳パックがぴったりだが、プリンのカップ等を利用するときはウレタンのマットの角を切るとたいていは大丈夫である。
一つの条件の「ある」「なし」で2個の牛乳パックを使うので、あとは子どもにどれだけ実験させるかによって作る数は変わってくる。
私は、AとBは子どもにさせ、1人1つの条件に取り組ませた。。
多くの種子は、特別な手だてをしなくてもだいたい発芽してくれる。
黒カビが生えたり、根が上を向いてしまい根の先が枯れてしまったもの(種子の置き方を工夫するとある程度解決できる)は、すぐに取り替えてあげるといい。
また、発芽した植物がある程度大きくなったら不安定になるので、水の利用を減らしたり、植え替えたりするといい。
自分の種子が発芽すると5年生でもうれしいのか、ほぼ全員が報告に来てくれる。
5年生といってもまだまだかわいいお子ちゃまである。日陰で発芽し、ひょろひょろに伸びだインゲンマメに驚く子どもたちの顔を見るのも楽しみである。(終)