6年生の理科「大地をさぐる」(啓林館)は、ダイナミックな授業が期待される単元である。
学校の外に出て、学校の裏山で地層の広がりを観察したり、化石を採取したり……
でも、苫小牧には余りよい観察場所がない。
樽前山などがふらせた火山灰が多く、流れる水のはたらきによってできた地層を簡単に観察できる場所がない。
平野部・都市部に位置する学校では同じような悩みを抱えていると思う。
せめて川の水が川岸をけずっているような場所があればと思っても、きれいに護岸工事がされている。
仕方なくビデオ教材を見て学習する。
ダイナミックなはずの単元が、何ともつまらない学習になってしまう。
ならば少しでも楽しめる工夫を、イメージを持てるような工夫を、ということでいくつか教材を考えた。
子どもたちは化石が好きだ。
どの学校にも化石標本ぐらいあるはず。
私の学校にも「植物化石」と「動物化石」のセットが2つる。
そして保護者の方から寄贈していただいた大きなアンモナイトの化石がある。
1cm1万円という話も聞くので、これが30万?と驚いたりする。
このアンモナイト化石をドンとおいて子どもにさわらせている。
子どもたちは、なでたりさすったり、時には力一杯抱えたり(なまら重い)している。6年生があきた頃には、5年生や他の学年の子がさわっている。
今年は、アオイガイという殻を持ったこの仲間(アンモナイトの子孫?)が根室で網にかかったというニュース記事があったので、「生きた化石」として切り抜きを一緒に貼っておいた。
「植物化石」と「動物化石」の2つのセットは、小さい物が多いので授業の中だけでさわらせている。
また、子どもたちの家でも化石を持っている所があるので、持ってきてもらって紹介している。
今年は、木の葉の化石と巻いていないアンモナイトの化石を持ってきてくれた子がいた。
写真を見て分かるように、箱の中に3種類の岩石が入れてあり、手ざわりだけで種類をあてる。
3種類の岩石は、れき岩・砂岩・泥岩である。ゴツゴツ・ザラザラ・サラサラといった感じだろうか。
1度やれば、ほぼ100%できるようになる。
地層のでき方を子どもたちに実際に見せようとすると、とい(樋)に土を流して水そうの中に沈殿する様子を観察するのが一般的だ?
この実験は、結構面倒くさくて、今一はっきりした地層を観察することが難しい。
もともと海や湖で、ダイナミックに長い時間をかけてできる地層が、小さな水そうの中で短時間の内にそうそう簡単にできるわけがない、と私は思っている。
そのせいか実験の際の説明で
「この辺をよく見てみろ。下の方がつぶか大きくて、しまもようが見えるだろ。小さい粒の粘土は後から沈むから、こんな縞模様ができるんだぞ。分かるか?よく見てみろ。」
と声がだんだん大きくなる。
この実験はもっと視覚的に訴える工夫が必要である。
教科書に載っているような学校の周りにあるみたいな土を使ってはダメである。
そこで写真のようなカラフルな土を用意した。
いずれも100円ショップで購入した。
「粘土・砂」の代わりが、「サボテン・多肉植物の土」である。
この土の正体は、何となく多孔質に見えるので、たぶん軽石の一種だと思う。そして細かいバーミキュライトも混ざっている。
実際にこの土を水の中に入れてみると浮いてくるものもある。
この軽さが沈殿を遅くするためにいい。
「れき(小石)」の代わりに使ったのが、「ゼオライト」という植物の水耕栽培などで使われるらしい石である。
このゼオライトのよいところは、重たいところと色が豊富なところである。
わたしが購入したのは緑とピンクである。他にも青やオレンジなどがあった。
また、粒の大きさも数種類あった。
この3種類の土をミックスしたものをといに流して沈殿させると、水槽の中でしっかり色分けされた地層ができると思った。
でも、予想に反してその辺の土を使ったときとあまり変わらなかった。
劇的な成功を期待していただけに、これにはちょっとショックを受けた(自信があったので予備実験もしていなかった)。
重たいゼオライトと沈みにくい細かい粒では、絶対に沈殿時間に大きな差が出て地層ができるはず。
意地になったわたしは、この土をペットボトルの中に入れて水で満たしふってみた。
すると子どもたちも
「あっ、地層ができた。」
「こっちの方がいい。」
といってくれるものができた。
写真を見ると、ベージュ色の層と緑・ピンクのれきが混じった層がはっきりと分かれている。
少し時間をおくと、サボテンの土に含まれていたバーミキュライトが沈殿してきて、茶色い薄い層を作った。
水槽で期待した地層ができなかったのは、たぶんわたしが用意した水槽が小さかったからだろう(息子がカブトムシを飼うのに使っていたもの)。
沈殿する時間に差ができるためには、ある程度の水深が必要である。それがなかったと気づいた。
たぶん理科室に山積みになっている大きな水槽を使えば、成功するはずである……
一番上の写真を見ても分かるように、理科室の廊下と一角が「大地の学習コーナー」になっている。
上で紹介した物以外では、「掛け図」「火山地形図(富士山・磐梯山・阿蘇山)」「地震についての小学生向け新聞記事」を今回貼ってある。
昨年は、“震度6強”という題字が踊る新聞記事を模造紙大に拡大コピーして貼った。
このように大地の学習時期には、理科室前を大地の学習コーナーに変えている。
学習を終えた後は、子どもたちがまとめた火山や地震をまとめた作品が壁面を飾るようになる。