風待ちの湊で


 
 

 深浦は、古くから日本海の「風待ち湊」であった。  
どれほどの人々が、、広大な海へと飛び出して行ったことだろう。
ある者は希望や大願を胸に船を漕ぎ出した。また、ある者は挫
折感と逃避から、あてもない旅に出た。・・・・・・・・・・・。   
 そんな人々が荒海との格闘の後に、束の間の安らぎを見つけ
る場所 ・・・・次への旅立ちに備える場所 ・・・・深浦は、そんな
「風待ちの里」・・・・・・・。 

   バック音楽はMAPAさん制作「風がたつ」

 

海が見える風景の中に
時の移ろいも忘れて
一人佇めば

穏やかに打ち寄せる
白い波頭の間から
一陣の涼風が 
水面を流れ来る

今は穏やかなこの風も
かつて
広大な海を
思いのままに
遮二無二に駆け抜けて

辿り着いた この風待ちの浜で
ささやかな 安らぎを見つけて
一陣の
涼風となった・・・・・

海を渡る風が
爽やかな潮の香を運んで
頬を翳めゆくひととき

過ぎ来し方に想いを馳せて

海が見える風景の中に
ひとり 
たたずむ