痛快 世界の冒険文学 講談社
                                                                           ■ は読み終えたもの
1 十五少年漂流記 9 鉄仮面 17 ハックルベリィの冒険
2 タイムマシン 10 ソロモン王の洞窟 18 運命・二人の皇帝
3 フランケンシュタイン 11 水滸伝 19 ロビンソー・クルーソー
4 真田十勇士 12 アーサー王物語 20 白い牙
5 神秘島物語 13 失われた世界 21 三銃士
6 宝島 14 紅はこべ 22 モヒカン族の最後
7 笛吹童子 15 モンテ・クリスト伯 23 奇巌城
8 偉大なる王(ワン) 16 吸血鬼・ドラキュラ 24 バスカビル家の犬

 
 タイムマシン  H・G・ウェルズ 文・眉村 卓・・
    
モロー博士の島、透明人間、宇宙戦争などの作品を発表。現代SFの元祖として、
「海底二万里」や「八十日間世界一周」などを書いたフランスのベルヌ(ジュール・
ベルヌ)と並べられる。
〔巻頭の解説から〕
 19世紀のある日、ロンドン近郊に住む一人の男がタイムマシンを作動させた。
 人類初の時間旅行に出た彼は、八十万年後の世界にたどり着く。そこは美し
い人間が支配するユートピアに見えたが、実はおそろしい秘密がかくされていた
のだった。
 ーー あらゆるタイムとラベルの物語の原点となった、SFの古典名作ーー

 眉村卓の訳が素晴らしいので、一気に読ませられる。
 (原訳をかなりわかりやすくして書き直している。)
 八十万年後というと、とてつもなく遠い未来を想像してしまう。    

   



 真田十勇士・猿飛佐助--立川文庫・・後藤竜二・文
     
原作者  立川文庫
       講釈師二代目玉田玉秀斎と彼をとりまく創作集団
【解説から】
 豊臣秀吉が天下を平定し、朝鮮半島へ出兵をはじめたころ。信州・鳥居峠で、
けものをなかまに暮らしていた忍者・佐助は戦国の若き名君・真田幸村の家来
となる。怪力坊主・三好清海入道とともに、豪傑さがしの全国行脚に出た佐助
には、もう一つの目的があった。
 かつて、日本中の人々が熱狂した傑作講談が、ヒューマニズムあふれる快
作としてよみがえる。

 真田十勇士は次のようになっている。
  ・甲賀流と伊賀流の忍者 猿飛佐助・霧隠才蔵
  ・由利鎌之助は鎖鎌の遣い手・・・山賊だった
  ・筧(かけい)十蔵は種子島銃の名手・・蜂須賀家の家来だった
  ・三好清海入道は怪力 
  ・為三(いさ)入道は、三好清海入道の弟分で無鉄砲
  ・根津甚八や望月六郎は幸村の影武者
  ・穴山小助は穴山梅雪の甥
  ※霧隠才蔵はルソンにさらわれていった母から生まれ、金髪で最後に登
    場する。

    



 笛吹童子  原作・北村寿夫 文・橋本治
       
  原作・北村寿夫 
    1895〜1982年 早稲田大学英文科在学中より童話を書き始め、
    のち小山内薫に師事して劇作家・放送作家として活躍する。
    1952年から放送されたラジオドラマ「新諸国物語」は一世を風靡、
    シリーズ化されて7作品が書き継がれた。 
  文・橋本 治
    1948年 東京都生まれ 東京大学文学部卒業
    イラストレーターを経て「桃尻娘」で作家デビュー。
    小説・評論・エッセイなど、あらゆるジャンルで精力的な執筆を行う。
    「桃尻語訳 枕草子」(全3巻) 「窯変源氏物語」(全14巻)
    「古事記」など、ユニークな古典の現代語訳も主要な仕事の一つ。
    「宗教なんかこわくない」で、第9回新潮学芸賞を受賞。   
               
 【表紙の解説から】
  戦乱の世に光を!!
  野武士の一味に国を奪われた悲劇の兄弟。
  兄・萩丸は剣の道、弟・菊丸は面作りの道へ。正義と悪の宿命のたたかいが、
 今始まる。 

  一年間続いたという、NHKのラジオドラマが原作である。
  

        
 一年間続いたという、NHKのラジオドラマが原作である。
 登場人物は
  ・満月城(丹波の国)の城主・丹羽修理之亮の息子、萩丸・菊丸
  ・足利将軍の弟東山義晴の、さらわれた子ども・さくら丸(霧の小次郎)と
   胡蝶尼
  ・満月城の重臣・上月右門、妻・浅茅 娘・桔梗 息子・左源太
  ・浅茅と桔梗を助けた斑鳩隼人
 白鳥の面作りに心血を注ぎ、ついに、されこうべの面に打ち勝つ白鳥の面
 を完成させる菊丸が主人公である。菊丸が笛を吹くことから題名がつけら
 れたている。
 白鳥党とされこうべ党という、百済に発した一族の流れが根底にある。
    



  
 水滸伝 嵐山光三郎・文
                         
 【表紙の解説から】
  ある者はいわれのない罪で辺境に流され、またある者は理不尽な権力に
 さからい、追われる身となった。高い志をもちながら、社会からはみだし、
 梁山泊に集まった「ならず者」たち。その数、百八人。民をしいたげる悪徳
 官僚たちに、敢然と反旗をひるがえした豪傑たちの活躍をえがく。
  中国が生んだ熱血大河ドラマ。
    
 この話は、以前横山光輝の漫画で読んだ。林中の登場から始まり、最後
には朝廷のために北や南の国々と戦い、宋を守るまでである。そのときと
同じ感動を味わうことが出来た。
 百八というのは中国では特別の意味を持つという。「水滸伝」に仲間は
星の生まれ変わりということになっているが、それも36の星のグループと
72の星のグループに分かれていると言う。中国では108は縁起のよい数字
である。
 水滸伝はもともと民間で伝えられてきた話を明のはじめ頃、施耐庵(した
いあん)がまとめた。日本でよく読まれるのは120回本のようだ。
        

  


  
 

 アーサー王物語 イギリス伝説より 阿刀田高・文
                          
 【巻頭の解説から】
  六世紀のイングランドに、理想の国ログロスがあった。この国を統べるのは強く気高い
 アーサー王。これはアーサー王を中心に騎士たち、魔法使い、美女などが活躍する英
 雄たちの伝説である。王の伝説は現在も続いている。アーサー王は世界が危機に瀕し
 た時、きっとよみがえって、この世に正義をもたらすのだと。
 
 主な登場人物
  ・アーサー
  ・グフィネビア  -------- アーサー王の妃
  ・マーリン ----------- アーサー王に仕える魔術師   
  ・ラーンスロット ------- 第一の騎士
  ・ガウェインと緑の騎士
  ・妖女モルガン
  ・涙の吟遊詩人・トリスタン
      
    
 アーサー王は伝説の人物である。
 民間伝承である。
 圧倒的なサクソン人たちによって圧迫されていくブリテン島のケルト人たちが
 起死回生の願いを託した夢物語ーー滅びの運命に直面した民族の挽歌の
 ようなものであった。
    
 しかし、12世紀にジェフリー・オブ・モンマスによって『ブリテン島の歴代王』が
 書かれたことによって俄かにアーサー王がクローズアップされた。ジェフリー
 によって、アーサー王はヨーロッパ大陸の遠征に送り出され、しかもその大部
 分の地域を征服したことになった。それをイギリス王朝が承認したことから、
 新たなアーサー王の物語が次々と書き継がれるようになった。『円卓の騎士』
 のお話は、イギリスだけでなく、フランス・ドイツをはじめとして、ヨーロッパ中を
 巻き込んでいったのである。もっとも有名なのはマロリーによる 『アーサー王
 の死』。
   
 このアーサー王の物語は 『スターウォーズ』の原型ともなっている。
 騎士道、冒険、魔術の世界は、時を超えて現代の我々にもアピールする
 永遠のテーマである。
                           〔解説を参考にしました。〕
        
        
  
    
 
 紅はこべ--B・オルツィ原作・・山崎洋子・文
    
原作者  B・オルツィ
 1865 〜 1947年 ハンガリーに生まれる。
 本書「紅はこべ」をはじめとした歴史冒険小説の一方、『安楽椅子探偵』ものの
 『隅の老人』の作者として知られている。
          
【巻頭の解説から】
 革命の嵐が吹き荒れる、18世紀のフランス。死刑判決を受けた貴族とその家族たちを、
 処刑寸前に救い出す、なぞの一味があった。一味の首領の名は「紅はこべ」。今日も
 革命政府と紅はこべの知恵比べがくりひろげられる。-- 『怪盗ルパン』などの作品に
 影響を与えたといわれる、大活劇歴史ロマン。

 山崎洋子の文は読みやすく、臨場感がある。
 第一章で、シュザンヌの一家が荷馬車に隠れてパリ脱出をはかる場面。
 西門を守っているのは、悪魔のようなビボー。どんなからくりも通用したことがない相手
 に紅はこべが挑む。
 主な登場人物
  ・マルグリート・ブレイクニー
     フランス生まれの元女優。パシー・ブレイクにーの妻。
     イギリス社交界の華とうたわれる美貌の持ち主。
  ・アルマン・サン・ジュスト
     マルグリートの兄。はじめは共和派の側だったが、次第に貴族とその家族を
     次々と処刑するやり方に疑問を持ち始め、紅はこべの協力者となる。
     シュザンヌの父を救出しようとしてフランスに渡り、窮地に陥る。
  ・ショーヴラン
     マルグリートやアルマンのかつての同志。
     フランス共和政府の全権大使としてイギリスに来ているが、紅はこべの正体を
     探り、捕らえることが本来の使命。
  ・パシー・ブレイクニー
     従男爵で、大富豪のイギリス人。誰からも好かれているが、あることをきっかけ
     に、妻マルグリートには心を閉ざす。

  シュザンヌの父を助け出す最後の場面が一番のクライマックス。
  この作品が冒険活劇ものでありながら、愛とロマンの物語であることもわかってくる。
  フランス革命の意味についても深く考えさせられる。少年・少女に是非よんでほしい
  物語である。

     
  


  
 モンテ・クリスト伯・・A・デュマ原作 村松友祺(ともみ)・文
 アレクサンドル・デュマ
 代表作が「モンテ・クリスト伯」「三銃士」「鉄仮面
 文学と政治と女性と金儲けに有り余る才能を費やした・・・。
 一説では小説257冊、戯曲25冊を書いたと言われる。
                (本の中の解説を参考にしました。)
    
 【表紙の解説から】
  幸せな日々をおくっていたダンテスは、悪人たちの陰謀で
 無実の罪で逮捕され、長い獄中生活を強いられる。決死の
 脱獄に成功してから、彼の復習が始まる。
    
 ダンテスは牢獄でファリタ司祭と知り合い、秘密の宝のありかを教えてもらう。
それだけでなく司祭が自分が持っているすべての学問を伝授された。
やがて司祭は脱獄できずに亡くなり、ダンテスは司祭の死体と入れ替わる・・。
 主な登場人物は以下のようになっている。
  ・モンテ・クリスト伯
    なぞの大金持ち。
  ・ファリア司祭
    シャトー・ディフの闇牢でダンテスと会う。
  ・エドモント・ダンテス
    ファラオン号の船員だが悪人たちにおとしいれられ、14年間獄中生活を
    送る。
  ・メルセデス
    ダンテスの婚約者。のちにフェルナンと結婚してモルセール伯爵夫人。
  ・モレル氏
    モレル商会主。ダンテスのもとの主人で親切な人。ファラオン号の船主。
  ・ヴィルフォール
    もとはマルセイユの検事補。無実のダンテスを投獄する。後に検事総長
    となる。
  ・ダングラール
    もとはファラオン号の会計係。ダンテスを罪に陥れる。
    後に銀行家、男爵となる。
  ・フェルナン
    ダングラールとともにダンテスを陥れ、メルセデスを奪う。のちにモルセー
    ル伯爵。
  ・アルベール
    モルセール伯爵(フェルナン)のメルセデスの子。勇敢でまじめな青年。
  ・エデ
    アリ・パシャの娘。フェルナンの裏切りで父を失い、奴隷として売られ、
    モンテ・クリスト伯に助けられる。
        



 運命・二人の皇帝  原作・幸田露伴 田中芳樹・文・・
            
  原作・幸田露伴 
    1967〜1947年 近代文学を代表する作家。 
    1889年 「風流仏」で文壇に認められ、「五重塔」などの
     代表作を生む。 
    その後小説から遠ざかるが、1919年 発表の史伝「運命」
    によってふたたび高い評価を得た。 
    第1回文化勲章受章
  文・田中芳樹
    1952年 熊本県生まれ 学習院大学大学院修了
    修士論文は幸田露伴「運命」
    1977年 第3回幻影新人賞受賞
    1988年 星雲賞受賞
    SFから中国歴史小説まで、幅広い作品群を執筆。
    「銀河英雄伝説」シリーズ 「創竜伝」シリーズなどのほか、
   中国歴史小説の「風よ、万里を翔けよ」「紅塵」など多数。
     
   明朝初期の時代の流れ、人物の活躍が生き生きと描かれた名作である。
  これが、日本人である幸田露伴によって書かれたというのは凄いことである。
  現代風に書き改めた田中芳樹の筆力も素晴らしい。

  明を建てた洪武帝(朱元璋)は、位を早世した皇太子の息子に譲ることにした。
  やがて、二十二才の建文帝が即位した。
  そして、帝の側近、黄子澄(こうしちょう)と斉泰(せいたい)は、建文帝の力を強
  めるために洪武帝の息子たちの削藩(さくはん・王の身分、領地、軍隊などす
  べてをとりあげること)を始めた。
  しかし、洪武帝の息子の一人、燕王(えんおう)はこれに反旗を翻し(靖難の役)、
  ついに王位に就く。これが、成祖・永楽帝である。この物語は、心やさしく気弱
  な建文帝を追放し、永楽帝が誕生するまでのいきさつが描かれている。
  建文帝は追放され僧として流浪したが、永楽帝亡き後、北京に迎えられ「隠居
  した皇帝」の処遇を受けた。
  余談として、永楽帝に仕えた鄭和(ていわ)は、各国を探検し「三保太監下西洋
  記(さんぽたいかんかせいようき)」(鄭和航海記) をまとめた。
  また、明を建てた洪武帝(朱元璋)は、貧農の子であったが、元の末期に紅巾
  軍に参加して頭角を現して、元をモンゴルに追い払って、漢民族による中国の
  統一に成功した。



 奇巌城・・M・ルブラン原作 逢坂剛・文
               
 【表紙の解説から】
  フランス国王の財宝を秘めてそそり立つ不気味な古城。
  アルセーヌ・ルパンとボートルレ少年の戦いが始まる。
  意外な展開の物語に、読者をとらえてはなさない、ルパ
 ンシリーズの傑作。
    
 遥か昔に読んだ記憶がある。これまでに再読も一回はしているだろう。・・・・・・・・
 しかし、何回読んでも夢中にさせてしまう一冊だ。筆者(日本)が逢坂剛である。
存分に原作を補う面白さが加わっている。
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 オンブリュメジー館で起こった、殺人と盗難の事件は、やがて「奇厳城」の謎へと
発展していきます。歴代のフランス国王に伝わる秘密文書が出てきて、古い歴史
も語られます。シーザー、マリー・アントワネット、ジャンヌ・ダルク、ナポレオンの
名前も出てきます。フランスの長い歴史と関わっているという設定です。
 秘密の文書の謎を解き、ボートルレは、「エトルタ海岸」に辿りつきます。いよいよ
クライマックス!! 事件は解決するのですがねルパンにとっては悲しい結末を迎え
ることに・・・。
        



 バスカビル家の犬・・C・ドイル原作 大沢在昌・文・・
            
     
 【表紙の解説から】
  イギリスの南西部、デボン州ダートルムアの領主「バスカビル家」の
  当主が、伝説のとおり、「魔犬」に殺されたという。怪死の謎をとき、
 遺産の相続人であるヘンリー卿の命を守るため、ホームズはワトスン
 を現地に派遣する・・・。
  〜シャーロック・ホームズシリーズの中でも、もっとも文学の香り高い
 人気ナンバーワン作品。
    
 この本も再読であるが、ほとんど筋を忘れてしまっている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 表紙の解説にあるようなストーリーである。詳細を書いていくと謎が謎でなくなる
 恐れがあるので主な登場人物だけをあげておく。(ホームズ、ワトスンを除く)
   ヘンリー・バスカビル卿
     伯父の死によって、バスカビル家の遺産相続人となる。カナダからイギリ
     スにもどってきた。
   ジェームズ・モーティマー
     バスカビル家の遺言執行人の医師。ヘンリー卿の命を守るために、ホー
     ムズに依頼に来た。
   ジャック・ステープルトン
     もと学校経営者で博物学者。
   ベリン・ステープルトン
     ジャックの妹。
   バリモア夫妻
     バスカビル家の執事夫妻。
   ローラ・ライオンズ
     近くの村に住むタイピスト
 人口の少ないのどかな村、荒野と牧草地帯と、湿地、そして、バスカビル館が
 舞台となっている。