はやみね かおる
               
  1964年 三重生まれ。三重大学教育学部卒業。小学校教師。
        クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちに、自ら書き始める。
        「怪盗道化師(ピエロ)」で第30回講談社児童文学新人賞に入選。
        <名探偵夢水清志郎事件ノート>シリーズのほか、
        「バイバイ スクール 学校の七不思議事件」
        「オタカラ ウォーズ ・・ 迷路の町のUFO事件」(以上講談社)等の作品がある。
                               講談社・青い文庫シリーズより引用
              
そして五人が
いなくなる
 子ども向けの講談社・青い文庫シリーズを見ていて、手に取ったのがこの<夢水清
志郎シリーズ>
「それは四月一日・・・よく晴れたエイプリールフールのひのこと。わたしたちの町に、
名探偵が引っ越してきたの!」この書き出しで始まった一冊の本。次第にその面白さ
に取り付かれ、どんどん読んでしまった。 以来「はやみね かおる」の面白おかしい
世界に引きずり込まれて、シリーズを次々と読ませられることとなった・・・。
 シリーズ第一作の本書では、「伯爵」を名乗る怪人が、子ども4人を含む5人を次
次と誘拐する事件。巨大遊園地・オムラ・アミューズメント・パークで起こったこの事
件は摩訶不思議。
 ・マジックで消えた、天才少女ピアニスト・大野みさ
 ・走っているジェットコースターから消えた、体操界のホープ・高橋真一
 ・ミラーハウスから忽然と消えた、天才モデル・加藤和夫
 ・蝋人形館の二階から手を振った、少女棋士・鈴木智子は・・・
 ・そして最後に消えた・・・
キーワードは「夏休み」
夏休みが終わるまで悠然と構えていた名探偵夢水清志郎が、見事な推理を披露
する。
亡霊は夜歩く
 前菜はミステリーサークル。主菜は亡霊は夜歩く。
 主な章
  ・鐘の伝説 
  ・亡霊からのメッセージと紫水晶の予言
  ・校庭の魔法円
  ・せまね嵐ときえた亡霊
  ・熱狂の学園祭とクライマックス
  ・15年間の呪縛と不確定な未来
 岩崎兄弟の通う「虹北学園」を舞台に繰り広げられるミステリー。
消える総生島
 オープニングは映探偵映画をみている時に突然の火災発生。置き去りにされた夢
水清志郎は消し炭みたいな哀れな姿で・・(映画の)山小屋に立てこもった田村が
刺されて死んだ事件を解明。
 さて、本編。鬼伝説が残る総生島に渡った教授と岩崎兄弟。
 人、山、館、そして島が消えるというミステリーを教授が解き明かす。
 総生島の名前の由来、万能財団と「レアルタル」・・。
おまけは・・・神社での「五円玉」のお話。
魔女の隠れ里
 二部構成になっている。両方に登場する「セ・シーマ」編集者の伊藤真理。スズキ・
ワークス660号、名づけて「ポチ1号」を100キロオーバーで運転するこの人が今回の
準主役。
 1部「消える足あとと幽霊のシュプール」はN県N高原が舞台。雪霊伝説、幽霊のシ
    ュプール。
 その謎を解き明かす夢水清志郎。小学生の作文のような紀行文が雑誌に載る・・。
 2部「魔女の隠れ里」は二十年前の事件に行方を絶った夫婦が絡んでいるのか?
 教授の推理が冴える。
踊る夜光怪人
 第1部 宝さがしをしましょ
       ・総生島の事件解決でもらった、一千万円を教授はどこに隠したのか。
        「いすのうえ」この暗号を解読できたら・・・
 第2部 踊る夜光怪人 
     虹北学園の近くにある幽霊坂。そこに夜光怪人が出没するという。噂を
     確かめに出かけた亜衣達は確かに夜光怪人に出くわす・・・
     昔、宗歩が隠した金の仏像の在処を巡る謎に挑む亜衣達。
 クライマックスは、夏祭りのM川。
 これまでに登場した、伯爵、ラーメン屋の真木先生、雑誌「セ・シーマ」の伊藤さん
 も巻き込んむ。夜光怪人の最期。 
 M川をきれいにするとい発想は「はやみね かおる」らしい・・・る
機巧館のかぞえ歌
   
ギヤマンの壷の謎
   
徳利長屋の怪
 名探偵IN大江戸八百八町・後編
 ・プロローグ
 ・第二の事件   「は最後に笑う」
 ・大江戸編外伝 「レーチの東海道中膝栗毛」
 ・最後の事件  「徳利長屋の怪」

 舞台を江戸時代にしているが、登場人物その他、いつもの感じである。
 亜衣たち三人姉妹は、回船問屋の娘。長屋の大家もやっていて、変わった住人
が住みついている。夢水清志郎左右衛門、芸人で居合い抜きの達人・中村巧之
介、藍色の目を持つ軽業師のゐつ、大工の京、輝、見世物小屋の持ち主・宝、
寺鰤座の看板役者・亜朱、亜朱の仲間の大男・柴、西郷隆盛、勝海舟まで登場
する・・・。
 ・怪盗九印がだんごのくしを盗み出す方法。
 ・夢水清志郎左右衛門江戸城を消すトリックがメイン。

人形は笑わない
    
バイバイスクール
学校の七不思議事件 
    
           

 ダレン・シャン
               
 図書室にあった「ダレン・シャン」 なにやら面白そうだったので、手にとって読み始めたのが
運のつき・・・。吸血鬼をこれまでと違った視点から捉えて進められるストーリーにつられて、
次々と巻を重ねて行った。図書室にあったのは6巻まで全部読んだ・・・。
 シルク・ド・フリーの興業を見に行って、くものマダム・オタクを盗んだことから、バンパイアに
なる道を選ばざるを得なくなったダレンシャン。やがて、クレブスリーとともにバンパイア・マウ
ンテンに行き、ついに元帥の一人となり、バンパニーズとの壮絶な戦いに引き込まれていく。
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 この後も延々と・・・あきれるほど延々と続く展開に完読を断念! 7巻以降を買って読む予算
 がない!! やきまきする日が続いた・・・・。
 ところが、よくしたもので、DVDを借りに行っていた「TSUTAYA」の中古本コーナーで偶然
 全巻を発見。価格も安かったので思い切って、最期の11・12巻を購入。
 途中の7〜10巻は未読ながら、完結部分を読み終えるに至った。
 やれやれといったところ。
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 それにしても、中間部がだらだら続くと思ったが、後半部はきちんと整合性がとれている。
 故郷に帰り、幼なじみのスティーブとの再会。ミスタータイニーについての謎の解明。
 すべてはそういうことだったのかと、読者を納得させる終末である。
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 訳者である橋本恵さん、本当にありがとう。原作者「ダレン・シャン」のあまりにも生々しい
 描写に訳すのにつらいシーンが多々あったとのこと。でも、橋本恵さんなしにこの物語の
 完結版を目にすることはなかった。この物語を紹介した橋本恵さんに最大限りの敬意を表
 します。 
                        
橋本 恵
 翻訳家。東京都生まれ。東京大学教養学部卒。・・・・・・・・・・・・
 大手都市銀行に勤務ののち、翻訳業に専念する。
 主な訳書
  「3の法則」「ダーウィン賞!」「プライバシーの暴走」
  「20世紀を創った人たちーガルフレイス回顧録」
  「デジタルチルドレン」「ニッポン縦断歩き旅」
  「四国八十八か所ガイジン夏遍路」
  「四国八十八か所ガイジン巡礼珍道中」
 この訳者の努力が、この作品に光をあてたと言えるのでは
 ないだろうか。 
            
 
 夜の神話
               
 とつぜん決まった引っ越しで、母方のおばあちゃんが住むド田舎で暮らすことになった
六年生のマサミチ。ダサくって幼稚な同級生ともなじめず、ふてくされているとき、ふと
寄り道した古いお宮で、白い着物に白いはかま姿の青年に呼びとめられる。
 そのきれいな「お兄さん」「こそ、ツクヨミの神とあがめれめる「夜のお方さま」の仮の
お姿。なりゆきで食べてしまったサトリまんじゅうの効きめで、マサミチは、家霊のヨネ
ハラさんや猫のトラをはじめ、いままで気にもとめなかった木や虫たちとも対話できるよ
うになる。
 いっぽう、技術者のパパが勤める原子力発電所で、あるおそろしい事態が進行し、
ぼくのにスイッチョさんは全身を青い炎にむしばまれる。
 スイッチョさんの命を救い、秒読みの危機をくい止められるのは、はたして?
                                                                               (表紙裏の解説から引用)
                                              
たつみや章
 1954年生まれ。明治大学文学史部地理学科卒業
 1991年 「ぼくの・稲荷山戦記」で、第32回講談社児童文学新人賞を受賞。
       翌年刊行され、第34回熊日文学賞を受賞。
 本作では第41回(1994年)産経児童出版文化賞推薦となる。
 つづいて「水の伝説」で第43回(1996年)産経児童出版文化賞JR賞。
 「月神の統べる森で」で第37回(1999年)野間児童文芸賞を受賞した。