◆◆◆◆赤いサンタさん黒いサンタさん◆◆◆◆◆


 


 
      
      サンタの村には、二人のサンタさんがいます。
      赤いサンタさんと黒いサンタさんです。
      そう、赤いサンタさんはクリスマスの夜、
      子供達にプレゼントを持ってくれるサンタさんです。

      ここは、サンタさんを待っている太郎さんと花子さんがすんでいる村です。

      一年前太郎君は、サンタさんのプレゼントをが気に入らず、
      「僕が欲しいのは、こんな物じゃない。」
      と言って、窓から車のおもちゃを捨ててしまいました。

 

      それから一年たちました。二人は、今年もプレゼントを楽しみにしています。
      クリスマスの夜、太郎君の家にサンタさんがやってきました。
      太郎君の家の煙突を探し、大きなプレゼントの入った袋を持って、
      よいしょ! よいしょ!

      煙突から出た時は、すすで、真っ黒になっていました。      
      そのサンタさんを見つけた太郎君は、

      「黒いサンタがやってきた。」
      「出ていけ!!」

      と、大きなほうきを振り回して、バンバンたたいて追い出しました。
      そう、村では悪い子供の家には、黒いサンタさんがやってきて、その子
             の一番大事な宝物を床下から忍び込んで、盗んでいくと信じられている
             のです。
 

      「やれやれ、ひどい目にあった。」
       気を取り直して、赤いサンタさんは次の花子さんの家を目指しました。
 

      煙突から入ると出てくる頃には、サンタさんはやっぱりすすで真っ黒です。
      それを見つけた花子さんは、最初、自分の家にも黒いサンタさんがやってきた!
      とびっくりしましたが、でも、今日はクリスマス。同じサンタさんだからと、
      真っ黒になった服をはたきました。すると、どうでしょう。
      実は、赤いサンタさんだったのです。花子さんの家のパーティーに入れてもら
      い、帰る時にたくさんのプレゼントを置いていきました。

      一方、太郎君はどうでしょう。赤いサンタさんか来るのを待ちに待って、いつ
      の間にか、眠ってしまいました。
 

      
      そこに、黒いサンタさんがこっそりやってきました。
      床下から部屋に潜り込むと、太郎君の一番大事に
      しているグローブを盗んで行きました。

      起きた時の太郎君のびっくりした様子は、みんなの想像している通りです。
 

      ところで、サンタさんはどのようにして暮らしているのでしょうか。
      赤いサンタさんは、プレゼントをもらった大きくなった子供達にたくさんのお
      礼の贈り物をいただき、次のクリスマスの準備をして生活しています。
 

      黒いサンタさんは、どこの村に行っても嫌われ者。毎晩、毎晩、悪い子供を探
             して、宝物を探しています。   

      そう、みんなが「泥棒」と読んでいるのが黒いサンタさんです。
      みんなには、どちらのサンタさんが来るかな?

◆◆◆◆◆ お し ま い ◆◆◆◆◆

                                                      原作は佐藤推さん

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