百年の森を育てよう
自然生態系との共存のなかで
百年の森を作りたい。私の夢です。
今多くの山が、一斉に一種類の樹木を成長させて、一斉に
切っていく「一斉林(いっせいりん)」です。私の理念は
それとは別にあります。松・ヒノキ・杉にしろ、木のあるところで、尚且つその山にはおじいちゃんの様な太い木もあり、親父の木もあり、植えたばかりの小さい子供の木もありという三世代の家族のような。
それから針葉樹も広葉樹もある森林の中をオオムラサキが飛ぶような山を育みたいのです。この辺にはオオムラサキはいないと
思っていました。
ある時、川で魚捕りをいていたら、手のひらくらいの大きな蝶が
水に浮いていました。生きてはいないものの、手にとってみたら
紫色に見える。急いで図鑑で調べたら案の定、国蝶のオオムラサキでした。「うわぁ、この山にもいるんだぁ」と驚きました。
それから、蝶の食性のエノキ(きのこではありません!)を植林し
始めました。蝶の飛ぶ山は生態的にも環境の整った山だからです。
蝶がいればそれを捕食する動物も来ます。食物連鎖のピラミッドが
うまくできあがるわけです。そういう山づくりを始めています。
その中の一部分が、椎茸なのです。
自然の循環
理想は、この地域で全部循環させたい。木も土も水も、動物も。
本当は長野県なら県内で循環を完結させるのが一番ですが、今は
できない。原木を他県のものに頼ったりしています。森の恵みは
得られるのに、なぜ日本でできないのか、やらないのか。山は
放ったらかしで荒れ放題。コストが掛かるからと言って、国内の
ものを生かそうとせず、利用もしません。環境循環が断たれて
しまいます。
どうしても利益一辺倒にながれて、目の前にあるコストだけで
ものを考えがちです。結果としてでてくる、空気だとか水だとか
益となるものをプラスしていません。ただ手間がかかるという
マイナスばかり取り上げるのです。今ある環境を見過ごしています。得ているものを評価してないのです。プラスになる力がどれほど
大きなものか、環境経済として考えれば、日本のものを使う方が
いいに決まっています。豊かな生態系、人間はその中で生かされてるという感覚でいなければいけない。そう思います。
百姓の思いをこめて作った椎茸です。
ぜひ食べてみてください。