メサイア AGAIN 2007 奮闘記
豊田 正治

「メサイア コンサート」大成功! 感謝・感激!
去る10月8日(月・祝)に西宮北口の兵庫県立芸術文化センターに於いて
ヘンデルの「オラトリオ メサイア 全曲」コンサートが開催されました。

2001席の大ホールがほぼ満席の観客で埋め尽くされたのをステージの上から見た時、此の一年間の練習の努力が報われた感激が湧きあがりました。

「メサイア」はキリストの「予言・降誕」「受難」「復活・永遠の命」の3部構成になっていて休憩を挟んで約3時間の大作だけに聴衆の方々を退屈させずに楽しんでいただくのは至難の業です。

 指揮の松尾昌美先生の練習の重点もその辺りにあったように思います。合唱だから当然ハーモニーが大事ですが、同時にテンポを重視した指揮ぶりに、しばしばオペラの様な劇的な場面で、歌い手と観客が一体となり楽しんでいただけたのではないかと感じました。

終曲のアーメン コーラスが終り、一瞬の静粛の後に湧き起こった「ブラボー」の歓声と盛大な拍手に感激し涙したと、多くの合唱団員の感想が聞こえてきました。オーケストラ退席の後にも、合唱団へ送られた歓声と拍手は、此の一年間の練習を見守ってくれた家族、声援してくれた友人達の暖かい気持が我々に伝わった瞬間でした。

KGOBの指揮者松尾昌美氏、ソリストはKCOGの金房儀子(SOP)・黒江薫(ALT)、KGOBの古沢泉(TEN)の各氏に加え、関西で今人気実力とも一番の田中勉(BAS)氏のベテラン陣を配し、昨年のメサイア・コンサートの為に結成された22名からなる特別編成の管弦楽団「コンセール・オルタンシア(紫陽花管弦楽団)」の繊細にして、大胆な響きは聴衆の心に染み渡ったようです。澄んだトランペットの響きが今も私たちの心に残っています。合唱団も素晴らしいソリスト陣に引っ張られ、またオーケストラに乗せられて、まさに松尾マジックとも言うべき指揮者の全身から伝わってくる不思議な力に引き寄せられたように、日頃の実力以上のものが出せたように思われます。

今回の合唱団「KCGH2007CHOIR」は昨年の神戸女学院高等学部(KCH)コーラス部OGと関西学院高等部(KGH)グリークラブOBを中心に、本年は更に広く地域のメサイア愛好家にも門戸を広げました。関西99名・東京23名計122名(SOP43・ALT39・TEN22・BAS18名)と昨年の94名から大きく成長しました。

昨年7月に神戸医師会館ホールで開催された、長井斉先生没後20年記念メサイア・コンサートを契機としてメサイア アゲインの声が一段と高まりました。
「メサイアを歌い続ける会」を永続的な組織として運営する為に新しく会則を設け、会員総会に於ける承認の後、役員を選任しました。会員の声を良く汲み取って運営に当たられた会長の平野元重氏、副会長の桑田絲子氏を中心とした役員・運営委員の方々の献身的な努力には感謝の言葉もありません。役員会で貴重な意見を戴いた小西、植田両監事。昨年に引き続き今回も運営面での牽引役としてご苦労いただいた運営委員の若林、福永、石割、大塚氏、又縁の下の力持ちとして実質的な事務を全て担っていただいた女性運営委員の石割、乾、守屋、久保山氏には日頃の練習・合宿・コンサートの全てにわたり多大なご苦労をお掛けしました。その他ボランテイア スタッフの方々の精力的な活躍なくては此のステージは成り立たなかったと思いました。ステージ・マネージャーとしてテキパキと的確な指示をしておられた若林Jr.にも感服しました。

そして、なんと言っても此の一年間合唱団をご指導いただいた松尾先生のユーモア溢れる練習が私たちに大きな力を与えて下さいました。指揮者の振りを見て歌えば絶対間違いないと言う、合唱では当たり前の事を此の度で再認識しました。また練習指揮の高山惇氏の誠実な人柄にも惹かれました。そして一年を通じて練習ピアノをお付き合いいただいた井本幸子さんにも感謝です。本番ではオーケストラの一員としてチェンバロをお願いしました。

さて次は終了後、ホールのホワイエで行われたレセプションでの指揮者・松尾さんの講評です。

「昨年の講評で、後10年かければ何とか一人前のメサイアになるのではと話しましたが、今日の演奏会の感想としては此の1年で5年分の成長が見られたように思います」と嬉しい評価を頂きました。又、高山惇さんからは「入退場を含めてステージのマナーがとても良かった」と言われました。トランペットとの掛け合いの場面が凄かったバスの田中勉さんは「楽しい雰囲気に乗せられて気持良く歌えた」と言われました。
「昨年はリハーサルのみで本番にはお見えにならなかったライオン山本善偉先生(KCGHクワイア結成の昭和25年当時の関学高等部グリークラブ顧問)は今年87歳で、昨年よりも一段とお元気で、激励のご挨拶を戴きました。

来場していただいた方から色んな感想が届いていますのでその一部を紹介します。

●  演奏について

「一年間の練習で昨年と見違えるような素晴らしい演奏だった」
「合唱団員の気持が直接客席に伝わった」
「とても家族的な会場の雰囲気が良かった」
「合唱団の入退場を含め、ステージでの離着席が綺麗に揃っていて見ていてとても気持が良かった」

●  ホールについて

「木の香が漂う素晴らしいホールで音が心地よく響き、後まで余韻を楽しめた」など3階席でも良く響いたようです。此のホールの音の良さはステージ上からもよく感じ取れました。

●  字幕について

おおむね好評で、日頃聖書に縁のない方でもよく理解できたと言う声が届いています。あるミッションスクールのシスターから字幕があったのでとても良かったと言われました。傍ら字幕の言葉の意味が難しかったと言う声もあり今後の反省点かもしれません。

公演の感想の中で少し嬉しい話をご紹介しましょう。公演には関西学院理事長山内一郎氏(関学中・高グリークラブOB)も来ておられましたが、直後の関学理事会の冒頭で「日本一のメサイアだった。それはメンバーの多くが中学、高校時代にキリスト教の教育を受けたことが、メサイアを通して聴衆の心に訴えかけたのだろう」といわれたそうです。
 私たちの合唱団の根底にあるものを山内理事長が見事に見抜いておられる言葉だと思いました。一日の練習の最後に必ず歌われる賛美歌「日暮れて よもはくらく」は信徒であるなしに関わらず、一日の最後に安らかな気持を持てた事を感謝する歌です。

昨年の演奏会は再開第一回と言うことで歌うことの楽しさを再び思い出させてくれた、まさしく「メサイア・アゲイン」のきっかけとなった演奏会でした。しかし練習の時間も短く、自分自身では達成感が得られず、やや心残りの公演でした。
 今回、昨年9月から練習が始まり、4月ぐらいまでは団員の数も揃わず、まだ半年先の事という思いが皆にありました。これに危機感を持たれたのが松尾先生で、合宿を提案されたと聞いています。7月7日・8日と関学千刈キャンプ場で合宿には約70名が参加、練習での成果と同時にメンバーの結束に大いに役立つたと思います。
東京からも五十嵐恵氏が参加。五十嵐さんが合宿での指揮者の注意事項を克明に整理して東京地区会員に配られ、東京のレベル アップにつながったようです。日頃の練習にも東京から五十嵐さん、善積さんはじめ数名の方が幾度か参加されました。

さて早くも次回の計画が進められていて、再来年2009年3月の会場確保が出来れば同じ兵庫県立芸術文化センターでの開催が考えられております。
 高齢化が進む我が合唱団ですが、次の目標が出来るのはとても嬉しい事です。同時に新しい若い力が参加されることを切に望みます。

今回の公演は関学高等部グリークラブ60周年に協賛しておりますが嬉しい事に、KGHグリークラブは9月の関西合唱コンクールに於いて金賞を獲得、50年振りに全日本合唱コンクールに出場が決まりました。
10月27日、盛岡市での全国大会には高校A(8-32人)16校、高校B(33人以上)17校の33校が出場、高校Aに出場したKGHグリークラブは見事に銀賞を獲得しました。(金賞6校、銀賞5校、銅賞5校) 高校A・Bを通じて唯一の男声合唱として注目されましたが、50年ぶりの全国大会という最高に緊張が高まる中、よく頑張ってくれた後輩達に大きな拍手を送ります。創部60周年に協賛した此の度のメサイア公演に、見事な花を添えてくれました。