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デモクラシィー最前線より見た現代民主主義
 
第 1 部 序論
第 1 章  私がこの目で見てきた日本の政策決定の観察断章(本論文執筆の動機) 1
  1.統治の政策決定の主役は誰か? 2
  2.外務省時代  
  3.自民党の代議士秘書時代 3
  4.地方議員として 4
    (1)柏市議会の姿  
    (2)住民運動  
  5.メリーランド州の地方議会、ニューイングランドの直接民主主義 7
 
第 1−2 章  本論文で取り扱うテーマの整理及び本論文の手法について 14
  1.本論文の第1のテーマ「日本では民意による統治が行われているか」 15
  2.本論文の第2のテーマ「最適民主主義とは何か」 16
  3.本論文の手法 19
 
第 2 部  外観(官主導)と内実(強い民意)の異なる日本の民主主義
第 2 章  日本で官僚が政治家よりも高い評価を受ける背景 26
  1.日本官僚制の戦前・戦後連続論 27
  2.日本型官主導システムに対する評価の逆転 28
  3.レビジョニズムの日本社会観、日本史観 29
    (1)霞ヶ関を震撼させたウォルフレンの著作  
    (2)ウォルフレンは彼の嫌う日本文化特殊論にたどりつく  
  4.議員対官僚:その信頼性と役割についての市民の理解 33
    (1)世論調査に見る自治体の首長信頼と議員不信  
    (2)議員の職責に対する市民の理解  
 
  (2)議員の職責に対する市民の理解
第 3 章  民主主義の今日的状況である多元主義の功罪 42
  1.世界的な傾向としての議員のアマチュア化とテクノクラートの台頭 43
    (1)議員と官僚の学歴ギャップ  
    (2)地方議員報酬と議員の専業・兼業  
    (3)第一級の人物が政治を志さなくなった理由  
  2.民主主義の多元主義化と政治の質の低下 47
  3.レビジョニズムの日本政治観に対する反論 50
    (1)増えている官僚OBによる官僚制批判  
    (2)選挙結果は政策決定に甚大な影響を与えている  
    (3)規制の裏にも民意がある  
  4.多元主義の功罪 55
 
第 4 章  国政における政治の優位 60
  1.高級官僚の政策決定における役割と影響力のインタビュー調査 61
    (1)政策決定に影響力のあるもの  
    (2)官僚の影響力  
    (3)国会審議の影響力  
    (4)行政の役割  
    (5)経済成長への貢献  
  2.合理的選択理論が見る自民党長期安定政権の構図 67
    (1)合理的選択理論の考え方  
    (2)自民党政権の統治におけるプリンシパル・エージェント関係  
      (ア)有権者と自民党議員  
        (一)自民党長期政権の鍵は予算の裁量的配分  
        (二)自民党長期政権下で静かに進行した地殻変動  
          (a)都市化の進展  
          (b)外圧と自民党の選挙運動を担う階層  
      (イ)自民党の一般議員と党幹部  
      (ウ)自民党幹部と行政官僚  
        (一)いずれがプリンシパルか?  
        (二)自民党が官僚をコントロールする手段  
      (エ)自民党幹部と司法府  
  3.「政治の優位」への但し書き 80
    1997年中央行革会議答申に対する建設省の反乱  
  4.合理的選択理論への但し書き 82
    (1)大都市圏の有権者の投票行動  
    (2)自民党政権を長期化させた冷戦の影  
    (3)政治家と良心  
 
第 5 章  地方自治体の政策決定における官僚と民意 92
  1.地方議員と自治体官僚 93
    (1)自治体の権限範囲が議会の性格を決める  
    (2)議会の最適定数  
    (3)議員と行政公務員  
    (4)自治体間の権限関係  
    (5)否めない日本の保守系地方議員の消極性  
      (ア) 保守系議員自身がもつ官尊民卑意識  
      (イ) 首長与党になるメリットは精神的なもの  
  2.日本の地方自治における民意の表出 101
    (1)制度内での民意の表出(議会の活動)  
      (ア)審議時間  
      (イ)立法行為  
      (ウ)アメリカの議会にはない一般質問  
    (2)制度外の民意の表出 105
      (ア)住民運動  
      (イ)住民投票  
        (一)新潟県巻町の住民投票  
        (二)岐阜県御嵩町の住民投票  
        (三)名望家政治の衰退と復活  
      (ウ)市民参加  
 
第 6 章  日本は十分市民社会である 122
  1.日本型システムに対する日本人の自信喪失 123
  2.レビジョニストの市民及び市民社会の定義 126
    (1)市民の定義  
    (2)市民社会の定義  
  3.日本人ははたして不幸な国民であったか? 128
    (1)ライフ・スタイル、生活、仕事の満足度  
    (2)生活の豊かさ実感、政治に対する満足度  
    (3)大切なもの、誇れるもの  
  4.日本人も「市民」の要件を満たしている 132
    (1)万国に共通するオーナー・サラリーマンの心情  
    (2)日本にもあるアカウンタビリティーの追求  
 
第 3 部 最適民主主義を考える
第 6−2 章  古典的民主主義観の修正 138
  1.理念型民主主義の開花は例外的事象 139
  2.理念型民主主義の成立条件(建国当初のアメリカ) 142
  3.明治日本と建国当初のアメリカに庶民の思想面で共通するもの 147
    (1) 民主主義と愛国心  
    (2) 土俗的宗教と国家価値的道徳  
  4.民主主義は理念かメソッドか 150
    (1)「人民による統治」は民主主義だけのものか  
    (2)「門戸の均等開放」と「人民による統治」のギャップ  
    (3) 民主主義はメソッドである  
    (4) 民主主義の理念は為政者の器量を高めるか  
 
第 7 章  民主主義を民意の暴走から守るセーフ・ガード 165
    1.トクビルの指摘する民主主義の本質的問題点 166
    2.建国当初のアメリカにあった民主主義を 民意の暴走から守るセーフ・ガード 168
    3.セーフ・ガードを意図した制度改革の例 170
      (1)ド・ゴールの第5共和制  
      (2)アメリカの連邦制  
      (3)日伊の選挙制度改革  
      (4)1985年財政均衡法(グラム・ラドマン法)  
    4.平等主義に対する懐疑に由来するセーフ・ガードの提唱 176
      (1)シュンペーターの民主主議論  
      (2)ハイエクの近代民主主義史観  
        (ア)制限された政府のみが高潔な政府  
        (イ)法の支配の崩壊  
      (3)ハイエクの主張するセーフ・ガード  
        (ア)「立法」と「行政」に応じた二院制  
        (イ)被選挙資格が質的に異なる二院制  
        (ウ)「立法」の具体的内容  
        (エ)ハイエクの合衆国憲法の理解  
        (オ)有限な人知と消極的な民主主義  
 
第 8 章  民衆「この不可解なもの」を問いつめる 197
  1.私もハイエクと類似した構想を23歳のときに抱いた 198
  2.歴史的な民主主義不信はアナーキーへの不安 200
  3.アナーキーの不安にとって代わった先進国の政治腐敗 203
  4.平等原則への疑問とそれに基づくルールの修正 205
  5.「大衆は賢にして愚、愚にして賢」(椎名悦三郎)なるも、 大衆は頼むに足る 208
  6.政治家のリーダーシップしか民主主義を生かし得ない 212
 

補 遺   現代日本人が自治体の首長に抱く感情と徳川期の日本人が藩主に抱いた感情の類似点

218

 

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