釜石の市街地を一望できる場所は、県道大渡線の高台にあります。釜石駅、三陸鉄道、東西を結ぶ新しい大渡橋、釜石湾、遠くに大観音、右側に製鉄所の工場群など、眼下に繰り広げられる様々な光景は、昔と余り変わることなく現在に至っています。数基の高炉と大小の煙突が並んでいた頃の経済活動が盛んな時代から、長い間釜石市民に数々のドラマと、経験を残してきた思い出深い市街地の原風景です。
釜石市は、過去において津波により甚大な被害を受けてきました。この津波災害から市民の尊い生命や財産を守るために、建設された「釜石港湾口防波堤」は、最深部-63m、湾内静穏水域約1000haを誇る世界最大級の防波堤です。最先端の津波研究状況と世界に誇るこの建造物を視察するために数多くの人が訪れるなど、釜石の新たなスポットとなっており、観光船はまゆりのクルージングでその威容を間近に見ることができます。
三陸海岸中央部の太平洋に突き出た御箱崎半島の根元、約2kmに広がる白砂青松の海岸で、四季折々の草花が楽しめる県内有数の海水浴場です。フィッシャリーナ、芝生の公園があり、平成20年には、キャンプ場施設にコテージやオートキャンプ場が増設され、グリーン・ツーリズム体験施設も充実されました。春の朝焼け、夏の夕暮れ、秋の海岸線の紅葉、冬の浜辺の心地よさを満喫できる自然空間が、訪れる人を惹きつけます。楽しみ、学べる、遊べる田舎と都市部の交流拠点となっています。
当市の北西部に広がる、標高約800mの高原で、雄大な原野や牧場、渓谷などの風景を楽しめます。高原には県内一のシナノキの巨木もあり、「スリーグリーンライン」の道を辿りながら、自然と遊べる場所です。平成16年には、貞任〜新山高原に跨る計43基の風力発電施設、釜石広域ウィンドファームが操業開始しましたが、科学技術と自然環境の保護が調和した、すばらしい景観です。
「仙人峠」は、釜石街道の最大の難所として知られています。仙人峠の名前の由来は、仙人が住んでいたなどの説があり、古くから海岸部と内陸部を結ぶ最短の道として利用されてきました。平成18年3月にに完成した、峠の南側を長いトンネルで抜ける「新仙人峠道路」との国道周遊ルートは、峠道の美しい四季を満喫させ、特にも、新緑と紅葉が人々の目を楽しませてくれます。
昭和45年4月に施主明峰山石応禅寺によって建立された、高さ48.5mの魚藍観音像で、制作者は、日展審査員の長谷川昂氏です。「魚藍を下げた美女が、お経を教えた」と云う故事による海の観音ですが、慈悲をたたえた温和な顔は、平和と繁栄を象徴し、釜石湾を見下ろしています。隣りは、お釈迦様の遺骨をまつる白亜の殿堂・仏舎利塔です。後方の高台には、鉄のまち釜石のシンボル「鉄の歴史館」等があり、一帯が景勝地となっています。
和山高原
根浜海岸
仙人峠
大渡橋付近市街地原風景
釜石港湾口防波堤
釜石大観音
新釜石八景制定
御箱崎千畳敷
五葉山
釜石市の箱崎半島先端部にある御箱崎は、箱崎白浜から車と徒歩で約1時間半かかりますが、広大な千畳敷や岩礁、入り江などが広がり、大自然の海岸美を堪能させてくれます。外洋に面しているので、海の色もひときわ美しく、荒れたときには大きな波しぶきに圧倒されます。北側には大きく広がる海、南側には切り立った断崖や島々、国の天然記念物に指定されている三貫島なども良く見えます。御箱崎は、手付かずの自然が残る雄大な海岸です。
釜石市の西南にある五葉山は、標高が1,351m。「花の百名山」にも選ばれていて、春はツツジ、初夏にはシャクナゲが咲き誇り、登山愛好者や市民からも広く愛されています。自然が豊かでブナ、ミズナラ、ダケカンバなどの広葉樹や、ヒノキ、コメツガなどの針葉樹の原生林はすばらしく、また、ホンシュウジカなども多く生息しており、イヌワシなども飛来します。市内から見える秋の夕焼けや、青空に映える雪の五葉は、特に美しいです。