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「みやこ型住宅」地域の風土に見合った家

2020-01-23

2 006.jpg日本の山にはいま、人工林を中心に有り余るほどの木が育っているにもかかわらず、山から出材することができずに、山が荒れる一方となっています。そうした現状とは裏腹に、木材の輸入量は、国内総需要量の80%を占め、多くが木材業界を経由せずに直接大手の住宅会社に納入されるようになっています。

阪神大震災を契機に、木造住宅は、燃える、腐る、狂う、耐震性がない、それでいて高いというイメージが強くなりました。しかし、鉄筋コンクリートのビルは50年を超えればスラムに近づきますが、木造の建築物は数百年経ても健在です。

山の事情から考えても、これから主伐期に向かう人工林を生かし、伐採後の山を針葉樹の植林だけでなく計画的な再生をはかることで、自然を育て、環境を整えることにつながります。

山の木が住宅の材料として使えるようになるまでには、山の手入れに始まり、伐採後の材の乾燥、製材、組み立てなど数え切れないほどの工程で、多くの人の手がかけられます。無垢の木の床や柱に触れた時の温もりは、自然の温もりと同時に、人の手の温もりでもあるのです。

高断熱・高気密住宅においても、先人から継承されたこうした知恵と工夫とシステムは、未来に向けて生かされ伝えられるべきだと私たちは考えます。木の復権なくして、地域の林業・木材・地場産業の復興はありません。木の家づくりで、改めてこの地に根づいてきた木の文化、住の文化を考え直すきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。

宮古・下閉伊モノづくりネットワーク林産部会では、地域材利用の推進のために、設定基準に適合する住宅を「みやこ型住宅」として認定する活動を行っています。具体的には、内外装に80%以上の地元木材(JAS適合乾燥材)を使用し、省エネルギーはもちろん、基礎・床下の防湿・軸組構造材の乾燥材使用及び、有害物質の少ない空気環境などにも配慮された住宅をいいます。

これまでに建てられたモニター住宅では、気密測定、有害物質測定などで良好なデータを示し、地域材を使用した住宅と一般に建築されている住宅(外材・県内外産材使用)の使用木材費の差額を比較検討した結果でも、木材費の差額はごくわずかとの結果が出ています。山での立ち木伐採を体験し、製材所での木材加工を見学するツアーを実践するなど、地域の山や職人の技術にじかにふれる機会を数多く設けるなどの活動も行っています。

これまで、私たちが手掛けた「みやこ型住宅」は6棟(2006年12月現在)。今後は新築のみならず、リフォームや断熱改修工事においても、できるだけ地元の木材を使用し、地域振興の一端を担っていきたいと考えています。