輪王寺宮御門跡歴代一覧
代数 | 僧侶名 | 降誕年(上段) 薨去年(下段) |
実父 養父 |
東叡山寛永寺開山 | 慈眼大師天海大僧正 | 天文5(1536)年 寛永20(1646)年 |
不明 |
東叡山寛永寺2世 | 久遠寿院准三宮公海大僧正 | 慶長12(1607)年 元禄8(1695)年 |
花山院忠長 |
東叡山寛永寺3世 輪王寺宮御門跡第1世 天台座主第179世 |
後水尾天皇皇子 本照院宮前天台座主一品守澄入道親王 |
寛永11(1634)年 延宝8(1680)年 |
後水尾天皇 |
東叡山寛永寺4世 輪王寺宮御門跡第2世 |
後西天皇皇子 解脱院宮一品天真入道親王 |
寛文4(1664)年 元禄3(1690)年 |
後西天皇 |
東叡山寛永寺5世 輪王寺宮御門跡第3世 天台座主第188世 同190世 |
後西天皇皇子 大明院宮前天台座主准三宮一品公辨入道親王 |
寛文9(1669)年 正徳6(1716)年 |
後西天皇 |
東叡山寛永寺6世 輪王寺宮御門跡第4世 天台座主第196世 同199世 |
東山天皇皇子 崇保院宮前天台座主准三宮一品公寛入道親王 |
元禄10(1697)年 元文3(1738)年 |
東山天皇 |
東叡山寛永寺7世 輪王寺宮御門跡第5世 天台座主第203世 |
中御門天皇皇子 随自意院宮前天台座主准三宮一品公遵入道親王 |
享保7(1722)年 天明8(1788)年 |
中御門天皇 |
東叡山寛永寺8世 輪王寺宮御門跡第6世 天台座主第208世 |
東山天皇皇孫 最上乗院宮前天台座主一品公啓入道親王 |
享保18(1733)年 明和9(1772)年 |
閑院宮直仁親王 中御門天皇 |
東叡山寛永寺法嗣 輪王寺宮御門跡法嗣 |
東山天皇皇曾孫 清浄信院宮贈一品公璋入道親王 (公啓入道親王法嗣・公遵入道親王嫡嗣) |
宝暦10(1760)年 安永5(1776)年 |
慶光天皇 (閑院宮典仁親王) 中御門天皇 |
東叡山寛永寺9世 輪王寺宮御門跡第7世 天台座主206世 |
中御門天皇皇子 随宜楽院宮前天台座主准三宮一品公遵入道親王 (重任) |
享保7(1722)年 天明8(1788)年 |
中御門天皇 |
東叡山寛永寺10世 輪王寺宮御門跡第8世 天台座主213世 |
東山天皇皇曾孫 安楽心院宮前天台座主一品公延入道親王 |
宝暦12(1762)年 享和3(1803)年 |
慶光天皇 (閑院宮典仁親王) 中御門天皇 |
東叡山寛永寺11世 輪王寺宮御門跡第9世 天台座主216世 |
後伏見天皇十九世皇孫 歓喜心院宮前天台座主一品公澄法親王 |
安永5(1776)年 文政11(1828)年 |
伏見宮邦頼親王 桃園天皇 |
東叡山寛永寺12世 輪王寺宮御門跡第10世 天台座主219世同221世 同226世 |
霊元天皇皇曾孫 自在心宮院前天台座主准三宮一品舜仁入道親王 (公猷入道親王) |
寛政元(1789)年 天保14(1843)年 |
有栖川宮織仁親王 光格天皇 |
東叡山寛永寺13世 輪王寺宮御門跡第11世 |
霊元天皇皇玄孫 普賢行院宮一品公紹入道親王 |
文化12(1815)年 弘化3(1846)年 |
有栖川宮韶仁親王 光格天皇 |
東叡山寛永寺14世 輪王寺宮御門跡第12世 天台座主第230世 |
霊元天皇皇玄孫 大楽王院前天台座主准三宮一品慈性入道親王 |
文化10(1813)年 慶応3(1867)年 |
有栖川宮韶仁親王 光格天皇 |
東叡山寛永寺15世 輪王寺宮御門跡第13世 |
後伏見天皇十九世皇孫 鎮護王院一品公現入道親王 (のちの北白川宮能久親王殿下) |
弘化4(1847)年 明治28(1895)年 |
伏見宮邦家親王 仁孝天皇 |
![]() 輪王寺宮御門跡は、幕府が関東に創設した門跡寺院で、天台宗門の宗学統制、山門住持の任命権等の権限を掌握、さらに天台座主いわゆる上方門跡(妙法院、青蓮院、梶井等)に優越する位置とされました。 さらに、輪王寺宮御門跡は、世襲制ではありませんが、「輪王寺宮」という宮家のひとつとされ、身分は僧侶でありながら皇族でした。 そのため、坊官と院家という側近が常におそばについておりました。 坊官は、宮家にお仕えするという意味合いから、僧侶ではなく、「士」とされています。 院家は、御門跡にお仕えするという意味合いから、僧侶とされています。 ![]() 院室号とは院家となることを意味します。ここでは輪王寺御門跡宮の院家を意味します。 院室号には東叡山三十六坊にはない子院称号で、御門跡や執当が選んだ特定子院の住職に授けられた院号です。ふつう○○院と称しています 院室号を授けられた住職は、自分の寺院名を名乗らず、この院室号を用います。 紀州和歌山徳川家の菩提寺である長保寺や因州池田家(松平因幡守家)の菩提寺である大雲院、そして伊予松山藩松平隠岐守家の菩提寺である常信寺などに、この院室号が授けられています。 院室号には、「円覚院」「覚王院」「信解院」「恵恩院」「護法院」「尊重院」「双厳院」「霊山院」「檀那院」「真覚院」などがありました。これらを「院家兼帯」といいます。 この制度(院家兼帯)は明治3(1871)年の太政官布告第287号により、廃止されました。同時に御所号や門跡号の称号も廃止されています。 |