●● 霊牌・位牌●●

いわゆる大本山や総本山など寺格を備えた大寺院には、さまざまな霊牌(位牌)が祀られています。
ここでは、これらの位牌についてまとめてみました。

【今上牌】(きんじょうはい)
 今上天皇すなわち天皇陛下の健康と長寿、国家の安泰、世界平和(これらを宝祖無窮という)を祈願するもので、いわゆる私たちの位牌とは性格が異なり、死者の供養をするためのものではありません。ご本尊の前に安置され、たとえば「今上皇帝宝祖無窮」と書かれています。中国の宋代には、皇帝の健康を長寿を祈るために、「皇帝牌」が禅宗寺院にまつられ、これがわが国に伝わったといわれています。

【天皇牌・天牌】(てんのうはい・てんぱい)
 わが国のある天皇の供養のために祀られている霊牌を「天皇牌」「天牌」といいます。尊んで「御尊牌(ごそんぱい)」とも呼びます。
 たとえば、昭和天皇や香淳天皇の霊牌ならば、それぞれ「昭和天皇」「香淳皇后」と書かれています(京都大覚寺)。ただし、平安時代中期の第63代冷泉天皇(「冷泉院」)から、江戸時代後期の第118代後桃園天皇(「後桃園院」)までは、「○○天皇」とはされず「○○院」と書かれています。

※「天皇号と院号」
 平安時代中期の第63代冷泉天皇(「冷泉院」)から、江戸時代後期のに第118代後桃園天皇(「後桃園院」)までは、「○○天皇」と諡号されたり追号されたりしませんでした。その期間の歴代天皇は、「○○+院」と諡されたのです。したがって、この期間の天皇の霊牌には、「○○院」と書かれています。江戸時代後期の119代光格天皇より、ふたたび「○○天皇」と贈られるようになりました。