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プロフィール

名  前 ................. 尾蟹 志江
  居住地   神    戸
  性 別          男        
   
 生甲斐  美人画を描き続けること。
  望み  絵を続けることのできる環境が終生続くこと。



油絵(フェルメールの模写・F8)

雑感

便利なものができたものである。世渡りの下手な者が時間を潰すのにうてつけなこの空間
 平成17年12月18日
 久しぶりに本の虜になった、といっても難しい本ではなく浅田j次郎の壬生義士伝である。貧しい下級武士が妻子を養うため、守銭奴となり他人の価値観を気にせず、ただひたすら生き物の本筋である子孫の存続のために、金を南部の妻子に仕送りする話である。
 時代は幕末、登場人物は動乱の中で生死をかけて浮世の矛盾を呑み込みながら、そのとき、そのときの出来事をそれぞれの生い立ちによって理解し、自らの価値観にすがりながら生きていく人間。その姿がとても爽やかにえがかれており、また、主人公の人生観にうたれた。作者が作った部分が多いのであろうが歴史上の人物だけに読み応えがあった。最後の手紙は小説の登場人物が本物かと錯覚させるトリックがあって面白かった。新選組隊士が生きるために入隊し、そこで、大きな流れに立ち向かうために、多くの隊士がなくなく、武士として自らの腹を切り、殺されていった。その苦痛を見て子母澤寛は主人公を切腹させたのだろう、そうしてみればこの小説で作者がこのように書いたのは当然と思う。子母澤寛が新選組を書いたのは戊辰戦争後60年、浅田次郎がこのこの小説を書いたのが、敗戦後60年、読む人に厳しかった時代を甘くせつなく感じさせる余裕ができたのかもしれない。
 
平成19年4月16日

 ◎ 俳句

題名 梨
 白い花 咲いて6日で なしの花

題名 春
 若葉摘む 妻の笑顔に 春を知る

題名 風
 木々立ちて 風吹く中に 散る落葉

題名 余暇
 ガラクタを 集めてみれば この詩かな

題名 忍耐
 貧乏も 乗り越えてきたか この冬も

題名 故郷
 夢に見る 田舎の垣根 今も蒼

題名プラタナス
 プラタナス 紫の絵に 変わる秋

題名六甲山
 六甲山 色鮮やかに 秋の山

 題名 老い
 ぼろぼろに 成りつつ走る 秋のカゼ

 題名 感覚
 今の人 空腹感は 食う福感

 題名 鮭
 大海を 見た鮭ここに 朽ち果てる

 題名 夢
 過ぎた日の 思いは霞む 夢の中
 
   題名 勇気
 坂道を 乳飲み子乗せて 行くバイク

 題名 競馬
 馬が行く ウン舞い上げて 桜花賞

 幸運 
 駿馬行く バケン送られ 初発走

 題名 美人
 美人行く 腰のながれに 目線行く

 題名 病院
 カテ-テル 心臓つつく 今日フシン

 題名 名画
 美しき 名画にかかる 影の色

 題名 桜
 桜ちり 水に浮かびて また桜

 題名 孫
 月満ちて 秋風涼し 孫の声

 題名 手術
 胸開ける 手術受けつつ あの世見る

 題名 車椅子
 足元に 気をつけなよと 車椅子

 題名 60代
 虫喰いの ズボン直すは 60代

 題名 菊
 白菊を 咲かせて秋の 花を描く

 題名 携帯電話
 携帯が 手鏡に見える 女の子

 題名 秋の花
 面白く ないこの世へと 秋の花

 題名 秋の花
 この世をも 明るくするか 秋の花

 題名 競馬場   
 競馬場 ウン落しつつ 馬が行く

 題名 便秘
 便秘症 10日続けば 青顔

 題名 猫
 愛猫家 噛まれて痛し 右の頬

  貧乏人 休みがあって アルバイト

  非常勤 休みがあったら 常雇

 題名 愛犬
 犬抱かれ 乳飲み子代わり すまし顔

  題名 冬
 冬の川 山より出でて なお寒し

 題名 歳月 
 世の中も ビルも変わって 人惑う

 題名 母
 ぜラニュウム 明治生まれの 母が植え 冬の寒さに 耐えて赤なり

 横文字など使ったことのない母が、何度もゼラニュウムと言い、庭などない我が家の玄関前に、この花を鉢に植えた。それが何年も花をつけ続けたのには感心した。母はもう19年前に亡くなったが、私も大病をして、下向きに歩くなか、この1月の花のない時期に赤く咲く花を見た。懐かしさのなかで、この句ができた。花言葉では愛情とか健全な生活を意味することを知り、気丈な母を懐かしく思い出した。

 題名 草
 道端の 枯れゆく草も 色はあり

 題名 骨董品
 廃屋も 遠くで見れば 骨董品
 
 題名 老人
 遠き日の 日々あることも 忘れがち

 題名 音楽
 音楽の 音の流れに 春を見る

 時雨れるか 師走の昼に 音もなく 枯葉も散らず 時は流れる

 白バラが 大輪咲かす 垣根外 道行く人を 覗き見るかな

 初夏の風 窓よりは入り 窓に抜け 透けたる先に 若葉揺れるか

 サワサワと 揺れる若葉の 緑かな 蝶が舞たる 昼の一時


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