「いには」4月号 作品

 

*  村上喜代子主宰作品

      

*  蕪村忌の亀ことごとく池の底

* 砂を嚙む千鳥もあらむ九十九里

* 金柑の木に春節の赤き札

   

  *作品抄

    ・そよご集秀句

  山眠るわれは腹式呼吸して     水口 楠子

  十艘と云ふ総出なる漁始      伊奈 秀典      

  火に当り尻尾出したる狐かな    坂本 好子

  初鶏やしづかに山の立ち上がる   鈴木 喬二

  探梅のひとり一人が風となる    安川  朗

  枯れてゆくものの匂ひや日箭の中  名取 光恵

  吊るされし鮟鱇琵琶の形せる    大久保文夫

  埋火やもらひ涙を見てしまふ    坂本 茉莉

  見張り鴨なりやさみしき鴨なりや  橋 玉舟

  のつたりと紺青の海猿廻し     滝口 滋子

  七十年晒す顔初鏡         竹下喜代子     

  宝引や長寿の母を賜りぬ      剱  晃正

  待春の透くまで磨く老眼鏡     中津留正子

  人をすぐすきになる癖シクラメン  西澤 照雄

  寿(いのちなが)端座を崩す福笑ひ  平栗 瑞枝

  初声は向ひの家の矮鶏であり    松澤 美鈴

  冬山の如く若人眠りたり      三吉 郭子

  三毛猫の卑弥呼従へ日向ぼこ    伊藤 和枝

  あだし世の生き様しかと初日記   伊藤  

  冬日にも育む力ありぬべし     内野 啓之

 

  ・いには集より

 校庭の中の大樹や寒昴        城本美寿々

 初蝶となれマシュマロの六オンス   矢田  涼

 逢はぬまま戻りて来たり室の花    大槻 きみ

 また同じところで笑ひ実千両     伊東 泰子

 過去よりも短き未来晦日蕎麦     赤木 正和

 一反に鋏を入るる淑気かな      平田衣津美

 御降りの松葉の雫すきとほる     相原 自子

 免許更新初のゴールド日脚伸ぶ    吉野まつ美

 百合鷗膝を抱ふる少女像       高山 絵美

 鉢物に一部屋あけて冬籠       竹本 京子

 

   

 

 

 

    

   滝桜

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

   

 

  

 

 

 
last update 2011/0/01