2週間前に会津にいったのにまたこちら方面。前回は喜多方が最北部だったが今度はそれが手始めの最南部でその先山形の旅。米沢、山形、新庄近くから山に入って肘折温泉に一泊、二日目は酒田まで最上川沿いに下り鶴岡経由温海温泉へ、最終日は村上経由新潟から一気に帰るコース。ここ数年この時期に3連休があるので続けて行っている定番の旅ではあります。このコースは春から初夏にもいったことがありますが、山菜よりキノコの方が好きな僕のお薦めはこの時期なのです。かなり強行軍なので朝は4時ちょっと過ぎに出発、愛犬の散歩をすませてこの時間に出るとなると前日は酒を控えて暗いうちに起きることになりますが、あとの楽しみでなんのその。
いつもは東北道を会津河東で降り喜多方に向かうのですが、今回は多少早く出れたので白河で降り、西郷村から地方道を羽鳥湖のダムを通って会津西街道に湯野上の先で入り会津若松を抜けて行くことに。時間的にそんなには余計にはかからないで8時15分頃に着きました。喜多方では坂内食堂は7時から、まこと食堂は7時半から開店なのでここまで飲まず喰わずで来てラーメンで朝食というのが我々のお決まり。この時間でも地元客だけでなく結構な客が入っていて座敷の方迄客がいましたが、外で待つようなことはありませんので、昼の行列を考えたらこれが正解。ここで観光するならこのあと10時頃開店という店が多いのでその最初を狙ってもう一杯というのはどうでしょう。やっぱりまことのラーメンは旨いな。
今日の喜多方は例の如く清川蔵の太左衛門酒と蓮沼製麺(ここでも水が汲めます)の生ラーメンを買っただけで9時前には次の米沢に向かう。途中日中のパーキングで天然キノコとリンゴなどを求め峠越えで約1時間弱、市内は米沢神社近くの観光施設上杉城史苑の無料駐車場へ。ところが生憎鷹山公生誕250年祭の催しで入れず郊外に停めシャトルバスで来てくれとのこと。こちらは先を急ぐのでちょうど隣に博物館が開館したてだったのでそちらに駐車して開館記念展をみることに。かの有名な信長が謙信に送ったという洛中洛外図屏風を目玉に上杉藩の伝来品、謙信、景勝、直江兼続などに関する遺品(甲冑、刀、愛用品、手紙や文物)、書籍、曼陀羅図などの重要文化財が展示されていました。屏風は修復が済んだばかりの展示ということで、この手では今まで見た中でも一番の非常に細かな描き込みの絵がまだ金箔も鮮やか、思わぬ所で初めての出合い、これもまた旅の楽しみではないでしょうか。
上杉城史苑の売店では米沢の名産はあらかた揃っていますのでどうぞ、米沢牛のタン燻製など試食してみて下さい。女房は家族が好きなので寒河江が本店のさがえ屋の煎餅をいつも買う。ちなみに上杉祭のメインは川中島合戦で5月3日だったと思う。
10数年前は会津と米沢だけへもよく来たし山形にも何回か旅行しているので最近は今日のように目ぼしい所だけ廻って先を急ぐ旅になっているが、これまで通り過ぎるだけの場所にも蕎麦街道(なんと山形県に5箇所もある)など地元の名物を探す旅がまだ残っている。まあそれはもうちょっと歳とった先のことかな。参考までに米沢には周辺に鄙びた良い温泉がいくつかあり、白布温泉は茅葺、江戸時代の旅籠の風情が素晴らしかったし今日通り抜けたにある小野川温泉もまあまあ良かった。ちなみに山形の3古式温泉は白布、肘折、銀山ということですが、白布は昨年惜しいことに全焼して新しく古民家風に建てられた宿だけが残っているだけのようだし、今日行く肘折は鉄骨ALCで建替えられて古い木造旅館は少なくなっている。木造三階建が並び街中央を城之崎のように川が流れる銀山が温泉街の風情では現時点で一番かな。でも値段は高め、以前泊った旅館は女性風呂は家より小さいと女房はプンプン、東北の大浴場は混浴があたり前だった名残でろうけど、今はどうでしょう。
さて米沢はかの有名な米沢牛を食べさす有名店が幾つかあり、TVや雑誌で紹介されているのでどうぞ、何処も旨いがさすがにそこそこのお値段です。僕は地元の人が教えてくれた1階が肉屋のミートピアが気楽で初めてなら良いと思いますが、高級感はありません。またここは喜多方、白河と対抗するそんぴんラーメンでも有名で、専門店もありますが蕎麦屋がラーメンもよいうのが山形スタイル。可祝屋などはお薦め、この店は喜多方より醤油を抑えているが油分のコクがあるというスープでこれがまた旨い。また赤湯ラーメンで有名な龍上海の支店もあり人気のようです。もう一つ名物の鯉の甘露煮は佐久と違ってこちらでは水飴を使って表面パリッとさせています。食べ物以外ではまず上杉会館近くに牛やというバッグイ屋、初めは米沢牛の皮のバッグが中心だったが皮がしなやか過ぎて柔らかだが大型バッグが出来なかったようで、最近はテント地のバッグが多くなっています。紅花染めや織では資料館と販売所の織陣やからむしなどの古代織参考館、酒蔵では東光(以前はやや甘口だった)、骨董屋では後藤などがあり、上杉藩関連の名所以外でもその手が好きな方は訪ねてみたら良いのでは。そういえばかなり前に松園工房という時代裂のクロスなど卸す店(なにかの雑誌で主人は日本一の時代布収集家と載っていた)に行ったことがあるが、今でもあるかな。
11時過ぎには米沢を発って山形市方面へ、途中高畠町の高畠ワイナリーでこの期間にやっている収穫祭に立ち寄る。ワインの試飲から地元物産品販売や食べ物の.模擬店などのテントが並びにぎやかにぎやか。車の運転があるのでちょっぴりだけ味見、ちょうど昼時だったので大鍋で作っていた350食限定という豚肉ノワイン煮300円の予約券を頼む。以前は牛肉だったはずだが最近の狂牛病騒ぎで豚に変えたのかな。また山形のいたる所でいも煮会が行われるシーズンなので、こちらは牛肉入りながら名物は食べるべしとこれも食す。芋を野菜、コンニャク、牛肉と一緒に醤油味で煮たもので、芋といえば当然日本では古来より里芋(山芋に対して里で作ったから名付けられた)ですよ。そのあと地元シルバークラブによる蕎麦、これは田舎蕎麦をゴボウと鶏肉入りの暖かいツユをかけて食べるもので鶏の脂が効いた初めての味、かなりいけるものでした。以上で腹も満足、安上がりの昼飯になりました。
まことのラーメン
蓮沼製麺
上杉神社正面
上杉博物館
博物館内喫茶室から
高畠ワイナリー全景
試飲コーナー
模擬店テント
大鍋ワイン煮と300円のカップ
向いには観光案内所があるほか地元物産館もちかくで、霞城(今は市郷土館になっている木造洋館建物があります)や県立美術館、最上記念館も歩ける距離と言えるでしょう。これで街中を大きな川が流れていたら盛岡と同じ雰囲気を感じさせ、さらに好きな町になると思いますがこれは無いものねだりですかね。
文翔館
ブォーノ
試飲して旨かった高畠ファームのデラウェアジュースや農家直売で安かったラフランスなどをかって一時間半ほど楽しんで次は山形市内にもちょっとだけ寄道する。ここで訪れたいのは旧県庁だった文翔館、無料で見学でき、明治の建物なのに水洗便所があったことにビックリし、知事室でエラクなった気分を味わいましょう。
食べ物ではまず山田家の富貴豆、これは山形に寄ると女房は必ずクール宅急便で帰った頃届くように頼む。上品な甘さで人形町の有名店よりずっと上、近所の友人も行ったら是非とも買ってくれと頼まれてもいるのです。また蕎麦については僕が長野より上だと思う店がいくつかある。第二公園山長などはお薦め、案内書にも歴史ある老舗や有名店が幾つか紹介されているので確かめてみてください。栄屋では普通の冷し中華とはまったく違う冷しラーメンなるものがあり名物ということで食べたが、やっぱりラーメンは熱い方がいいな。冷しといえば紅花の本場河北町の冷し肉そばが旨いと浮世絵研究で小説家の高橋克彦が言っていたがこれはまだ食べていない。あとはイタリアンのブオーノや漬物屋まるはちに隣接の蔵店の和食などもわりかしいけるのでは。工芸品に関しては鋳物は盛岡と同じようなものがありますが、それ以外は物産館で見ても山形市内にはあまり目ぼしい物がありません。この点でも盛岡とは違う印象がするのかな。郊外に昔からの民芸窯が何軒か続く平清水には、肝心の焼物の方はたいしたことはありませんが、草木染の工房瓶屋があってやや高めながらスカーフなどの良い染物が買えます。酒は市内の蔵元では羽州男山(男山なる銘柄は各地にあり辛口で共通するが僕はここのが好み、また辛口では鬼殺しというのも全国にあるが島田の若竹鬼殺しは吟醸造りでさらにアルコール度が高くして味わいを出していて一番だと思います)というのがあって、デパート駐車した時は必ず買うが、今回は先を急いで13号に出る方向にあるビッグウィングへ向かう。昨年この時期に森林祭をやっていたので今年も行ってみれば今回は来週とのこと、残念でした。
肘折全景
手前で見た夕景
この山から谷あいに降りて温泉というロケーションはおおいのですが、ここ肘折はなんと阿蘇と同じカルデラ地形なんだそうです。なお地図では寒河江から北上する道も載ってはいますが、こちらは一回通ったけれどかなり細いクネクネ山道で、時間は逆に掛かってしまうので止めた方が無難です。ただしサクランボで有名な寒河江にはチェリーランドなる道の駅があり、ここの右手奥の方にある市営施設内のゴマ味アイスクリームは美味しいですよ。さらに時間があれば山形から旧街道の方を行けば天童に出羽桜の蔵元があって代々の主人が集めた工芸品などの展示室'有料)を持ち、5月に訪ねた時にはそれこそ桜をテーマにした着物、塗り、陶磁器などの見事な数々が見られました。
元河原湯
少なくなった木造の3階建旅館
肘折温泉には共同湯のほかに二つの大型公衆温泉があるが、その一つカルデラ温泉は唯一飲める炭酸泉、それも天然のサイダー水で泡がプチプチと口の中ではぜる不思議な味、、着いてすぐに旅館で割引券をもらって入る。風呂はこの冷鉱泉ともう一つの肘折共通の温泉を混ぜたもの、季節で温度変化があるそうだが、直接源泉を流し込んで丁度頃合の良い湯加減にしている。
肘折で唯一飲める温泉は冷たい炭酸泉で胃腸に良い
今日泊まる元河原湯は主人が料理人で僕が好きなのはこういう宿、明日の桂屋もそうだし、飛騨高山で泊まった山貴もそうだった。建物はここも鉄骨ALCだが、最初来た時からは古い木造側を綺麗に改装して玄関や宴会場を移し、広間には囲炉裏風食事テーブルを設えるとか、さらにサービスを工夫加え続けたり、季節ごとの通信を郵送してくるなど努力していることがよく分かって贔屓にしているのです。山形新幹線が延びて新庄まで送迎サービスもするらしく、最近ともに老人倶楽部の客が多くなり、各広間での食事中に隣でカラオケなんていうのにぶつかるかもしれませんが、最近の老人は元気だな、さすが長寿国と我々夫婦は気にしません。今回は地元中学同窓会(地元出身者達が選んでいるのはやっぱり評判がいいからだな)とかで同じ齢格好のグループの宴会があり、僕ら二人は窓側に設けられたカウンター席でライトアップされた外の木々を見ながらの食事でした。食事はけっして高級な素材を使うわけではありませんが山の幸を中心に地元料理を上手にアレンジして美味しいものにしています。10月上旬でも今年は秋が早くてほとんどのキノコが出ているそうで、ブナカノコ、トビタケ、ワカタケなどなど、ナネコ以外は皆さんも知らないでしょう。それらのキノコ料理とここらの名物カスベ(エイのヒレ)の煮付、カンパチとタイのお造り(酒田から入る魚)、ズンダ(枝豆を摺潰したもの)や厚焼玉子、アケビなどの前菜盛、しゃぶしゃぶ、鮎塩焼(目の前の川は鮎は登ってこれない距離とか、でもこの鮎は小振ながら中まで香ばしく美味しい)と栗、手打蕎麦、蕎麦豆腐の揚げだし(これは今回が初めてで新しい工夫が嬉しい)、お澄まし、御飯、フルーツと温かいものは見計らって供され、もう腹一杯。残った御飯はおにぎりで夜食にと言ってくれましたがもう万歳降参でした。
休日前12500円でこの料理は満足のいくものでしょう。食事中は女将ではなく前々から居るぽってり丸顔で元気の良い若いお姉ちゃんが一人で全体を取り仕切っていました。川を見下ろす5階にある展望温泉はナトリウム塩化物炭酸水素塩泉で泉質が濃く、多少鉄分臭さがあって、赤茶がかった感じというか明るい所では黄金色に見えます。やや熱めなので長く浸かっていることは出来ず、立ち上がって外を眺め一休みしてまた浸かるのを繰り返す。
朝市風景
この季節もう結構冷えるんで旅館に帰って朝風呂、もう一回布団の中でゴロゴロして朝食を待つ。朝飯は普通のものですが田舎豆腐が美味しい味噌汁は鍋で碗に5〜6杯分もあり、薄い味付でお代りできるようにしてあり全部平らげてしまった。出発前に玄関先迄引いてある山の水を持参のペットボトルに汲んで持ち帰ることに、部屋のポットのお湯もこの水を使っています。この旅館は冬場は一週間逗留一泊三食5000/日などというのもやっていて、雪道に慣れない我々は新庄まで送迎もしてくれるそうですから年とったら山形新幹線で行こうかな。
朝食
栃の井から引いた天然水
9時半には最上川沿いの国道に向かって北上、途中には大きな蕎麦畑があって花が咲いている時期は山をバックに見事な眺めです。元河原湯も今年から自家栽培を始めたそうで今後の蕎麦料理が楽しみになってきました。大蔵村の中心部には東北一古い蔵元花羽陽があるほか、山野草が好きなら茅葺あばら屋のような肥料の看板のある家の脇から庭側に入ると植込仕立の鉢を一杯並べる店がその近くの向い側にあり、ここは安いですよ。これより手前、田畑の中の道を入った所にメーテールというTVにでたプロヴァンス料理の店があるそうだが昼まで居るなら予約しておくのも面白いかも。花羽陽で聞いたら道を教えてくれたがわしらはそんなハイカラなものは食べないそうだ。国道47号にでれば西へ一本道、最上川の涛々とした流れが見られる道が続く。途中まだ立寄ったことは無いが戸沢町には韓国をテーマにした道の駅、清河八郎記念館、さらに先には最上川下り乗降船所などがある、酒田の手前余目は和辛しが日本一とのこと。
蕎麦畑
最上川を車中から
戸沢村の道の駅から
酒田は北前船の中継と庄内の物産の積出港として栄えた町(船箪笥を作る店が1軒だけ残っているのを見かけましたが高いでしょうね)、大火で多くを失ってしまったそうだが、往時の繁栄を偲ばせる建物などがまだ幾つか残されている。ここに着いて僕がいつもまず行くのが山居倉庫で11時過ぎに到着。庄内米歴史資料館があるほか、黒塗りの木造米蔵が何棟か連なり、昔の舟運で運ばれた様子を保存、西側に西日を避けるために並んで植えられたケヤキの大木の景観は見事なものです。ここには農協がやっている物産販売所があって、天然乾燥のはえぬき、ササニシキ、どまんなかなどの銘柄米を売っていて、味と値段では魚沼産コシヒカリよりお買い得かな、あとは塩昆布や岩海苔などの海産物も置いてあって美味しいと思います。ただ天日干しの新米はこの時期はまだ干している最中、20日過ぎからということで買えず仕舞い、人工乾燥なら中心部にある物産館(その後こちらが整備されて移ってきました)の方がやや安くかえますから念のため。
山居倉庫
ほかの見所は例の本間さまの邸宅や美術館、鐙屋旧宅など、日和山は海を眺める場所、また鶴岡へ海側から最上川を渡った公園内にある土門拳記念館は素晴らしい写真の数々を期間毎に交換展示しています。今回のテーマ展示は婦人公論で2年間表紙になった美女と古寺の写真でしたが今ではこんな企画はできないでしょうね。建物自体も賞を貰っていて、この一週間前に渡ってきたという鴨が一面を覆い尽くす池越しに望む景色も楽しんで下さい。
流 政之の作庭
土門 拳記念館と前庭の水鳥
昼は元河原湯の主人に教えてもらったフランス料理の欅へ。商工会館の地下にあって1階は物産館(工芸品などの物産から庄内米や平田牧場の三元豚も買える---その後山居倉庫の方に観光施設らしくなって移転)、この店のオーナーは東北で指折りのシェフ太田政宏、駅に近い東急ホテルのル・ポットフーもやっているがこちらの方が安いのです。ランチは夜と共通のメニューもありますが、やはり昼はサービスメニューがあって本当に安いカジュアルランチから中間的で適当なセットコースが用意されています。女房はエビのガレット、クレープ料理、パン、デザート盛合、デミタスコーヒーの2000円、僕はエビ味噌のスープ、ヒレステーキ、パン、コーヒーの1800円。女房は料理は勿論のこと、この店の自家製パンが美味しい、デザートもいろいろ食べられてとご機嫌なのです。
欅でのランチ
駐車券を呉れるので隣の駐車場ビルに車を停めましょう、ここは清水デパートとも提携しており、デパートには庄内名産コーナーの清川屋があるので味見しながらお土産を探すのも良いのでは。実はデパート内なのにそこいらの土産物屋より同じものが安くなっているのです。魚屋も専門業者が出店しているようですが、まだ先の旅行があるので残念ですが買うことは出来ません。最近は酒田ラーメンが東京にも進出していますが、その三日月軒や満月、来々軒などどれも煮干でとった出汁で、ややしょっぱめの味の強い醤油ラーメンです。あとは寿司ではこい勢で食べたことがありますが郷土料理どんがら汁(タラ一匹丸ごと使う鍋)など食べさせる割烹さわぐちは日祝休みのようで残念ながらまだ食していません。
次は8号で庄内藩の中心城下町鶴岡に向かう。ここは文化の香り高い町で旧城址は公園になっていて付近には荘内神社大寶館、鶴岡カトリック教会天主堂(ステンドグラスが美しい木造ゴシック風建築)、到道博物館などの擬洋風木造建築があり、旧藩校の古建築到道館とともに一見の価値があります。
この町で食事はここでとったことはありませんが、今回は新しく出来た慶応大学生命先端科学研究所の裏側、学生寮との間にある池に臨んだ雰囲気の良いカフェ(レストハウス)で一休みしました。
鶴岡で御土産を探すなら市役所前に観光物産館があり、大概のものはありますから手っ取り早いと思います。栃の実かりんとうや魚形クッキー庄内焼などがお薦め、まただだっちゃ豆を使ったアイスなども販売しています。だだっちゃ豆といえば鶴岡でも西にある大山近郊の白山だだっちゃが最高で、8月のお盆に来た時に農協大山支所で買いましたが行列が出来ていて早めに行かないと売切れるそうです。確かに枝豆の王様(だだっちゃとはお父さんに意味)で香りが強く、最近は東京にも出荷販売されていますが朝採りをその日に食べるのが一番、次善にと背の高い根付きのものを新聞紙で包み、水を含ませ持帰りましたっけ。大山には僕が漬物では一番好きな本長の本店があり、工場見学できるようになっています。秋口から収穫され漬込まれる温海カブは今日泊まる町の山あいで今でも焼畑で作っているのが日本一旨いカブと言われ、この店で甘酢漬されたものは本物で保冷して持帰る必要がありますが是非(夏場は品切でありません、またこの時期は走りでスライスしたものを漬けています)買って下さい。僕は車に必ずアイスボックスと保冷パック(たいがいは途中の旅館の冷蔵庫でも冷せますしペットボトルに湧き水を汲めば代用になります)を積んで旅に出ます。この店は昔は蔵元だったとかで、今でも粕漬が自慢とのことですが、僕はこれも幻の藤沢大根の甘酢漬やみじんこという醤油漬、ほかには柴漬風のものが好きです。庄内の折々の産物とセットの宅配PRが家に送られてきますがだだっちゃ豆セットも8月後半には毎年やっているようですが、これはお中元には間に合いませんね。
本長 本店
さらにここは蔵元が4つあり出羽ノ雪など見学できますが、買うなら栄光富士が僕のお薦めです
日本海の夕景
さてここでの定宿は桂屋で浮気は一切なし、料理自慢の古くからの木造三階建旅館で今は二代目夫婦となっている。8号を通りがかった折にどんな温泉街か見に入り、地元での評判はと2、3軒の土産屋で聞いてその後の旅行で行ってみたのが最初。2回目、3回目と行く毎に特別料理メニューになっているらしいものが一品ずつ加わりこれが旨い、次回もこれを出していうようになって、その後年に2回行くようになった。最初の頃は大繁盛というような様子ではなかったが、隣にあった旅館が廃業してビルを取壊したら川を挟んだ超有名旅館萬国屋と向かい合ってよく見えるようになり客が増えた由。一度泊まればこの料理内容、休前日は満室の繁盛は頷けます。一昨年には改装して全部屋トイレ付になりました。
手前桂屋
奥は川向うに萬国屋
料理は海の幸中心でシーズンにより多少魚種が変るが、ウニ焼(ユリ根が入った茶碗蒸に焼をいれたウニをトッピング)やガサエビのミソスープなどここのオリジナル料理はいつも注文、また和風の中に洋か中華風の一品が入ることもあり、これに定番の魚介類の御馳走御馳走攻め、昨日の山の幸との対比で結構結構。本日の献立はウニ焼、エビミソスープ(昼の洋風よりもさらに濃厚でした)、イカ・イセエビ・タイ・アマエビ・キスのお造り、アワビ踊焼、松茸と鶏肉と銀杏のホイル焼、オコゼ唐揚、本ズワイガニ、菊花(一説に菊の御紋を食べるとは、もってのほか、と言うそうで東北ではよく出てくる)の辛し和え、香の物といつもながら美味しく戴き、最後の御飯には今回も届かず、お澄ましとフルーツのみ持ってきてもらって腹一杯でおしまい。酒は栄光富士の冷酒なまいきに決めているので部屋の冷蔵庫には予め追加して運び手間を掛けないように2本用意してもらっている。
海の幸尽しの御馳走
僕はここにきて一軒の骨董屋に必ず寄る。ここでは連添いの叔母ちゃんがおぼろ昆布を売っているがこれがなかなか旨いのでこれも一袋買う。元料理人だったが庄内人形などが好きで始めたという親父は物がもう無くなった、商売は終りだとここ数年口癖のように言う。でも毎年冬が仕入時期で春が最も品物豊富、今回は秋で品数はと見ると山葡萄、胡桃の皮や科などで編んだ籠が並んで掛けられていたのが目に付いた。この前会津で7000円で目の前の胡桃の籠と同じようなものが買ったのでその話をするとこれは外側の表皮を残したもの、それを取ったのがこちら、7000円なら安いよと。花入れにと山葡萄の珍しい籠23000円を買って、ついでに夏軽井沢で購入した土人形を観てもらったら即座に庄内人形、でもこれより古いのはこれと取り出した人形、頭の髪の毛に本物を使ってやや不気味な感じ、これをサービスで貰ってしまった。今までかなりの陶磁器類や土人形などをここで買ったが各地を廻って骨董屋漁りをしているうちではどこよりも安いと言える。掘出物(自分がそう思うのですが)があればつい買ってしまって奥方に怒られる。古い科織や裂織の生地なども買ったことがあるが女房は加工する暇がないとまだ活用していない。科織など暖簾にすると良いだろうね。
朝市会場
骨董屋松駒と本日の戦利品
今日も朝市から帰って風呂、ここの温泉は熱めなのに朝一番は源泉だけが夜通し出ているためさらに熱くなっていて、水道栓をいっぱいに開いてしっかりぬるくしてから入る。でも熱めでも入ってからジッとしていればかなり長く浸かっていられるのが不思議。一風呂浴びて待つことしばし、朝食はいつもほぼ決まっていてメインは焼塩鮭、これはしっかりした味があってR僕は日本橋三越の高級品に負けないものだと思う。村上が近いから鮭に拘りがあるのかな。あとは奥さんの実家で作るという野菜類のお浸し、切昆布の煮付け、イクラおろし大根、半熟玉子、御飯、昨日のイセエビ頭入り味噌汁、イカ塩辛、香の物、フルーツで食後に別注文でコーヒーが我々の決まり。旨い庄内米は誰かさんの三杯目はなんとやらではないがいつものように二杯で我慢する。
朝食
ちなみにこの料理で飲み物などを除く特別料理付きの基本料金は一部屋二人利用の休日前で15000円/人なのです。東京でこれだけ食べたら幾ら取られるでしょうかね。
鼠ケ関の海岸と灯台
途中笹川流れという海岸線の美しい眺めが見たければ標識を右折することになるが道はやや細く時間がかかるし、今日寄っていきたい朝日村の道の駅には村上に出てから戻らないといけないのでそのまま山側の国道7号を行く。この道の駅には公衆温泉まほろばの湯や物産会館、玩具の博物館があるが、我々のお目当ては週末道路沿いのテントと小屋でやっている近在農家の農産物直売。このシーズンは天然キノコなども売っている可能性が高いので特に楽しみなのです。赤いトウガラシを簾状に藁で結んだ飾り物(勿論古くなれば香辛料として使います)は一簾100円という安さは昨日の肘折朝市の半額以下、帰ってお土産として皆にあげれば喜ばれること請合い。何でも観光朝市より安いので、店開きしていたら必ず寄っていって下さい。野菜類、天然ヒラタケ(モタシなどもここの方が安かったがもう買ってしまっていたのは残念)、柿、切花(水に漬けて持帰るように大型ガラス瓶を常時車に用意しています)、ツルモドキなどを買込む。
トウガラシとツルモドキを飾る
次に三面川を渡れば雅子様の小和田家が出た村上。瀬波温泉や堆朱、鮭の酒浸しなどが有名で道筋には数年間干した逆吊鮭がみられます。またここにも六斎市が2と7の日にあるそうですがまだ行ったことはありません。酒でも宮尾酒造の〆張鶴という地酒が僕のお気に入り、昔の特級酒の雪は蔵元以外ではなかなか買えません、東京でもプレミアム付です。でも日祝は休みなのでそこでは買えず、一級酒の月や二級酒の花ならどの店でも売っていると今回は8号線沿いの比較的大きい酒屋に寄ってみる。店内では〆張は空き瓶の見本の展示のみ、試しに雪はないのと聞いてみるとあるとの返事、雪と月を一本ずつ購入しました。ちなみに僕は吟醸酒は高いし概ね味が薄すぎて好きではないので山廃吟醸など以外はまず買いません。
あとはさらに村上の西にある岩船漁港に廻って、中鯛の浜焼1つ(鯛飯用に)、大ぶりなアジ2匹(これは帰って自分でタタキに)、ホウボウ2匹(刺身用に皮までをひいて裁いて貰う)などを求める。ここには地元で採れたばかりの鮮魚を希望のところまで裁いて売ってくれますし、夏場には鳥取漁港や銚子と同様に天然岩ガキが豊富にありました。今回は小振りだが本ズワイがあり一匹700円程度とのこと、これが茹でてあれば買いたいところでしたがね。
ここからは7号に戻らず海岸沿いの道をバイパス聖籠IC入口迄抜けて行くコースが正解。まだ延伸工事は始まったばかりの新発田あたりは非常に混み合うので避けた方が無難です。11時半には新潟バイパスの自動車専用道に乗って関越に。そういえば7月には道路が空いていたので栃尾で有名な油揚げを買おうと寄道してみたが、あまりに油揚屋が多いのにビックリ(この町は黒焼した板の外壁を持つ建物が多く昔ながらの風情、日本酒では景虎というのが最近とみに評判が良い)。買った店(ここでは有名店の一之渡戸屋)で昼飯が旨い所を聞いて洋食レストラン池田屋(親父が昔からやっている洋食屋に倅がどこか都会で修行してきて店を改装したと見た)で食べて南下、小出からまた高速というコースをとったが家には6時過ぎに帰れた。連休最終日の今回はとても無理だろうと昼飯も取らずに一直線に家に向かう。おかげで途中少し渋滞はありましたが5時には帰宅(3日間全行程約1100kmでした)、キノコ料理を始めとした調理を女房、刺身、タタキと鮭を冷凍するため切身にして片付けるまでを僕が分担。山の香強いマイタケ土瓶蒸以下キノコ汁と鯛飯、留守番の家族も皆が旨い旨いと、でも愛犬だけはお土産なしでした。明日はマイタケ御飯がメインだな。
山形ということであと一つだけ誰かに聞いた話を思い出したので紹介すると、日本海一県おき美人の法則というのがあって、北から秋田、新潟、加賀、京美人は有名だが青森、山形、富山、福井は美人不毛の地なのだそうです。そういえば山形の旅ではほとんど叔母ちゃんばかりしか会っていない感じでしたね、あのけったいな外人ダニエルさんも日本人の美形が分からず山形女性を嫁さんにしたのかな、失礼しました、奥方を見たことはありません。さらにもう一つ、秋田美人のルーツは佐竹の殿様が関が原の戦いで負け、常陸(茨城)から秋田にお国替えになった時に常陸の美人を引き連れていったのが始まりだという話を聞いたことがあります。それで茨城には美人がいなくなったなんて言うと、こちらからも怒られそうですね。
(追記)
去年の森林祭、自分で菌を入れれば100円/本のホダ木に1年半経って初めてのシイタケが出来ました。
まこと食堂 喜多方市小田付道下 7116 0241-22-0262
蓮沼製麺 喜多方市字諏訪 208 0241-22-0543
清川商店 喜多方市字二丁目 4659 0241-22-0233
ミートピア 米沢市中央 1・11 0238-21-0377
可祝屋 米沢市大町 1・3 0238-23-0634
後藤 米沢市東 3・8 0238-22-3186
牛や 米沢市門東町 1・5 0238-22-6174
龍上海 米沢店 米沢市春日 4・4 0238-21-8234
カッペリーニ 米沢市城西 2・4 0238-24-0510
高畠ワイナリー 高畠町糟野目 2700・1 0238-57-4800
山田家ふうき豆本舗 山形市本町 1・7 023-622-6998
第二公園 山長 山形市十日町 4・3 023-622-2963
まるはち香味庵 山形市旅篭町 2・1 023-634-4108
ブォーノ 山形市七日町 2・3 023-624-5090
瓶屋 山形市平清水 151 023-625-7736
出羽桜酒造 天童市一日町 1・4 023-654-5050
元河原湯 大蔵村南山 451 0233-76-2259
メーテール 大蔵村赤松 1948 0233-75-2075
佐藤清水盆栽センター 大蔵村清水 2512 0233-75-2010
レストラン 欅 酒田市中町 2・5 0234-22-7019
三日月軒 本店 酒田市北千日町 15・32 0234-33-7839
割烹 さわぐち 酒田市相生町 2・2 0234-26-6888
こい勢 酒田市相生町 1・3 0234-24-1741
本長 鶴岡市大山 1・7 0235-33-2023
桂屋旅館 温海町湯温海甲 233 0235-43-2127
大清水 温海町湯温海乙 131 0265-43-2064
宮尾酒造 村上市上片町 5・15 0254-52-5181
岩船港魚市場直売所 村上市岩船北浜町 1170 0254-56-7107
岩舟港鮮魚センター 村上市瀬波温泉 3・6・38 0254-52-1261
一之渡戸屋 栃尾市大町 4・6 0258-52-3283
池田屋(閉店) 栃尾市大町 2・5 0258-52-2027
らく味 長岡市谷内 1-1-2 0258-52-2331
店データ
旅程地図