群馬には秘境があった

上野村・秩父    2002.04.13(土)〜14(日)

 上野村は群馬の秘境というか、鬼石から入るのがメインルートなのだが、他にも秩父、下仁田、佐久町などにも通じてはいるが冬期通行止めだったりかなり細いくねくね道だったりで大変な道。あとはもっと狭い林道もありますがここを通過して何処かに行くというような所ではないので、渓流釣ファン以外はまず訪れる人は少ないでしょう。ここが多少とも知られたのはあの日航機事故の御巣鷹山がある村ということで、それでご存知の方も居られるのでは。我々にはここはなんにも無い村というのが逆に気に入ってここ数年続けて訪れています。それも新緑や紅葉でもない早春とか初冬などのオフシーズンの空いている時ばかりですからかなりこれも物好きですね。昨年からは温泉も出たのでこれからは多少は観光客も増えるかもしれませんが。最初に訪れたのはは初冬で、有名な鬼石の冬桜を見て(これは梅みたいに咲く貧相なもの)から一泊。次の日は教えて貰った下仁田側は甘楽町小幡(有楽町の謂れ元、織田家有楽斎の小さな城下町があった所で、その風情は少しばかりですが残っています)近くに抜けるすれ違い困難な山道(道中1台だけ対向車に出会っただけでした)を峠にでると、信州側の山には既に雪が被っていてそれは見事な風景。誰も知らない風景という写真集の一枚みたいな場面に遭遇して、一部に紅葉が残っていたので最盛期はさぞかし素晴らしそうで、そんな時期には見物客の車が入り込むのかなとも思いながら思わぬ光景に感激したことがあります。

 今回は4月前半に昨年に続いて軽井沢の小屋を開けに行って、まだ小屋では一泊するには寒いのでここに一泊し、秩父、日高の例のコースで帰ろうと計画。軽井沢から下仁田、南牧経由、降りて登ってまた降りての山道で約1時間半ほどで到着。

 上野村はなにも無い村と言いましたが、どっこい、さがせばいろいろあるものです。観光では関東一の鍾乳洞の不二洞は洞窟内を一周できるコースが出来ていますし、隣接して天空回廊と名付けた大きな吊橋やレストラン、キャンプ場などの複合施設があります。またここではちょっとおしゃれな建物は個人が集めた日本の民芸玩具を展示する村営の全国郷土玩具館で、いろいろな全国の郷土玩具、さらに同じような玩具も地方々々で少しずつ違うなどということを面白く見物でき、よくもまあ個人でこんなに集めたものと感心させられますよ。今回は時間が無いので以上についてはパス。ほかにはこの土地特有の古民家という黒澤家があって現在も居住していますが、屋根に石を置く形式は各地で見られる古い形式の民家と同じです。その真正面の川向こうには東京に遅れること2週間、中正寺のしだれ桜はかなりの大木で見事なもの、信州や東北地方同様この地もしだれが多くみられます。今回は道路沿いのまだ若いしだれ桜がまだ咲いていたのでこの大木ももしやと廻ってみましたが、既に散ってしまっていて残念でした。花ではヴィラせせらぎの近く、カタクリなどが咲く川沿いの遊歩道を行けば滝なども現れて気持ちの良い散策が楽しめます。この遊歩道はまだほとんど知られていないようですが、奥の方の眼下には巨大な翠っぽい岩が作る渓谷があって、表の道路からはほんの少しばかりしか姿が見えませんから、自分の足で舗装路終点の先まで散策してみましょう。こんな渓谷にもイワナ目当てらしい釣人が川の中を歩いているのも目にします。

下仁田付近の新緑

全国郷土玩具館

中生寺 枝垂桜は終り

黒澤家

上野村南側の本流と山

北側の渓流

 また上野村は欅工芸が有名で、家具からお盆や碗類など摺り漆で木目を生かした立派な工芸品が作られていて、道の駅銘木工芸館で展示即売していますから是非寄っていって下さい。僕はもう少し年取ったら蕎麦打ちをやってやろうかと、ここで欅を手ノミで彫り抜いた1尺3寸の摺漆捏鉢を仕入れていますし、朝食には角型無垢のお盆を愛用しています。特売品でお値打ち品を販売していることもありますからぐるっと覗いて廻って下さい。買うなら同じものが積まれていますから木目の面白いやつを選びましょう、ちょっとしたお土産にもよいですよ。

 もう一つは隣の農協販売所と観光案内所、土地の物産を販売していますがここの名産、猪豚肉がブロックやスライスで売られていますので必ず買って帰ることにしています。またここの十石味噌や地うどんも美味しいと思いますし、春は山菜、秋はキノコなども土地柄でしょう、お安く販売していますので必ずチェックしていきましょう。とういことで今回も銘木工芸館には立寄って少しばかりの買物をして宿に。村内の移動はここに来るまでの道とは大違い、立派な道路が旧道を串刺しするように通っていますから、脇道に入らなければ至ってスムースです。

銘木工芸館

1Fは欅と漆の食器類

2Fは家具類

 さて泊る宿は村営のスペイン風瓦葺のヴィラせせらぎ、村に一つ?のレストラン(チロル)併設で、客室は洋室和室が選べます。村の観光から道路事情その他、ここの支配人に聞いてから動くのも始めての来訪であれば一策です。夕食には猪豚鍋がつきますが、家で作るよりコクがあって旨いので聞くと、このスープも猪豚の骨で採るんだそうです。でも骨は一般には販売されていなくて、料理店にみんな卸される由、料理長にとても美味しいとわざわざ言いにいってペットボトル1本お土産に頂いたこともありました。新しく湧いた温泉はナトリウム塩化物冷鉱泉(向屋温泉)でPH10.5とアルカリが強め、サウナも用意されていますので暖まります。
 今日の夕食も和洋とりあわせのメニューで十石味噌仕立のうどんが入った猪豚鍋とこの季節は山菜料理の天ぷらと煮物が和風、加えてレストランらしく洋食風の料理が入っているのが特徴のようです。量は女性では残すのではないでしょうか、僕もご飯はやはり遠慮しました。酒は近くの川の三波石という天然記念物の石から名付けたものですが味も当りもややきつめの酒です。なお団体客には和室広間も用意されていて、去年は研修の団体が入っていたかと思います。翌朝は8時から朝食で前日にご飯かお粥かを選択しておきます。納豆、塩鮭や焼海苔はご飯向きのおかずでしたが、鮭と海苔はお粥に混ぜ込んであつあつで食べました。ご飯はお鉢で出ていましたがお粥は丼で、このお代りがあるかどうかは聞き漏らしました。このお粥は前夕の残りご飯の活用をうまく考えたのでしょうかね。

ヴィラせせらぎ

夕食と朝食

 宿泊ではこれも村営の国民宿舎やまびこ荘(塩ノ沢温泉)がリニューアルされ、こちらには露天風呂があり外来入浴もできるそうです。その傍のうどん屋藤屋は昔TVに紹介されたことがあるとか。でもここでは主だった宿泊施設やレストラン、スーパーなど全て村やJAがやっているのですね。

 翌朝の朝食後に宿の前の川原から遊歩道に廻ってしばらく散策、カタクリは花の名残が少しという状況でしたが、昨年より進んだ新緑のはしりとユキヤナギの花が楽しめました。

ヴィラせせらぎ前の河原からの風景(北側)

 我々としては珍しくゆっくりして9時半に宿を出発。前日の道の駅に戻り、観光案内所でタラの芽と生で食べるという小さな大根を購入、隣のJA琴平センターで猪豚と地うどんなどを購入して秩父、日高経由で川越ICに2時頃入る予定で帰路に。

 秩父に出て行く途中の中里村は恐竜の町とかで変な展示館がありますが入ったことはありません。一旦細くなった集落の街中を抜け、秩父方面に右折して山道に差し掛かると少し走れば恐竜の足跡の化石が見られる場所がありますが、よくよく見ればそれらしいなという痕跡が見上げる崖地の岩(泥岩でしょうね)にあるだけ、こんなものを専門家は良く見つけるものですね。で多少細い所もある道を行けば一山越えて小鹿野町に出るくねくねした道ですが、両側にはアジサイが植えられていて所々には桜なども、で桜、新緑、アジサイ、紅葉と季節々々に目を楽しましてくれそうなドライブコースですが我々はまだ見ずじまい、そんな時期には皆さん運転にはくれぐれも注意して下さい。

以前に購入した欅盆

 小鹿野からそのあとは秩父で武甲正宗の造り酒屋に寄って酒を買い、水を汲むなどしばし足踏み、そして正丸トンネル越えで飯能に入り途中を左折して川越方面に。

 高萩駅の先の国道407号を横断して直ぐを右折してサイボクに寄って昼食(バーベキューの方が回転が速く待ち時間が少ないそうですがまだ運転があってビールが飲めないので洋食の方を選ぶ)とスーパーゴールデンポークの買物、といつものルートで今回は至って順調に我家まで帰ることができました。

武甲正宗の柳田總本店


2003.4.11(土)〜12(日)

 今年も軽井沢の小屋を開けながらの上野村泊りでほぼ同じコースをたどる。前日に朝採りの筍を貰ったとかで筍ご飯があったのでそれを食べ、早朝といっても我々としては遅めの6時過ぎに家を出れば思いの外道路が空いていて8時半には到着。昨日の予想では雨といっていましたがやや変化が遅れたようで薄曇に日差しもややあり布団干しもどうやらでき、小屋の中も思ったよりきれいで掃除は早々と終ったのでプリンスショッピングセンターでまず時間を潰す。そのあと旧軽に出て例のパン屋に行けば種類も量もエラク少ない、なんでも二組の団体客が入り無くなってしまったとか。昨年バスガイド研修らしきが店に来ていて先輩コンダクターから講釈を受けているのを見かけましたが、向かいの浅野屋の蔭に隠れていたものがTVにも出たしで最近は繁盛していますねぇ、次からは先回りして買物するとしましょうかね。朝ご飯一杯だけだったのでアツアツのリンゴパイデニッシュをと言っていた女房はガッカリ。で昼は早めにとシーズンは行列待ちとなるトラットリア・プリモに行ってみればこの時期12時前でも8割がた席がうまっている。ここは数年前にできたピザとパスタの店で、駐車場があるのと結構美味しくかつ軽井沢では手頃な値段でボリュームも多めというので人気店となりました。トラットリアらしく、予約不可としているのもこの場合は見識といってもよいでしょうか。

上野村 その2

 雨が降り始めたので食後はすぐに無料になった旧碓井バイパスで山を降り、松井田の農産物直売所で山菜をと立ち寄ればお目当ての山ウドはもう売切れに残念、ここも午前中なら豊富に揃っているんですが。まだ時間が早いのと少し小降りになったのでついぞ行ったことがなかった妙義神社に暇だし一回ぐらいは見ておこうかと寄り道。道の駅妙義があるのでそこに駐車して枝垂桜が咲く坂道と石段をそこそこに息を弾まして登れば漆塗りの立派な社殿。県の文化財だそうですが、秩父神社にも似ていて彫刻と塗りが華やかで山の神社は共通点があるのでしょうか。すぐ近くには町営の美術館と日帰温泉施設のもみじの湯がありますから軽井沢の帰りに利用する手が一つ増えました。このあたり妙義温泉とかで旅館も何軒かあり観光にも多少は力を入れている様子ですが、今ひとつの頑張が必要でしょう。このあたり桜が多く特に枝垂桜が目だっていて、いつもより遅れ気味だそうですが綺麗に咲きほこっていました。この奥を妙義の山に入っていくと桜の園があるらしいのですがそちらはかなり標高が高いのでもう半月ほど遅い時期が見頃となるでしょう。

 ここから下仁田に向かう道は昔まだ上信越道ができる前には軽井沢の帰りの混雑を避けて藤岡ICに向かうのに良く利用した道筋の一部で今回はそれを逆走となります。今年の桜はこの下仁田あたりまでが見頃で、山越えから上野村はまだ例年より1週間ほど遅れているとかでまだマバラなものがチラホラ程度。あの中正寺の枝垂桜も昨年は散ってしまっていたのに今回はまだ咲かずでなかなか良い時期に巡り合えずこれも残念でした。ここ上野村でのやることはいつも同じで特別なことはなにもなし。銘木工芸館の品物も特に目新しい品は何も無いし、本当に何にも無しがここの取得ですねぇ。でも宿の食事だけは猪豚うどん鍋だけは定番でしたが、洋風料理は昨年のステーキとオムレツがシチューとカキフライに変わっていましたけどね。また桜の開花前で山菜も本格化していないらしく天ぷらの代わりに鯉の洗いに鯉こくと山の幸も変わっていたし、朝食も今回はお粥はなしでご飯だけに、干物も鮭が鯖になっていましたよ。その朝食の特産十石味噌を使った味噌汁はキザミネギのピリッとした風味が素晴らしくよく効いていて旨い!これが一番でありました。というのは料理人にはちょっとかわいそうでしたかね。でもここの食事は来るたびに変っている点は評価しておきましょう。

 毎回一回りする朝の散策コースも宿では特に教えていないので我々だけがブラブラ。この奥にあるカタクリだけは桜に先駆けて今回が一番の見頃、途中にはヤブレガサだけが芽を出し始めていました。この遊歩道の奥には直下に渓流と滝が眺められるのに積極的にPRしないのはまだ整備不足で足場が多少悪いからでしょうか。この日は暖かでノンビリ気持ちがいいですねぇ。毎年見かける尻尾の胴体側に白い模様があるツバメももう飛来して巣づくりに励むことやはり同じ光景、ツバメの種類を聞くのを今度も忘れてしまいました。その飛び交う下の川には昨夜の一組4人客がもうルアーフィッシングを始めて上流に釣場を進めている。昨夜のヴィラせせらぎは彼ら釣師や高崎から一族10名以上のグループもいて客数が今までで一番多かったのですが、まだ満室とはなっていないようので直前の花状況をみて予約を入れても大丈夫そう、やまびこ荘もあるし来年はその手でいきましょう。

ヴィラせせらぎ周辺

カタクリ咲く散策コース奥の渓谷

 いつものお土産を買込んで10時過ぎには早々と秩父へ向かう。上野村から中里村(この4月から合併して神流町となった)を抜け細い道を一山超えて小鹿野町まで下って行けば桜がまた満開となった景色にドライブも快適。途中かすめる両神村、例の薬師の湯併設農産物直売所に山ウドがないか立ち寄ればここでも空振り。

 ガッカリと小鹿野町を抜けて行けばちょうど小鹿野神社の春まつりなるものに出くわせて見事な花笠飾りの山車が目に入り、暫く見物しようと駐車できる場所を探す。縁日が並ぶ街中は無理と国道バイパス側に出ると大きな鳥居前の道路反対側にも山車がいて警察官が交通整理中。その先の田んぼの中に一部埋立空地があって数台が駐車している場所を見つけ、祭り見物からすぐ見えるところだしでチャッカリ停めてしまう。昼に2台の花飾り山車と2台の屋台が神社に揃う(この時間と場所は隔年でこちらの小鹿野神社と町役場近くの神社とが交代するとか、またあとで町役場近くに駐車場が用意されていたことも分かりましたが今年の昼の集合場所までは少し離れているらしい)というのでしばし待って、2台の花山車がお稚児さんを先頭に国道を横断して神社へのダラダラ登り参道を引かれていくのだけ見物できました。いつも通りがけにこんな大きい鳥居があるのを不思議に思っていたのですがこの花山車がやっと通れる高さに作ってあったんですねと納得納得。なんでも前日の夜には子供歌舞伎が上演され、無形文化財に指定されている祭りなんだそうです。来年からは後片付けが大変なのでこれまでの第二土日を第三金土に変更するそうで、そうなると歌舞伎を見たければ金曜日の夜ということになってしまいます。でも遠来の客は少ないんでしょうけどね。

両神村物産館と薬師の湯

 思わぬ道草を取ってしまい次は秩父は例の蔵元に寄道して、ちょうど12時と洋風料理シャン・ド・フルールに行けば本日クローズの掲示。じゃぁもう昼はいいや、日高に直行しようと国道140号に出るとこれが渋滞。ナビで見ると羊山公園の桜と芝桜見物の客が多いらしく299号のその入り口交差点を先頭に交差するこの140号まで両方向ともそちらに向かう車で大変な渋滞の赤い線の表示。1kmほどを30分以上もかかってほうほうの体で抜け(あとで調べるとかなり迂回すれば公園駐車場に入る交差点に回れる道があることが分かりましたが)、一路サイボクを目指せば今度は反対方向の大渋滞にこれまたビックリ。羊山がそんなに有名でもないし長瀞の桜でもこんなにと、はてこの車の列はどこが目的なんだろう。ついさっき難儀した国道同士の交差点からなんと20km以上の飯能まで列が繋がっている。日曜日にこれでは目的地に着いてまた帰るとなると家にたどりつくのはいつのことやら、誠にご愁傷さまでゴザイマス。こちらはその後は極めて順調で、飯能に入れば桜はもう散り終えたところまで季節は進んでいる。この時期このコースは年毎の桜満開時期がどちらにずれてもどこかで満開の桜に巡り合えるはず、改めて日本は桜の木が多い国だと実感した旅でした。

 今回は皆の車が299号に集中しているからか?!関越も環八もすこぶる空いていてサイボクから1時間半で帰宅とは今までで一番早かったですね。

<追記>  2004.04.17(土)〜18(日)

 平成16年も1週遅くではあるもののほぼ同じコースで回ってきましたので少し追記しておきましょう。この時期になれば朝着いた軽井沢はコブシが満開、折りしもあのソニー会長だった大賀さんが何十億かの退職金を寄付して建てられている音楽ホールの今日が上棟式という案内看板がそこかしこにある。そちらの招待は勿論無かったのでまずは小屋の掃除を2時間ほどで済まし、ちょっとした用事があって上田方面に足を伸ばす。ちょうど昼ごろと湯の丸IC近くにあるとんかつ倭らくに初めて入ればほぼ満員で滑り込みセーフという人気。店名がとんかつとなっているもののメニューを見れば本拠のまんぷく同様にバラエティー豊かでちょっと選ぶのに苦労しそうな品数。本店は親からの昔ながらの内装のままだがこちらはかなり凝った設えとなっている。見れば客層は幅広く若者ペアのほかオジイチャンオバーチャンに孫までの一団など、美味しくて値段が町の食堂並となれば人気となるはず、こんなに凝らなくても十分繁盛したでしょうに。この近辺ももう桜はおしまいになりかけていましたが、

 用を足し終えて山をやや下れば軽井沢から少し降りたあたりの桜が満開。さらに下ってまた山越えで上野村に入れば名残の枝垂れ桜はあるものの本命中正寺の大枝垂れは散ったばかり、カタクリの方もほぼ終りで少しの期間差でもこんなにもと季節の動きの大きさを改めて実感。でも代わりに山は新緑が出てきて針葉樹とのパッチワーク(中でも横瀬町から芦ヶ久保に向かう道筋の山が一番コントラスト鮮やか)が見事になっている。花はヤマブキが最盛期で桜を外し一週遅れにしただけで新緑がメインとなったまた別の景色が楽しめ、宿の食事の方でも山菜が多くなって、ウド、ワラビ、タラの芽などが並び、これも結構じゃありませんか。ヴィラせせらぎは季節も良くなって今回が一番混んでいたせいか朝食はバイキングとなっていましたが、品数は多かったですよ。

 例の都会より精悍な感じのツバメの種類を聞いてみればやっぱりイワツバメという返事、軒下にドロで作られた巣が海周辺だったら海草となって高級中華食材になるのかな。なお南牧村からの道は新しくトンネルが開通して山道より20分短縮したんだそうですが、それを知らずに我々は損しちゃいましたね。でも山の景色もまた良かったのではの支配人の慰めお愛想に、暖かすぎて霞んでいてダメだったよとブッキラボウに返す僕でした。

 今回の二日目の帰りは国道292号が通行止めとかでさらに東側の県道71号で秩父に向かう。途中国道462号沿いに数年前には無かった道の駅万葉の里ができていたので立寄れば、まさに山菜まっさかりで、我々には始めての天然ミツバにモミジガサ、さらに定番のウド、コゴミ、ワラビ、木の芽などなどが安かったのでいくつか買い求めて帰り、夕食は天ぷらにすれば次の日まで持ち越しとなる始末。右折し県道に入って山越えし吉田町に降りてくれば道路沿いにカイドウの木がずっと植えられた地区があり、ちょうどピンクの花が満開の見頃で、萌えいずる新緑と名残の枝垂桜にレンギョウやユキヤナギが加わりちょっとした見もので、そんな木々花々の数々を予定外の秩父に向かう道筋で堪能してしまいました。鎌倉の光則寺や妙本寺の古木のカイドウは有名ですがそこまで育つのはこれから3世代以降になるはず、遠大な計画をたてたものですねぇ、こんな思わぬ出会いも旅の楽しみ。そういえば今回信州の道筋では民家を解体中で屋根瓦を投げ下ろしているのに出くわし、その棟瓦は壊すのはもったいないじゃないのと声かければ、飾りにでもしたいのならあげるよとの大将のありがたい御返事にさっそく屋根に残っていた3個(水という文字が入ったやつ)を降ろしてもらって車に積み、今日は暑いぐらいの陽気だからジュースでもとなにがしかを渡してお互いにニッコリ、なんてこともありましたよ。

 昨年混んでいた羊山の芝桜見物の車は秩父側ではそんなでもありませんでしたが飯能側からの車はやはり大渋滞。この時期はかなり手前の西武線の駅で臨時駐車場を設けて電車輸送をしていたようですからそれを利用するほうが利口でしょう。混雑尻目に飯能に入ってかなり走り川越方面へ分かれる交差点1kmほど手前右手、今日はサイボクも混んでいるだろうからと前々からちょっと気になっていたみなみといううどん屋に入る。小さな店内は地元客が10数人いてほぼ一杯で、テーブル席に先客と相席させてもらう。お爺さんが一人で調理し、お婆さんと近所のお手伝いさんが給仕しつつ客とおしゃべりといった素朴なうどんだけの店で、注文したのは女房は野菜掻揚天ぷらのもりに僕は肉うどんの熱いやつで今日は仲良く両方とも600円。冷たい麺はかなりのシコシコ、熱い方はモチッとしたまさに手打ちうどん。冷のつけ汁はやや塩辛いのだが麺が美味しいと女房、僕の方の汁は肉の味が混じってちょうど良い加減でかなり旨かった。

 あとはいつもの如くサイボクに寄って買物し家に向かえば、まだ2時と早かったこともあり今回もいたってスムースに帰ってこられました。

店データ
   銘木工芸館        上野村勝山 118         0274-20-7021
   ヴィラせせらぎ      上野村勝山 684         0274-59-2585
   玩具郷土玩具館     上野村楢原            0274-20-7070
   JA琴平センター     上野村勝山            0274-59-2665
   国民宿舎やまびこ荘   上野村楢原塩ノ沢 888     0274-59-2027

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