新緑、夏、紅葉の好シーズンをはずしてまあ物好きに

秩父  20001.12.16(金)/2002.04.13(土)〜14(日) 

 秩父と聞くとなにか言葉の響きが良いのと日本の田舎風ノスタルジィが感じられて期待してしまうのですが(これは僕だけかな)、畑の中にセメント工場中心にできた町で特別なことはなにもありません。まあ秩父神社は彫物が立派ですが、観光施設としてはこの前に屋台会館があって有名な秩父夜祭の様子を立体映像で見せるぐらいで、まだ我々は秩父巡礼でもありませんし。それで秩父は周辺も含めて広く皆野町、長瀞町、小鹿野町、両神村、荒川村など季節毎の風景と温泉、鉱泉を組込んだ旅行が中心に成るでしょう。ここでは僕は新木鉱泉には一度だけ泊ったことがありますが、普通は日帰り旅行だけ。もし今後一泊するのでしたら雁坂トンネルが出来たので山梨を組入れたコースが新しく考えられますね。また新しく温泉の湧いた群馬の秘境上野村(鍾乳洞や猪豚、と十石味噌が有名)の村営宿泊ヴィラせせらぎに泊った4月中旬、ちょうど見事に咲いたしだれ桜を見物してから秩父に出たこともあります。秩父の温泉では荒川村の白久という所が旅館が揃っていて一番らしいのですが、残念ながらそちらには僕はまだ行っていません。

 で年末は半ば過ぎここ3、4年続けて正月用に玄関に飾る花を買うのを目的にかこつけて行く両神村の薬師の湯とその際の僕の立寄り場所を挙げてみましょう。朝7時過ぎに出発、まず花園ICで出てすぐの道の駅隣にある農産物と花卉類を売っているJA直売所にオープンしたての9時に到着。ここはかなり大型で正月用の鉢植えのミニ盆栽など安いものは900円位からと、1年毎の使い捨て感覚でもう何年か買っています。笑ってしまうのが農家から出た民具など、ガラクタとともに売っていましたがこちらは大した物ではありません。最近、有料道路が完成しましたが混まない時期なら途中の長瀞にはライン下りや宝登山ケーブルカーなどの観光施設が、皆野町にも農産物直売とレストラン併設の施設があります。宝登山方向に曲がって少し入った右手には漆器工房があり入ったことがありますが、作品は良いものでしたが高めのお値段でした。川を渡ってすぐの直売所ではこの時期、福寿草がえらく安く売られていたことがありましたが、最近は切花が中心のようで見かけません。今回は川の手前を右折、小鹿野町経由で両神村の薬師の湯に直行。ここでもまず併設の直売所で切花、農産物や手作饅頭などの人気商品は買っておきましょう。それらを直売所に預けておいて風呂に入って下さい、切花など水を切らさぬようにしてくれますから自宅に持って帰るまで心配いりません。それでこの年末に売られるボケの切花と南天は一束500円と安くて嬉しい上に、なんと正月を越して2月位まで楽しめるという代物、我家の玄関などに置いて見事な飾りになり非常にお得ですよ。昨年はもう一週あとでしたが風呂から出てきた午後には売り切れていましたから念のため。今回は朝早めに来たので昼食は秩父に出て食べようと風呂(泉質は単純硫黄冷鉱泉です、この他にも周辺の公営温泉施設では皆野町満願の湯とクアパレスおがのがある)はいつもより手短に切り上げる。秩父への途中にも小鹿野町に直売所があり、似たようなものが売られていますが、冬場にあるここらの干し柿は高いもんですね。

両神村物産直売所と薬師の湯

玄関正面にボケと南天と松を飾る

 秩父市内中心部に入って行くと右側に黒く古い建物の武甲正宗の蔵元柳田總本店がある。この裏手の駐車場に車を入れれば酒作りの井戸が二つ、いつも水が汲み上げられ流れ出ているのです。このシーズンは生酒の濃いやつを買うのとこの水を汲むのが目的で必ず寄道。それとここの樽酒も良い具合に樽香がついたところを瓶詰めしていてかなりいけるんです。季節限定のまだ酵母が生きているのを4号瓶に瓶詰めしたにごり生酒は、キャップが発酵ガスを逃がすようになっていて立てたまま持帰ってくれというものだがこれも旨い。

 秩父で旨い物と言うとはやっぱり蕎麦屋にいい店(こいけなどあの有名な翁主人と一緒に一茶庵で修行したとか)があるようですが何故か我々は洋食屋にしか行っていません。今日も外見がちょっと気になるのと駐車場が向い側にあるのとでシャンドフルールというレストランに入ってみる。と、存外店中は広いのにシェフ一人と女性一人だけでいらっしゃいの声。日曜の12時でまだ早めということもあるんだろうけど客は我々が最初、ガランとして大丈夫かなとちょっと不安に。メニューはランチセットもスープ、サラダ、メイン、パンかライスにコーヒーで900円からとまあ安いんだからしょうがないかと、で白身魚とポテトグラタンを僕、豚肉ソテーを女房が頼む。それがスープはサツマイモのポタージュ風と変わったもの、次に出てきたパンは自家製全粒パンですと。例によって女房はこのパンは美味しいと食後の自家製デザートプラス200円も注文。メインはフランス料理を本格的に修行したのでしょう、品のいい味付けで合格点です。そのうち常連らしい家族連れも入ってきてやっとにぎやかに、でやれやれと。プリンの上のキャラメルも濃くて本格的、美味しいと女房が言うのを聞きながら、サイドメニューを用意してくれるともっと嬉しいのだがと僕の独り言。そういう点ではイタリアンやスペイン料理の方がいろいろ注文して取分けられるという手軽さがあって、こういう町では昼にフレンチはどうなんでしょう。(その後この店はカレーやハヤシなどのメニューが加わり、冬には季節限定のカレーうどんなんていうのもやっていた)

柳田總本店

カレーうどん

ランチ

シャンドフルール

 ここから近く西武の秩父駅があって、その仲店と称す商店街が駅内に設けられている中に秩父銘仙などの着物を販売している店。端切れを何枚かセットで売っていて、以前女房は気に入った柄の組合せを求めて洋服にパッチワークで仕立てて皆に褒められていましたっけ。今日はそこには寄らずにもう一つの目的地、日高にある例のサイボクに正丸峠経由で一般道を走る。途中には横瀬町に日帰温泉施設武甲温泉や芦ヶ久保の果樹園があり、温泉には一回だけ立寄りましたがこれは民営で料金800円でした。トンネルを越えると高麗川沿いの道はアジサイの季節は綺麗で、現在も植込みを増やしているようです。この高麗の名は古代にその帰化人が移ってきて土地を開発したことからだそうで、早くから開けた所なんだとか。その高麗駅近くから川越方面に左折していけば緑色の看板がサイボクまで案内してくれます。どっちの料理ショーでおなじみなスーパーゴールデンポークは豚なんだけれど美味しいという表現に、品の良い味わいと言ってよいでしょう。冬場の豚しゃぶはそんじょそこらの牛しゃぶよりずっと行けるんです。でもサイボク直営の牛牧場もあるらしく、狂牛病の心配ありませんの張り紙が掛けられていましたが、僕はここではそれ以前からも牛肉は買ったことはありません。ここの豚精肉、ハム、ソーセージなど本当にお薦め、そとのテントでやっている豚足の炭火焼など愛犬連れで買い食いした時など、犬はもう大変。いや人間様だって。バラ肉ブロックなどラフティ風に煮込むと分かるのですが、ここのはアクの出が少ないのです。確かに何かが違うのです。それ以外にもここで売っているものはパンやお米、その他の食材それぞれ皆ある見識で仕入れられているのが分かるし、別棟で売っている農産物だってこの牧場から出る有機肥料を使って栽培したものだしで、ここに来ればいつも我家の数日分の食料を買ってしまいます。

仕込水
 の井戸

あじさい街道

サイボク

追記
 両神村の節分草自生地は有名で、3月中旬頃が見頃です。落葉樹の明るい林の斜面にアヅマイチゲと共に自生しています。また福寿草自生地もあり、多少混みあいますがハイキングを兼ねて訪れる人も多いようです。道路の方でも秩父市街手前までをいくつかのトンネルで抜ける有料道路ができましたから、途中を省けばかなり速く市街まで行けるようになりました。有料道路の終点から間もなく市街に入る手前で右折して小鹿野町、両神村方面に行けますから混雑はしないはずです。

節分草自生地

追々記
 巡礼といえば四国八十八箇所が最も有名ですが、秩父は三十四箇所となっている。これは坂東三十三箇所と西国三十三箇所に合算して百箇所となるようにしたということを何処かで聞いた。これだけ束になって四国に対抗しようというのでしょうか。

店データ
  皆野町農協直売所   皆野町皆野 3236        0494-62-3501
  薬師の湯         両神村薄 2380         0494-79-1533
  シャンドフルール     秩父市東町 24・8        0494-22-9150
  こいけ           秩父市野坂町 2・14      0494-22-1610
  サイボク          日高市下大谷沢 546      0429-89-2221

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