今回は我慢我慢の旅でした、でも旨い店もめっけ!

2003.5.2(金)〜5.5(月)

近江・伊賀・猿投

ゴールデンウィークは今回で3年続けてとなる近江から伊賀への旅、今年は暦通りなので3日は大混雑が予想されたので2日に有給をとってしまう。3、4日は神戸に住む女房の妹夫婦も合流する予定でまたしても信楽と伊賀阿山を中心に一緒にまわり、その前は近江近辺をうろつき近江八幡の国民休暇村、後は天然ラドン温泉で効能が高いという豊田市にある猿投温泉に泊まって早めに帰る計画を立てた。

 朝6時半に我家を出発し青葉ICから東名に乗って一路長浜を目指す。途中久しぶりに三ケ日SEに入ってちょっとだけ浜名湖の景色を楽しんで休憩、数回利用した国民宿舎をパーキング側から眺めやはり絶好の場所に建っているなぁと。でも今度はここ遠江ならぬ本家近江の琵琶湖を望む宿に泊まるので最後は猿投にしてみたのです。

 休日ではないもののトラック類は比較的に少なく観光目的らしい乗用車が多い高速を事故にも出合うことなく順調に走って、ほぼ11時には長浜駅西側の市営駐車場に車を駐める。

 黒壁スクエアはもう4度目になるのでサッと一回り、とその最初はまず腹ごしらえと近くの親子丼と鳥鍋で有名な鳥喜多の開店11時半の5分前に行けばもう8人程の行列の後。開店と同時に我々の後ろもできていて最初から満員で外に待ち客が残るという人気に期待が膨らむ。親子丼550円を頼んで待てば、若女将は入店の順番をよく覚えていて注文が前後しても並んだ順に料理が出てくる。カツ丼やうどんなどもあるがほとんどが親子丼の注文らしい。人形町の玉ひでのシャモを使った親子丼はあれだけの行列ながら次々と作られて出てくるが、こちらはこれも親子らしい二人だけで作っているのでやや間が空いて注文してからしばし待たされる。肝心の味の方ですが代々当たり前に作り続けているだけと言う通り、関西らしい薄味で生卵が一つ乗ってフワフワな食感に柔らかくサッと煮た鶏肉には文句はありませんが、玉ひでの絶品には及ばないと思うのは僕が関東人だからでしょうか、それともシャモ肉という肉の違いなのかな。シャモに対抗するにはここ琵琶湖周辺は本鴨で有名ですが時期は冬場なので残念ながら今日の宿でも鴨は3月までとか(4月からは近江牛が目玉になる)、一度機会をみて鴨の時期に来てみたい、でも信楽など冬は寒いらしく陶器市もないしで他にもう一つ目玉になるものは無いでしょうか。食べ終わって外に出れば行列はもうかなりのもの、こりゃぁかなり待ちますぞ。

 黒壁スクエアでは今回は女房が柿渋染の衣服とバッグ、久留米絣を使った洋服の店TuRuが気に入って手描模様も入った柿渋染綿シャツと久留米絣端切1パックをお買上げ。その店のお母さんに着ている自作の古布パッチワークのチョッキを誉められたのがよほど嬉しかったのかな。いつもながら古布衣や骨董の方はやっぱりよいお値段に見るだけで彦根に向かう。ちなみにここの西川という大きな骨董屋は麻布十番にも店を出しているので、お値段の程はそちらでもどうぞ。でも麻布十番あたりの近くの骨董屋と比較してはダメですよ。

黒壁スクエア

最奥に大通寺

この辺り電柱があるのが惜しい

 彦根では昨年までやっていた山野草展や骨董市が開かれていない。2日だからかと様子を見たが、もし明日からなら何らかの準備はしているはずなのにその気配もない。骨董市は第三日曜とその前日土曜という看板があったのでゴールデンウィークは中止になったらしい。しょうがないのでキャッスルロードをブラブラ、女房はいと重で帰宅翌日着にして埋もれ木なる銘菓を注文したものの、来年またこちらに来るとしてもここはパスするぞ。

 たねやでコーヒーを飲んで時間を潰し早めに今日の宿、休暇村近江八幡に到着すれば琵琶湖の目の前に立派に建てられた一大ホテルといった趣。国定公園内に東館と西館のふたつが湖畔の奥まった所を独占している。客室は全て琵琶湖に面し最大の島、沖島が西側直前に浮かびその向こうは比叡の山並み、北側は琵琶湖の遠景が見通せるという素晴らしいロケーション。今回も比叡に沈む夕日が望めることができましたが国民宿舎浜名湖荘より山が高く、島とこちら側とを分ける湖の間隔が狭いので遠景に低く沈んでいくという情感では多少マイナスですかね。この宿の温泉は今年掘り当てたもので、低張性弱アルカリ低温泉は泉温31℃、PH8.3の柔らかい湯。サウナや露天風呂もあって長湯で暑くなれば湖からの風に当りながら垣根越しに眺めを楽しめる。男風呂なら多少は外から見えても風呂に浸かりながら湖が眺められるよう垣根を低くしたらなお結構なんですがねぇ。

休暇村近江八幡と部屋からの琵琶湖夕景

 さて夕食ですが料金設定は3ランクあって2500円の基本の和食、4000円の会席、7000円の近江牛(すき焼、しゃぶしゃぶ、ステーキから選ぶ)のコースから選んで事前に申し込んでおく。女房は近江牛にしたかったらしいが、最近中性脂肪が急激に増えた僕は少し物足りないなという程度の量で済ますのが一番、君もダイエットと言ってるんだし、基本料金2500円コースの内容でその宿の実力が分かるんだと、これが休暇村でも通用するかどうかは別としてあえて一番安いコースで申し込ませた。宿側も商売だから売らんかなで到着受付カウンター前やレストラン入口に本日のお奨め一品料理の掲示板が立ててあり追加料理も頼めるようだ。さてその結果は遠来客はほとんどが近江牛コース、その他は基本か会席が半々で、出ている料理を見渡せばそれほど格差にビックリするようなものはない。お造り、鍋、天ぷらがメインなのはどこでも定番、それに会席には釜飯がついていた。近江牛なんぞはは人形町今半の月末セールで安く買ってよく食べているし、自分達二人だけですき焼しながら食べてもなぁとやや僻みっぽく眺めながら、二人でビール中ビンと冷酒300mlを一本ずつ開け、最後に軽く一膳のご飯とこの位がやはり健康的でしょう。

 翌朝は朝5時から入れる風呂に一番で行けばサウナも最初から準備できている。サッと内風呂、サウナ、露天と浸かってまた部屋でゴロゴロ。7時半からの朝食前30分を湖畔の散策にあて、戻って食堂に入れば先着順に好きな場所をというので窓側の席に座る。食事はバイキング方式で和洋の料理がこれでもかと並ぶ。僕は和食中心で二皿分に多種少量ずつを乗せ、洋はポテトサラダだけチョビッと、これにご飯、味噌汁、納豆、生卵、海苔に牛乳とコーヒーとトレーからはみ出す有様、本当にこれでダイエットしているのと女房に皮肉られる始末、我ながらこういう場合つい欲張ってしまうのが我ながら情けない。でもご飯は軽く一膳だけであとはほとんど低カロリーの惣菜なんだぞと言い訳して、洋風中心の女房のハムやソーセージにそんなものはどこでも食べられるじゃないか、バカだねぇと反撃。女房もそれ美味しそうねぇと後から取ってきた瀬田蜆の佃煮風は丸々とした身が旨かったですねぇ、あともう一膳お粥も食べたかったなぁ。

 9時5分着の義妹夫婦を迎えにJR近江八幡駅に回る。さて今日の最初は10年以上振りでの近江八幡の商人町、伝統的建物群保存地区の見物。たしか日牟礼神社前の駐車場は無料だったはずと行けば、このあたりは昔、といっても10年ちょっと訪ねた時のままなのにはさすが保存地区に続く地域と感心すること。かわらミュージアム見学から始めて、運河沿いの船着場を兼ねた石畳の通路を歩き、商人町を散策、郷土資料館と西川家の共通券を求めて一回り。この町の運河を含めた古くからの景観はこのあたりでは一番ではないでしょうか。

運河沿いの懐かしい風景

近江商人屋敷

 義妹は関西に住んでいるのに長浜、彦根には行ってはいるもののここは初めてだと、学校の先生も英語教師だとこういう所には興味がないのかと聞けば、こんな良い街とは知らなかったとは勉強不足ですよ。神社前のこれもたねや経営の日牟礼茶屋でコーヒーを飲み、昼は義妹がおごるというので以前なにかで聞いて元ホテル料理長が開いた面白いフランス料理店があるというのをチェックしていたので、携帯で電話予約を入れる。この茶屋でも食事できたのだが、宿が和食なので昼はやっぱり洋の方を選ぶことになる。特に女房達姉妹は小学校がニューヨーク育ちなので洋風料理が好きのようで、一日に一度はパンなどとのたまう。

たねや

 11時45分にかの店、富たんに来てみればなんと住宅街の中、小さな神社参道沿いで縄暖簾の居酒屋風佇まいにやや唖然。店名の書かれた看板の上にふらんす料理の文字が小さくあるものの、これでは知らない人は来られないし何の店か分からないでしょう。12時開店だがあと5分ほどで食べられるようにしますというのでしばし外で待つ。呼ばれて入ればまずカウンター席が10人弱、隣に小上がりで2卓とはまさしく居酒屋だよこれは。ちなみに店の名前も居酒屋風で富たんとは、座布団にあぐらをかいて向かいの壁上部に掛かっている免状や表彰状を見てご夫婦とも名前の一字に富があるので了解。カウンターの上や別の壁にはサイン色紙が一杯に、やはり結構知られた店なんだと納得しつつ少し読めば、ゴルフなどスポーツ選手が多い。昼は3000円のコースというもののこれはボリュームありそうだの予感は的中。さて箸で食べるフランス料理の前菜は鯛の白髪葱巻が彩り良く皿に盛られ、旨いしさすがこれはフランス料理。次に今日はロシア風スープとかでトマトの酸味が効いてボルシチのスープをアッサリしたようなもの、これには評価は分かれるでしょう。なんでも小柄な親父さん風シェフは京都ロイヤルホテルで料理人をしていてここにマイホームを購入し、ホテルを止め開業して18年になる由。奥さんは横浜西区の岡野高校卒業とかで我々が横浜からと聞いてえらく懐かしがっていました。スープを飲み終わって片付け中の僕の皿を見て凄い食べ方の人がいると義弟がからかうのを、本当に喜ばれるのはこういう風に食べてくれる人とは奥さんのお言葉、それみなさい旨いものは綺麗に平らげるものなんですぞ。魚料理はエビのピカタにタルタルソース、野菜サラダ添えといえば聞こえはフランス風ですが、エビフライにキャベツがついた例のものをフライからピカタ風に変えたこれは洋食という部類で4人ともこれはいまいち普通だなと顔を見合わす。さて次なる肉料理は牛肉の赤ワイン煮でポテトクリームの上に乗せられタップリと煮込んだデミグラソースがかかっている。これは肉を一口入れて思わず旨い、柔らかいで何故こんなにもと聞けば8時間煮込んであるとか。これだけでも価値ありですがそのあとは今までパンが出ないのでどうしてなのかなと思っていたのが、これもうちの名物で評判のミニカレーですと。出された瞬間スパイスの刺激が目と鼻にウワッと広がる。フレンチなので欧風カレーですがこれが辛いのに甘い、これまた絶品、僕の好きなラニのインドカレーとはまた別の味わいで欧風でも香辛料を効かし野菜をタップリ煮込めばこんなに美味しいんだと大満足の一品でした。デザートはプリンにチョコレートが捻花風に美しく掛けられ、フルーツが添えられている。カナダで作られたフレーバーコーヒーでちょっと紅茶風の不思議なものが出されこれでコース終了。

富たんと昼のコース

 義妹はこれで雰囲気があればなどと言うのを安くて旨いが一番、これだけ出て3000円は夫婦二人だけで自宅で商売しているからと、こういう店があるんですねぇ、またそれを知って遠方から訪れる客もいるものですねぇ。ちなみに野球の新庄や芸能人の赤とんぼのサインもありましたよ。これだけの量をそれこそ皿を舐めるように全て平らげたのは僕だけ。まだいけるぞと言えば、あんなにカロリーの多いタルタルやデミグラソースを綺麗に食べ尽くしてなにがダイエットよとまた怒られてしまいましたが、本当に不思議に腹いっぱいの感覚がなかったのが我ながら恐ろしい。帰り掛けは飴玉までサービスとは不思議なフランス料理店で、また話の種が一つ増えましたよ。

 腹を満たして今日の宿がある信楽に向かうに、連休はメイン道路周辺が混雑するので草津まで降りて、裏側から山越えで行こうと南下。最近新聞で草津本陣が修復され浅野匠之守や吉良上野介の宿帳も見られるといういう記事を読んだのでちょっと足を伸ばして見学していくことに。目的地は草津駅近くではあるものの、折から祭りのようで規制があったうえに一方通行が多くて分かり難い細い道を回りまわってたどり着けば駐車場は無く、やむをえず交代で見学。本陣全体がこれほど見事に残っているのと脇本陣も揃って残るのは珍しいとか。ボランティアの説明を聞いた女房からの又聞きですがその内容が実に面白い。江戸時代は宿、泊、休の別があって宿は料理人自前で連れてきて宿泊するだけ、泊は料理も本陣に頼んで宿泊、休はそれこそご休憩のみとか。殿様の間は上段で畳2畳が2段重ね、それで寝る時もその2畳内だけ、これは槍で床下から刺されないため、また天井も格天井で丈夫に出来ているという話、お殿様も窮屈で大変だったんですねぇ。便所も畳敷きでこちらは広くて中心にオマルがあり下では殿様の排泄物を受けて健康状態を診たとか、風呂も広い部屋で真中にあり便所と同様に四方から槍が届かないようになっているなど。また江戸時代は金より銀が貴重で、吉良のチップは金だったが浅野は銀だったしかるに吉良はケチというお話はちょっと出来過ぎではないでしょうか。でも吉良はケチといわれるほど質素で、邦元では良い殿様と領民に慕われたのもそのためかな。なおこちらも残っていた脇本陣は個人所有のようでお土産と食事の店になっていました。

 少しばかり1号線を戻って右折し信楽に向かえば存外にいい道が続き、ミホミュージアムに向かう宗教団体らしい一団を乗せた貸切バスもこちらからがアクセス道路らしく何台も走っている。我々は昨年も見ているが初めてという義妹夫婦を案内、今回は天気に恵まれまた新緑も美しい。ミュージアムでは今回はエジプトのイスラーム文様の特別展示、やはりそれなりに見応えはありました。場所場所に立つ信者らしい説明員に尋ねればいろいろ説明してくれるので時間があれば遠慮せずに聞きましょう。エジプトの鳥の顔をした神像を前に説明員は、頭はラピラズリ、骨は銀、肉体(皮膚)は金という言伝えそのものの組合せで出来ている像は世界でこれ一つという話に加えて、エジプトでは金より銀の方が大変貴重で最もボリュームが必要な骨部分に実際に銀が多く使われているのは珍しいのだと自慢そうなお顔。はてさっき草津で聞いた江戸時代の日本と同じだと変に納得。もう一つの特別展示は中央アジアの黄金の国・古代バクトリア遺宝とかでこちらは黄金の国ジパングと同じじゃないですか。マルコポーロが滞在した国、その中国人らしい女性4人組みが熱心に口角泡を飛ばすが如く喋りながら見入っているのと一緒になって、SARSで騒然としている昨今では僕は思わず不安がよぎって一瞬身を引いて離れて見学することになってしまいましたが。

トンネルを通って
 山の向うにミュージアム
  が現れる 

 ミュージアムから信楽はやや細い道を下ってメイン道路に出れば案の定渋滞の列に、すぐさま裏通りに入って伝統産業会館前に回り、午後5時にはまだ少し間があったので駅前陶器市をちょっとばかり冷やかして行こうと臨時駐車場に停める。昨年2枚だけしかなかった緑釉角小皿が同じテントに今度は3枚だけあり、これで5枚揃いになると早速購入、店のおばちゃんに2年越しで揃ったよと話せばこれは良い物なのよ、半端になったので安くしたのと、これは誉め言葉?なのかな。

駅前陶器市

信楽と伊賀での我家のケチケチ買物

 宿は昨年泊って気に入った小川亭、今回は4人なので食事部屋は大広間をスクリーンで仕切った大部屋となり、なんだか落着かないなど話しながら適度な間で出される会席を全員が全部平らげる。義妹がこれと同じ物が日吉の家にもあったなどはしゃげば女房は器の講釈をしながらなんのかんのいっても賑やかなことでありました。その中でも昨年800円で買ったぐい呑と同じ作者の変わった形の醤油注しが面白いとえらく気に入った様子に女房がこれなら洒落た一輪指しにもなるよと追打ち。1800円は安いと義妹は翌朝早速のお買上げ、我家の分はと言う僕に女房は今度来たときにとっておくわだと。

 信楽は朝の1時間半あまりで伝統産業会館を含め忠六苑、陶成アートギャラリー、土味など回って少しばかりの買物をする。オダマキが咲く庭の一部にある作業場に招き入れた忠六苑のもう80歳になろうというのに元気な主人の話ですが、最近は命懸けでいい焼物を作る奴がおらんなったとしきりに怒っていましたよ。昔からの穴窯による焼締だけに拘り、登窯なんぞじゃいいものはできんとおっしゃるところから最近の釉薬掛けなどはさぞ気に入らないのでしょう。その作業場には水面からまさに飛び上がろうとする龍をレリーフ風に中央に配した飾り大皿を乾燥中で鱗などもリアルで惚れ惚れするような姿だったですねぇ。さてそれではとお暇し、土鍋が買いたいという義妹の希望にそれなら丸柱が本場だと長谷陶苑の窯だし市に向かう。

 伊賀焼作家のテントも並ぶこちらの市は個性があって信楽駅前陶器市より面白い。残念ながら昨年と同じテントで目指す絵模様の猪口はありませんでしたが、別のテントで灰釉に趣がある小徳利が目にとまり、聞けば穴窯で焼いたというのに2000円という安さは即買い。あとは小さなもの少しばかりを買って、苔と斑入水引の小鉢だけで我々は切上げ。義妹は手ロクロ作りの緑釉中土鍋と黒褐色一人用土鍋の二つを購入、合計18000円が3割引送料込みで13800円に安かったと、我家ではB級品でもっと安上がりしているのに贅沢じゃありませんか。

 彼らと一緒の観光の最後はやはりモクモクファーム、昼はこのところ続けてここで。昼食は少しばかり待ち順を我慢することにしてメニューを見れば、ロースカツ座が1300円と以前より安くなって、ここでもデフレが浸透しているんですかね。地の手作り惣菜と一緒に豆五穀米ご飯とは健康的じゃありませんか。ここでもご飯のお代わり自由を我慢して一膳で止めました、感心感心。今回の旅行は昼だけは彼らのおごりということにしていましたが安上がりだったでしょう。場内一回りしてミニ豚のゴワゴワ豚毛を撫でて、義妹はすぐ神戸に帰るのでパンや焼豚をお土産に、我々はごーひちごと名づけられたコシヒカリを買い伊賀上野駅まで送ってサヨウナラ。この二日あまり旅なれない義妹夫婦と一緒だとなにかとテキパキいかなかったかなぁ。あわよくばと思っていた室生寺のシャクナゲはまたの機会になりましたね。

食事処
  ごーひちご

ミニ豚がアイドル

 3時半になってあとは一直線に豊田の奥、猿投温泉にナビに従って走る。途中長島付近で事故が起こったばかりのところにぶつかり、急遽高速を降り、木曽川を渡ったもう一つ先のICで再度乗るという一手間があったため、猿投到着は6時をやや過ぎてしまう。今日の宿となる金泉閣は山間にあって泉質が評判と新聞で見て小さな宿を想像していたのだが来てみればかなりの大型旅館。また日帰温泉施設岩風呂が併設されていてこの時間でも外来客の車で駐車場は一杯にこりゃ驚いた。夕食を7時半からにしてもらって、翌朝は9時からという岩風呂に今日のうちに入ってみようと行けば、休日の外来は1500円でタオル、バスタオルはゴルフ場スタイルで自由に使え、髭剃りや歯磨きから浴衣まで用意され、レストランやカラオケのさなげ座まであって一日楽しめるようになっている。こういうのを名古屋ではお値打ちというのでしょうか、名古屋人はケチと言いますが決してお買得には目もくれず、高くてもお値打ちならお金を出すのだと昔読んだ名古屋学なる本に書いてあったのを思い出してしまいました。

猿投温泉とその付近

 夕食は4コースあって極普通ながら品数が多いコースから季節の料理コース、豆腐中心ヘルシーコース、和洋組合コースからと言われても、そんなの即座にはよう分からんから感覚的に季節料理にしてしまう。やや気取った和食処のカウンターで会席風に順次供され、暖かいものは暖かくと大型旅館にしては工夫されていましたが、最後の釜炊きご飯は量が多過ぎではないでしょうか。それに漬物も皿一杯、さらに濃い赤出汁とは塩分過多でこれで健康的とは言えませんぞ。宿の温泉PRでは健康に良いという記事であふれていましたが、これだけ食べても名古屋地区では高血圧の人は多くないのだろうか。医者が薦める全国奇跡の温泉55にも選ばれたと宣伝している温泉に入ればこれしきの塩分はなんでもないと言うのでしょうかね。でも料理全体は結構美味しかったですよ。

季節会席の夕食

 宿の温泉は最上階に古代檜の内風呂があり、飲泉も効能があるとかで専用設備が一箇所設けられ、ペットボトルで自由に持ち帰ってよいとの掲示に翌早朝あわてて車から2リットルボトルを2本取ってくる。裸で組みにくいのを必死に入れている姿など見っともないことこの上ないことでした。でも尿酸を排泄するというラジウム温泉は、ビールも好きでやや尿酸値が高い僕にはもってこいで、こりゃ結構、結構。朝の駐車場には残っていた台数はそんなに多くなかったから日帰客がほとんどの駐車だったんですね。宿泊客は普段はどのくらいなんでしょうか、今回は修学旅行らしき中学生の一団が泊っていましたけどね。翌朝は大広間での食事と聞いていたのでバイキング形式を予想していましたが、昨日と同じ場所に変わっていて本格朝食。味噌漬太刀魚と鱒と湯豆腐をメインにこれまたかなりの品数、漬物類も多くてまたも塩分過多に、今回ばかりはご飯は二膳いってしまいました。

 会計を済ましてから山懐最奥にあるこのホテル周辺は森林浴もうたい文句というので辺りを散策。突当たりには滝が流れ落ち、脇から階段や坂道を200m登ればダム湖があるというので一往復すれば山は新緑とそれらに絡まる藤の花が各所に満開で香りも漂う。そういえばここ猿投は瀬戸より早く焼物が興った日本六古窯以前の古窯だったはず、同じ愛知県の渥美とともに廃れてしまったところであり、我々には何か因縁の地に来たような気分になってしまいました。しばしハイキング気分を味わってさぁ我家へ早めに戻ろうと帰路につく。

 豊田ICから東名に乗り。例のごとく静岡に合併したての清水は河岸の市の12時少し前に到着。まずはこのところいつも大行列で諦めていたおがわに行けばまだ少しの列にしばし待って入店。二人とも次郎長丼1500円なりを注文すれば本日は両市の合併記念セールで1200円のサービス価格。マグロびっしりの中心にはイカが配され甘エビとイクラも乗る。あまりのマグロの大きさと量に女房は暫くはマグロはいらないとの御宣告。はい結構でしたで生サクラエビ、カサゴ、カンパチ、浜名湖産アサリ、干物類など買い求め、清水ICからの高速は厚木付近がやや混雑程度でほぼスムース、3時には家に着くことができあとが楽になりましたねぇ。最後に女房、今回の旅行では宿代以外は本当にお金を使わなかったわと、やはり我慢我慢のし過ぎでしたかね、その分で現在信楽の第一人者春斎の焼物を買っておけば良かったかなぁ。

店データ
  鳥喜多           長浜市元浜町 8・26        0749-62-1964
  休暇村 近江八幡    近江八幡市沖島町宮の浜     0748-32-3138
  日牟礼茶屋        近江八幡市宮内町 3         0748-33-4444
  富たん           近江八幡市船木町 1288     0748-33-1052
  金泉閣           豊田市加納町馬車通 21      0565-45-6111

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