中継地では自分の穴場をおさえておこう

小田原・開成    2002.6.9(日)  2005追記

 小田原は箱根と伊豆旅行の経由地として多少は押さえておきたいところ。日帰りでも魚を買うついでと10月末頃の日曜日に早川漁港で開催されるさかな祭に何回か行ってみたことがある。ここのさかな祭は三崎のように市場で漁協や業者の直売中心というのと違い一寸趣向をこらしていて、各地の珍魚などを含めた多くの種類の鮮魚展示やアジの開きやフライ用裁き方教室などが行われ、普段は魚など裁かない女房などには楽しい催しだそうです。展示鮮魚は入札時間があるそうで催しが終わって引取れるそうですが、観光客はよほど物好きでなければ参加できないでしょう。その点裁きにチャレンジする方は自分で裁いた数匹に漁師の先生が裁いたものを加えて無料持帰りでき女房は恥のかき賃よとノタモウておりましたが、腕の差が味の差にもなっているか帰って確かめることができますよ。でも教わっている手つきを見ると裁き方だけはやっぱり僕の方が上手かったな。

 ここの名物は蒲鉾と梅干、蒲鉾はグチという魚を入れているそうでかなり値段は高め、梅干の方も何年物かで差は大きいもののかなり高いなぁという印象がぬぐえませんね。それで僕は昼飯をちょっと旨い所で食べ、地元客中心の魚屋で鮮魚や干物だけを買って帰るというのが定番。5月は箱根は山のホテルのツツジ見物、初夏や秋は箱根湿性花園の山野草、晩秋は仙石原のススキなど朝早くから出掛け、昼過ぎまでに見物だけでなく日帰入浴まで済まして山を降り、小田原で遅めの昼食をとって買物で切上げというのが混まないうちに早く帰れる楽チン行程なのです。箱根の湯では旅館で食事とセットなどTVで紹介されていますし、仙石原などでは食事処で温泉がある店もありますが、やはり観光値段なので、実質を重んじる僕としては小田原まで戻って食事することになります。ただし小田原の魚屋の多くは日曜日は休みですので土曜日のお出掛けをお薦めします。

 小田原では駐車場があって立寄りやすいという店に行きますが、洋では中心街近くのMARZO、和では早川に近い右京、中華四川ではメイン道路沿いにある森羅でというのが最近の行きつけです。MARZOはイタリア料理でピザが美味しいのですが大きいので、パスタを二人でそれぞれとってピザは1枚にしてもこれが結構腹一杯で、何か適当なランチセットを用意してくれると有り難いんですが。この店の同じ棟続きにフランス料理ビストロ・ローヤルがあって有名らしいんですが、昼のコースでも2000円から、その一番安いのはハヤシライスとなっていてこのあたりでは相当に高めです。そういえば異様な昔の八層造り屋根を復元した本町は元祖外郎(このお菓子、名古屋が本場と思っていましたが実はこちらが本家で、味も名古屋の羊羹ぽいのとは違ってよりお米の味が残る素朴なもので昔の鶴の子餅に似たあじわい)で有名なういろうや(中国から来た漢方医が始めた薬屋が本業だったそうで、歌舞伎十八番に外郎があって、二代目団十郎はここの漢方薬で病気が治り、お礼にこの芝居を作ったとか)の近くにあるスペイン料理トマスは美味しかったけれど昼でもセット5000円ともっと高かったのでそれ以来行っていません。右京の方は座敷もあってコースは高いのですが、昼メニューのぜいたく丼のセット1800円はお手軽でいつもこれを注文。丼に乗るのはマグロ、掻揚になんとフィレステーキの3種、それぞれが美味しくて僕のお気に入りなのです。和食では駅前大通りを駅からずっと行った市民会館向いの左手に一度だけ地元で聞いて行った老舗だるま(国府津の方は割烹旅館で昔から有名人の宿として有名だそうです)がありますが、どちらかというとレトロな食堂といった雰囲気でした。でもこの建物は小田原市だったかの文化財に指定されたそうです。森羅は阿藤快がTVで紹介していた店で本格的な四川料理が味わえます。(その後は超人気になってきて徐々にお値段高めになり適度だったセットメニューが土日には無くなって、一品料理の坦々麺などビックリするほどお上品な量でこれだけでは腹が満たせません、確かに魅力的なスパイス香があって旨いのですが昼を適度にというのには平日ランチが狙い目になってしまいました)。この他にもここには和洋の魚料理で、すなが、くさかべ、天史郎寿司、ラ・ナプールなどのTVなどで紹介されて有名な店がありますが、残念ながらまだ訪ねていません。小田原は広い上に、城や東海道線などで街中の道が分断され、さらに古い城下町の町割が残っているのでしょう、一方通行が多くて車ではかなり不便、とにかく店の場所が分かり難いのです。

 地魚を買うなら中心街にレストランも経営している魚国(ここは日曜もやっています)がありますが、僕はこれも車の関係で駅の新幹線側から東側に廻って旧東海道線ガードをくぐってすぐ右折した所にある小田原屋という地元客の多い小さな店によく寄ります。但し伊豆からの帰りが日曜日でなければ湯河原の駅前から左方向に行ってすぐ右側にある魚忠に立寄るのがお薦め。ここはかなり大きな店で、こういう具合に多少の面倒を厭わずに街道筋の観光土産店を避けてちょっと街中に分け入って地元客が集まる店を探せば、地元で朝獲れたアオリイカ、マアジ、ウルメイワシなどの新鮮な魚をお手頃価格でゲットできますよ。特に自分で裁くつもりならさらにお得ですから、くれぐれもアイスボックスをお忘れなく。

小田原さかな祭り

アジの裁き方教室
 三枚おろし、干物、フライ用と

MARZO
   奥にビストロ・ローヤル

右京

森羅

 ということではあるものの、今回の小田原は北の内陸にある開成町からわざわざ廻っての立寄りという変わったコース取り。6月中旬には開成町であじさい祭りが行われているというので近間で手軽と見物に出かけた帰りの訪問をしてみました。まずは9時過ぎに家を出て東名を青葉ICから入り、大井松田ICを降りれば5分ほどで開催地方向右手に右折、JAの駐車場に入れる。所要時間1時間程で到着。この時期は高速道路を挟んで反対側の山の上で松田山ハーブフェスティバルも行われていて、こちらは洋風にフェスティバルですと。ここは小高い山の上にあるので地味な花のハーブを見るより景色を眺めるのを主にしましょう。真下を東名高速が走り、酒匂川が流れ、その先に田園が広がる雄大な風景をバックにパラグライダーが浮かぶ様を楽しめるかもしれません。

 開成町がアジサイを町の花に決めたのは1977年、その後農道整備に伴って植えられたというあじさい祭会場は田園の中、田圃のあいだを縦横に通る道路沿いの両側の畦にアジサイが一列に並び、歩いて見物するようになっている。この期間はにぎやかに各種の販売テントはどが並びちょっとした縁日気分。あじさい祭だけあって、いろいろな種類の栽培アジサイだけでなく珍しい山アジサイまで各所で販売していて、さらに山野草もあってマニアが結構集まっている様子。中には3万円というような山アジサイがあり、確かに奇麗な色の小さな額花をつけていて初めて見るものでした。アジサイをテーマに皆で町興しをしている様子は、足柄からの豊富な水が用水路を流れる風景も取り入れて宣伝しておいてあげたいですね。JA駐車場には農産物直売所が常設されていましたが、会場内にも農家の販売テントがありました。アジサイを見物、テント店をひやかしてブラブラ歩きした後はもう大して見るものはありませんから、次ぎはこの近くにある天狗で有名な大雄山に足を伸ばすのも良いでしょう。ここの山道にも両側にずっとあじさいが植えられている。さらに昼を小田原でという手もここならもう少し走ればすぐなので組込んでおくのがやはりお薦めですね。この前TVで小田原出身の阿藤快が地元の旨い店といって四川料理の森羅を紹介していましたが、今回立寄ればランチは安い方(高い方にはフカヒレがある)のまんぷくコース1200円(その後このセットが土日は無くなってしまった)でもこのお値段で結構美味しい。前菜、スープ、春巻に二品とご飯、デザートで、そのコース最後に出される杏仁豆腐には女房も大満足、確かにここはいい店が本当に目白押し。まだまだ探せばあるんでしょうけど、お値段はかなり東京並になってきているようで、穴場と言える店はあとどれほどあるでしょうか。

開成町あじさい祭り

大雄山

イベントのいくつか

 さらに新情報として平成15年7月の海の日に早川漁港近くにおさかなセンターがオープンしたので、そちらでお土産ということも出来るようになります。今まで無かったのが不思議でしたからね。さらに温泉でしたら湯河原、箱根だけでなく開成町からR246で山北町まで足を伸ばせば中川温泉というのも選択肢の一つ、町営ぶなの湯が2時間700円で比較的に空いているのと森林渓谷の趣でお薦め。アルカリ性単純泉で湯注口ではやや硫黄臭がする湯は34℃を加温しているものの、少しずつは流し出している温めの内湯と熱めの露天風呂がある。但し休憩所はあるものの食事処が無いので昼飯をあてにした時間に行くのなら弁当でも買っていく必要があります。ここから小田原に出る道筋にはアサヒビールの工場や大雄山があるのでこのコースでグルッと回る手もあるでしょう。

店データ
   MARZO        小田原市栄町 1・11       0465-24-2241
   ビストロ・ローヤル   小田原市栄町 1・11        0465-24-2377
   右京           小田原市本町 4・3        0465-23-7878
   トマス          小田原市本町 3・12       0465-22-7835
   だるま         小田原市本町 2・12        0465-22-4128
   小田原屋鮮魚    小田原市栄町 2・5         0465-22-5807
   すなが         小田原市荻窪 529・1       0465-34-5145
   くさかべ        小田原市早川 1・21       0465-23-4043
   天史郎寿司      小田原市城山 1・6        0465-34-0832
   ラ・ナプール      小田原市早川 1・11       0465-23-2572
   森羅 本店       小田原市本町 2・14・16      0465-23-0318

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