近場でも名所あり、買出しあり

三崎・鎌倉     2001.11.04(日)

 我家、横浜日吉から日帰りお手軽コースとしてスキーなどの冬スポーツをしない我々としては特になにもない冬場の休みなどにちょくちょくでかけるのが、三崎から鎌倉の今晩のおかず買出し兼用ルート。息子が大学受験の年は泊り掛け旅行は控えて毎週のように出掛けて鎌倉などは歩きでいろんな所を歩き回ったものです。 行きは第三京浜に都筑から乗り、横浜新道、横横道路(新道から横横道路に移る手前に以前は無かった料金所を新しく設けて200円を徴収、なんでこの乗り継ぎに第三京浜より高い料金を取るんだとここは頭にくる所)と走って衣笠で一般道路に降り目指す三崎港へ。僕は一般道路では国道134号に出る手前で三浦海岸方面標識の交差点で左に曲がり、京急三浦海岸駅少し手前の池代の信号で右折、134号は横須賀の方から来る側に出るコースをとる。この道は空いているのともう一つ池代で曲がってすぐに農家の野菜直売所(以前はシャッターが早くから空いていたが最近は早朝は開いていない)が2軒あって、ここのものは値段は他の直売所より高めかと思うが質が良いのでいつも寄るのだ。特に冬場は三浦大根を始めとして新鮮野菜が豊富なのが嬉しい、三崎はマグロだけじゃないんですよ。

 そのあとは国道途中に鈴木水産の生鮮ジャンボ市場と隣には同経営でマグロが人気の寿司屋豊魚亭があるが朝早くなのでまっすぐ三崎に向かう。朝早く行くというのは三崎では午前5時頃から8時半頃まで日曜日毎に朝市が開かれているからだ。この市はマグロ、鮮魚、干物ほかの海産物と野菜類中心で漁師が自分で捕ってきた魚だとかも並んでいる。マグロなんかも10以上の業者があるし、野菜類も農家直売と業者が入り乱れているが、威勢の良い掛け声を出しているのは業者のみ、直売は控え目なのが微笑ましく僕は野菜だけは農家直売の方で買います。マグロは寿司屋専門を謡う所(山哲)やインドマグロ中心という業者など、まあ見ただけではよく分からないと思うけど自分で確かめて?買って下さい、そのうち目利きになれるかもしれませんから。ただしここは冷凍物だけなので数日で食べるならプロの解凍済み(大型ブロックで買いたいなら柵取り前の解凍品もある)したものを買った方が無難でしょう。鮪ではホホ肉やカマは安いし、旨いしでお薦め、ホホ肉はフライパンで塩コショウで料理すれば牛ステーキのようだし、カマは同じ味付でガスオーブンで銀紙包焼がめっぽう旨くてボリューム十分、僕は白身魚以外は刺身より熱を通したこっちの料理法が特に好物。鮮魚は秋も深まればカワハギ、冬はキンメなどがお目当ての魚、アワビ、サザエ、イセエビなどもいつも少しはある。ときには鯛、ヒラメがあることも、アジ、サバなども出ていることは多いが概して鮮魚の種類は少なく鮪や水産加工品が多いようです。特に年末28〜30日の年末セールは買出し客で渋滞が激しくなるので、港町というのは山谷の起伏が激しい地形が特徴でメイン道路は限られ、よほど狭い抜け道などを熟知していなければまずゲンナリとなること必定ですから、この時にも朝市はやっていますので早めに行くようにしましょう。

朝市
 風景

昔は現市場棟がある場所が空地でもっとバラックテントで朝市が開かれていたが今は立派に

 また遊び目的を兼ねてではなく鮮魚で良いものをということならここまで来なくても、鶴見生麦の横浜の寿司屋などプロが仕入れる市場通(日曜と水曜が休み、一般客歓迎で朝8時頃から開店、年末はお節用食材のセールも)の方がネタも素晴らしくお薦めである。朝市としては三浦の東側、金田漁港などもTVで紹介されていますが行ったことはありません。有料道路橋で渡る城ヶ島にも漁協直売所はありますが規模は小さいものです。三崎の朝市は早くてという向きにはフィッシャーマンズワーフ(フィッシャリーナ・ワーフうらりと名付けられ野菜も売っています)も旧市場跡に今年7月にオープンしたので昼に行っても良いでしょうが無料駐車場の開放は無くなります。8時過ぎに開き始めたこちらを今回見たら、イカなどこちらの方が朝市より安いということもありましたので念のためご注意を。前述のジャンボ市場、朝市広場の先のマグロ市場などの常設店のほか、街中にはマグロや鮮魚、貝専門、干物などの店は多いのですが、その中でもまるいちという店はかなり良いものを置いていてお薦めですがお値段もそれなりにかなり張ります。まるいちのある路地から北に出た道は港町の商店街になっていて、港の道は細いものと決まったようなのですが、ここもメイン道は露地より少しばかり広いものの同じですね。ずっと歩いていくとTVでお馴染となった異相な親父のくろば亭があり、向かいには大漁旗の三富染物店があって多少は港町の雰囲気が感じられますが総じて裏寂れた商店街にポツンと野良猫が半眠りしているのがピッタリの雰囲気。三崎はマグロで町起ししていますが、地魚小魚料理や寿司屋などもありますから、自分の口にあった店を探して下さい。ガイドブックに出ていないお薦めの店は地元で長そうな喫茶店の主人などに聞いてみたらどうでしょうか。今までTVなどで紹介された中ではくろば亭はかなりお薦めですが早めに行かないと込合うのは確実。注文は数人でいろいろな創作料理を頼んで取分けるべきですが、我々二人だけだと定食物は避けるのは当然としてまず丼以外の異色飯物一つ、アラカルトで旨そうなメニューをニ品、それに汁物程度でもう腹一杯。本日のメニューなどもあってなにせ種類が多過ぎて訳の分からない客がゾロゾロ、そこにお薦めを早口でしゃべる案内係と、それだけでは聞いてもどんな料理かピンとこないはず。我々も同じですが周囲で食べている中で美味しそうなやつだけはシッカリ観察して、次のお楽しみにということになります。

うらり

クレーンで冷凍マグロの水揚げ

 鎌倉方面へと134号に戻って京急三崎口駅前を通り、長井(ここにも漁港があって販売所がある)の自衛隊前を過ぎ西に向かうと佐島入口がある。この佐島はヨットマリーナで有名ですが、鮮魚の丸吉商店は一般客で賑わっていて鮮魚の種類も多くかなり安め、少し離れた同経営の海鮮料理店海辺なども海に臨むマリーナのデッキでも食事できて人気です。あとは海を眺めながら走り葉山御用邸前で右折、トンネルを抜けて逗子海岸から鎌倉材木座にというコース、こちらからの道は比較的に空いていて快適、道沿いにはガイドブックに載っている海を眺められる飲食店がいくつかあるが、先を急ぐ我々は寄ったことはありません。

丸吉水産

葉山付近からは富士山も

 鎌倉は土日祝の休日(選挙などの行事があると不可)は市役所駐車場がシルバーさんで運営され、100円/Hで停められますが、さすがに人気?で朝10時過ぎには満杯空き待ちとなります。ここにうまく停められれば鎌倉散策、昼食を何処にするかを勘案しながらコースを決めましょう。僕は大まかに4つのコースを設定して、時間とその時期の花の名所やその日の気分でアレンジしながらよく歩きました。
 その北東コース、鶴岡八幡宮(ここの行事や近代美術館の催しを調べておくと好都合です)に突き当たって右へ萩の宝戒寺、荏原天神、大塔宮から花の瑞泉寺周辺へ、戻って覚園寺、ここは案内が付いて拝観時間(昼休憩あり)が決まっているので注意して下さい。さらに戻って八幡宮境内を通り小町通の店を覗きながら帰ってくるという最もお手軽なもの。時間があれば次と重複する浄明寺周辺の寺も廻ります。
 南東コースは、駅正面をまっすぐ行き産土の寺大巧寺の庭園(手入れされた庭を無料で見ながら通り抜けられる、お賽銭ぐらい上げておきましょう)を抜けて右へ本覚寺を過ぎて左に入り大きなカイドウの木がある妙本寺、ぼたもち寺などを経てバス道に出て北條政子の墓のあるツツジの生垣が続く安養院。時間があれば長勝寺まで行って戻り、日蓮宗の安国論寺さらに苔の綺麗な妙法寺(ここは奥の小山に登ると大塔宮の墓があり眺めが良い)、ここから先の細い道を進むと車通行不可となり、坂道を登っておどろおどろしい雰囲気の釈迦堂の洞窟トンネルを抜けると浄明寺地区に降りてきてやれやれ。そこに自宅を喫茶店にした古典派という店がタイミング良く現れます。竹が美しい報国寺、階段の上にある鎌倉では古いという杉本寺を廻って八幡宮に戻ってくる。ショ−トカットしたければ細い道を一本ずれて宝戒寺に出られるこれもトンネルを抜ける道もあります。
 次は北西コースで、まず時間があれば佐助稲荷と銭洗弁天に寄ってからもやい工芸などを覗いて戻り、寿福寺、英勝寺を経て線路を渡り立派な仏像展示館がある浄光明寺に寄道、海蔵寺に足を伸ばしてからこれも車通行不可の切通しの坂道を登り降り浄智寺の横に出て北鎌倉、ここからはJR電車で東京方面から来た観光客が降りてゾロゾロ鎌倉迄の道両側を歩いているのに加わる。ご存知、国宝舎利殿がある円覚寺、縁切寺の東慶寺(入口左手奥は雰囲気の良い喫茶店)、アジサイの名月院、鎌倉五山筆頭建長寺などの有名仏閣やレストラン、料理店から陶器店などの工芸品店なども多いので、鎌倉でも最もポピュラーな観光スポットではある。今回はこのコースの短縮版を愛犬を連れて散策、北鎌倉ではここでも匠のまつりとか、円覚寺、東慶寺、浄智寺前に露天で小規模に古布人形や自作陶器、アクセサリー、お菓子類から山野草などまで、まあたいしたものではありませんでしたが、愛犬パグが可愛い可愛いとで女房はニコニコ。
 最後が南西コース、極楽寺まで江ノ電で行って海が見えるアジサイ寺成就院の切通しを通り、名物力餅家や地方各地の調味料などを置いている三留商店(松本大久保醸造の醤油もある)を過ぎると長谷、観音様(観音様は岩壁に出現なさるので岩場の上にお堂が建てられ、登ってのここからの海の眺めも良い所)と大仏様を拝んでから鎌倉駅に戻って行く。途中には加賀前田家が寄贈した鎌倉文学館、ここからの海が見える風景もなかなか、大通りに戻りがけにふと見ると隣の屋敷の門には前田の表札、さすがですね。ここから駅までの大通り沿いには骨董屋がたくさんあり、ひやかしに寄って値段を見ると何じゃこれはというお値段、そりゃ高級品もあるでしょうが普段使いするにはこんなものは買えません。以上のほかには海側が残っていますがサーファーでもない我々には場違いとあくまで車の通り道としてだけと徹底しております。

 鎌倉での食事はあらゆるジャンルの有名店がありますから自分で調べて下さい。一寸高めでもよければ僕は洋ならフレンチの丸山亭(紀伊国屋駐車場隣)、和ならとり一(御成通り)が好きですけどね。安い方なら日替定食700円の一種類だけという居酒屋将元の食事内容は家庭の味で独り者には嬉しいこと請合い。お菓子では鳩サブレの豊島屋本店がここにありますが、レーズンウィッチがいつでも買える鎌倉小川軒(御成通り)が穴場でしょう。工芸品では鎌倉彫りや陶器屋が沢山あり、こんな場所にという所にも結構良い品を置いている店がみつかるはずです。でも僕は備前焼小西陶蔵のぐい呑で気に入ったのを一度だけ買ったのを例外として、いつも見るだけですけどね。今回は寿福寺近くの匠という店にちょっと寄道しましたが、多治見で買った作品の少ない渡辺的矢の茶碗(38000円)や銘々皿(10000円)があって、よく仕入れられたなと感心しました。最後に鎌倉だけに来た時は、駅近くにJAさがみ農協連直売所があるので、安い新鮮野菜と切花などを女房が求めます。バジルやイタリアンパセリ、ルッコラ、ラディッシュなどシャレた野菜も置いているのでお薦めです。その向い側の魚七鮮魚ではここにも地魚がよく置いてあってコチなど珍しい魚を裁いて貰って晩酌のつまみにしたものです。

 鎌倉からの帰りは駐車場から左に行き長谷から来る道に出て手広の交差点を右折、大船フラワーセンターの横を通る道にきたら左折、道なりに走って国道1号原宿に出る陸橋には乗らずに右折して田谷の洞窟前を通って熊野神社前を左折、戸塚警察署前の交差点で右折し1号、横浜新道というルートです。このコースは時たま新道入口料金所で混むことはありますが、そのほかはいつも空いているので定番ルートとなっています。朝から遅くても4時頃には家に着くこのちょっとの御出掛けは本当にお手軽、気の向くままというものでしょう。

<追記>
 平成15年に鎌倉近代美術館葉山館が新しく御用邸の先、森戸海岸方向に進んだ所にできました。ここのカフェレストランは眺めも素晴らしいと評判で、駐車場もあるそうですからコースに組み入れるといいでしょう。

店データ
    豊魚亭         三浦市南下浦町菊名 751   0468-89-2198
    まるいち        三浦市三崎 3・5         0468-81-2488
    くろば亭        三浦市三崎 1・9         0468-82-5966
    丸吉商店       横須賀市佐島 2・14      0468-57-2727
    海辺          横須賀市佐島 3・8       0468-57-4353
    丸山亭         鎌倉市御成町 14・1      0467-24-2452
    とり一          鎌倉市御成町 7・13      0467-22-1818
    鎌倉 小川軒      鎌倉市御成町 6・2        0467-25-0660
    将元          鎌倉市小町 2・1         0467-23-4980

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