日本中のテキ屋が集まる?川越祭

川越      2001.10.21(日)

 小江戸、蔵の町川越の祭はそれまで日にちが決まっていたのを、たまたま数年前に土日と重なり僕らも初めて見物に行った時だったのだが、観光客がドッと繰り出しえらく賑わったのに気を良くして以後は10月第3土日に開催するようになった。川越は祭や喜多院などの見物だけでなく、最近は普段でも街中に観光客が多くなり、蔵の並ぶ一番街ではボランティアガイドに案内された団体客が目に付いたり、菓子屋横丁など20年近く前までは閑散としていたものが今は休日には道に人があふれるほどなのです。もう一つここでのその道の好きな方の名物行事はお不動さんの縁日28日に毎月行われる骨董市(雨天中止)で、夜明けから境内の四角い広場(東郷神社の境内長々と並ぶのに対しギッシリ固まってというのが良いところ)に80店位がギッシリと物を並べて盛況です。てなわけで僕もかなりここには物好きに遊びに来ているので祭の様子だけでなく多少の観光面白情報を加えて紹介しましょう。

 中心街は交通規制で車は入れず周辺の学校のグランド(前日が雨でグランドが荒れるのを避けて駐車場が少なくなった年は大変でした)を臨時駐車場にしているので、満杯になる前にと余裕を見て朝8時45分に家をでて、日曜は環八も空いているので10時には月村小学校グランドに到着、まだまだガラガラな時間に駐車。後で聞くと昼前には満車になったとか。祭りは10時からとのことだが、午前中は屋台は動かず屋台上や道路に面した各町内の仮設舞台でお囃子とここ独特のおかしみある踊が演じられている。昨年は土曜日に来て各町内だけを廻る引き回しと宵山で一番街に並ぶまでを見て肝心なところは見られずじまいだったので、以前にぎやかだったと記憶する日曜日に勇んでやってきたのです。が、今年の参加屋台は9台とかで例年に比べ寂しいため、街中を歩いても人ばっかりでお目当ての屋台はまばら。午後2時に市役所前に集合、3時頃蔵作りが並ぶ一番街を順次通るとかでそれまではブラブラ歩きして廻ることに。ここの祭で本当に面白いのは曳っかわせといって屋台同士が交差点などで出会った時、屋台台座上を回転しあって向き合い、踊比べお囃子比べをするところにあるのです。

街角のお囃子舞台

蔵通りを山車が進む

山車上のお囃子と踊り

曳っかわせ

時の鐘の下で舞う

ここでは神輿は脇役

 これが今年は台数が少ないので夜7時提灯に明かりが入ってからとのこと。これは予定外で午後4時頃帰ろうと思っていたので来年は夜中心にしようか、その時間なら逆に今日の僕らみたいに帰り客も出てくるだろうから駐車場も空いてくるぞと。事実4時以降に見物しに来る人も多いようで、この手もあるな。あとは祭りにつきものの神輿はここでは脇役のようで、大型神輿は1台だけ出ているだけ。で、担ぎ手に女性が増えているのはどこも同じようですね。

本格開始前は蔵の街散策

 と言うわけで昼飯までの時間つぶし、まず洋食ビストロ岡田(ここのロールキャベツが美味しい)の前、NTT脇の道を入るはつかり醤油醸造松本商店に併設の喫茶店エサーゴノ(ここの娘が始め、醤油の酵母が六角形だということでつけた名前じゃと)で一服。さてと江戸料理山屋の前を通って蔵が並ぶ一番街の人ごみの中へ。この通りにある老舗菓子屋の亀屋、くらづくり本舗などは観光客が必ず寄るところ。亀屋の裏には橋本雅邦を中心とする山崎美術館があり、以前は見終わっての出口手前の休憩所では名物菓子の最中が置いてあって自由にどうぞとなっていたが今でもあるかな。くらづくりの方は福蔵という最中風の中に餅が入ったお菓子が美味しいと女房がいつも買う。また脇の引戸をくぐった裏は古い民家をそのまま店にしたくらつくり茶屋、会津の割烹旅館田毎と提携したというわっぱ飯(田毎では朝食に出る)と、これも会津満田屋に倣ったと見られる田楽だけの食事ですが、セットメニューもありお薦めです。食べ物関連は新しく出来た店も多く祭でどこも賑わっていましたが、僕が知っているのは食事ではやや高めのコースメニュー2種だけの家庭料理えぷろん亭、陶器屋やまわの奥にある喫茶と和食陶路子(何故かここには感じの良い陶器屋が2軒すぐそばに並んでいたのですが平成15年に1軒は閉店)、出汁醤油(春夏秋冬)や胡麻ドレッシングなどが旨い金笛醤油奥のうどん屋うんとん春夏秋冬、はるり銀華2階の喫茶室などです。またこの通りの名物店として荒物や銅鉄器の荻野銅鉄店、時の鐘の筋近く包丁の町勘、蔵店が文化財指定の民藝品屋大澤商店などがあり、中でも親父が研ぎながら(ここで買ったものは優先的に研いでくれます)講釈してくれる町勘の包丁は切味が素晴らしく、値は張るものの思い切って買ってしまい2本も家にあります。今日は犬猫グッズを階段下の道路にディスプレイしたペット・スタジオという2階にあるペット衣料の店に女房がふらっと。犬用の可愛い洋服が安いと我家の愛犬用に衝動買い、なんで川越祭を見にきてこんなものを買ったのかしらと、わしは知らん。この通りは新しい建物も蔵風にするよう協定が出来ていて、この協定作りに一女性が活躍したとTVでかなり前にやっていた。 

町勘

亀屋

エサーゴノ

くらづくり本舗(裏手は旧埼玉銀行)

 この日の食事は祭見物客で混む前にと11時半開店のこれもお気に入りの地元の人も推薦する幸すしにと、金笛醤油脇の細いこんな路地(車だと裏側の道から入って駐車場もあります)にという所を奥に入る。この店は寿司カウンターや座敷は1階にあるが予約客以外の昼は2階のみ。で、登ると先客は一方が地元らしい女性客ばかりのまだ2組4名で、上がり板敷に向かう椅子席の面白い趣向の席につく。ここ半年程来ていなかったうちに改装されて、この趣向の席が減って上段の板敷にテーブル席が増え、窓側に向かうカウンター席も出来ていた。寿司も勿論あるがここのお薦めは休日だけのやまぶき弁当2000円。今日は祭弁当だそうで、蟹なども入ってやや豪華に、でも食べにくいぞ、とはいえ美味しくいただけましたが、おかずに比べて御飯の量が少なめなので男だとお代りしたくなりますね。我々の帰り時間にはやはりもうかなりの客が入ってきていましたよ。

幸すし

やまぶき弁当

 食事後は菓子屋横丁を廻って玉力製菓で手作り飴を買う。金太郎飴というか断面が花模様など各種にさすが職人技で綺麗に作られたものや漢方入のど飴、ニッキ飴、五色の飴玉袋など昔懐かしい飴がいっぱい。川越名物芋菓子、芋の壺焼や芋ドーナツなども、さらに菓子の博物館というのもあるという楽しい場所に変身しています。ここから一番街に戻って亀屋の角を左折するとレトロな洋館は商工会議所のビルが斜め前に。そこを曲がって入る道は大正ロマンの道だそうで、昔は屋根がかかって薄暗い寂れた雰囲気だったが今は上空は取り払われて地上は石を張って明るくなっている。この道沿いにはしもた屋風建物の鰻の小川菊(川越では鰻が旨い店が多く大きい店では天保4年創業といういちのやが有名)があって地元客が多く、蒲焼は大中小の3種のみで注文するのだが僕はここのは好きだ。また今時エライ!としか言いようがない串団子1本30円という安さの小松屋(平成15年閉店)があります。あと川越にはここからデパートもある繁華街側に少し行くと鏡山酒造があって、ここの1、2月のみに売り出される新しぼり(4合瓶)は旨かったが、先代が亡くなってから後継ぎが女だけということで数年前はこれが無かったがどうなったかな (残念ながら廃業しました) 。今回の川越はこんなところで、五百羅漢がある喜多院、移築された春日の局の屋敷、童謡通りゃんせの元になった三芳野神社など興味ある方はまた日を改めてどうぞ。もう一つ川越には暖簾会なるものがあってここで名が通った料理店や菓子屋などが参加していますからパンフレットを見つけて目安にするとよいでしょう。

菓子屋横丁は
今や大変な賑わい

大正ロマンの道入口にある商工会議所ビル
川越は江戸より古く拓けた町と堂々と主張?

 帰りは日高の霞ヶ関カントリー近くのサイボクに寄って、あのどっちの料理ショーで紹介されたスーパーゴールデンポークのトンカツ用肉や角煮用バラ肉、各種ハム、ソーセージにここのオリジナルパンやドレッシングなどを買って行くことに。ここの肉は確かに豚の臭みがなく旨い。広い敷地内には野菜売場もあるほか、レストランも繁盛、外では炭焼ポークやトン足もいい匂い、夏場以外にやっているモツ煮込などもいけますよ。家族連れで楽しんでいる人も多く、近くにはゴルフ場だけでなく運動公園もあります。5時過ぎにサイボクを出て有料道路の橋を渡って16号に出て川越ICから練馬へ。日曜のこの時間は出口が込むのは当たり前、でもこの日はやや流れが早めで2時間で家に到着できました、やれやれ。さあ来週も28日は日曜日、骨董市にまた行くぞ。本当に懲りない物好きだね。

サイボク

川越
お不動さん骨董市

追記
 次の週は土曜日に軽井沢を片付けて日曜の朝には山を降りて骨董市に行こうと戻ったのだが、群馬の方は9時頃にはもう本降り。鶴ヶ島でも10時前にはもう雨模様となって中止だろうと諦めて、サイボク経由でまた豚肉を買ってはやばや家に。という訳で骨董市のことは書けませんでしたので、ちょうど紅葉真っ盛りの軽井沢と3箇所回って〆て1500円なりの天然キノコの写真などをどうぞ。

追々記
 最近の川越には川越まつり会館(入場料500円)も平成15年9月にオープンし観光客がさらに増えたようで新しい店もできてきています。また昔からの店でまだまだいい店、旨い店がありますから安近短の観光地としてもっと探訪しましょうかね。また平成16年6月にはサイボク内に塩化物泉の天然温泉まきばの湯が開業するのでまた楽しみが増えますよ。
 さらにこの祭りに山車を出す27町のうち昔からの13町の山車が祭りと共に国指定無形文化財の指定を2005年に受けたそうで、一層の盛上りが期待できますね。

 店データ
    ビストロ 岡田    川越市仲町 7・13        0492-25-4608
    エサーゴノ       川越市仲町 10・13        0492-22-2286
    亀屋          川越市仲町 4・3         0492-22-2052
    くらつくり茶屋     川越市幸町 2・15        0492-25-5252
    春夏秋冬       川越市幸町 10・5        0492-25-6701
    陶路子         川越市幸町 7・1         0492-26-1065
    はるり銀花      川越市幸町 3・3         0492-24-8689
    えぷろん亭      川越市元町 2・1         0492-26-3370
    幸すし         川越市元町 13・7        0492-24-0332
    小川菊         川越市仲町 3・22        0492-22-0034
    いちのや        川越市松江町 1・18      0492-22-0354
    玉力製菓       川越市元町 2・7         0492-22-1386
    ペット・スタジオ    川越市幸町 10・3        0492-27-7952
    サイボク        日高市下大谷沢 546      0429-89-2221
    川越まつり会館   川越市元町 2・1・10       049-225-2727
    成田山川越別院   川越市久保町 9・2        049-222-0173
        (お不動さん縁日の毎月28日に骨董市開催)

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