第10回奄美シーカヤックマラソンin加計呂麻大会初挑戦
コース説明会
今年は異常気象だ。冬が暖冬で雪が少なく、台風が梅雨期に日本列島に襲い掛かる。一体どうなっているの?
今回初体験のシーカヤックマラソンは、台風5号が奄美を通過し、6号が来る前の晴れた1日にレースができ、良い七夕になった。
7月5日昼少し前に伊丹空港から奄美大島にJAS直行便で向かう。天気予報では週末は良くないとのこと。空港でレンタカーを借り、今日の宿泊地である名瀬に向かう。途中の山越えではやはり雨。大きなスーパーに立ち寄り、どんなものが置いてあるのか物色。外国でも、国内でもその土地土地のスーパーマーケットに立ち寄れば、どんな物が売っていて、値段はどうかなどをみてその土地の特色をつかむことができる。しかし、最近はゴーヤは何処でも手に入るし、輸入野菜や魚が多く、更にはいつでも手に入るので季節感も薄くなり、特色が無くなりつつあるのも事実だ。
名瀬には1時間くらいで到着し、市営プールに向かう。ここで1時間弱のスイミング。1コースに1人の貸し切り状態で快適。その後市内の民宿「たつや旅館」へ。ここの女主人は英語の教室を開いており、忙しい人だ。玄関で暇そうにしていた神戸大学の大学院生が既に何泊かしており、彼が今日の宿泊者リストを見せてくれたので、5号室が確保されていることを知り、5号室を探して勝手に上がりこむ。名瀬の民宿は素泊まりが多く1泊2500円から3000円が相場でエアコン、ケーブルテレビは無料で、冷蔵庫、炊事場があり、朝はコンチネンタルブレックファーストまで提供される。洗濯機も使える。かなり快適だ。ジョギングをしたかったが、今にも雨が降りそうなので諦め、理津子は大好きな洗濯をする。
夕食は名瀬で有名な「鳥しん」へ。鶏飯(けいはん)は郷土料理で前回食べているので今回は鳥もも、油そうめん等を食べる。味は良い。店の人や客が「シーカヤックマラソンに出るのか」と聞いてくる。どうして分かるのか?色が黒く、アスリートの感じがするのか?食事を終え、次に居酒屋「アスリート」に向かう。ここのマスターはトライアスリートでもあり、シーカヤックマラソンの常連でもある。昨年12月にきた時に、この店に立ち寄り、「シーカヤックに乗りたいのだが、良いガイドを知っていますか」と尋ねた時に「海辺のさんぽ社」を紹介してもらった。今回、この海辺のさんぽ社にカヌーのレンタルをお願いした。マスターは私達のことを覚えていてくれた。他にお客さんもいて、マスターが一人で店を切り回しているのでゆっくりと話はできなかったが、ビールや焼酎を飲んで、会場での再会を約束し店をあとにした。
朝7時に起床し、8時前に宿を出発しようとした所、玄関の扉が開かない。鍵を外してもだめ。表から鍵がかけてあり内側からでは開かないのか?よく分からない。仕方なく裏口から逃げるように外へでる。もちろん、宿代は昨夜に精算しているので問題ないが、「ありがとう」の言葉を言えないのが残念。今日も天気はもう一つだ。山はかなり雲がかかっている。車で58号線を南下し瀬戸内町に向かう。長いトンネルを2つ越える。トンネルが無かった時はさぞ時間がかかったろうなと推測できるほどの長いトンネルであった。最後は長い峠越えがある。見晴らしの良い峠で小休止。しばらく下ると左手に「嘉徳」の標識が見える。歌手の「元ちとせ」はこの嘉徳出身である。小さな村でほとんどの苗字が「元(はじめ)」だそうだ。1時間で瀬戸内町古仁屋に到着。ちょうど9時。役場前が艇置き場になっているので、レンタルしたカヌーが届いているか確認するが、無い。海辺のさんぽ社の柳沢大雅さんはまだ来てない様だ。その後すぐ3台のカヤックを積んだワンボックスが来た。大雅さんだ。向こうも覚えていてくれた。ガイドは一人でやっているが、車から艇を下ろすのは一人では大変だ。でも、知り合いが多いのか、土地の人は皆親切なのか、その辺の人を捕まえて手際よく艇を降ろしている。私たちは見ているだけ。艇を指定の番号の場所に置いてもらった後に受付に行く。ゼッケン、T-シャツ、レースのチェックポイントでの確認用タグ、ルートマップ、後夜祭の食事券とビール券、元ちとせのCDなどが袋に入っている。次に艇検だ。2人乗りカヤック、パドル、笛、ライフジャケットなど、これも問題なくOK.。レースナンバーのステッカーを艇に貼り付けようとした時に突然の大雨。しばらく海上保安庁舎で雨宿りする。「明日の天気もこんなんかなー」と心配する。しばらくし、雨も上がり、11時からの下見船でコースを確認に行く。港の外は少しうねりがある。波しぶきを思いっきりかぶる。しかし、海は綺麗だし、深く入り組んだ入り江の風景も素晴らしい。特に、海辺のさんぽ社のある嘉鉄の浜は遠浅の砂浜で何処までも水が青く、近くには珊瑚の群生地帯があり、シュノーケリングにはもってこいの所である。しかし、まだ一度もそこで泳いだことがないのが残念。カヤックのコースは本島の古仁屋をスタートし、岸に沿って東に向かい嘉鉄から流れの速い難関の大島海峡を横断し加計呂麻島は渡連(どれん)に向かう。そして、岸に沿って深い4つの入り江を進み、再び大島海峡を横断し俵小島(ひょうこじま)に渡る。ここからは古仁屋まで直線で4.6km。下見は海上タクシーなので結構スピードが速いが1時間弱もかかった。長い距離感とカヤックレース初体験に少し怖気づく。コースの後半には養殖いかだが数多くある。多分、真珠の養殖だろう。このあたりではクロマグロの養殖も国営の栽培魚場としてあるらしい。コースは地図とブイが頼りだ。左手に赤ブイ、右手に黄色ブイを見ながら進むが、ブイの数はそんなに多くない。明日の波、潮流、天候が心配だが、晴れ間も多くなり、予想に反してだんだん良くなっているようにも思える。下見を終えて、昼食は割烹「海峡」へ。でも、食べたのは理津子がカレーうどんで、私はカンパチのにぎり寿司。理津子は相変らず質素倹約の食事である。
競技説明会までしばらく時間が有るので、今回の宿泊先の民宿「宝吉」に向かうことにする。観光パンフレットで場所を確認すると、会場から直ぐ近くで郵便局の裏手にある。が、しかし、それらしい宿が見つからない。あるのは普通の民家風2軒と酒屋。その隣は空き地。まさかこの空き地が民宿跡?車でうろうろ探すも、やはり見つからないので電話をする。女将さんが出て「今何処にいるか」と尋ねるので、「郵便局の裏の空き地」と応えると、「じゃぁ、家の前に来ている。直ぐ出て行くから」と、言う。一体何処から来るのか?出てきた所は、普通の民家だと思っていた所からである。そら、分かるはずないわ。看板も何も上がってないもの。実は、看板は台風で飛んでしまい、修理していないとか。もー、人騒がせな。まぁ、のんびりしていていいわ。女将さんは小太りの暖かそうな田舎のおばさんだった。でも、出身は大阪の堺だとか。地元出身かと思った。完全に地に溶け込んでいる。
着替えをし、カヌーの調子を見るために試乗する。港内は波も風もないが、一旦港を出ると風と波を感じる。怖くなって、直ぐに港へ引き返す。軟弱だ。でも、しっかり足の位置、舵の調子のチェックはした。大雅さんから、暑くなると舵の動きが悪くなり、無理に押したら壊れるかもしれないといわれ、恐る恐る足でコントロールしたが特に問題はなかった。パドリングの呼吸は明日やって見なければ何ともいえない。そのうち慣れてくるだろうし・・・。私のパドルはカーボン製で少し大きめの物を貸して頂いた。軽くて漕ぎやすそうだが、ブレードは少し大きめなので後半に疲れが出るかも?
参加するカヤックの種類は様々だ。大きく分けて1人乗りと2人乗り(タンデム)。その中でも、シーカヤックとファルトボート(組み立て式)やオープンデッキタイプのもの。シーカヤックでも見るからに速そうなものなど様々。木製のカヤックも有る。パドルも木製のブレードの小さいものからカーボンまで千差万別。
カヤックの準備も整ったので、一旦宿に戻り、理津子は街の散策へ。私はジョギングに行く。何しろあと2週間で皆生トライアスロンなのだ。今は練習あるのみ。この文章を読んでくれた人は、「えー、また近々トライアスロンがあるのー。また、訳のわからん長いレポートが出てくるのかー」とお思いの方もおられるでしょうが、是非お楽しみに!
4時半からの競技説明会に参加する。主催者の一生懸命さが伝わってくる飽きない説明で参加者の熱心な質疑応答も私達にとっては新鮮で興味深い。明日は地図を見ながら、赤いブイを左手に黄色いブイを右手にを合言葉にひたすらパドリングに励むことにする。明日の天候が心配だがうまく台風の合間の好天に恵まれそうだ。
宿に帰って、時間が有るので油井展望台に車で行く。ここは夕日が美しいということだが夕陽を見るとなると、かなり遅くなるので、景色を見て直ぐに戻る。夕食は普通の料理で期待した刺身はタコとまぐろのみであった。まぁ、値段が値段だけにこんなもんか。明日のために腹いっぱい食べる。明日の準備は入念に行う。何しろカヤックレース初体験なので、まだ要領がつかめていない。緊張する。夜の市街地を散策するも田舎の店じまいはかなり早い。夜遅くまで営業しているのは自動販売機のみか。
7月7日日曜日。いよいよレースの朝が来た。昨夜は結構眠れた。7時起床はのんびりしていて楽だ。ロングのトライアスロンなら遅くても5時起床なので、これに比べると朝食もゆっくり摂れ、焦ることもない。ましてやスタート会場まで5分と掛からない。今日は天気がすごく良い。予想外だ。台風6号が来るのは2,3日後のようだ。会場では大雅さんに会い、パドリングについてのアドバイスを受ける。名瀬の居酒屋アスリートのマスター西さんとも挨拶を交わす。トライアスロンのあの緊迫したレース前とは異なり、みんな緊張感はなく、レースも楽しもうとしている感じ。艇には家内が前で私が後ろで舵を取る。座席の前に地図を貼り付け、カメラなど濡れてはいけない物は防水袋に入れ後ろの荷室に入れる。そして、いよいよ入水。スタートは9時半だが早めの8時50分頃にスタッフの人に手伝ってもらい艇に乗り込む。スタート地点へ漕ぎ出す。港を出るとやはり少し波風があるが天気はすこぶる良い。長袖のシャツを着たが顔に日焼け止めを塗るのを忘れた。理津子は帽子に後ろの日よけ、おまけに眼の下にはキャップのひさしをつけている。見た目にはこっけいだ。ひさしの色が黄色なのでアヒルのくちばしを想像させる。しかし。本人はその格好に大満足。スタート地点では、テレビのインタビューを受ける。もちろん、カメラの前をうろうろしての結果だ。
9時30分、タンデムの部スタート。一斉に漕ぎ出す。スタート直後は、密集して艇がぶつかるも直ぐにバラける。グイグイ漕ぐ人、のんびり行く人など様々だ。最短コースを進めようと目標を定めるがなかなか真っ直ぐには進まない。舵がついているのだがどうしても右に左に蛇行しながら進んでしまう。このあたりのテクニックを習得する必要がありそうだ。5分後に一人艇がスタートしたが、アッという間に追いつかれ追い越された。ゼッケンナンバー1の招待選手だ。漕ぎ方が違う。腰のひねりを入れて体いっぱいを使って漕いでいる。でも、「36kmもスタミナが持つのかなと」自分達のことはよそに、余計な心配をしてしまう。どんどん抜かれる。みんな速い!速い人たちのパドリングを見て理津子が燃えてきたようだ。格好だけを真似して漕ぎ出した。ただがむしゃらに頭を振りながら、腰を回し、パドルを漕いでいるが一向にスピードが上がらない。見よう見まねは良いけど、様になっていない。笑わさないで欲しい。
最初の集落である、清水(せいすい)の入り江に入る。太鼓をたたきながら声援を岸から送ってくれる。有り難い。マラソンなどでは手を振って応援に応えられるのだが、ここでは手を振るということは手を休めることになり、スピードが落ちてしまう。どうしたものかとジレンマに陥る。周りの人たちで手を振って応えている人もいないし・・・。そして次の集団にも追いつかれた。10分後にスタートしたハーフコースの人達がどっと後ろから押し寄せてきた。
次の入り江の集落である嘉鉄(かてつ)の手前には珊瑚の群落があり、古仁屋からさんご礁を見るためのグラスボートが来たり、シュノーケリングを楽しめる場所があるが、今日はのんびりしていられない。ただひたすら漕ぐ。最短ルートを目指して多くのカヌーは岩場をすり抜けていくようなルートを選択する人たちが多いが私たち新参者は邪魔になりそうなので大回りして安全ルートを行く。それに少し波も有るので、実はそのような狭いところを通る勇気が無いのだ。実際に、岩場の浅瀬に乗り上げたり、艇同士がぶつかったりしていた。焦らずのんびり行こう。嘉鉄でも応援が多く、地元の参加者のためであろうか横断幕もある。私たちが借りているカヤックの持ち主の大雅さんもここで「海辺のさんぽ社」という名前でガイドをしている。さすがにここでの大きな声援には手を振って応える気にさせられてしまった。ここにはエイドステーションがあるが、まだレースが始まって間がないためか誰も立ち寄らない。ここからは沖に向かって進み、いよいよ最初の難関である大島海峡を渡らなければならない。沖に向かって漕いでいると結構沖合いで泳ぎながら応援してくれている人がいる。「そこは足がつくのか?」と聞いてみると、「立っている」とのことだった。かなりの遠浅だ。そして、彼は理津子の格好帽子をかぶって、眼の下に更に帽子のひさしをつけた格好を見て「いいアイデアですね」なんて感心するものだから、理津子は調子に乗ってしまい、有頂天になっていた。やはり、人間はほめるに限るか?
流れの速い海峡をうまく漕ぎぬけるために、第1チェックポイントである加計呂麻島の渡連(どれん)に目標を定めて一生懸命に漕ぐ。周りは左右に艇がまばらにある。この辺まで来ると大体同じような漕力を持ったものが固まってきている様だ。ほぼ同じペースで進む。しかし、気持ちは張り詰める。潮流の速いここさえ乗り切れば、後は岸沿いに進むので、かなりの安心感がある。監視船は思ったほど多くなく、転覆でもしたら流される前に、直ぐに救助してもらえるのかな、とかも考えてしまうが、ここまで来たらなるようにしかない。頑張った甲斐あって、流されることもなく、最初の上陸チェックポイントの渡連に無事到着。時間は丁度10時。え、9km来るのに1時間半も掛かってしまった。と、言うことは、あと4倍の距離なので合計で6時間も掛かってしまう。しゃあないな。でも時間内には完漕できるやろ。ここで駅伝の部の居酒屋アスリートチームが、第1漕者の西さんから、第2漕者に引き継いで出て行くのと、一緒になった。このエイドでちょっと一服。バナナにおにぎり、麦茶など充分な食べ物と飲み物が準備されていた。お腹をいっぱいにし、いざ出発。もう緊張感はなく、ペースも安定してきているのでかなりリラックスしてきた。しかし、予想のタイムよりだいぶ遅れているのが気になる。制限時間は7時間なのでそれには間に合うだろうが、目標は5時間である。ともかく頑張ろう!余裕が出てくると、景色を楽しんだり、周りのカヌーを観察したりするようになる。2人乗りカヤックは息が合わないと効率よく進まない。しかし、どうみても、パドリングが合ってないペアが私達を追い抜いて行った。前の人は滑らかな回転でパドルを回しているが、後ろの人の漕ぎ方に特徴があり、2かきで一旦手が止まってしまうような感じになるので、前後でパドリングがまったく合ってないように見えるのだ。でも、私たちより早く進んでいる。彼らが行き過ぎてから理津子と2人で大笑いしてしまった。彼らは見るからに真剣に漕いでいたので、余計にそのバラバラな感じが面白かった。かと、思えば、今度は右に左にジグザグと進んでいく艇がある。よく見ると、前で漕いでいる人はしっかり前を見据えてひたすらパドルを回しているが、後ろの人は目線が下がり、うつむいている。前をしっかり見ていないようだ。居眠っているように見えるが、パドルは回している。でも、進路を修正しながらとりあえずは前へ進んでいる。多分前の人は後ろの人を信じて舵を任せているので、多少の蛇行は許せるのだろうか?イライラしないのかな?よほど忍耐強いのか?これまた2人でいろんな推測をし、大笑いしてしまった。いやぁー、こんなに楽しめるものかと思わなかった。ところで、我々自身は周りから見てどんな感じだったのだろうか?きっと、「前に乗ってる人は面白い格好しているわ」と思われていたに違いない。
次の上陸チェックポイントは「スリ浜」で渡連から7.4km。ハーフコースはここから大島海峡を横断しゴールの古仁屋に向かうので、艇が更に減る。あまり減ったらコースミスしないかと心配になる。ペースも安定してきているので順位の変動はそれほどない。次の上陸チェックポイントまでは15kmと長い。まずは勝能(かちゆき)の入り江だ。ここのエイドステーションは浜ではなく桟橋なので上陸はできない。ここは通過。次の入り江は押角(おしかく)の集落だ。スリ浜から7.3kmきたので、ちょっと休憩。しかし、ここは岸壁に接岸するも下りることはできない。カヌーを持ってもらい、バナナ、お茶、そして、おしぼりまで出てきた。島の人たち(どういう訳かこのエイドはご老人が多かった)は喜んで接待してくれる。実に嬉しい、そして有り難い。元気を取り戻し、最後の入り江である呑之浦(のみのうら)に向かう。この辺りは波もなくとても穏やかな入り江で、養殖いかだも多い。スタートして28kmくらいか。周りの艇を見るとマイペースでこぐ人、疲れきって惰性でパドルを回している人、まだまだ元気な人と様々だ。タンデムは比較的元気に漕いでいるが、一人艇で疲れ切っている感じの人がいたがそれなりに進んでいる。レースの後半ともなってくると、いつもの癖が出てくる。余裕のある時は、前を行く人を抜かしたくなるのだ。自然にパドリングに力が入ってくる。理津子に「次は先に見える前の船に追いつくぞ」と、声を掛けると、「何でそんなに頑張るの。マイペース、マイペース」返ってくるが、かまわずパドリングに力が入る。当然、スピードが上がる。まずは、男女ペアのタンデム艇に追いつき追い越す。後ろの人は男性で力がありそう。彼らもスピードを上げた感じ。あとで、この艇とデッドヒートすることになる。最後の上陸チェックポイントの俵小島(ひょうこじま)へは大島海峡の横断になる。右方向からの風が強く、波も有る。今回はスプレースカートというカバーを腰につけて艇に水が入らないようにしているので多少の波をかぶっても水が艇内に入ってこないので安心だ。グイグイ力任せに漕ぐ。やがて、俵小島の浜に上陸。ここからは、ゴールまであと4.6kmとわずかだ。最後の補給をし、ゴールに向かって一直線に漕ぎ出す。4.6kmの間に目印の黄色ブイは1個しかなく、遠くから目視での確認が難しい。しかし、前日の下見のおかげでゴール地点の目標はハッキリしており、岸よりにコースを取る艇もあるが、我々は少し沖にコースを取ることになるが、直線的に進むのがよさそうだと考えた。浜を離れ、最初は島の岸沿いの岩場で波にもまれ悪戦苦闘しながらゆっくり進んでいると、後ろから2艇が近づいてきた。1艇は先ほどの男女ペアである。彼らもラストスパートをかけているようだ。正面から波と風が向かってくる。俵小島の岩場を過ぎ、我々もピッチを上げる。しかし、一旦抜かされた。こうなったら理津子も燃えてくるようだ。掛け声を掛けながらグイグイと漕ぐ。一旦離れかけたが、また追いつき、今度は離しに掛かる。我々も何処まで持つか分からないが、そんなに疲れてないし、琵琶湖で30km漕いだときも後半の疲れはそんなでもなかったので、ゴールまでペースをあげて漕ぎ続ける自信はあった。やはり速く進むと気持ちが良い。その内、みるみる他艇を引き離し、今度は前に小さく見えていた艇にも追いつく勢いだ。岬を通り過ぎる頃、遠くから応援の声が聞こえてくる。岬の上のマンションのベランダから応援しているようだ。こちらも大きく手を振って応援に応える。これで更に頑張れるのだ。デッドヒートも制し、もう一艇の前を行くタンデム艇もパスし、ゴールのアナウンスに迎えられて36kmの船旅を5時間半以内に終えて大満足。初のカヤックマラソンを目標より少しオーバーしたが、充分楽しめた。しかし、体は何故か欲求不満気味。マラソンやトライアスロンが終わった時の疲れ方と違い、局部的に腕はかなり疲れているが全身の疲れがない。これは、体全体が使えてないパドリングのせいだろうか。今後の課題はパドリングの強化だ。来年が楽しみになってきた。
夕方からの表彰式では、居酒屋アスリートチームが駅伝の部で2位入賞されていた。おじさんパワーの炸裂だった。また、男女ペアの部で入賞したチームは、男性が長崎の人で、女性が地元瀬戸内町の人で、以前にこの大会で知り合い、今回ペアを組んで出場した人がいた。そして、今回、入賞したら壇上でプロポーズすることにしていたらしく、約束通り、表彰式で婚約指輪を渡し、やんやの喝采を浴びていた。素晴らしいことだ!
表彰式後は地元出身の歌手元ちとせのライブがあり、この頃には会場(陸上競技場)が一杯になっていた。大会のイベントの一つとして行われたので、シーカヤッカーにはステージの前で椅子も準備されていて、食事とビール付きの最高のもてなしだった。しかし、今、人気上昇中の元ちとせのライブまで聞かせてもらえるとは思っても見なかったので、これまた大感激してしまった。
興味の有る方は来年一緒に出ましょう。特に女性同士のハーフコースの部門は入賞の可能性が充分あります。
ご精読、有難うございました。
記 原田 雄二
他の写真は後日掲載
コースマップはこちら