22回皆生トライアスロン大会 レースレポート

開催日:2002年(平成14年)721

場 所:鳥取県米子市皆生(かいけ)温泉をスタート/ゴール

Swim: 3km         1時間0031秒 312

Bike : 140km        5時間2110秒 176

Run : 42.195km   4時間3214秒 176

総合 : 185.195km 10時間5355秒 164位(完走592人、出走639人)

 

今年の梅雨明けはいつもより遅い。おまけに7月初めには台風5号、6号、中旬には7号と

7月に連続的に台風が日本列島を襲うなんて、やっぱり今年は異常気象か?エルニーニョも発

生しているらしく、冷夏の予想もあるが・・・。

 前回大会は、練習不足だったので、皆生のバイクコースのアップダウンを攻略するには、理津

子のバイクの方が楽(フロントギア3枚)だろうと判断し、理津子のバイクを使用した。しかし、

今回は練習充分なので自信を持って自分のバイクで臨む。まずは、心配な部分のメンテナンス。

南草津の「サイクルショップふかだ」さんへ行き、ボトムブラケット(BB)とチェーンを交換。

BBはかなり疲労していたようで、一度分解再締め付けしたときに、壊れてしまった。レース中で

なくて良かった。実は3年前の宮古のレースの時からレース後半になると、BB部分に違和感が

あったが、その後の練習時には大丈夫だったので、ほおっておいたのもいけなかったようだ。そ

の時点でメンテ(分解、グリスアップ)する必要があったようだ。一昨年も同様な違和感を後半

感じたし、実は今年の宮古でもかなり不安があったのだ。しかし、今年は最後まで問題なかった

のが不思議だ。きっと、そのまま皆生を走っていれば、途中で壊れてしまったかもしれない。不

安を取り除いたので、バイクはOK。しかし、新たな不安として、新品のホイール「キシリウム

Elite」を買ったのは良いけれど、一度も試走していないのだ。最後の最後まで、従来使っている

スピナジーにしようかと迷ったが、一か八か、新しいホイールに賭けることにした。タイヤもチ

ューブも新品を装着する。

 家を出発したのは19日金曜日の夜。西宮北口のバイクショップ「もりサイクル」に立ち寄り、

最後のバイクチェック。そして、明石へ向かう。何故なら、明石の春岡さんが今年も応援に来て

くれるというので、迎えに行ったわけである。そして、その晩は、弟さんとおばあさんが住んで

いるという家に案内してもらい、一晩を過ごさせて頂いた。この日の神戸地方は南の風がとても

強く、まるで台風のようだった。梅雨はまだ明けない。予報では、明日の土曜日にあけるとかあ

けないとか・・・。ガンバレ太平洋高気圧!

 翌朝、6時に春岡さんを自宅前でピックアップして、国道175号を北上し、滝野社ICから中国

道に乗り、加西SAで休憩。春岡さんのお母さんが早起きされて作って頂いたおにぎり、玉子焼

きを美味しく頂く。理津子、大感激!「おいしい、おいしい」を連発。今日も天気は梅雨空だ。

予定より少し早く、10時に皆生温泉到着。宿泊先の「三井別館」に車を置き、バイクをセットし

始める。理津子が、新しいホイールに、頑張って空気を入れてくれる。と、その時、チューブが

タイヤとホイールの間からはみ出てきた。見る見る大きくなる。やばい!「ストップ!」と叫ん

だ時には遅かった。「パ−ン!」激しくチューブが避ける音に一堂びっくり。バイクとの付き合い

は長いが、自分もこれは初めての経験。仕方なく、予備で持って行ったスピナジーのホイールを

つけ、車検会場へ。車検を受け、バイクとヘルメットにナンバーカードを貼ってもらう。そして、

メカニックに行き、チューブ2本を購入。この内の1本を再度、新しいホイール「キシリウム・

エリート」に装着する。今度は慎重に、タイヤとホイールの間に挟まっていないかを充分チェッ

クし、空気を入れる。OKだ。そして、試走する。新品のタイヤは何となく不安だ。道路にも馴

染んでないだろうし、抵抗も大きいような気がする。でも、この新品ホイールで頑張るぞ!試乗

の結果、バイクの調子は完璧だ。

 12時に下見のバスが出るので3人で乗車。すぐさま、コンビニで買った昼食を食べる。車内は

エアコンが効いていて快適だ。何故、いまさらバイクの下見なのか?これは春岡さんにバイク

コースを見て欲しいのと、時間に余裕があるので、涼しい車内で休養を兼ねて、が目的である。

ただし、140km全行程ではなく、大山周辺だけなので、問題のジェットコースターと言われる

アップダウンは時間の都合で見られないのが残念だ。

 予定より早く下見が終わり、ホテルに戻り、少し早かったがチェックインさせてもらい、部屋

でくつろぐ事ができた。皆生温泉も不況の波をもろにかぶり、最近閉鎖した大きなホテルも有り、

このホテルは経営者が変わり、ホテルの名前も変わったらしい。場所としては、トライアスロン

通りに面し、ゴールまで500m位の大変便利な所に位置している。

午後3時半頃にホテルを出て、海岸沿いを散歩しながら開会式会場の皆生海浜公園に向かう。

今日は海の日で祝日だが、人出はどちらかと言えば寂しい方か?受付を済ませ、16時半から約1

時間、開会式と競技説明会。今年も小原工さんがゲストで来ていた。明日も、大山道路の上りで、

選手に水をかけながら応援してくれるそうだ。大会会長の米子市長の森田さんはユニークで雰囲

気を和やかにしてくれる愉快な人だ。説明の中で、今年はやはり予算不足のためか、いつもと違

うところが随所にあるとかで、節約できるところはかなり簡素化しているらしい。しかし、スイ

ムでは、安全面を考慮して、折り返し手前で、一旦、砂浜に上がり、チェックを受け、再度入水

してゴールに向かうように変更になっていた。

開会式終了後は海岸沿いをスイムコースを確認しながらのんびりと宿へ戻る。夕食は普通の料

理だったが、ご飯を食べすぎた。また苦しい。食べておかないといけないと思い、ついつい食べ

過ぎて、後で苦しむ羽目になる。いつものことで、学習効果がない。

明日のレースに備えて、入念な準備を行う。このレース以外では、理津子も選手だが、この大

会に限っては、自分ひとりなので、一人で黙々と準備する。バイクのゼッケンは後ろだけだが、

これはしっかり糸で縫いつける。四隅だけを留めると、風ではらんでしまい、抵抗になるような

気がするので、少しでも速く走るために抵抗をなくするのが目的だ。今朝は早起きしたし、明日

も早起きしないといけないので早く寝よう。

721日日曜日。420分起床。天気は良い。朝食は4時から準備できているので広間に行

く。弁当だったが、味噌汁もあるし、内容は充分。しかし、昨晩の食べ過ぎで、朝はあまり食べ

られなかった。周りの人達ほとんどは、すべて平らげている。もちろん、大食漢の理津子も残し

ていない。不安が残るが仕方ない。

タイヤに空気を入れ、トランジションバッグの最終確認。トイレも済ませ、530分にホテル

を出て会場に向かう。まずは、バイクをバイクラックに掛け、トランジションバッグを所定の

ラックに掛けた。バッグは2つで、スイム−>バイク、バイク−>ランの2種類があるのだが、

どちらも同じ種類なので、簡単に見分けできるようにペンで「バイク用」「ラン用」と記入した。

これで数秒のロスは防げる。

最終受付で、右手に発信機(時間計測用)をつけてもらい、両腕にナンバーを記入してもらう。

このナンバー記入は、スイム用だ。その後、更衣室兼荷物置き場の体育館で、首や体に擦れ防止

のワセリンを塗り、軽くストレッチングし、またトイレに行く。いつも、スタート前はかなり緊

張するので、何回もトイレに行く。更衣場所はナンバーごとに決まっており、ナンバーは県別に

固められている。よって、周りには知り合いも多い。滋賀県で今最強の辻さん、エイジグルーパ

ー上位の竹村さん、野洲のバイクショップの磯部さん、年に何回もロングのトライアスロンに挑

み、奥さんがMFで働いていた岩田さんなど、なじみのメンバーがいるのでリラックスできる。

ウエットスーツを着て、スタート会場に向かう。歩いて、5分足らずだが、ちょっとしたウォー

ミングアップにもなる。なお、応援団長の春岡さんは低血圧のせいか起床時間が遅く、お肌の手

入れも必要とかで、この時にはまだホテルにいたようだ。スタート時のチェックを受け、スイム

スタートエリアに入る。昨年までは、スタートエリアの柵外の砂浜に観客は降りられたが、今年

はダメと言うことで、写真を撮った後、理津子はどこかへ行ってしまった。軽く泳いでみる。今

日は泳ぎやすそうだ。しかし、コースロープのブイをみると、どうも、右から左、つまり、行き

は追い潮、帰りは流れに逆らう形になりそうだ。でも、帰りの方が距離は短い(スタートとゴー

ル地点が異なるため)ので、ラッキーかも。前日の開会式でもスタッフの人が言ってたが、節約

のためだろうか、スターターの御立ち台(何処からでも見える高い位置にセット)が無く、大会

会長のユニークな挨拶の声だけが聞こえる。例年通り、一番右側からでて、第1コーナーは外側

から入るイメージをする。今日の天気は晴ているが、大山山頂には雲が掛かっている。

 

7時丁度にスタート。焦らずにゆっくりスタート。泳ぎだすと、やはり、目標が見えない。前

回は右端から出て、半分も行かないうちに左端に寄ってしまい、自分からバトルの中に入ってし

まったので、今回は気をつけながら外側を泳ぐように心掛けるも、感覚的に、コースを右に外れ

ていくような気がしてならない。でも、結果的には左に少しずつ寄っていたようだ。このコース

は第1コーナーまでのコース取りが簡単に見えるが、難しい。たった350mであるが、結構時間

がかかったようにも感じる。第1コーナーを左に曲がってからは、右手にコースロープの小さな

ブイを見ながら泳ぐ。左側にはボードに乗った監視員が一緒に前に進んでいるので、その人を目

印にすることもでき、比較的泳ぎやすかった。しかし、折り返しのチェックポイントの浜に上陸

するのに、一旦、浜に向かって泳ぐことになるが、なかなか浜にたどり着かない。やっとの思い

でたどり着き、時計を見ると、丁度30分経過。後半の方が短いはずなので、「よし!」と気合が

入る。今度は沖に出て行く。この辺まで来ると、周りで泳いでいる人のレベルはほぼ一緒なので、

泳ぎ易く、バトルも無い。最後のコーナーを回って、ゴールを目指す。周りにはたくさん選手が

いるので、そんなに悪い位置ではないと確信する。しかし、スイムゴールは1時間。例年よりか

なり悪い。やはり、コースが変わったせいか、それとも今年の潮流は不利だったのか?

トランジッションでは、野洲のサイクルショップ8のご主人である磯部さんが先に着替えていた。

着替えを済ませ、サプリメントを摂り、トイレに行き、バイクスタート。

バイクはたくさん残っているように見えた。スイムの遅い自分にとってはなかなかの好位置か?

バイクの前半はほとんど磯部さんと一緒で抜きつ抜かれつの繰り返し。いや、磯部さんだけでな

く、周りの選手とも抜いたり抜かれたりでちょっとしんどい。いつものパターンなら、前半から

ガンガン行き、抜いた人に抜き返されることはあまり無いのに、ちょっと変だ。自分がいつもよ

りスイムで上位に上がったので、バイクも強い人が多いところを走っているのか調子が出ないの

かはよく分からない。いつもより風は強そうだ。30km手前の最初の短い急坂で磯部さんにパス

されてからは彼の後姿が遠のいていった。この最初のアップダウンの後半で私の後ろにモーター

バイクがついてくる。多分マーシャルだろうなと思って走っていたら、私の前に小さな集団がで

きており、しばらくするとそのモーターバイクが前に出たかと思うと、集団の最後尾の人を、停

止させた。きっとドラフティングを取ったのだろうが、小さな上り下りでスピードも出て無くて、

ちょっと厳しすぎるような気がした。でも、マーシャルはしっかり見ているので自分も気をつけ

ないといけないと自覚する。この大会は参加者が宮古の半分以下の700名で、アップダウンが多

いため、ドラフティングはそんなに目に付かないが、バイク前半の大山道路に入るまでは明らか

にドラフティングを意識的にやってる人達もいるようだ。

この後、唯一、バイクを降りて押さなければならない地下道が待っている。交通量の多い交差

点を渡らせてくれないのだ。レースをさせてくれるだけでも良しとしたい。川沿いを走りながら、

ペースを上げられない自分に苛立ちを覚えながらも、とりあえず、サプリメントのウィダーイン

ゼリーを食べようとして、落としてしまった。貧乏性の私としては、もったいないが故に、ロス

をしても一旦止まって拾うことに。たまたま沿道でぽつんと一人応援してくれているおばちゃん

も、私が落としたのを見て、近くへ駆け寄ってきてくれた。そのおばちゃんと話をしながらウィ

ダーを飲んだら、おばちゃんが「捨てておく」と言ってくれたので、有難く空になった容器を渡

した。おばちゃん有難う。川の土手をしばらく走り、急カーブを左に回ると直線路が続き、米子

自動車道の下をくぐって左折し自動車道沿いにしばらく走る。交差点にはたいがい2から3名の

ボランティアが立っていてくれるので、安心して走れる。もちろん愛想をふりまきながら走る。

今度は細い町並みの道を走り、エイドステーションを過ぎると、いよいよ6kmの大山道路の上

りだ。最初は軽快だが、だんだんきつく、苦しくなってくる。今年も途中で、プロトライアスリ

ートでオリンピックディスタンスでは一番強い、鳥取出身の小原工さんが、ボトルの水を背中に

掛けてくれる。これが気持ち良い。やはり、プロは水の掛け方もうまい。これで一段と気合が入

る。しかし、この上りを平気で上って行く猛者もいるのには驚きだ。どんな練習をしているのだ

ろうか。心肺持久力、筋持久力、そしてペダリングのテクニックが優れているに違いない。憧れ

と悔しい気持ちをバネにペダルを踏む。やがて、大山道路から分岐する所にやってきた。あー長

い坂もこれで終わりだ。その時、途中で置いていかれた磯部さんの背中がみるみる近づいてきて、

更にペダルを踏み込む。彼をパスし、坂を上りきって、安堵感が沸く。しばらくは下りが多い。

脚は休められるが、下りのテクニックはこれまた苦手で不安がある。前後に気をつけながらカー

ブを一つ一つこなしてゆく。転倒さえしなければそんなにロスはしない。次のエイドは植田正治

写真記念館である。理津子と春岡さんはここにいるはずだ。彼らは観戦バスで、コースの所々に

現れる。昨年は、ここで止まって休憩したが今回は気合も入っているので、彼らを見て声を掛け

そのまま通過。もちろん水のボトルはしっかりとった。後で聞いた話だが、彼らは、選手の通過

がピークの時は給水のお手伝いもしたそうだ。応援だけでなく、ボランティアの仕事もできたの

は私にとっては嬉しいし、彼らにとっても良いことだと思う。全選手の通過後は、残ったメロン

やオレンジをしっかり頂いていたようだ。多分、仕事をした以上の飲み食いをしたに違いない。

その辺はしっかりしている。ここからはまた上ったり下ったりで、やがて先ほど上っていった大

山道路の下をくぐる。ここから先、再び大山道路に戻ってくるまではアップダウンの繰り返しで

体力を消耗する。急カーブも有るので息が抜けない。やがて、淀江のエイドを過ぎて77km地

点。ここは昨年、不運にもパンクに見舞われた所だ。昨年は仕事が忙しく、練習不足でバイクの

メンテも不十分な状態で出たため、とりあえず完走すれば良いやという安易な気持ちだったのが

いけなかったように思う。やはり、出るからには最低限の準備は怠り無く、気を引き締めて臨む

のが礼儀だと言うことを痛感した。よって、今年は万全の(新しすぎるホイールとタイヤは少し

不安だったが)体制で、練習もかなりし、気持ちも引き締めて臨んだ。でも、不安は付きまとう

ものである。この辺りはジェットコースターといわれる坂で、細かなアップダウンが続く。下り

の勢いで次の坂を上りきるのが効率よい走り方になる。上りの後半も大きなギアでグイグイ漕い

で上りきるのが結果的には速くて楽な方法である。名和のエイドを過ぎ、アップダウンを繰り返

しながら急カーブを走っていると、早くもトップが折り返してきた。選手は誰かは分からなかっ

たが、2位にかなりの差をつけていた。やがて、中山のエイドが近づいてきた。このエイドは大

きな駐車場の中に設定されており、バイクラックまで準備して有り、いかにも止まって休憩して

いけと言わんばかりの雰囲気にしてある。今年はバイクを降りずに補給だけして通過しようと思

っていたが、やっぱり誘惑に負けてしまった。この先あと少しで折り返しなので、帰りのエネル

ギーを溜めるためにもここでの補給は適切だろうと、訳のわからぬ勝手な解釈で、メロン、オレ

ンジを貪り食い、レース中は我慢のつもりのスイカまで手を出してしまった。普段は大丈夫なの

だが、レース中にスイカを食べると腹の具合がおかしくなることがあるので避けていたのだが、

誘惑には簡単に負けてしまった。ボトルもお茶をたっぷりもらい、感謝しながらエイドを後にし

た。次の赤碕エイドは本当の折り返し地点だ。このエイドは先ほどと違い、狭い道路上にあるの

で、止まると危険である。でも、テントの前で止まって給食している人がいる。これは気を付け

ないといけない。中山のエイドから赤崎のエイドまでの距離短いが、帰りは中山のエイドは通ら

ないので、次の名和のエイドまでが遠く感じる。坂の上りでは、応援してくれる人が多く、頑張

って上れる。特に、若い綺麗な女性でも居ようものなら、苦しくても顔は笑い、手を振れる時は

手を振り、それができない時は、「ありがとう」と必ず声を掛ける。もちろん、男性に対してもそ

のように振舞うが、多分、顔は苦しい顔をしてるかなと思う。このような峠ではスピードも落ち、

もがくように上るため、応援の人たちは、水を準備し、頭や背中に水を掛けてくれるのはとても

気持ちが良く、有り難い。熱くなった体を冷やしてくれ、更に頑張りが利くようになる。しかし、

少量の水なら良いが、小さなバケツや、しゃくでバシャと掛けてくれるのはどうかと思う。掛け

られた時は気持ちが良いが、靴までびしょびしょになり、自分としてはあまり好きではない。た

いていの人は、「水を掛けますか?」と聞いてくれるので、掛けてくれそうな水の量を見て、断っ

たり、お願いしたりするが、時々ミスコミュニケーションで、欲しくない時に思いっきり掛けら

れたりもするが、まぁ、仕方ないか。皆、選手と一体になって応援してくれているのだから。で

も、よくもまぁ、そんなにたくさんの水を準備してくれているものだ。どこかに水源でもあるの

か?後ろの方を走っている人達にもこの有り難い水が行き渡っているのだろうか?しかし、この

水には本当に助けられた。ましてや、山あいの普通なら人の居ない所で応援してくれているのが

すごい励みになる。ジェットコースターと言われるアップダウンの後半では雲行きが悪くなって

きて、ポツリポツリと雨が落ちてきた。このまま、雨になればヤバイなー。まだまだ坂や急カー

ブが多いし心配だ。しかし、そんな心配も無用だった。ほんの一瞬降り掛けただけだった。やが

て、ジェットコースターのアップダウンも終わり、最後の長い上りもそれなりに上りきり、大山

道路に帰ってきた。右折して交通量の多い大山道路に入るので、警官や交通巡視員が車を止め、

バイクを優先させてくれる。下りは快適だ。そして、大山道路から左折するため、かなり手前で

同方向の車を停止させてくれている。安全のため、バイク優先で、左折に備えてくれているのだ。

この大会は、交通規制が無く、選手は交通ルールに従い、信号も守ると言うことだが、バイクに

関しては、かなり、優先させてくれている。事実、交差点の信号についてはコース上はいつも青

で、警官や交通巡視員が手信号で車を捌いている。また、右折や坂の下りでの左折でも、車を止

めてバイクを通してくれる。嬉しい限りだ。しかし、順位が後ろの方になると、信号機も通常の

状態に戻るため、赤では止まらなければならない。これは、昨年、パンクで時間をロスした時に

経験したので、上位で走れるありがたさがしみじみ感じられる。平地に降りて、最後は日野川沿

いの長い直線路を走るのだが、これが向かい風で何とも苦しい。坂と暑さで疲れた体に追い討ち

を掛けるように、容赦なく向かい風が襲ってくる。ここで、ペースを落とすわけには行かない。

前に見える人に追いつけ追い越せでペダルに力が入る。ようやく、風との闘いも終わり、バイク

ゴールに戻ってきた。しかし、今年は例年に無く水分補給を多くした。中盤からはほとんどのエ

イドでボトルの交換をした。昨年も暑かったが、今年はより以上だったのではないか?ボトルも、

今までは皆生トライアスロンのロゴを印刷してあるものが使われていたが、今年は経費節約のた

めか、無地のボトルだった。これは記念にならなくて、ちょっと残念。バイクラックにバイクを

掛ける。見回すと、まだそんなに多くは帰ってきていない。でも、タイムは良くない。これで

10時間は切れそうに無い予感。

着替えのためにテントに行く。今回は全部着替える。天気が良いのでバンダナではなく、帽子

にする。アミノバイタルのゼリーを飲む。一生懸命早く着替えようとするのだが、後から来た人

たちが、どんどん先に出て行く。やはり、トランジッションの練習も必要なのか。全部着替える

と、さっぱりし、気持ちが良い。気分新たに頑張ろうという気になってくる。トイレを済ませ、

ランスタート。発信機のチェックを受ける。バイクのタイムはスイム終了後ランスタートまでな

ので、スイムーバイク、バイクーランの両トランジッションタイムが含まれてしまう。スタート

のエイドで、持参したアミノバイタルプロを飲む。ここでは、味の素がアミノバイタルを配って

いた。オレンジを食べ、水分補給してランスタート。

いつもより体は軽い。こんな時はオーバーペースに要注意だ。住宅街を約1km、1周した後、

トライアスロン通りに出て、繁華街へと向かう。前の交差点が青なので、ペースを上げる。でも、

意外に青が長く余裕で渡れた。数人のグループで走る。いつもなら自分一人が遅れていくところ

だが、付いていけそう。今度は国道431号の大きな交差点が見えてくる。2人ほどがペースを

上げる。これはちょっとしんどいなと思い躊躇する。先に行った2人はギリギリ横断できた。

この信号は青になるまでが長い。お日様は頭上にあり、暑い。ちょっとした木陰に体を寄せる。

次々とランナーがやってくる。こんな時は待っている時間がすごく長く感じられる。無理してで

もペースを上げて渡るべきだったかなと悔やんでしまう。交通整理のガードマンも選手にすまな

さそうに話しかけてくれる。青になった。また集団につけて走る。ガソリンスタンドでは選手の

ためにホースから水を出しっぱなしにしてくれている。車や人の多い道に沿って走るため、信号

も多く、歩行者も多いのでちょっと走りにくい。

でも、多くの人が声を掛けて応援してくれるので、本当に励みになる。やがて、9号線の大きな

交差店に到着。昨年はここに来るまでにエイドが有ったはずだが今回は無い。この交差店は信号

は関係無しに右折。ようやく、最初のエイドが見えてきた。なんと、ここは4.2kmポイントだ。

長すぎる。エイドでは、お茶、水をがぶ飲みする。コップに残った氷は帽子に入れて頭を冷やす。

しばらくは大きな道に沿って走るので時々長い信号がある。行けそうな時はペースアップし、ダ

メな時は早めにペースを落としたり、日陰を探してそこで待ったりと、できるだけ消耗しないよ

うに、そして効率よく走るように試みる。ペースも集団について走れるので気分も良い。声を掛

けてくれる人やボランティアには手を上げて挨拶する余裕は充分にある。今年は、赤信号の遵守

が厳しいようだ。バイクではいつも青信号で通過できたが、ランは完全に信号に従うようになっ

ている。これを無視し、マーシャルに見つかると、ペナルティを取られるようだ。やがて、皆生

のランコース名物の歩道橋が見えてきた。この歩道橋を渡って、今度は道路の左側の歩道を走る

ことになる。すぐにエイドステーションが見えてきた。ゆっくり給水をしていると、松本晴美さ

んが勢い良く走ってきたかと思うと、アッという間に給水し、直ぐに走り去った。何と早いこと

か。さすがにランが得意なだけあるなと感心する。大きな道から街中の2車線道路に入り、信号

待ちしていると、今度は竹村さんに追いつかれてしまった。スタートから9km位か?自分のペ

ースもそんなに悪くないのでペースを守る。しばらくの間は背中が見える。抜くより、抜かれる

ことが多いので順位は少しずつ落ちているようだ。12kmを越えたあたりから弓ヶ浜の国道沿い

を走る。歩道が狭く走りにくいし、帰ってくるランナーとすれ違うのが困難な時がある。帰って

くる上位の人達の走りは軽快で速く元気そうだ。アジア博物館前は人だかりになっている。理津

子や春岡さんが応援してくれている。竹村さんとの距離もそんなに離れていないので、彼女達も

私に「今年はかなり速い」と期待を持ったようだ。交差店の信号も待つことなく順調に渡れ、快

調なペース。弓ヶ浜道路から空港への道路へと左折し、暑い太陽に照らされながら西に向かう。

途中、距離調整のために行って帰ってくる道があるが、昨年とは違い、エイドも有るので、辛さ

は半減だった。もう直ぐ折り返しだ。向こうから松本さんと竹村さんがほぼ同時に戻ってきた。

竹村さんが追い上げたのか、松本さんが遅れたのか?松本さんのペースは明らかに落ちている。

やはり、オーバーペースがたたったのか?まぁ、人のことはどうでもいい。自分も、だんだんペ

ースが落ちているようだ。沿道で応援してくれているタンクトップ姿の若い綺麗な女性がいる。

思わずニコッとし、手を振ってしまう。普段ならこんなことできないが、レース中ゆえ、恥ずか

しさもないし、これこそ選手の特権か?これがあるから走っているのかも。こういう時は元気が

出る。でも、だんだん足が重くなってきた。やっと、折り返しだ。水を飲み、スポーツドリンク

を飲み、コーラを飲み、塩をなめ、梅干を食べた。レース中に梅干を食べたのはこれが初めて。

普段も梅干を食べないので、きっと、藁にもすがる思いで手が出たのだろう。最後にアミノバイ

タルをもらい、後半に向けてスタートする。足取りは相変らず重い。7分/kmくらいに落ちてい

る。自分としては練習をかなりしてきたので、もっと走れるつもりだったが・・・。まだまだ練

習不足か、練習内容の問題なのか、それとも暑さに対して弱いのか。多分、暑さ対策が必要なの

ではと思う。帰りのアジア博物館前には理津子の姿も既に無かった。あとから聞いた話では、往

路で竹村さんとの差がそんなに無かったので、かなり期待して待っていたようだ。そして、最後

の最後にバスに乗り、バスの中から見ていたら、ヨタヨタ走っていくのが見えたそうだ。もう少

し頑張れば、写真を撮ってもらえたかも・・・。エイドで給水後少し歩いていたら、マーシャル

が「6時までには帰れるから、しっかり目標を持って頑張って走れ」とか、抜いていくランナー

から「頑張ってください」と声を掛けられる始末。それだけきつそうに走っていたのだろうな。

目標ゴール時刻は5時だったのが、1時間遅れているのかとがっくりくる。34kmくらいだった

ろうか5時のチャイムが聞こえる。目標の時間も既に過ぎ、あと1時間以内には何とかゴールし

たい。だいぶ気温も下がってきたので、帰りの歩道橋を渡ってからペースを上げる。やはり、走

れなかったのは暑さのせいだったのか。脚もそんなに重くは無くなった。エイドでは、何回かエ

アーサロンパスのお世話になったが、ここからは、信号待ちが多くなるので、持ってきたバンテ

リンを脚に擦りこむ。甲賀の10耐のレースでもらった試供品が役立つ。最後のエイドではたっぷ

りお礼を言い、あと4kmはかなりペースが上がった。いままではほぼ2.5km毎にエイドが有っ

たのに、最後の4kmはエイド無し。これはちょっと辛いかも。でも、ここまで来たら元気でペー

スも上がる。走れなかった30km近辺が嘘のようだ。信号待ちもほとんど無く、最後の信号を越

え、トライアスロン通りに入ってきた。止まっている三井別館前を過ぎ、あと500mくらいか。

後ろから春岡さんの声がする。走って追いかけてくる。旅館の中で一服していて、私の走ってい

る姿を見て飛び出してきたのだ。理津子は何処に居るか分からないと言う。まさか、ビールを飲

んで昼寝をしているわけではないだろうし、きっとカメラを構えてゴールで待っているに違いな

い。しかし、春岡さんは「しんどくて、もう走れないと」言う。ゆっくり走っていたら後ろから

追いつかれてしまう。実は、後ろの人と走りながら話をし、彼は家族と一緒にゴールするので、

お互いの間隔を開けてゴールしようと話していたので、これ以上ゆっくり行くわけにはいかない。

最後の花道では春岡さんに、「がんばれ」と励ましながら無理やり走らす。やがて、アナウンサー

が私を紹介してくれる。春岡さんを娘と紹介しかけて・・・いや、ちょっと親子には見えなかっ

たのだろう。もちろん私が若く見えたからに違いない。もちろん?「奥さんと一緒」ともいえな

かったようだが。ともかく、2年連続で春岡さんと一緒にゴール。まあ、昨年の雪辱ははらせた

ことで満足。ゴールでは、理津子がカメラを構えて待っていてくれた。完走のバスタオルとビー

ルをもらい、記念撮影。やはり、完走後のビールは美味い!

選手に無料のラーメンを頂き、スイカ、アイスクリームと食べまくる。でも、そんなに入らな

い。ゆっくり休憩し、バイクとトランジッションバッグをとり、宿に戻る。風呂で汗を流し、夕

食を摂る。まだ1組しか夕食を摂っていなかった。ビールで乾杯し、完走できた感動の余韻に浸

りながらも口は滑らかになる。悔やまれるのは、やはり、ランで途中失速したことか。

夕食後は、まだまだ帰ってくる選手の応援に駆けつける。いつもの場所、トライアスロン通り

に入る所の信号で応援する。この信号も結構長めである。ガードマンが2人で交通整理している

が、車が来なくても、通してくれない。彼らも、事務局からきつく交通信号に従うように言われ

ているようだ。それはそれで仕方ないが、気持ちとしては、車が来ない時には通してあげたいと

言う。帰ってくる選手は無言の人、辛そうでもう走れない人、元気な人、感謝の気持ちや喜びを

体一杯表す人など、様々でこちらも感激する。やがて、2130分の制限時間になり、長く熱い

1日が終わった。

翌日は表彰式及び閉会式。朝起きても、筋肉痛は無い。フルマラソンを走って筋肉痛がないと

言うのも不思議なものだ。やはり、レースは不完全燃焼で、少し悔いが残る。もちろん2日目以

降も筋肉痛は無く、体のダメージは少なかった。暑い中でもっと走れるようにしなくては。ゆっ

くり長くの練習だけではだめで、やはり、インターバルも入れたほうが良さそうだ。これだと、

1週間後にもう一度ロングのトライアスロンができそうな雰囲気だ。

表彰式では、身近な人では、兵庫の静間さんが総合4位でちょっと悔しそうだった。しかし、

スゴイ。滋賀の辻さんは総合9位で表彰台を逃したが、年代別1位の表彰を受けていた。50代で

は滋賀の竹村さんが、きっちり年代3位入賞で表彰された。みんなたいしたものだ。表彰式では

大会会長の森田市長のユニークな表彰が愉快である。女性には「あなたが一番輝いていました」

とか、女性の年代別表彰では、高齢者に対しても、20歳以上の部といって、本当の年代を言わな

かったり、この人は本当に会場を和ませてくれる愉快な人だ。すべての行事が終了し、会場で自

分の写っている写真を買い、土産を買い、会場をあとにした。

その後は、久しぶりに、隠岐の島に渡り、なじみの民宿「小新屋」で泊まり、のんびり過ごす

ことができた。

 応援していただいた皆様、有難うございました。

 

記 原田雄二