2. スリーピース(Three-Piece)台車 | ||
アーチバー台車はボルトによる組付けだったため、緩みがおき、メンテナンスに手間がかかったのと、緩みが原因の脱線事故が多発しこともあり、側枠を一体鋳鋼にしたアンドリュー(Andrew)台車が開発されました。 このアンドリュー台車は従来のアーチバー台車の軸箱をそのまま使える構造になっていました。 その後軸箱を一体化した、ベッテンドルフ(Bettendorf)台車が登場しました。 このベッテンドルフ台車が両側枠とボルスターで構成されたスリーピース台車の嚆矢です。 国鉄では戦前、D52のテンダー台車にはじめて採用され、貨車は戦後トキ15000形式に初めて採用されました。 米国では、枕ばねにコイルばねが多く採用されましたが、国鉄では長年に板ばねが使用されました。 これは、コイルばねの制振装置であるスナッバー(Snubber)が特許で抑えられていたため、オイルダンパの使用せざるを得なく、コスト面からなかなか実現しなかったようです。 |
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略史 | ||
TR41のプロトタイプとなったベッテンドルフ台車は1910年代に開発されました。 ベッテンドルフ社は特許を取得していましたが、独占せず台車製造会社に公開しました。 これに伴い第1次世界大戦後急速に普及しました。 初期のベッテンドルフ台車は、側枠がT字形断面でしたが、1920年代にペンシルバニア鉄道(Pennsylvania Railroad)がU字形断面側枠を開発し、これが米国鉄道協会(American Railway Association : ARA)の標準台車に採用されました。 ちなみにこのとき、軸箱が分離したバルカン(Valucan)台車が標準台車に採用されています。 初期のT字形断面側枠のベッテンドルフ台車は経年劣化によるひびわれが発生し1940年ごろにはほとんど使用されなくなりました。 各社から走行安定性や乗心地 −貨車に乗心地があるのか疑問ですが、「Ride Control」の良い訳語が見つかりません− を改善した台車が各社で開発されました。 <例> テーラー台車(Tailor Truck)、ダルマン台車(Dalman Truck)、ナショナルB台車(Nationqal B Truck)、バーバー台車(Barber Stabilized Truck)など |
アンドリュー台車
軸箱をボルトと下部連結板で固定している。後に改良され連結板をなくしている。ベッテンドルフ台車 上図 T字断面側枠、下図 U字型断面側枠
1922年版 Car Builder's Cycropediaよりヴァルカン台車の側枠
アンドリュー台車の軸箱固定方法を改良し、ボルト1本で固定できる
2-1 TR41系 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
蒸気機関車のテンダー用台車として導入されたスリーピース台車は、戦後トキ15000に採用されTR41形台車となりました。 貨車用標準台車として1960年代後半まで製造されつづけました。 |
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工事中 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
TR41B ワキ1458 芝浦 1977-6 | TR41C | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
TR41D | TR41E | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
TR41F タキ1900形式 | TR41G タキ1900形式 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
釧路臨港 | TR210 タキ44000形式 TR41を14t軸に変更した。 |
2-2 TR209系 | 2006年2月11日加筆修正 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
TR41を改良し、ころ軸受にしました。枕梁、枕ばね、ブレーキ装置はTR41と共通部品を使用しています。 上辺が直線に近くなった側枠形状は1950年代中頃、初めて密閉型ころ軸受を採用したグールド(Gould)が最初と思われます。 また、顎形(Jaw)をした側枠形状は、バルカン台車が鋳鋼側枠に従来の平軸箱を使用するために開発したのが始まりと思われます。 TR214はTR210をコロ軸受にしたものです。 TR225は私有貨車用標準台車として設計され側枠と枕梁のしゅう動部にレジン摺板を採用し、磨耗を抑え蛇行動の発生を抑えました。 TR225は台車中心距離が8m以上の私有貨車に使用されましたが、後に私有貨車の台車はTR213に統一されました。TR225はTR213に比べ1台車あたり約60kg重かったことや走行安定性で劣ることが理由だったのかもしれません。 |
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TR209 トキ25000形式 | TR214 TR210をころ軸受にした。側枠はTR213に近い。 |
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TR225 |