LosT wiNTer

room 7

外は風が止んでしんとしている。午后十時。カーテンを開けて見る外の世界では、雪がひっそりと木々に降り積もっていた。図書館の屋根も闇に白く光って見える。時計の秒針の音がチクタク、と部屋に響く。暖房はオイルヒーターなのでとても静かだ。僕はボアのついたパーカーを羽織って、キッチンで珈琲を入れる。週末の夜は何も考えなくていいから好きだ。


LosT wiNTer room7より抜粋