G I H 会 報
No.99 2014年11月20日発行
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第106回研究会の報告
第106回研究会は、2014年10月11日(土)に岐阜市靭屋町の「空穂屋」 (国の登録文化財)で実施しました。その報告内容は下記
をご覧下さい。 今回の研究会参加者は5名でした。
1. 重要文化的景観「長良川中流域における岐阜の文化的景観選定記念講演会」参加報告 報告者 大田 博行 会員
今年3月に都市型の景観としては3例目(金沢・宇治・岐阜)として、選定された事を記念しての選定委員の講演会が7月にあり、
また岐阜市教育員会 社会教育課よりこの概要を紹介した小冊子が発行されましたので報告致します。
文化的景観とは「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業のため欠く
ことのできないもの」と定義されており都道府県又は市町村の申し出に基づき選定されます。
岐阜市の場合は長良川、金華山、道路、水路、建築物を抽出しています。
この冊子の中に当研究会としても推奨している岐阜市の産業遺産(鏡岩旧ポンプ場・特種堤・空穂屋)が紹介されているので 今回の
例会会場の空穂屋の文化財登録にもご尽力された岐阜市教育委員会 社会教育課 文化財担当の高木さんにお願して当研究会メンバー
へ冊子を寄贈頂いたので同封致します。
今後も岐阜市に対して他の産業遺産(忠節用水ロボット水門・小宮神水力発電所の旧水車・発電機:岐阜市に最初に電気を送った)等
も景観にふさわしい物(発電機・水車は室内展示:例ポンプ小屋)として紹介し、更に来訪者に興味を持ってもらえるよう当研究会と
しても協力したいと思います。
2.「岐阜の近代産業遺産」紹介DVD作成についての中間報告 報告者 大田 博行 会員
研究会員所有の写真データは1998年以前のプリント写真が主体で、これらを再度デジタルカメラで複写し直して、電子データ化する作業
を進めて参りましたが ご提供頂いた写真はほぼ電子化が終わりました。今後はDVD(パソコンがなくてもテレビ:DVDプレーヤー
で見られる)への変換作業に入りますが、一部試作のデータを例会参加者にご覧頂きご検討頂きました。
・冒頭のメニュー画面で市町村別の選択を出来るようにする。
・簡単な写真説明文を最初に数秒(説明の文字数によって変わる:完全に読めるだけの時間)黒画面で出すか、写真内にテロップ形式で流すか。
・写真の映写時間はどの程度がよいか(試作は7秒)。
・専門略語は使わない(P/S:発電所・SL:蒸気機関車)。
・今は撤去処分や取り壊されてしまった物でも映像としては貴重(これしか無い)であるので注釈を付けて市町村内で紹介するか、別ジャンル
(失われた産業遺産)として紹介するか。以前より幾度もご検討いただいておりますが、最終の掲載データの確定にはまだ至っておりませんが、
まだ写真プリントデータすら無い物や、近年消失した物、新しく紹介したい物等の確認も必要かと思われますので、これらの作業も並行して進
める必要も有りますので引き続きご協力をお願い致します。
3.「岐阜県内の産業遺産」HP改訂について 報告者 広瀬 泰正 会員
現在のHPを見ながら、次のような改訂すべき点を参加者で確認することができた。
(1) 現在のHPに掲載されているものはできるだけすべて資料として残す。撤去や移動や保存などがなされているものもすべて写真と共に
年月を列記する。
(2) 説明の表は、物を中心に記述する。「遺産名称」「製造年月」「製造者」「製造場所」「製造目的」「概要」「保存場所」のような順に
統一する。
(3) 写真とデータ一覧を作成し、原作者の高橋伊佐夫さんにテェックしてもらう。その後広瀬泰正がHP化する。
(4)HPは容量を現在の10MGから20MGにアップする。
(5)新しく追加する産業遺産があれば検討する。
(6)市町村合併前の所在と合併後の所在がわかるように表記する。例えば飛騨市(吉城郡・神岡町)などのように。
(7)地図は合併後の地図に置き換える。
(8)物による検索の項目はなくす。
今後、研究会の中でさらに意見を交換していけたらと思います。
4.松尾池の明治期砂防堰堤調査について
岐阜市長良の山中に現存する松尾池の砂防堰堤が「たたき工法」による施工なのか「練り石積み構造」なのか、現地の松尾池で砂防堰堤構造調査が
12月13日(土)の午前10時から、木曽三川フォ−ラムと中部産業遺産研究会の共催で実施されます。この調査にご関心がある方は参加して頂いてもよ
いとのご案内を頂きましたので、ご紹介いたします。
5.次回(第107回)研究会について
次回の研究会は2014年12月20日(土)にしました。会場は、岐阜県図書館2階の研修室1です。内容は別紙第107回案内をご覧下さい。