岐 阜 産 業 遺 産 調 査 研 究 会 会 報
No.81 2011年7月10日発行
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第87回研究会の報告
第87回研究会は、2011年6月11日(土)に岐阜大学地域科学部2階の「地21講義室」
にて、第16回総会と兼ねて下記のテーマで行ないました。今回参加者は8名でした。
1.岐阜の産業遺産保存の動き 報告者 稲生 勝 会員
日本建築協会機関誌『建築と社会』東海支部復活50周年記念総括号(2011年3月発行)
に紹介された「岐阜の産業遺産保存の動き」の原稿を基に、岐阜産業遺産調査研究会の
保存運動を振り返りの意味を込め報告しました。報告資料を添付しますのでご覧下さい。
2.2011年度(第16回)総会 提案 事務局より
総会は、(1)2010年度活動報告、(2)2010年度会計報告、(3)2011年度活動計画、
(4)2011年度会計予算、(5)2011年度役員・運営委員の件、(6)その他、の順に事務
局より提案され、ほぼ提案どおり承認されましたので、下記に報告します。
(1)2010年度活動報告
2010年度の活動は、活動方針に基づき、研究会や会報の発行など下記のように
研究会は5回(第82回〜86回、内2回は見学を含む)実施した。研究会の日時と会
場及び研究会での報告テーマと報告者・参加者数を記載。
82回研究会:10年6月19日(土) 岐阜大学地域科学部の地21講義室、参加者:8名
「台湾訪問報告:目をみはった産業遺産の保存と再利用」報告:大橋公雄会員。
「2010年度(第15回)総会」提案:運営委員。
「旧八百津発電所の送電鉄塔基礎の予備調査」報告:中住健二郎会員。
「名鉄資料館所蔵の犬山線石仏変電所の保管品と明治村の旧京都市電用変電所」 報告:大田博行会員。
83回研究会:10年8月21日(土) 岐阜市歴史博物館2階の講座室、参加者:9名。
「文化財保護の流れと法整備」報告:黒田隆志会員。
「岐阜市歴史博物館の常設展見学」案内:黒田隆志会員。
84回研究会:10年11月27日(土) 岐阜県図書館2階研修室、参加者:7名。
「繊維産業と産業遺産」報告:平井東幸会員。
「台湾産業遺産の積極的保存と市民開放について」報告:広瀬泰正会員。
「2010年度産業考古学会見学会に参加して−横浜港波止場で発見された転車台
の遺構中心に−」報告:高橋伊佐夫会員。
85回研究会:11年01月29日(土) 岐阜大学地域科学部の地21講義室、参加者:8名。
「山梨県の土木遺産を訪ねて」報告:小西利雄会員。
「博物館明治村“灯台記念日”特別講演の聴講報告と灯台施設の現状について」
報告:大田博行会員。
「県内産業遺産の状況紹介とその対応について」報告:高橋伊佐夫会員。
86回研究会:11年3月23日(水) 東横山発電所と揖斐川町教育委員会、参加者:9名。
「東横山の“道の駅”に展示の国産初の縦軸水車と東横山発電所の見学」
案内:イビデン且ミ員の野原さん。
「揖斐川町教育委員会文化課訪問」要望:参加者7名、対応:文化課の川口さん。
会報は、No.76〜No.80 まで5回発行した。
No.76は10年07月20日、第82回研究会と総会の内容を紹介。
No.77は10年09月20日、第83回研究会の内容を紹介。
No.78は10年12月20日、第84回研究会の内容と当研究会への寄贈資料を紹介。
No.79は11年02月20日、第85回研究会の内容と当研究会への寄贈資料を紹介など。
No.80は11年05月23日、第86回研究会の内容と当研究会への寄贈資料を紹介。
会報は例会での報告内容が主であり、報告者自身の原稿(報告概要)をコピーして
掲載した。
2010年度その他の活動
・設立15年となる今年度役員を交代し、新会長に稲生勝、新事務局長を高橋伊佐夫
に変更した。なお副会長は決まらなかった。
・研究会の会報や次回案内は、その都度全会員に発送し、会費もほぼ集約できた。
・研究会のHPは、次回の例会案内と新しい会報ができ次第、その都度更新した。
HPは中部産遺研などとリンクし、岐阜の研究会の活動も広く紹介された。
・縦軸水車の展示改善の要望については、揖斐川町教育委員会文化課の川口さんが
すぐ対応してくれたが、縦軸の取付作業は簡単ではなく検討中である。
・会員は今年度1名亡くなられ、会員数は24名となり、減少傾向にある。
・運営委員会は11年4月23日(土)に1回実施し、2010年度活動報告と2011年度活動
計画などについて検討した。
(2)2010年度会計決算報告
収入の部 (単位:円) 支出の部 (単位:円)
┌───┬───┬───┬─────┐ ───────┬───┬────┬────┐
│項 目│予算額│決算額│ 備 考││ 項 目 │予算額│ 決算額│ 備 考│
├───┼───┼───┼─────┤ ───────┼───┼────┼────┤
│会 費│50,000│56,000│ 2,000×28││会報等印刷費 │10,500│ 6,628│ │
│繰越金│ 2,839│ 2,839│2009年度より│会報等郵送費 │13,500│ 11,680│ │
├───┼───┼───┼─────┤│研究会・見学費│20,000│ 16,790│ │
│合 計│52,839│58,839│ ││HP管理費 │ 1,440│ 1,440│120円/月│
└───┴───┴───┴─────┘│事務費等 │ 2,000│ 1,515│ │
┌───────────────┐ │雑費・予備費 │ 5,399│ 2,400│ │
│ 特別会計 (単位:円)│ ───────┼───┼────┼────┤
│ 会誌発行積立金 40,000 │ │ 合 計 │52,839│ 40,453│ │
└───────────────┘ └────── ┴───┴────┴────┘
┌───────┬───────┬───────────┐
│ 収入金額合計 │ 支出金額合計│ 差引残高 │
│ 58,839 │ 40,453 │18,386 2011年度へ繰越│
└───────┴───────┴───────────┘
会計監査報告
適正に処理されております。
監査委員 小西 利雄 印
(3)2011年度活動計画
会則に基づき、以下のような活動を行う。
1)定例研究会を見学会を含めて原則として2ヶ月に1回程度行う。
年6回のうち2回は見学会、4回の定例研究会は偶数月の第2土曜日午後とする。
2)岐阜県内外の産業遺産の調査・見学会を開催する。
3)産業遺産の保存・展示に努める。
4)産業遺産が文化財として保存されることを目指して、研究を進める。
5)産業遺産、産業考古学の啓蒙・普及に努め、会員の拡大にも努める。
6)産業考古学会や中部産業遺産研究会、各地域の産業遺産研究会、その他、関連団体
と交流する。
7)産業遺産博物館(仮称)の可能性を追求する。
8)3年後の会報100号を記念し、会報51号〜100号をまとめた冊子作成に努力する。
9)4年後の岐阜産業遺産調査研究設立20周年記念に向けて「記念誌」を出版する活動
を進める。
(4)2011年度会計予算
収入の部 (単位:円) 支出の部 (単位:円)
┌────┬───┬──────┐ ┌────── ┬────┬──────┐
│ 項 目│金 額│ 備 考 │ │ 項 目 │ 金 額│備 考 │
├────┼───┼──────┤ ├────── ┼────┼──────┤
│ 会 費│46,000│2,000×23名 │ │会報等印刷費 │ 9,000│1,500×6回 │
│ 繰越金│18,386│2010年度より│ │会報等郵送費 │ 15,000│2,500×6回 │
├────┼───┼──────┤ │研究会・見学費│ 24,000│4,000×6回 │
│ 合 計│64,386│ │ │HP管理費 │ 1,488│124円×12ケ月│
└────┴───┴──────┘ │事務・消耗品費│ 2,000│ │
┌───────┬──────── ┐│ 雑費・予備費 │ 12,898│ │
│ 特別会計 │ (単位:円)│├─── ───┼────┼──────┤
│会誌発行準備金│40,000 2010年より││ 合 計 │ 64,386│ │
└───────┴──────── ┘└──── ──┴────┴──────┘
(5)2011年度役員・運営委員の件
運営委員:変更なし、2010年度と同じ下記の10名。
稲生 勝・大田博行・黒田隆志・小西利雄・鷲見有知郎・
高橋伊佐夫・ 田口憲一・広瀬泰正・松田之利・横山悦生の10名。
(HP編集担当:広瀬 泰正、会報と例会案内発送:大田博行、
会計担当:高橋伊佐夫、会計監査:小西利雄)
3役:変更なし、会長 稲生 勝、副会長( )、事務局長 高橋伊佐夫
(6)その他
研究会の名称:岐阜産業遺産調査研究会(発足:1996年7月20日)
岐阜産業遺産調査研究会の名称を略称『GIH』とする。
研究会のHP:2005年7月開設(HPの作成及び更新:広瀬 泰正)
アドレス http://www16.plala.or.jp/gifu-sangyouisan/
事務局:岐阜市柳戸1-1 岐阜大学地域科学部稲生研究室。
2011年度会員数:23名、年会費:2,000円。
3.産業考古学会第35回総会に参加して
−他県の産業遺産調査保存活動の状況などについて
報告者 高橋 伊佐夫 会員
2011年5月21日東京で開催された産業考古学会第35回総会に参加し、総会で知り得た
他県(5団体)の研究会活動状況の一部分と、学会創立35周年を記念して発行された冊子
『日本の近代を開いた産業遺産』の一部を紹介します。
(1).関連学会5団体の2010年度活動状況概要
なお、5団体とも2011年年度の活動計画は、2010年度とほぼ同様の活動予定。
@北海道産業考古学会
総会1,講演会2,例会2,見学会3,映画会2回など。ブックレット刊行。
A東京産業考古学会
総会1,講演会1,研究会4,見学会10,会報「ニューズレター」年6回発行。
記念誌『東京産業考古学会15年の歩み』発行、他の学会と交流、アンケート実施。
B中部産業遺産研究会(会員数141名)
年間6回の定例研究会の内、総会1,研究会3,見学会2。他に写真パネル展など。
シンポジウム「日本の技術史を見る眼」年1回、報告集発行。他団体と共催事業も。
『会報』ニュースレター隔月に発行、冊子『産業遺産研究』年1回発行。
C近畿産業考古学会(会員数68名)
研究発表講演会2回,見学会7回,会報「ニューズレター」隔月発行。
学会誌『近畿の産業遺産』年1回発行。
D熊本産業遺産研究会(会員数32名)
総会と研究会,ホームページ作成、九州産業考古学会と合同で見学会など実施。
(2).産業遺産の名称変更についての報告と意見交換
九州国際大学の清水憲一氏が産業遺産の名称変更などについて1時間講演。
「産業遺産」を「産業ヘリテージ」に、「保存・管理」を「保存・活用」に変更。
その後1時間、参加者で意見交換したが、参加者の意見は「産業遺産」を「産業
ヘリテージ」に変更する必要はないとの意見が殆どだった。
(3).冊子『日本の近代を開いた産業遺産』の紹介
・産業考古学会が創立35周年を記念して、2011年5月20日に発行。
・編者は産業考古学会の大橋公雄(理事)と玉川寛治(会長)。
・全国の会員57名の執筆者で、推薦産業遺産82件を208頁に掲載。
・岐阜県内の推薦産業遺産は下記の3件掲載されている。
@ グラーデ式単葉機(複製機)−2003年推薦産業遺産63号。
平成7年複製された日本初の動力飛行機、執筆者:松本晉一。
A 五六閘門(別名 牛牧閘門)−1992年推薦産業遺産32号。
明治40年3月人造石で築造された樋門、執筆者:高橋伊佐夫。
B 名古屋鉄道旧谷汲線谷汲駅の産業遺産群−2007年推薦産業遺産76号。
大正15年4月開業した谷汲線 執筆者:大島一朗。
なお、冊子『日本の近代を開いた産業遺産』紹介のチラシも頂きましたので、
同封します。購入されたい方はチラシ下部の注文先へ1,800円送金すれば送って
もらえます。
4.次回研究会の月日と内容
次回の例会は大田さんから提案された『大阪の産業遺産』の見学会にしました。
見学月日は、8月26日(金)と27日(土)、見学場所は、造幣局博物館・大阪市中央公会堂・
堺港灯台などです。見学場地・集合場所・日程・宿泊場所など詳細は同封の第88回例会案内をご覧下さい。
5.研究会への寄贈資料紹介
◎ 近畿産業考古学会ニューズレター 60号
┌────────────────────────────────────┐
│ 2011年度会費振込のお願い │
│ │
│ 新年度になりました。会費振込用紙を同封しましたので、2011年度 │
│ 会費2,000円を振込んで頂けますようお願いいたします。 │
│ 振込手数料は当研究会負担ですから必要ありません。既に2011年度 │
│ 会費を納められた方には振込用紙は同封してありません。 │
└────────────────────────────────────┘
return