は じ め に |
今年、わたしたち岐阜産業遺産調査研究会は、10年目を迎えます。そんな中、わたし
たちに、うれしいニュースがいくつか飛び込んできました。どれも保存にかかわるもので、
わたしたちの会の目的のひとつには、産業遺産の保存がありますから、これは本当にうれ
しいニュースです。
ひとつは、長良川鉄道の北濃駅にある転車台が文化財に登録されるというニュースです。
この転車台は、わたしたちの会の前身ともいうべき岐阜産業遺産研究会の時代に「発見」
し、当時からその文化的価値の大きさを知り、何らかの保存を願い、産業考古学会会報へ
の論文掲載をはじめ、文化的価値の大きさが認められ、保存が図られるよう努力してきま
した。それが報われたような思いです。
つぎに、揖斐郡藤橋村の旧西横山発電所で使われていた国産初の立軸水車が藤橋村の
「道の駅」に保存、展示されたというニュースです。これは、旧岐阜西工業高等学校に保
存されていたものですが、その後は藤橋村の「道の駅」に保管されました。出来る限り早
く藤橋村のモニュメントとして展示されるよう、わたしたちの会は要望書を提出するなど
の運動に取り組んできました。このたび、多くの人の目につく形で保存、展示されたこと
を、ほんとうにうれしく思っています。
さらに、揖斐郡春日村の小宮神発電所で発電に使われ、岐阜に73年間電気を送り続け
たアメリカ製の水車発電機が岐阜市の公園に保存、展示されたことです。これもわたした
ちの会が保存の要望を、岐阜市、岐阜市水道局などにしてきたものです。それが現実のも
のとなったこともうれしいニュースです。
そして、こうしたうれしいニュースの中、わたしたちの会が10年目を迎えます。そし
て、会報も50号を数えるにいたりました。これを記念してこれまでの会報をまとめ、
今後の活動の一助としたいと考えました。これからも10周年をこえて、さらに、活動を
続けていく所存です。ご支援をたまわれば、幸いです。
2005年6月1日
岐阜産業遺産調査研究会
会報集の外観
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