耽美な漣 作 宙立舞
この日が来るのを、どれだけ待っていただろう。
充実した仕事中は、100%の集中力で向かうから、
まりあの事を頭から消すことは出来た。
でも、ゼロの状態の時は・・・
まりあの事で頭はいっぱいだった。
まりあのことを考えていると、精神的な疲れは吹き飛んだ。
でも、まりあの腰のほくろ。
折れそうな首筋。悩ましい・・うなじ。
はにかんだ微笑を・・
想像するだけで、
僕の急所は、激しく反応し、はじけ飛びそうになる。
それをコントロールして、触れずに元に戻すことが・・
どれだけ大変だったか?!
マスターベーションは絶対しない信念を持っている僕にとって、
最大のM体験だった。
そして、いま・・、僕の体は心のままに、解き放たれようとしていた。
日本へ向かう飛行機の中で、
僕は、まりあとの愛の行為をずっとシュミレーションしていた。
その行為をいま・・実践出来る!
あんな風にしよう。こんな風にしよう。
あの場所で、この場所で、立って、座って、飛びながら。。
誰も、今だかつてやったことのないスタイルにも挑戦しようと、
やる気満々で、まりあを抱きしめ、真っ先にベットへ。
と・・
何かが違った。まりあは何かを隠している。そんな気がした。
でも、今は、隠し事を追求する余裕はなかった。
話したい事は、山ほどあったけれど、言葉にはならなかった。
ベットに辿り着いた瞬間、
色んなメニューは、真っ白になり、
しばらくの間、ただ静かに抱きしめた。
生まれたてのヒナを包み込むように、まりあを優しく包み・・
でも、僕の中のエネルギーは徐々に膨らみ始め、
その、大きくなっていく急所に比例して、より強く強く抱きしめた。
「ガク・・・痛いよ・・」
「あ・・ごめん」
僕は・・まりあの長いまつ毛にキスをし、瞳をなめた。
「や・・くすぐったい・・」
鈴虫が鳴くような、まりあの声を聴くたびに、
急所は、どんどん膨らみ始め、パンパンだ。
「ごめん、まりあ。ここが、パンパンで痛いんだ。脱がしてくれる?」
「・・うん」
恥ずかしそうに、視線をそらし、
まりあは、ファスナーを降ろし、慎重にバナナカップを外した。
と・・まりあは固まっている。
「どうしたの?」
「あ・・・これ、どこに置こうかと思って・・」
僕と視線を合わすことの出来ない、まりあは、
バナナカップを持って、下をうつむいていた。
「じゃ、そのカップはね。床に置いて・・
・・・舐めて?」 「・・・え?」
まりあは、再び、固まって動かなくなった。
勢いで突き進む予定だったのに。。
何故か、癖で?自分をコントロールしている。
狼の本性を羊の皮で隠し、彼女の行動を待っていた。
そして、沈黙の後、
まりあは、静かに膝を着き、急所の先を口に含んだ。
徐々に・・、彼女の舌先と指は、急所の付け根から、先端まで、
微妙な動きを繰り返した。 僕はゴクリと息を飲んだ。。
駄目だ。。コントロールが効かない。
すっかり忘れかけていた電流が、急所を中心として、
全身を何度も貫き・・・ 不覚にも・・・、イッてしまった!
こんなにも早く!
まりあの抜けるような白い肌に、僕の遺伝子が飛び散った。
どうしようもなかった。。
まりあは・・・・、
初めて、僕をまっすぐ見つめ、舌をペロっと出して微笑んだ。
「飲んじゃった♪」
どぎまぎしている僕の表情を、悪戯っぽく見つめ、
「何か・・すご〜く、いい気持ち!」
と言って、僕に抱きついてきた。
まりあの魅力は、この二面性なのかもしれない。 さっきまで、永遠の純潔を思わせた少女は影をひそめ、
目の前には、小悪魔な美しい娼婦がいた。
「今度は僕の番だね」
一度抜けたら、すっかり落ち着き、
僕は、まりあの頭の先から、足の指先まで、
ゆっくり丁寧に・・・愛し始めた。
まりあは、耳の裏側が弱い。
だから、わざと、手を小鳥の羽根のようにして、
触れそうで、触れない、天使の距離を保ちつつ、
風のように触れる。
その度に、まりあは、苦しそうに体をひねる。
「まりあ・・駄目だよ。
気持ちいい時は、苦しい顔じゃなく、
気持ちいい顔をしなきゃ・・。それとも苦しいの? 」
「ううん・・」
「気持ちいい?」
「うん」
「じゃ、また同じこと、するから、
今度は気持ちのいい顔をしてごらん?」
そう言いつつ、今度は、まりあの首筋に舌を這わせ、
まりあの腰の付け根でピアノを弾いた。
「うっ!」
まりあは、また、苦しそうな顔をした。
「ほら、また苦しそうな顔をする」
「だって。。」
「だって?
何かを我慢しようとするから、苦しい顔になるんだよ。
我慢しないで、さっきの僕みたいに・・
気持ちをさ。開放すればいい」
僕は、真っ白なまりあの体を奏でつつ、
まりあの顔をチェックする。
まりあは、僕と視線が合うと、
ビクっとして、ちょっと、ひきつって笑う。
「だって・・声が出そうになるんだもの・・」
「いくら出しても構わないよ」
「恥ずかしい・・・よ」
「そんなに、恥ずかしい、恥ずかしいって言うなら、
もっと恥ずかしいことするぞ!」
僕は、まりあの足の付け根に潜り込んだ。
舌先は、さくらんぼの枝を結ぶように、
微妙な動きを楽しみつつ、
まりあの大切な突起物を、舌先で押し舐める。
そして、時々、舌先をまりあの腰からはずし、
「どう?」・・・と、聞く。
まりあは、あえいでばかりで答えてくれない。
そんな時、僕の中の「S」は作動し、
「どう?・・・ここ、いい?・・答えて!」
まりあは、泣き笑い状態で、声を押し殺して、
「いい・・」と言う。
「じゃ、ここは?」
まりあは、あえいで答えない。
「答えなきゃ、やめる!」
「やん、ガク、いじわる・・・!」
僕も、まりあも汗だくだ。
愛液なのか、汗なのか、唾液なのか?
血液以外の体液が、こんなにあったのか?
と、思えるほど、僕とまりあの
色んな体液が交じり合う。
まりあの体液は、全て、甘くいい香りがした。
2時間ほど、じっくり頭の先から、足の指先まで、
キスの雨を降らし、
まりあは、僕の知る限り、三度果てた。
そして、僕らは、大きな充実感溢れるため息をつき、
汗を一度、柔らかなタオルで拭き合い。。
はじめて、僕は・・久しぶりに・・まりあを貫いた。
洗いたてのスリムなジーンズを履くような、
強い圧迫感を感じながら、
僕は、まりあの体内に侵入していく。。。
僕の意識と、中心部分は一体となり、
感覚の全てが、そこに集約される。
まるで、栗のいがの中に、栗の実が戻るように、
バナナの皮の中に、バナナの実がすっぽり戻るように、
僕の急所と同化した僕の意識までもが、
まりあの体に戻っていく。。
2時間かけて、潤いきった
まりあの入り口は、キチキチにきつく、
もの凄い弾力で、僕を押し返す。
僕が進むと、押し返され、押し返すと、まりあが導く。
まるで、海辺の波のように、
押しては引き、引いては押し合いながら、
ベットの海で、激しいクロールを泳いだ。
一回素早く抜けた、僕の2回目は長かった。
2時間、メドレーで泳ぎ続けた。
クロール、平泳ぎ、バラフライ、背泳ぎ。
体の柔らかい彼女は、どんな要求にも応え・・
その、ひとつひとつの姿が,芸術的な輝きを放ち、
あまりに美しかったので、
僕は、ベットをバスルームに移し、
大きな鏡の前で、戯れた。
いつの間にか、僕らは眠っていたらしい。 ポポポ。。。と言う音で目が覚めた。
真っ白な小鳩が、僕らを珍しそうに眺めている。
目覚めたとき、、僕らは。。。
広いベランダの真ん中で、体に何も着けず、
まるで、エデンの園から、追放された
アダムとイヴのように、静かに抱き合っていた。。。
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