地獄の労使交渉
今日も外では初夏のあたたかな日差しが燦々と降り注いでいるのですが、我が家のツンドラ級の寒波はまだまだ上空を停滞中。当分寒波は居座るつもりのようです。
さて今日は待ちに待った私のお小遣い日でぇす。
私のお小遣いは、
月15,000円(ガソリン代込)です。
もう一度言いますよ。30過ぎの地位も名誉もある一家を支える大黒柱のお小遣いが、高校生もビックリの15,000円なのです!!!
私など酒もタバコもギャンブルも・・・女も(ゲボゲボ)・・・という訳で余計な支出を計上しない事をいい事に妻から、家計内収支の予算削減重点目標にされているのです。
今、財布に5万・・・いや3万・・・フリータイムを利用すれば5千円さえあればぁ・・・。と何度チャンスを逃し、幾晩悔し涙で枕を濡らして来たことでしょう。
そんな思いも今日でしばらくは終わりです。レシートや診察券しか入っていない、ペラペラのかわいそうな私の財布よ。今しばらくの辛抱じゃ。もうすぐ愛しの諭吉殿に合わせてやるからのう(・・・といっても一人)
・・・とはいえ、今は冷戦の真っ只中。通常なら黙っていてももらえるお小遣いもわざわざ妻にもらいに行かなければいけないのです。
なんで私が稼ぎ出したお金を妻にお願いしなければいけないのかイマイチ釈然としませんが、この状況では仕方がありません。
・・・ねぇ。今日俺のお小遣い日だと思うんだけど・・・。
・・・・・・・・・。
・・・小遣いがないと今月やっていけないんだけどぉ・・・。
あんたの小遣い日なんてすっかり忘れていたわ!!
悪魔のように口を歪ませて微笑みながらしゃべる妻。
強制ハンガーストライキ!
ついに妻はお弁当で私を辱めるだけでは飽き足らず、口座凍結という最終手段まで取ってきたのです。
あまりに人道的に問題がある妻の波状攻撃に私の頭の中では人道委員会のメンバーが一斉に席を立ち、抗議集会とデモ行進を始めています。
それに後押しされるかのように私の感情に少しずつ怒りの炎が燃え上がって来ました。
・・・お前なぁ!!!
私の中にある怒りの色がさすがに妻にもわかったのでしょう。
・・・とは言っても忘れていたこっちが悪いから・・・。
慌てて財布を取り出す妻。
・・・妻の言葉を聞いて表面上は普通にしていましたが、私の頭の中では人道委員会のメンバーが一斉に歓喜の声を上げ、ランバダを踊って祝杯をあげています。
・・・はい。3,000円!!!
・・・俺は小学生か!!!
・・・あまりの金額に人道委員会のメンバーはうなだれてドナドナを歌っています。
・・・結局その後も労使交渉を重ねましたが、妻の財布がそれ以上開かれることは二度となく、とりあえず(あくまでもとりあえず)今月は3,000円ということに決まりました。
・・・財布の中の3,000円を大切に使おうと心に誓いながらも実家の祖父をどう騙そうか今から計画中な私です。