西原自然公園

この場所は元は住宅団地の建設予定地でした。しかし、武蔵野の面影を残す市内唯一の樹林であることから、市民・自治体などが協力して保存運動をおこなった結果、建設予定地10ヘクタールのうち2ヘクタール分が公団から市に譲り受けられることになりました。 その後、『樹林』は『緑地保全地域』に指定され、1979年(昭和54年)に『西原自然公園』として開園し現在に至ります。

雑木林の歩道は靴底をとおして柔らかな感触が伝わってくる。、朽ちた木々破片や落ち葉が堆積してつくられた自然のクッションは、足元からもリラックスをさせてくれます。
昔は、自然に形成されたり人が造った雑木林が武蔵野のいたるところにあったのでしょうが、今日は国や自治体が保全の意図をもって維持・管理しない限り後世に引き継ぐことが難しいようです。

それぞれの入り口には園内の地図が設置されている。敷地面積はかなりありそうだが、形に起因するのかさほど広さを感じさせない。

 


雑木林は様々な楽しみ方ができます。
園内をゆっくりと散策しながら、木々から放散されるフィチンを浴びたり(晴れた日の午前中がお勧めです)、風〜枝葉のざわめきに耳を傾けながら思索にふけるのも一興。日がな時を過ごすのも、これまた好し。
アカデミック指向ならば『図鑑』を片手に自生する植物を調べてみてはいかがでしょう。実際にやってみると結構面白く気分はもう『牧野富太郎(植物学者)』なんちゃって。子供はもとより、大人の方にもお勧めしたい知的?な遊びです。

ときおり見かける巣箱にはどんな鳥が住んでいるのでしょうか 。
■ワンポイント(参考文献:西原樹林植生調査報告書)
西原自然公園の樹林は高さが8〜10メートルの、コナラ、クリ、エゴノキ、クヌギ、ミズキなどに加え、15メートル程度のアカマツ、高さ4〜6メートル程のコナラ、エゴノキ、ゴンズイ、ヤマハンノキ、ミズキ、さらにサワフタギ、アズマネザサ、ゴンズイ、エゴノキ、ヤマノイモ、マユミ、ヌルデ、ニシキギなどの低木によって構成されている。 併せて、チヂミザサ 、イトスゲ、ヒカゲスゲ、ミズヒキ、ノガリヤス、イヌダテを主として、ヤマノイモ、トコロ、ノブドウ、ハンショウヅル、スイカズラなどのつる性植物。ツリガネニンジン、リンドウ、イチヤクソウ、アキノキリンソウ、シラヤマギク。ヤブカラシ、シュンラン、キンランなどの植物が自生している。