「保護基準の減額元に戻して」「消費税10%やめて」
「資産申告は強制しないで」と2回の交渉に144人が参加
資産申告について
【大阪市】 2015年4月から実施要領で12ケ月に1回の資産申告をするように変更。60条の法改正が背景にある。会計検査院の指摘 ― 多額の慰留金を残して亡くなった方や、目的のない貯金が、約13億5000万円(平成25年度201自治体で22、23年度に亡くなった単身の被保護者38,074人中、慰留金があることが確認された11,840人)あった。現金が残り、葬祭扶助に充当できるものは充当し、残りは遺族に渡した。590人1億1800万円分が銀行口座に残った。
【大生連】 資産申告を出さない場合は、どうするか。どういう場合は、貯金を認めるのか。
【大阪市】 保護開始時に保有していたものではないこと、及び貯金の目的を確認し、保護の目的に反する使い方(ギャンブルや悪い企てなど)ではなく、説明のつくものであれば保有を容認し、収入認定や保護の停廃止はしない。
【大阪市】 申告をしないことをもって保護の停廃止をするということはない。まず申告をお願いする。同意書をもらっている場合、調査をすることはできる。申告に協力をえられず、かつ、その方の資産の状況が分からない場合は、継続して保護ができるかどうかがわからないので、保護後受給中の方であれば指導指示をして申告のお願いをしたうえで、指導に従わない場合は、場合によっては保護の停廃止もありうるかと思う。
【城 東】 風呂や釜の修理のために貯金をしているが。
【大阪市】 目的がはっきりしている場合は保有を容認するかも。資産申告ではなく、29条調査をすればよいのではないかとの質問だが、申告できる方は協力していただきたい。保護法28条で資産報告を求めることができるとしているので申告を求めていく。
【大生連】 申告書を出すまでケースワーカーは言いつづけるのか。
【大阪市】 生活保護を続けていくために資産申告が必要とお願いする。資産はいろいろあるが、今回着目しているのは、年金、保護費が、精神活動が停止しているなどのため、どんどんたまっており、使用目的がない方について考えている。ふだん年金などが振り込まれる通帳の残高を確認する。
【旭/鶴見】 高齢者や精神障害の方はケースワーカーから説明をうけてなく、毎日不安がっている。
【大阪市】 高齢者や精神障害の方には丁寧な援助が必要。区役所にもたくさんの問い合わせがあった。
【大阪市】 まず、本人に申告していただく。そのうえで申告書に書いてあることと、私たちがつかんでいることに差異があれば調査をする。
たとえば30万円貯まっていたとします。1年後それが500万円になっていたとする。1ヶ月10万円の保護費として500万円たまっている場合、これが疑義と言います。不正な手段で貯金をしていないかを確認する。疑義、つじつまが合わない場合は質問します。「なにを買うのか」と。目的によって貯める金額は変わる。障害を持っている方だったら改造車を買うためにはたくさんのお金が必要と思う。また、秋田の訴訟では介護のために貯金をされた事例もある。目的なく、6ケ月以上保護費が不要な時はいったん廃止することもある。6ケ月以内であれば停止にして再開になることもある。6ケ月以上保護費があるからと言って、機械的に●円だったら停廃止するというものではない。
【大生連】 私たちの要望は「資産申告の提出を強制するな」ということだ。申請時に提出している同意書で調べたらすむではないか。貯金の目的はケースワーカーとの信頼関係のもとで聞いたらよい。柔軟に対応してほしい。27条の指導指示で停廃止はすべきではない。
【西 成】 負債も臨時収入として申告するのか。
【大阪市】 毎月返還していたら、自立につながらない。不正収入に結び付く。保護受給中に大きな借金をつくれば収入として認定する。家計のための多少の変動、翌月整理できるようなものはよい。
資産申告書について
【大阪市】 @ABの質問について回答
- @ 保護費のやり繰りで貯金していた場合の取り扱いについて
- 課長通知でも「開始時に保有していたものでないこと、不正な手段で蓄えられたものでないこと、保護費のやり繰りで生じたものと判断されるときは、使用目的を聴取し、生活保護の趣旨、目的に反しないと認められる場合は、活用すべき資産には当たらないとして保有を容認して差し支えない。」としている。
- A 資産申告は義務ではなく、自発的に協力するものではないか
- 資産や収入の状況について提出をお願いしている。法28条で報告を求めることができるとしている。ケースワーカーから保護法の中身について十分説明したうえで協力を求めている。提出に協力を得られない場合、ケースワークも難しくなると考える。資産申告をしないから廃止とは言っていないが、国から通知してきたので、大阪は、それにそって調査している。
- B 提出しないことで、指導指示違反で生活保護の停廃止は正しいか。
- (回答なし)
【大生連】 申請時に提出した包括同意書で調べられるではないか。提出を強要されることは納得いかない。
【大生連】 平成25年厚生労働副大臣が、「資産申告の提出はあくまで受給者が主体的に取り組むことが重要であって、この責務を果たさないことをもって、保護の停廃止をすることは考えていない。あってはならないと思っている。」と答弁している。61条では「生計状況に変動があった時に速やかに報告を求めている。」と。変動がないにも関わらず、なぜ提出しなければいけないのか。区によっては期限を設けて提出を求めている。従わなければいけないのか。
【大阪市】 変動がない方でも12ケ月に一回提出を行わせると課長通知が出ている。各実施機関でも行っている。副大臣答弁は提出がないことをもって停廃止はないということは私も申し上げました。一方で、28条で「申告はまずは本人から正確な報告をさせる。」と書いてある。私たちはあくまで報告を求めていく。報告を強制させることはできないかと思っている。29条に書いている通り、なお不明な場合は関係先に調査することとしており、実施する。別冊問答集には「正確な報告がなく、調査によっても把握が困難な場合には、27条で指導指示を行い、それに従わない場合は62条により、弁明の機会を付与したうえで保護の停廃止をすることが適当」と書いている。資産申告を出さないことで即停廃止ではなく、その間の手続きをふまえ、停廃止もありうるということで回答する。箪笥の中まで調べるなどの必要はない、家電製品の買い替えなど不測の事態に備えて貯金をしている。金銭管理ができず、どんどん貯まっている方について、一定の配慮が必要ということで会計検査院の指摘をうけて、資産申告が始まった。私たちがお願いしているのは、よく使う通帳、特に保護費や年金が振り込まれている通帳の残高について教えてほしいということで、資産申告を実施している。
大生連の問題提起
● 資産申告書は生活保護世帯の義務ではなく、あくまで、自発的協力を求めるもの。保護の停廃止を前提とする27条の対象にはなりえないはず。本人に納得のいく説明もせずに、期間を限定して、提出を求めないでほしい。保護費のやり繰りによって生じた預貯金、現金は生活保護の趣旨に反しない限り、認められるべきだ。
● 秋田の加藤裁判や福岡の中島訴訟判決でも「保護費のやり繰りによって生じた預貯金は活用すべき資産に当たらない」としている。大阪市は府下の中でも強権的で、保護世帯を疑いの目で見ているとしか思えない。強権的にやるべきではない。以上の主旨で再度要望書を提出したい。
【大生連】 期限を切ること、区役所に通帳を持参させるのは問題だ。区によっても資産申告書の様式が異なるが、本庁は確認しているのか。
【大阪市】 全部は把握していない。資産申告の基本的な通知は各区におろし、その主旨にもとづいて各実施機関で文書については作成している。本庁では実施機関が作成した文書の内容の点検まではしていない。
【大生連】 点検すべきだ。本庁の役割をふまえて指導してほしい。
【大阪市】 確認はする。
住宅扶助について
【淀 川】 部屋に入ってきて、メジャーで床面積を実測され、いやな思いをした。賃貸契約書や、重要事項説明書でわかるのではないか。
【大阪市】 床面積の実測は、基本は書面でしている。以前に契約して床面積が書かれていない場合には、家主が所定の証明書に書くようになっている。最後の手段が実測と考えている。実測をする場合は、ていねいに説明をする必要がある。
経過措置の運用と説明
【大阪市】 夏の交渉での回答
- @ 医療機関・施設等への通院・通所に支障をきたす場合。
- A 高齢者・障がい者・病気の人が病院等への通院が必要な場合。
- B 通勤・通学に支障を来す場合。
- C 高齢者・障がい者等を援助している扶養義務者や地域支援が転居によって支障をきたす場合。
@からCに該当しない場合の経過措置の期限は次の契約更新時か、契約更新の定めがない場合は2016年6月末までとなる。
特別基準が認められる事情 車いす使用の障害者で通常より広い居室を必要とする場合、高齢等で転居が難しいと判断される場合。実施機関の判断で可能。特別基準適用件数は把握していない。
【大生連】 却下されたら審査請求も可能か。
【大阪市】 可能です。特別基準の申し込みは実施機関に相談してほしいが、申請書が必要です。
今より広いところに引っ越ししたい場合は敷金の申請書を出してもらう。今認定されている家賃に不服がある場合は不服申し立てになる。
転居指導に伴う修繕費用
【住 吉】 転居指導で引越すことになったが、明け渡しの時に修繕費用9万円を請求された。転居指導がなければ修繕費用は発生しなかったこと。費用は払えない。
【大阪市】 転居の際の修繕費用は貸主と借主の問題で、生活保護の項目にない。住宅維持費については現に居住する家屋の、畳、建具、水道等の修理が該当する。修理をしたうえで出ていく場合は該当しない。
【大生連】 来年7月以降転居せよと言われる場合、こういったケースがたくさん出てくる可能性がある。国に対応を要望して。
法定期限について
【大阪市】 書面が本人に到達するのが14日以内だ。
【鶴 見】 決定は11日目だったが、決定通知が届いたのはその2週間後。計25日かかっている。
【大阪市】 その場合は、遅延の理由がいる。手持ち金は最低生活費の2/1は認められる。それ以上は収入認定するだけなので、持っていてもかまわない。
助言指導書は撤回せよ
【淀 川】 助言指導が改善されない。幼い時、倒れて頭が陥没しており、定期的にてんかんもおこす人に「働け」と。医師は軽度の就労可としているが、いつ、てんかんをおこすかわからないので、社会に出た経験もない。(30代男性) また、ぜんそくもちなのに、「ぜんそくが出る前まで働け」とケースワーカーに言われた。無理をして働いて2ケ月後に脳こうそくになった。 (30代女性) 違法な助言指導は撤回してほしい。
【大阪市】 薬を飲んでコントロール出来ている方もいる。いつ発作が出るかわからないから働けないということではない。傷病のある方については主治医に相談している。淀川区でも主治医に聞いて就労支援をしていると思う。寄り添い型の総合就職サポート事業に委託をしている。
以前出された助言指導書の中身は瑕疵があったが、助言指導のガイドラインについて違法性はない。現時点で撤回することになっていない。
【平 野】 数年前まで、平野区では申請したその日に助言指導書を出していた。2年前からは内容は助言指導だが、「自分で仕事を探す人に」という文書を出している。各行政区で助言指導書をだしているか、把握しているか。
【大阪市】 把握していない。
【住 吉】 働けるか、働けないかだけの病状調査ではなく、もっと詳しく事情を聞いてほしい。
【大阪市】 言われることはわかるが、医師の負担を考えると難しい。
【大生連】 警察OBが配置されているのは、大阪市だけ。福祉の現場には相応しくない。
【大阪市】 疑惑をもたれ、通報等があった場合は事実確認が必要なので、尾行・張り込みがあるのは事実。執拗なケースは改める。
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