7月27日に行われ、府下12単組66人が参加。アンケートは126枚を提出。
大生連は下記の事項で質問し回答を求めた。また、各単組からの実態にもとづいて、府の指導を求めた。
■生活保護住宅扶助基準引き下げに関する質問事項
(質問1) 現行家賃がそのまま適用される例外措置について
【大阪府】 施設等については障害者が通所する社会福祉施設、作業所を想定か、病院等は病院、整骨院などを想定しているかと思う。等の考え方は、国が示さない限りは各福祉事務所の裁量で決定することになる。
(質問2) 家賃の契約更新の経過措置について
【大阪府】 最終的には2016年6月までとなっている。 福祉事務所が期限を設定して(3ケ月とか6ケ月とか)転居指導をしていると思うが、その期限だ。その期限をいくら延ばしても2016年6月。福祉事務所としてはこれより、前倒しで設定される。
(質問3) 特別基準について
- (1)「新たな限度額によりがたい家賃であって、世帯人員の状況、地域の住宅事情によりやむを得ないと認められるものは特別基準が適用できる」となっているが、具体的にはどんな世帯をさすのか?
- (2)その際の基準は.世帯人数別に現行家賃の何倍までいけるのか?
【大阪府】 特別基準の考え方については基本的に国は変えていない。新たな要素として加わったものはない。局長通知「2」に記載のとおり。
【大生連】 特別基準について再質問
@世帯員に車いすが必要な場合、A多人数世帯の場合、B都市部等で新基準の家賃で借りられる適切な物件が近隣にない場合。福祉事務所が特別基準を認めた場合は市の裁量に任せるか。
(質問4) 転居指導について
(1) 転居指導ができるのはどんな場合にできるのか?
(2) 本人の意に反した転居指導はできるのか? できるとすれば生活保護法の、どの条文なのか?
(3) 転居指導を拒んだ場合、指導・指示違反として保護を停止・廃止をすることができるのか?
(4) 転居指導があった場合、引っ越し費用と敷金は支給するのか?
【大阪府】 転居をお願いしているのは高額家賃の家に住む場合。居住の自由は憲法でも保障されているので本人の意にそわない指導は好ましくないが、非常に高額の場合は最低生活費しか給付していないし、最低生活に支障があるので、できるだけ転居をしてもらわなければいけない。転居指導は生活保護法27条に基づく。停・廃止は最低生活との絡みになってくる。転居指導に伴う敷金等転居費用は支給される。
【大生連】 転居指導については憲法22条で居住・移転の自由がある。福祉事務所やケースワーカーの大前提になっているか。また、保護法27条の(指導及び指示)についても確認したい。
第27条 保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。
2 前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。
3 第1項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。
(相談及び助言)
第27条の2 保護の実施機関は、第55条の6第1項に規定する被保護者就労支援事業を行うほか、要保護者から求めがあつたときは、要保護者の自立を助長するために、要保護者からの相談に応じ、必要な助言をすることができる。
(質問5) 最低居住面積水準と住宅扶助の「新基準」について
(1) 最低居住水準未満の部屋、風呂・トイレ・台所のない劣悪なところに住んでおられる生活保護利用者の対応はどうするのか?
(2) 風呂・トイレ・台所のある住居に希望した場合は、転居を認め、引っ越し代と敷金は支給するのか?
【大阪府】 最低居住面積水準は今回の改定に一律リンクするものではないが、劣悪な環境に住んでいるか否かは、福祉事務所が個別に判断する。その上で、転居指導をした場合、敷金等転居費用は支給される。
最低居住面積水準について
【大生連】 単身で16平米と水準より広くなったが、狭隘な住居からより広い新基準内の家賃の住居に転居して5,000円ほど家賃が増額となっても、市が増額を認めた場合、市の裁量に任せるか。
【大阪府】 福祉事務所が劣悪な環境と判断し、転居を指導した場合、それをもって指導がおかしいとはならない。ケース記録が残っていることが前提。記録がない場合、府は福祉事務所を指導することになるかもしれない。
【大阪府】 1,000円2,000円オーバーは 高額家賃としてはグレーなところ。必ず、指導指示とはならない。
【大阪府】 国の通知には程度を書いていないから、福祉事務所の判断になる。
■住宅扶助への追加質問、及び基本回答への質問
- ●府の通知は例外措置、特別基準など具体が示されていない。追加として文書を出されたのか?
- ●居住水準を守るため、実施機関が家賃の上昇、転居費用も支給する場合、府は実施機関の裁量に任せるか。
- ●特別基準の等は何が当てはまるのか。特別基準を認めた実施機関は何件あるか。府下の実態を調べてほしい。劣悪でなくても、居住水準に満たない場合は転居できるのか。回答欲しい。
- ●78条で被害届を出す金額の基準はあるのか。63条と78条の判断の基準は何か。
府下市別不正受給件数資料請求
- ●エアコン設置について 貸付件数
- ●ゴミ処理について 単身世帯が増えているが、府として対応策を検討しているのか
- ●国に要望している文書を請求
- ●住宅扶助についての府の担当者会議の議事録を請求
- ●医療費の一部負担の動きがある。府は国に対してどのような要望をしているのか
■実態とやりとり
【八 尾】
夫婦5万円の家賃のところに住んでいた。夫が亡くなり、単身になったので42000円の支給になった。その差8000円は自己負担していた。それが39000円になったら、負担も増える。引っ越しも考えているが、長く地域になじんでいるため、近隣で42000円のところを探したいがダメなのか。ケースワーカーは転居したらどうかと言いながら、転居費用(引越費用)全部が出るとは限らないと言って本人を不安がらせている。転居費用が出ない場合とはどんな時なのか。
【大阪府】 4/14付局長通知の経過措置の中で触れられている。「世帯人員が減少した時から6ケ月を限度として旧基準を適用できる。」その際転居費用は出ると考えている。
【八 尾】 住み慣れたところで基準内(39000円)の家が見つからず、42000円であれば家がある場合は?
【大阪府】 福祉事務所と協力して、なるべく基準額で探してほしい。はじめから基準以上のところに転居されるのを可とは言えない。
【吹 田】
例外措置が認められれば旧基準が適用されるか。精神疾患の娘と持病のある母の2人暮らし、54,500円の家賃のところから47,000円のところを探せと言われた。この世帯は例外措置が適用できないのか。旧基準適用の判断は福祉事務所に任されているのか。
高齢者、障害者の基準とは何か。
【大阪府】 障害者の基準は通知で述べられてはいない。障害手帳を持っているとか、障害の診断を受けているとかをひとつの基準としている。
【大阪府】 個別のケースは実施機関が判断されることになる。
府からお願いしているのは、どうして経過措置を適用したのかという因果関係を説明できるよう記録として残していただきたいと。
【大阪府】 まずその世帯が経過措置に当てはまるか否かを考えたうえで、あてはまると判断されれば旧基準が適用されることになる。
【摂 津】
45,000円の家賃のところに住んでいて、神経に肉腫があるなど3つに通院している。担当は例外措置を認められない、39,000円のところを探せと言っている。手術したら車いすが必要で、特別基準も設定できないかとも伝えている。
【大阪府】 個別ケースで、どういう判断と経過なのかわからないので、この場では回答できない。
【岸和田】
限度額を超える人に対して「家主と相談せよ」と言い、入居者に責任を負わせているのではないか。家主も様子見の状況がある。大阪府として、民間住宅を管理運営している団体と協力し懇談もしてほしい。また、障害者のなかに、要介護の認定を受けている人も対象に含めてほしい。
【大阪府】 国から、民間の不動産、宅建取扱業者などへの協力依頼の書面も発出されており、協力いただけるよう案内している。要介護をもって障害者の対象になるかどうかの即答は困難。
【枚方交野】
82歳。44,000円のところに40年間居住。自己負担をしていた。今まで2,000円オーバーしていたが認めていた。ところが、担当者が家賃が下がるから12月までに探してと電話をかけてきて、6/12までに返事をするよう指示された。電話の指示だけで、文書の回答はなかった。処分だから決定通知を出すべきだ。特別基準の設定も申し入れた。ケースワーカーにきめ細かく指導すべきだ。賃貸契約書の確認も親切に対応しなければならない。
【大阪府】 いきなりの指導ではなく、きめ細やかな指導を求めている。
【門真守口】
病気のため転居したが、環境が変わり、病がひどくなった。医師の勧めもあり、元のところに戻った。しかし、家賃が47,000円で負担額が増えた。(元の家賃限度額54,000円)
私の場合は6月に契約し7月に入居したが、旧基準の対象に該当しないのか。再転居の際、門真福祉は転居費用を出してくれなかったが、支給してほしい。
【大阪府】 転居費用が必要な項目は17項目ある。個別に判断する。旧基準が認められた場合は55,000円である。
【大生連】 17項目に該当しないからダメではなく、可能性を追求してほしい。門真市と話し合い、敷金と転居費用の申請をさせて。不服であれば審査請求もしたい。
【大生連】 生活扶助が削られるのもつらいが、長年住み慣れた家から出ていくことはもっとつらい。憲法22条を前面にすえて、府は「すまいは人権」の観点でケースワーカーを指導してほしい。教示義務が課せられているにもかかわらず、4/14の国の通知を現場の職員も知らないところがあると聞いている。今の家に住めるよう、例外措置も適用し柔軟に対応してほしい。
【寝屋川】
寝屋川のお知らせ文書では例外措置が全く触れていない。指導してほしい。
【大阪府】 各市の通知は把握していない。しかし、いろんなケースがあることを聞いて府の通知を出した。
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