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大阪府生活保護交渉

 
2014年8月8日 大生連

 塩見順彦課長補佐をはじめ大阪府社会援護課社会援護グループが対応されました。大生連は1日目14単組63人、2日目14単組70人が参加。1日目に宮原府会議員が激励に駆けつけられました。生活保護利用者のアンケートは11単組192件、1日目に大阪府に提出しました。
 大生連からは「保護利用者は二度目の生活保護基準の引き下げ、4月からの消費税増税で、切り詰めようのない生活を強いられている。また、7月からの保護法改悪で、申請や扶養照会などが厳しくなると不安が広がっている。大阪市の生活保護調査の中で、違法な保護行政が明らかになった。大阪府は、憲法25条の精神で保護行政をすすめてほしい」と要望しました。

滞納分の徴収猶予の扱いについて

【府の回答】 各徴収担当部局等において、被保護者の最低生活の保障の観点から滞納分の徴収猶予等の制度運用がなされている。保護の開始時には滞納の有無等の聞き取りを行うとともに、滞納がある場合は徴収猶予の手続きを案内するなど、福祉事務所に対し公租公課の徴収猶予制度について通知している。

各単組からのひとこと発言

●生活保護世帯にはなぜ臨時給付金が支給されないのか。子どもも学齢期になり、シャワーをつけて。

●食費、電気代の節約は当たり前になっている。たまには美容室にも行きたい。友人ともつきあいができない、たべるのでせいいっぱい。消費税の増税、物価もあがり、やりくりが大変。

●こどもに扶養義務が強制されると、子どもたちが生活できなくなる。

●ほしいものはお金、月末になるとラーメンばかり。お墓参りもしたい。

●医療費が無料であることには感謝している。来年にも三度目の保護基準の引き下げ、住宅扶助の見直しなども報道されている。これ以上保護費を削らないでほしい。

●夏期一時金を復活してほしい。クーラー代もままならない状況。また、障害のため、プールに行っているが、水着も長く使うと生地が薄くなるので買い替えたいのだが、買えない。

●指関節リューマチの治療をしている。65歳ひとり暮らし。若いころはユンボをしていたが、長年の労働で関節が変形。独立した子どもが来ても何もしてやれない。友達づきあいも出来なくなり、家でひとりでいると気持ちも落ち込む。保護費は下がって、消費税は上がる。これ以上、保護費は下げないで。

●民生委員が保護費の明細書を毎月届けに来るが、玄関先で「民生委員の●●です」といわれ、肩身の狭い思いをしている。

●電気代が高くなるので、クーラーがあってもつけられない。夏期の一時金を要望したい。

●風呂代も節約している。36℃〜38℃になるというのにクーラーもつけられない。いのちをまもるために夏期加算の創設をして。

●保護を受けて、ご飯も食べられるようになり、前向きの気持ちになれた。

●59歳の時に4つの仕事を掛け持ちして、体を壊し保護を利用。保護を受けて半年で交通事故 にあった。その後示談になって、お金が下り、市に返還することになった。風呂、玄関も壊れて直したかったが、認めてもらえなかった。振り込みの時に、担当が銀行窓口に立ち会うというので、それだけはやめてほしいと言った。もっと配慮してほしい。

移送費について

【摂 津】 市外の病院に入院するとき、荷物も多く、タクシーを使った。移送費の申請に行くと、「我慢してくれ」と言われた。足の悪い人などに枠を取っていると言われた。枠とは何か教えてほしい。少額の方には泣いてもらっていますとも言われた。

扶養照会

【大生連】 本人の了解抜きに扶養照会はしないでほしい。

【大阪府】 要保護者については、本人が照会をしないでという場合、扶養照会を行う必要がないなどの判断がされる場合は照会をしないことがありうる。

【大生連】 幼少の頃、親と別れて生活。照会をするのはやめて欲しいとケースワーカーに言ったのに再婚した母親、義父の娘や養女に出された妹にまで照会された。やめて欲しい。

【大阪府】 夫婦、未成熟の子には扶養義務がある。そこについては年一回でも調べるように伝えている。いろんな事情がある場合は聞き取って書いておくように言っている。本当に扶養調査が必要な人、生活保持義務関係だけでなく、重点的扶養能力調査対象者を仕分けし働きかけるよう伝えている。担当は交替していくので記録することは大事。扶養調査は金銭的な事ばかりを求めるものではない。実態は扶養調査をしていない自治体も多く、府として指導している。基本は本人の申し出を聞きとって対応することです。

【大生連】 そうなっていないのが、現状だ。無原則になっている。府が文書を出して照会すべき基準については指導してほしい。

 

転居について

【門真・守口】 高層階からの転居を認めてくれないケースが数件ある。また、民間住宅から府営住宅への申し込みをしたいが、認めてくれない。

【大阪府】 申し込むことまで制約することはできない。実施機関の指導による転居でない場合は転居費用が出せるか否か、出せない可能性がある。実施機関と十分に相談してほしい。

【大生連】 まず申請させたうえで検討すべきだ。結果によって当事者は審査請求ができる。

非指定医療機関の医療費について

【門真・守口】 パニック障害などの19歳(高校3年)の娘がいる。突然発症するので、病院を選べない。救急車でいっても帰りはタクシー代がかかる。住友病院は非指定医療機関との理由で、医療費を自己負担にさせられた。

【大阪府】 門真に事情を聴き、対処する。   (その後解決した)

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2014年8月18日 大生連

 

1日目に一括同意書について質問したことへの回答

一括同意書の件

【大生連】 @昭和58年10月24日 「大阪府取扱要領の運用」(一括同意書に関する運用)を知っているか。何が書いてあるか。

【大阪府】 「大阪府取扱い要領の運用」については知らなかった。改めて読んだ。府においては書類の提出が、義務や強制ではないこと、理解と協力が得られない場合要否判定に支障がない場合には提出がなくても開始、却下決定をしても差し支えない。理解と協力が得られず、必要な調査が困難な場合調査先を特定して同意を求めることもやむをえないこと、申告書の提出がないことのみで調査不能と解さないと示したもの。必要な調査は他の手段でしていいということに変りはない。同意書がないと照会先が回答しない、調査がつくせない状況の時は理解と協力を求めたうえで、それでも拒否される場合は、国の通知も合わせて、却下を検討することになると考えている。また、昭和58年と現在では被調査機関においても個人情報に対する意識が違うので、現在は被調査機関からは同意書を強く求められているという感じがする。

【大生連】 A一括同意書の提出は生活保護の開始要件か

【大阪府】 主旨そのものは現在も変らないと考えている。絶対要件となるものではない。

【大生連】 B今回の同意書に書いてある「健康・保護費支出」を自治体が削除しても構わないか。

【大阪府】 様式については各実施機関で定めるもの。削除した場合は、開始決定や実施に当たり必要がある場合、個別同意書を作成して調査をすべきと考える。

【大生連】 回答が極めてあいまいだ。

 

申請について

【大生連】 @申請は口頭でも可能か。A申請の起点は何時か。(申請意思を示した時点でよいのか)

【大阪府】 @の回答 口頭の申請も認められる。一方、申請意思の確認や手続きに実施機関は改めて書面で提出を求めたり、書面での提出が困難な場合は、実施機関で必要事項を聞き取り書面にして内容を本人に説明し、署名捺印をもとめるなど申請行為があったことを明らかにするための対応をとる必要がある。  
  Aの回答 口頭で意思を示された時点が申請の起点になる。

扶養について

【大生連】 @扶養は保護に優先するとなっているが、「優先」とはどういう意味か。
A24条8項「扶養義務を履行していないと認められる場合」に通知するとなっているが、どういう人が対象か。 
B扶養親族の回答義務はあるのか。回答しない場合に罰則はあるのか。

【大阪府】 @の回答 優先とは扶養が受けられるのであれば、それ以外のところを保護で補うと示したもの。
Aの回答 24条8項の−扶養照会の対象になるのは夫婦、絶対的扶養義務者、直系血族及び兄弟姉妹、及び相対的扶養義務者の3親等内の親族の中で、現に、当該要保護者とまたはその世帯に属するものを扶養しているものと過去に当該要保護者とまたはその世帯に属するものから扶養を受けるなど、特別な事情があり、かつ扶養能力があると推測されるものとなっている。
実施機関については本人からの聞き取り等により扶養の可能性の有無等に確認検討のうえ調査対象を決定することになっている。
Bの回答 扶養親族の回答義務については、義務ということはなく、罰則も定められていない。

【大生連】 扶養義務者への通知の極めて限定的な場合(明らかに扶養義務の履行が可能と認められる扶養義務者)とは実施要領問答5(の5)に書いてある通りに違いないか。

ア、定期的に会っているなど交際状況が良好(20年以上音信不通・DVなどは除外)
イ、扶養義務者の勤務先等から要保護者にかかる扶養手当や税法上の控除受けている
ウ、高額な収入を得ているなど、資力がある等を総合的に勘案し、
エ、家裁への調停又は審判の申し立てを行う蓋然性が高いと認められる者

【大阪府】 間違いない。

生活上の義務について

【大生連】 @家計簿をつけるのを強制するのか。A従わなかったら罰則規定はあるのか。

【大阪府】 生活上の義務について罰則の規定はない。
 B加藤裁判、学資保険裁判判決の生活保護費の使途の自己決定権について知っているか。
 C何が書いてあるか。

【大阪府】 加藤、中島裁判について内容を説明。使途について示された裁判と認識している。

【大生連】 生活保護費の使途は本人が決める、自己決定権のことか。

【大阪府】 そうだ。

ジェネリックについて

【大生連】 @強制か。この基準は何か。A従わなかったら罰則があるのか。

【大阪府】 国から平成25年5月16日付「生活保護の医療扶助における後発医薬品に関する取扱いについて」厚生労働省社会・援護局保護課長通知が出ている。処方医が一般名処方を行っている場合または銘柄名処方であって後発医薬品への変更を不可としていない場合には、後発医薬品を原則として使用することとする。処方医が一般の銘柄処方である場合、変更不可としていない場合に後発医薬品を原則使用するものだが、処方医が後発医薬品の変更不可としている場合は対象外としている。こうしたことから、使用促進について受給者に強制することはなく、使用を拒否した場合の罰則規定もない。が、理由なく後発医薬品を使用しない場合は服薬指導を含む健康管理指導の対象になることがあり、今般の法改正においても医師が医学的知見に基づき、後発医薬品を使用することができると認めた場合、被保護者に対し、可能な限り、後発医薬品の使用を促すことにより、医療の給付を行うよう努めることとされている。

63条と78条(不正受給)について

【大生連】 @不正受給に返還金は保護費からの天引きをするのは強制か(天引きの申立書に関して)

【大阪府】 (78条に関する)天引きは強制ではない。実施機関が受給者に対して、不正受給の徴収債務を有している際に本人からの申し出を受けて保護の実施機関が最低限度の生活の維持に支障がないと認めた時、保護費と調整することが可能としたもの
 申立書は4月25日付社援発0425第4号で、新規の方には7月からは保護開始時に提出を求めていくとしている。現に保護を受けている方は適宜提出を求めていく。基本的には全員に提出を求めていると思う。

【大生連】 A63条について返還と廃止について。

【大阪府】 いったん収入が入った時保護を廃止し、使い切れば再開になるのか?については 保護中に63条の対象になっているので、困難。

【大生連】 申出書をはじめ、保護利用者の人権にかかる内容になっている。府民を守る立場から、国に劣等処遇の同意書をやめるよう意見を上げてほしい。

 

《2日目のやりとり》

高校生のアルバイトについて

【大阪府】 収入申告がなく、課税調査で判明したものは78条の適用になる。しかし、63条で扱うか、78条で扱うかは実施機関の裁量。収入申告については徴取するよう監査でも伝えている。

【大生連】 実施機関によって取り扱いが違う。また高校生のアルバイトは大幅に緩和されたことも周知徹底してほしい。生活保護利用者の生活がなりたつ配慮をしてほしい。この件に関し。私たちは、不当・不服であれば、審査請求もしていく。

申請書のカウンター設置について

【大生連】 申請書はカウンターに置いて、申請権を守ってほしい。

【大阪府】 カウンターに置くか否かは実施機関の判断。話をお聞きし、申請書の要望があれば渡すことにしている。

【大生連】 田村厚生大臣は国会答弁で、「窓口に常備配備していることが、これが条件でありますので、常備配備していなければ大問題であります。必ず申請意思を示された方が申請書を手にできなければこれは大問題でありますから、必ず窓口に配備していただくように、各自治体には伝えてまいりたい」と答弁している。このことからも、申請書のカウンター設置は申請の大前提だ。(この件に関してはかなり突っ込んだやり取りが交わされたが、平行線に終わる。今後話し合いを続けていくことを確認)

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