小口生活資金の対象を広げよ
【大阪府】 対象は駆け込み資金の時とほぼ変わらない。対象は幅広に運用していない。
【大生連】 疾病、賃金未払い等の「等」はなにを指すのか。
【大阪府】 対象には自営業の方の給料の遅配も含む。生活福祉資金は平成14年から制度改正がされたので、そこでカバーされている。
【大生連】 貸付対象が疾病と給料未払いだけで良いのか。以前は危篤などの場合も利用出来た。府民・市民との合意を反故にし、要項をいつから変えたのか。準ずる場合としての事案も示されてきたはずだ。
【大阪府】 制度を改悪したとは思っていない。小口生活資金の平成24年度の実績は申し込み318件で貸付は299件。
【大生連】 小口生活資金は低所得者対策の一つ。厳しい経済状況の中で借りにくくなっているのが現状。対象を広げてほしい。個別に話し合いもさせて欲しい。(了承された)
【寝屋川】 生活保護世帯のエアコン貸付は、基準がきびしいので連帯借受人になれる人がいない。府で借受人の基準を緩和して設定して欲しい。年金受給者は保証人になれないと言われた。府下の利用者数は何件か。
【大阪府】 エアコン貸付は平成23年度(7月より実施)申請10 貸付決定9 平成24年度申請14 貸付決定14 平成25年(12月末段階)申請14 貸付決定13。
「私のひとこと」アンケートについて感想
大阪府は各項目を集計し、感想を述べられた。
【大阪府】 世帯数は単身世帯が多く、高齢、70歳以上が多い。苦労されている実態が切実に示されている。食事を中心に電気代の節約や風呂の回数を減らす、台所で顔を洗ってすませるなどさまざまな節約をされていた。所得保障については本来国が責任を持つべきだが、大阪府としては保護世帯の実態を踏まえ、保護制度がより良いものになるよう国に意見を上げていく。
《前回からの積み残し》
【寝屋川】 決定が法定期限を超えることについて、遅延理由が書かれていない。是正を指導して。
【大阪府】 12月10日〜13日に監査した。遅延理由を書く事、決定までの間、生活が守れるようにと、指導した。
【大阪府】 守口の事案、吹田の補聴器、柏原の原付の件は具体を聞いていないので、現地に確認していない。
【大阪府】 自動車の保有については国通知を確認した上で、個別案件に対応していただくように、指導員会議で説明している。タクシーは公共交通機関ではないことも説明する。
扶養調査について
【大阪府】 長野市で扶養が保護の要件のように照会する文書が送られていた。厚生労働省から、長野のような誤認させる文書を使っているところを確認するように通知が来た。府下8市が該当していた。すべて改まっていると報告は受けている。
特別な事由とは一律には答えにくい。相対的扶養義務でも行き来があり、援助の実態があれば照会をかける。金銭的な扶養だけではなく、精神的扶養も含めて、照会を求めている。照会を強要していないと思う。
【大生連】 明治28年の民法のままでは都市部では家族構成も核家族化し、無理がある。
岸和田市の審査請求と裁判結果について
【大生連】 本人が数百円しかなく、求職活動をしても仕事につけなかった。大阪府は岸和田の実態をよく見ずに審査請求を却下したのではないか。
【大阪府】 稼働能力については、国の局長通知があり、3点ある。1、2、3で判断するよう書かれている。処分庁の岸和田市が本人と妻の求職活動をみて、積極的に行っているとみることはできないとした。そういう決定を否定できる反論の理由がなかった。結果として府は棄却した。府は補正命令も出している。4ヶ月で13回、妻は4ヶ月間に9回とかで、すべて不合格。稼働能力を有していたが、活用する場なかったと本人は主張。妻は5年前から膝に水が溜まっていると申し出をしたというが、岸和田市は申し出を受けていないという。本人と妻は健康で就労の意思があって、求人状況から見ても就労が期待できる、二人で就労したら、最低生活の維持が可能であると岸和田市が判断し、保護の要件を満たさず、却下した。他の制度活用として、社会福祉協議会での離職者支援資金制度や社会貢献制度を紹介したが、本人たちは消極的だったと記載されている。審査請求の過程で、口頭意見陳述を行った。窮状は述べられたが、市が主張している就職活動を積極的に行っていないということに対して本人の反論が具体的につくされなかった。
これらのことを鑑みて、府は岸和田市の却下処分通りに棄却した。府は与えられた双方からの判断材料の中で精査して決定した。再審査請求の採決も国は処分通りに棄却した。「解釈と運用」でも「採決が完全になされるものとは断言し得ない。」としている。これでよしとするものではない。今回の稼働能力の有無について、厚生労働省は基準を示しているが、地裁の判断がありまして、能力の程度についても考慮する必要があると、一歩踏み込んだ、行政に厳しい判断がくだされた。
採決の結果とは異なるが、司法の判断で示されているし、我々もこれを真摯に受け止め、今後の生活保護行政に生かしていきたい。国も生活保護の改正と合わせて、稼働能力確認の項目で、稼働能力の判断基準について「@.稼働能力があるか否かについて、年齢や医学的な面からの評価だけでなく、そのものの有している資格、生活歴、職歴等を把握分析し、それらを客観的かつ総合的に勘案して行うこととしている。A稼働能力を活用するか否かの評価については、真摯に求職活動を行ったかどうかをふまえて行うこととしているが、これは求職活動の実施状況を具体的に把握した上で、そのものが実施機関において、評価された稼働能力を前提として、その能力に応じた評価を行うことが必要であり、一律に決められるものではない。」と12月の会議で改めて示されている。府もこれをうけ、12月20日に査察指導員会議を開催し、個別の事案について国の通知で示されている稼働能力の判定が適切に行われるようお願いしている。府も適切に行っていく。
年末の「私のひとこと」アンケートについて感想
●いろんなものが値上がりしている。期末扶助も二人で8000円下げられた。
●就労指導受けている。ハローワークに行っているが、なかなか仕事がない。一つの仕事に17〜18人も申し込んでいる。岸和田裁判は他人事ではない。
●基準引き下げはただちに撤回して。
【大阪府】 生の声を聞き、実情は理解した。厳しい中でご苦労されていると感じた。一円単位の生活をされている。こういったことを理解したうえで生活保護行政をしていきたい。
基準引き下げについて
【大阪府】 国において生活扶助基準額と一般低所得世帯の消費の実態を世帯員の年齢や世帯人数、居住地で比較検証した結果、適正化が行われた。検証した時期はデフレ傾向が続いていたでもあり、均衡をはかるために見直しが行われたと示されている。
【大生連】 物価指数が下がったというが、生活に必要なものは下がっていない。下がったのはパソコンや液晶テレビなど。こういったぜいたく品をひっくるめて、物価が下がったから、保護費を下げるとは、ひどい論法だ。逓減率も以前は4人からだったのに、2人世帯からになっている。人数が増えるほど下がる。期末一時扶助も下がるし、全体的に下がる。現場からも基準引き下げはやめてと意見を国にあげてほしい。
【大生連】 670億円の引き下げ、科学的根拠のない引き下げはただちにやめよ。憲法25条を守れ。
カウンターに申請用紙を置き、申請権守れ
【大生連】 申請をする前に事情を聞いて、必要な方に渡すというのは恣意的だ。窓口での追い返しにつながる。申請をしたい人には無条件で渡してほしい。
【大阪府】 相談を受ける方も、その方にどういう制度が有効かを判断するため、事情をお聞きしている。相談の時点では人権侵害になるようなことは聞いてはならないと、監査を行うに当たって十分助言等をしている。申請意思があると確認した時は必ず申請書を渡す。渡した後に、制度に則った正式な調査を行うよう周知徹底を図っている。調査を行うのは申請後です。
【大阪府】 扶養義務は保護の要件ではないことは確認している。法定期限を超える場合は遅延理由を聞いている。その中で、扶養照会を理由に決定が遅れているというところはない。だから、保護の要件ではないことが徹底されていると考えている。しかし、扶養義務者がどこにおられるかは把握すべき。緊急連絡先の確保からも必要なので、扶養義務調査は行っている。基準は明確には出ていない。実施機関も困っているところもある。
密告制度について
【大阪府】 大変な事情で利用している人がいる半面、制度を悪用している人もいる。5市がホットラインを実施。密告制度が良いのかどうか疑問が残るところだが、実施機関として判断され実施されたことなので、府は可否について言えない。保護者のプライバシーに関わることなので、取扱いについては注意が必要。真に生活に困っている人に情報が届くように呼びかけてほしいとも伝えている。
【大生連】 5市はどこか?尾行・張り込みは保護法のどの条文で実施しているのか。ケースワーカーも夜を徹して、時間外も行うのか。そのための予算があるのか。人権上、どういう問題があるか。
【大阪府】 尾行張り込みは保護法の調査権限が根拠。警察OBは国の補助金で配置している。府の子ども家庭センターは警察OBを配置していない。
【大阪府】 ホットラインについては国に対して疑問を問いかけている。個人情報の問題もある。無条件でよいとは思っていない。悩ましい話。福祉には捜査権はありません。生活保持義務関係だからと漫然と扶養を求めていない。年金生活で扶養ができない方などもいる。扶養の仕分けは必要です。
【大生連】 保護法28条3項で「立ち入り調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」としている。ケースワーカーと警察OBが夜を徹して尾行・張り込みをすることは違法ではないか。
【大生連】 大阪府は平成19年3月23日付けで「保護の相談における窓口対応等の適正化」についての事務連絡を各福祉事務所に出された。7月の改定時に市町村で正しく運用されるように下記の件について文書で通知を出してほしい。
@扶養が保護に優先する扱いは誤りである。A決定前の就労指導はしてはいけない。B申請権は守ることの通知を文書で出してほしい。また、付帯決議を徹底してほしい。
【大阪府】 付帯決議は実施機関に説明した。4点を整理して通知を出すことは検討させて。改正されていないので、通知は必要かと思う。 |