8月3日大阪府庁にて大阪府社会援護課と1日目の交渉を行いました。当局は松本課長補佐他7名が対応されました。大生連は18単組83人が参加し、私の要求アンケート10単組159名分を提出しました。日本共産党宮原府会議員が激励の挨拶をされました。
《大生連が質問し、次回回答を求めたもの》
■扶養義務について
@生活保護の開始要件か。
AタレントK氏は、母親と福祉事務所、本人が相談し、扶養すると決めたと聞いている。これは違法かそうでないか。K氏は、母親と別世帯であり、生活保持義務関係ではなく、生活扶助義務関係のはずだ。保護手帳でも、扶助義務は、そのものの社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、努めて当事者間の話し合いで問題を解決するようにとなっている。
B橋下大阪市長は、全生活保護世帯に対して扶養の再調査を行うと記者会見などで言っている。扶養義務調査を本人の同意を得ずにすることは正しいことか。
C生活扶助義務関係の親族が公務員のときは生活保護を利用できないのか。また、府会議員や市会議員の場合はどうか。
■不正受給について
@市町村別の不正受給件数となぜおこったのかついて調査し、把握しているのか。また、どのような生活状況かを大阪府として分析する気があるのか。もしくは市町村へ調査する気はあるのか。
A2010年、2011年の不正受給の市町村別件数の資料を示してほしい。
■稼動能力について
働く意思があるか、能力があるか、場所があるかの3つの要件がなければ保護の開始要件にならないのか。
長浜裁判の判例では「保護申請者に稼動能力を活用する意思があるかどうかを判断する場合においても、保護申請者がその時点までに行いうるあらゆる手段を講じていなければ稼動能力を活用する意思がないというのは相当ではない」となっている。能力や働く場ではなく、働く意思さえあれば保護を開始するようにということだと思うが、この判決に対するコメントをしてほしい。
■四条畷市の申請却下について
【四条畷】 75歳、無年金の男性が2度却下された。1度目の申請は、調査の中で、本人名義の生命保険が見つかり、それを理由に却下ということだった。2度目の申請は解約した定期預金や預貯金の使途が不明という理由で、手元にお金は残っていないと説明したにもかかわらず却下された。却下理由は、28条に基づく調査を忌避したこと及び、第4条に基づく養老保険解約返戻金の資産活用を怠ったという理由。すでに形のないものも資産といえるのか。府の見解を聞かせてほしい。
【大生連】 四条畷市へ確認し、次回回答をお願いしたい。
■摂津市の辞退届の強要について
【摂 津】 38歳男性、派遣で仕事をしている。7月に仕事の期間が切れ、失業することがわかっているにもかかわらず、市は辞退届を書かし保護を廃止した。派遣の仕事も不安定で、月によって保護基準を上回ったり下回ったりするような仕事で本当に自立と言えるのか。大阪府の「自立」の見解を示してほしい。
【大阪府】 辞退届けの強要はいけない。本人の申し出があってもすぐに廃止するのではなく、要否判定をした上で、それでもやめたいというときのみ辞退ということになる。
【大阪府】 安定した収入が3ヶ月あれば停止、6ヶ月で廃止になる。
【大生連】 摂津市へ確認し、次回回答をしてほしい。
■貝塚の事例
【貝 塚】 決定通知書を民生委員が配布している問題で、前回の交渉で、府は本人が郵送を希望すれば市は拒否できないとのことだったが、今でも貝塚では改善されていない。また、公租公課の禁止について、保護世帯へ単車の税金を請求されている。執行停止の問題についてはSV会議で徹底すると言っていたが、それも改善されていない。府の明確な回答を聞きたい。
■寝屋川の事例について
@寝屋川市では生活保護適正化ホットラインを設けている。チラシを作成し、市民からの密告を奨励するような内容になっている。生活保護世帯が全て不正受給をしているとおもわせる効果や申請の抑制にもつながり、やりすぎではないか。大阪府としての見解を聞きたい。
A扶養調査については実地調査員を2人配置している。母子世帯の子どものところにまで調査に行っており、自分達の生活で精一杯というと1ヶ月100円もできないのかと何時間も帰らなかったということも出ている。
B保護の決定通知書がわかりにくく本人支払額が記載されておらず、生活扶助費、住宅扶助費の金額だけが書かれており、障害加算なども記載されていない不親切な内容になっている。
■クーラーの設置費用の貸付について
【門真・守口】 クーラーの貸付を受けたいが、連帯借受人になってくれる人が生活保護を利用している娘しか身内がいない。この場合、借受けはできるのか。また、特別基準の家具什器費でクーラーは購入できるのか。
【寝屋川】 エアコンの貸付について利用できにくいものになっている。寝屋川ではまだだれにも貸付していない。改善をしてほしい。
【大生連】 クーラーの設置費用については、暑い中クーラーを我慢している保護世帯は多くいる。担当課としてどう考えるのか、給付も含めて財政局にかけあったのかも次回回答してほしい。
《その他、だされた事例》
■摂津市、63条の返還について
【摂 津】 交通事故に合い慰謝料が入った。全て返還するよういわれている。
【大阪府】 個別案件なので、調べて後日回答する。
【大生連】 63条については、経費や必要なものを購入するための費用については、本人と福祉事務所で話し合い、柔軟に対応するということでいいのか。
【大阪府】 そうです。
■生活保護制度の改悪について
【堺 市】 維新の会(知事や市長)は、維新八策の中で、生活保護について医療費の有料化や期限付保護、保護費は現金給付ではなくクーポン券で渡すと言っている。知事にこのようなことをしないよう求めてほしい。
■国民健康保険や市民税などの執行停止について
【門真守口】 国民健康保険や市民税などの執行停止について、介護保険料はどうなるのか。介護保険を1年間滞納していると利用できないと窓口で言われたがこれは正しいのか。
【大生連】 保護開始前の滞納分については介護サービスの利用制限はないはずだ。
【大阪府】 平成20年3月21日に保護開始時における地方税、国民健康保険料、介護保険料等公租公課の徴収猶予等制度の周知についてという周知文書を送っている。生活保護開始前の滞納については、保護利用中は制裁措置はない。
【大生連】 周知文書をほしい。
【大生連】 生活保護廃止後はどうなるのか。
【大阪府】 担当部局ではないのでわからない。
【大生連】 次回担当課にも確認し、回答してほしい。
■眼鏡の購入について
【寝屋川】 3年前に購入した眼鏡が、レンズが割れて壊れた。しかし、ケースワーカーは5年がたっていないので購入はできないといわれた。使えない。
【大阪府】 5年というのは正しくない。眼鏡の耐久年数は基本4年となっている。レンズの交換も含め、修理については、見積もりをとってもらうことになる。ケースワーカーに相談してほしい。
【大生連】 日常生活に著しい支障がある場合には給付できるということか。
【大阪府】 そうです。
■網戸の設置について
【寝屋川】 網戸の設置が支給できないといわれた。
【大阪府】 網戸は住宅維持費の中で支給できる項目にある。状況がわからないため、なぜ支給できないのかはわからない。
【大生連】 市へ確認をしてほしい。
《問題提起》
老齢加算と一時金の復活を強く求める。提出した私の要求アンケートをよく読んでほしい。今回出された事例については、各市へ確認し、次回回答を求める。
《私のひとこと(抜粋)》
●兄弟で数年に一度会い、和やかに過ごしていたが、今回の生活保護に関する報道以後、会いにくくなってしまった。扶養義務の教養は絶対にやめてほしい。
●猛暑の中クーラーもつけず我慢している。新聞などの広告で見る映画や絵画を見に行きたいとも思うがいけない。一度は回転寿司もお腹いっぱい食べてみたい。メロンや桃も食べたいと思うが、すべて我慢している。
●府営住宅の最上階(10階)に住んでいるがクーラーがない。水をまいたりするが暑くて眠れない。クーラー設置の貸付も無年金のため利用できない。一時扶助でもいいので何とかしてほしい。
●生活保護バッシングの報道を見るたび、身をきられる思いがする。
●妻はアルツハイマーで寝たきり状態。いつまで生きられるかわからないが、最後まで人間らしい生き方をさせてやりたいと思う。老齢加算の復活を願います。