大生連サブロゴ
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大阪市生活保護交渉

2011年12月2日 大生連
 12月2日中之島中央公会堂にて大阪市健康福祉局保護課と1日目の交渉を行いました。当局は武市課長代理、喜志係長他が対応されました。大生連は17単組108人参加し、私の要求アンケート6単組123名分を提出しました。

《事例に基づく交渉のやりとり》
■扶養義務について
【東 成】 申請時に親類が同区に居住している場合、同席するよう言われる。
【大阪市】 扶養義務者には同一管内であればその方に来てもらうか大阪市が訪問するかをして実地調査を行う。平成17年度からの実施要領にも書かれており、大阪市では申請数も多くこの間、訪問しての調査はできていなかったが、厚生労働省からの監査で訪問するよう指摘されてきたため、この2年ほどはそのようにしている。
【大生連】 申請者でない人に指導権限はないはずだ。各区では扶養義務でも絶対的扶養義務者と相対的扶養義務者を混同している場合がある。扶養義務も強制できない。各区に徹底をしてほしい。
【大阪市】 指導ではなくお願い。強制できるものではない。

■生活保護制度について
【鶴 見】 大阪市の回答で生活保護制度が制度疲労を起こしているとなっているが、具体的に示してほしい。
【大阪市】 国民年金も40年満額かけても月に約6万6千円で、65歳の単身者で生活保護の場合だと住宅扶助4万2千円を入れて12万円くらいなる。かつ、医療、介護扶助などもあり、年金を長年かけていても生活保護が上回る状況になっている。生活保護基準が高いということではなく、年金制度の信用そのものがなくなり、若い世代がかけなくなる。社会保障制度の構築のために着手してほしいと言うことです。
【大生連】 制度疲労というなら低すぎる年金や最低賃金、失業保険の制度などで生活保護ではない。また、生活保護についてはマスコミも不正が多いような意図的な報道がされている。
【大阪市】 制度疲労と回答に書いたのは雇用保険や年金制度のことで、生活保護制度は完全なものではないが、他の制度で綿密な制度の網でキャッチすべきだが、今は生活保護しかない状況になっている。基本回答については差し替える。TV局の編集で意図のある編集があまりにもひどいときは抗議もし、取材にはなるべく丁寧に対応するようにしている。
【大生連】 不正受給については年間2千件ほどで2.3%程度。保護費に換算すると1.9%程度で間違いないか。不正受給はしてはいけないことだが、この中には高校生のアルバイトのような悪意のないものも含まれている。
【大阪市】 すべての被保護世帯が悪のような報道については遺憾に思う。しかし、一般市民からすごい数の声が届いている。マスコミには丁寧に説明していきたい。

■助言指導について
【淀 川】 50代の方で無保険だったため申請のときに病院に行きたいと言っているにもかかわらず、助言指導書を出している。稼動年齢の人には保護決定の法定期限が守られていない。また、病院に行くなら保護決定が病気の診断の回答を待つので1週間延びるといわれた。病院で働けると言うことになれば、そこからまた決定に2週間かかると言われている。
【東 成】 若い人には保護が決定するまでに3週間かかると言われる。また、週に2、3ヶ所は面接(求職活動)に行くように言われ、それをしないと保護の決定はしないとも言われている。
【大阪市】 申請があれば、その方が働けるか、そうでないかによって病院に行くか仕事を探すよう言っている。保護決定までの期間は14日以内に決定することが基本。淀川には指導するが、個別の事例は調べて後日回答する。
【大生連】 検診の結果が後でも保護の決定はできるか。
【大阪市】 できます。
【平 野】 稼動能力の活用についての活用を怠り又は忌避していると認められる場合に助言指導を行うとの回答だが平野では、申請に行った日に「助言指導書」を出している。判断するには一定の期間が必要ではないか。
【大阪市】 「助言指導書」をいつ出すかの決まりはない。個別ケースに応じてだしているが、現在、取り扱いについて検討中。
【大生連】 稼動能力の活用については@働けるかどうか、A稼動能力を活用する意思があるか、B活用する場があるかで図られる。申請と同時に助言指導書をだすことはやめること。

■居宅生活移行支援について
【平 野】 居宅生活移行支援は強制されるものなのか。
【大阪市】 本人の意思を確認する。強制ではない。
【大生連】 家のない方が自分で家を探し、仲介手数料などを分割で納めていくということはある。その後、生活保護の申請をしてもそれは保護決定には関係のないことだ。
【大阪市】 そのようなケースは生活保護の申請もできるし、保護の開始もできます。
【大生連】 居宅生活移行支援のときに入所する施設とはどのようなものか教えてほしい。
【大阪市】 女性用と男性用に別れている。女性用はDVなどの関係で言えないが、男性用の場合は大きな施設と併用になっているため食事もそこで用意する。お風呂もあり、服なども準備されている。何ヶ所かある。
【住之江】 強制ではないと言うが、寮に入居しているや自分で家を探すと言う人についても施設へ入居するよう必ず言われ、無理やり入れようとしている。
【 港 】 港でも同じ。そういう場合、引越し費用も出ないし、自分で家をみつけた人については家具什器費もでないと言われる。
【淀 川】 家族がばらばらになるので入居を拒否した人もいる。
【大阪市】 制度がスタートし1年半がたち、見直しの時期に来ている。運用について検討しているところ。今日聞かせていただいたことについては参考にしたい。親子や夫婦で入所できるところもないし、各世帯に応じてうまくいく方法がないかと思う。貧困ビジネスなどについては、新たな問題でサブリースといわれるものやまた貸しなどのややこしい事例も出てきている。港の家具什器費の支給については居宅移行支援とは別の問題。区へ指導する。

■平野で行っている審査請求について
【平 野】 現在、審査請求を行っている。区から弁明書が送られて来たが、その内容について本庁は関知しているのか。
【大阪市】 内容の変更などの権限はない。

■高校生のアルバイトについて
【鶴 見】 高校生の長男がアルバイトをしており収入申告されていなかったため78条での返還を言われている。担当のケースワーカーにアルバイトをしているかどうかを聞かれ、「している」と答えたら「説明が漏れてたが、収入の報告をしてらわなあかん。お金も返してもらわなあかん」と言われた。2年間で140万円ほどの収入だったため、78条の全額返還と言われた。説明を求めると収入があったにもかかわらず報告しなかった場合はすべて78条の扱いになる。鶴見区では厚生労働省の監査で63条の扱いが多いので78条でするようにと言われたとのことだった。元はケースワーカーの教示義務違反ではないか。
【大阪市】 調べて後日回答する。厚生労働省の監査については理解が間違っている。高校生のアルバイトは収入申告がもれがちになるので、周知を徹底することとあわせて、わかっていて未申告の場合は78条を適用するようにとの内容だった。

■医療券について
【住 吉】 リハビリのために娘が鍼灸医院にかかっているが、次回から医療券は出せないと言われた。リハビリに進展がないのでいくなら実費でと言われている。
【大阪市】 医療扶助は保健医療と同じ内容でとりあつかっている。鍼灸の場合は医師の同意が必要。調べて後日回答する。
【住 吉】 ケースワーカーから説明もなく、ただ出せないでは本人も納得できない。丁寧な対応を。
【大阪市】 ケースワーカーの説明不足なら申し訳ない。区へは確認する。
【 港 】子どもが病院に行くときみんなと違う紙で恥ずかしいと言う。保険証のようなものを作ってほしい。
【東淀川】 医療券をもらいに行くとなぜ病院に行くのかなどの内容を記入しないと医療券がもらえなくなった。取り扱いが変わったのか。
【大阪市】 医療券を発行するときは傷病届が必要で、そこに病気の内容と印鑑も必要。慢性的な疾患の場合は継続的に通院が必要との主治医の意見書があれば医療要否の判定ができるので区へ相談してほしい。
【都 島】 妻が吐血し初めて医療券をもらいに行くと窓口の人に「もらいに来たばっかりやろ」と怒鳴られた。
【城 東】 歯科に行くと「ここは医療券が使えません」と言われ恥ずかしい思いをした。医療券を発行するときに分かることではないのか。
【住 吉】 「休日夜間の医療証」は身分証明書にならないと言われた。身分証明になるようなものはないのか。
【大阪市】 身分証明書には使えない。休日や夜間などの緊急の場合に使うもの。
【鶴 見】 救急などで運ばれる場合、区役所へ医療券をもらいにいけない。保険証のようなものをつくってほしい。
【大阪市】 可能なら電話で一報いただければ対応できる。止む得ない場合は事後でもいい。保険証のようなものにするには市独自ではむずかしい。
【大生連】 国へも要望してほしい。

■漏給について
【住 吉】 知人へ貸したお金の返済を毎月1万円収入認定されていた。保護を申請するときに知人へ50万円貸しており、毎月1万円の50ヶ月返済があることも伝えていたにも関わらず、10ヶ月も余分に収入認定し、保護費を削っていた。区は3か月分の遡及しか認めない。
【大阪市】 保護手帳に書かれている通りの運用。確認月の前月からの返還になる。制度上そのような取り扱いになる。区へは確認する。
【大生連】 明らかな支援運営課のミスであり全額返還が当然だ。検討してほしい。

■移送費について
【 港 】 神経科の病院へ通院しているが、医師から両親ができればついてきてほしいと言われている。そうすると1回に1600円ほどかかり負担が大変。つきそいの移送費は支給されないのか。
【大阪市】 付き添いがなければいけないと言うときは支給する。あったほうがいいというのは、微妙な判断。医師の意見も聞き判断が必要と思う。
【住之江】 移送費の支給に医師の意見書が必要だが、もらうには1ヶ月かかる。医療券を出すときにどこに行くかわかるはずだ。
【大阪市】 最初に医師の証明が必要。障害者の方や病院が遠方など明らかに交通費がかかるとわかる場合など常に必要ということではない。
【大生連】 ケースワーカーからどのように通院するのかなど聞けないのか。
【大阪市】 SV会議の中でも制度の周知徹底はしている。
【大生連】 文書があればほしい。
【大阪市】 了解。

■保護費の明細について
【城 東】 保護費の明細書がわかりにくい。誰もがわかりやすく字も大きいものに改善してほしい。
【大阪市】 明細の改善については、なるべく早い段階で着手したいと思っている。

■その他の事例
【城 東】 N病院に救急搬送され、入院することになったが部屋代がかかるといわれた。保護世帯にも部屋代を請求することがあるのか。
【大阪市】 病院の都合で個室しかない場合、部屋代はかからない。
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