大生連サブロゴ
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大阪府生活保護交渉

2009年12月22日 大生連
2009年12月22日(火)エルおおさかにて、大阪府福祉部地域福祉推進室社会援護課と交渉を行いました。当局は、深村総括補佐をはじめとする9名が応対、自立支援グループが参加しました。大生連からは16単組77人が参加。私の要求アンケートの追加分4単組49名分を提出しました。

〈生活福祉資金、貸付について〉
【大生連】 小口生活資金の3ヶ月居住要項についてなぜ必要なのか理由を教えてほしい。
【大阪府】 民生委員や社会福祉協議会がその世帯の生活状況を把握するために、生活実態を3ヶ月みることが必要なため。
【大生連】 緊急でやむをえない状況の場合でも3ヶ月要項は必要なのか。この要項が制度を利用しにくくしている。
【大阪府】 生活実態をみるため必要。
【大生連】 厳しい情勢の下で家賃を滞納し支払わないと家を出なければいけなくなる。借金などの関係で住民票を移せない人も多くいる。そういった人は貸付が利用できない。
【大阪府】 貸付制度は貸付契約を交わすこと。そのため、住所は必要。住民票のあるところで貸付手続きをすることになる。実際の住所と申請した住所が違えば貸付は出来ない。貸付が利用できない場合は生活保護など他の福祉制度を活用してほしい。
【大生連】 窮迫している場合は生活保護を利用してほしいという回答だが、それは生活保護法の精神から見て正しいのか。
【大生連】 本人が生活保護を利用するのではなく貸付でしのぎたいという意思なら尊重するべきだ。
【大阪府】 生活保護を選ぶかどうかは本人の意思。
【大生連】 ここ数年の貸付状況はどうなっているか。
【大阪府】 約100件、年間で増加している。
【松 原】 失業していて就職が決まり準備のために必要な費用を貸付利用したいとき、雇用先の証明が必要になる。雇用先によっては書いてくれないところもある。また、日雇い労働者などで仕事がない場合でも利用できるのか。
【大阪府】 この10月から総合支援資金など制度拡充もされ、借りやすくなっている。雇い主の証明など貸付要件に見合った書類は必要。
【門真・守口】 総合支援資金を申込みに行ったが、貸付までに2ヶ月半かかるといわれた。それなら小口生活資金を借りようと思ったが理由にあてはまらなかった。また、単身の場合5万円しか借りられない。市独自の貸付は2万円しかない。結局、生命維持のため生活保護を利用することになった。緊急に必要なときに使えるものにしてほしい。
【大阪府】 決定までの期間については、毎日担当者は残業もし、1日でも早く貸付できるよう作業を進めている。
【大生連】 手持ち金が800円しかなく、生活保護も利用したくないという人も多くいる。そのような人たちは何で救済するのか。現状がこれだというのではなく、改善を要求している。
【大生連】 かけこみ資金から小口生活資金に変わるときに大生連との交渉で、当時の担当者は、理由は限られるが柔軟に対応すると言っていた。3ヶ月要項はなくし、貸付理由をもっと柔軟に対応して利用しやすく改善することを要望する。また資料については21年度の利用件数と貸付金額(5年分)と生活福祉資金の関係資料をいただきたい。

〈私の要求書に対する感想〉
【大阪府】 生活のあらゆる点で節約されていることや社会生活に必要な冠婚葬祭費などが捻出できないという意見が目にとまった。また、生活保護を利用するようになった理由については生活と健康を守る会を通じて福祉事務所に手続きをしたという方が多く、福祉事務所に自らが足を運ぶことが難しい状況があるのかという感想も持った。
悩みについては、利用していることで人の目が気になるという思いが気になった。世の中の偏見をなくすことが課題だと感じている。
また、ケースワーカーの心無い一言に傷つくこともあるかと思うが、そのときはがまんするのではなく言ってほしいと思う。
また、前回のやりとりで70歳を超えた場合、生活扶助基準が下がり大変だという声が多く、府がどのように国に要望しているのかという質問もあった。70歳以上の方については平成19年12月の生活扶助基準に関する研究会の報告集がだされ、それによると70歳以上の生活扶助基準が高めであるとの報告がされた。府としては、平成14年から19年の間で基準が引き下げられたことから、現在の生活状況だけでなく過去の生活水準・レベルも考慮するよう国に要望している。研究会の報告では、一般の消費水準の統計をとり、生活保護世帯と比較すると60歳代を100としたとき70歳以上では88、生活保護基準では60歳代を100とすると70歳以上では95という統計になっている。府としては、統計の結果だけではなく過去の経緯や生活保護世帯の中身をみてほしいと要望している。また、夏季加算の創設についても要望しているが、生活保護基準については一般世帯の消費水準との均衡を図ることとされている。府としても生活保護世帯の家計簿調査など行っている。国にはひきつづき適正な保護基準になるよう要望していく。

〈前回からのつみのこし〉
◆貝塚市の事例
■一時扶助の支給について

【貝 塚】 一時扶助の範囲内ならストーブとコタツ布団の両方を支給してほしい。
【大阪府】 ストーブのほかに枕と炊事用具もなかったため支給することにした。本人とも相談し、納得したうえだと思っていた。一時扶助の範囲内で全額認めるのではなく、最低生活に足らない分を補うという形になっている。今後もケースワーカーに相談してほしい。
【貝 塚】 市の担当者は、府の判断を待っているといっている。本人は精神的な病気もあるため薬で眠ってしまうなどストーブでは危険なときがある。府としての判断を市に示してほしい。
【大阪府】 再度、市と話をする。
■家賃の遡及について
【貝 塚】 4月に家賃が値上がりし、ケースワーカーに報告したにもかかわらず保護費が増額されないままだった。ケースワーカーはミスを認めたが2ヶ月分しか遡及されなかった。全額遡及してほしい。
【大阪府】 4月8日に府営住宅に入居し4月は日割りの家賃(23840円)だったため本来の家賃より少なかったにも関わらず5月以降も本来の家賃(29800円)ではなく、4月分の同額を支給していた。誤りが判明した当月と前月分の7、8月分は遡及したが、厚労省の基準もあるため、それ以上の遡及はむずかしい。
【貝 塚】 市の担当者は誤りを認めたのであれば、府としてどのように指導したのか。漏給の場合は何ヶ月でも遡るのに遡及の場合は2ヶ月というのはおかしい。国へ要望もしてほしい。
【大阪府】 誤りを認め、謝罪したと聞いている。
【貝 塚】 本人へ謝罪はしていない。会へは説明があった。
【大阪府】 謝罪するよう市へは言う。遡及の2ヶ月分については国の指針に基づき行っている。国へ要望は伝える。
■車保有について
【貝 塚】 事業を営んでおり車の保有が認められていたが、収入が減少したため処分するよう指導されている。営業や他の仕事を探すためにも車は必要。保有を認めてほしい。
【大阪府】 三ツ松団地に居住されているためこの地域は公共交通機関が著しく困難とはいえないため、保有は難しい。事業用に必要なときは認められることもあるので相談してほしい。
【貝 塚】 三ツ松がどのような地域か知っているのか。地域だけで判断するのではなく体の状況や今の事業を続けた上で求職活動をすることも含めて保有は認められないのか。
【大阪府】 市は厚労省の課長通知に基づき判断を行っており、三ツ松を認めれば全市的に保有を認めることになると言っている。

◆枚方市の事例
■佐藤キヨ子さんの車保有について

【枚方・交野】 6月に大阪府に対し審査請求を提出したが、まだ裁決がない。どうなっているのか。
【大阪府】 現在、審議中の案件のため回答は差し控えるが、ほったらかしにしているわけではないので、ご理解いただきたい。
【枚方・交野】 50日以内に裁決という期限を守るよう強く要望する。

◆寝屋川の事例
■保護決定の法定期限について

【寝屋川】 申請し、決定までに3週間かかったが、決定通知書では、決定が伸びた理由も示されないまま。法定期限を守るよう指導してほしい。
【大阪府】 11月18日に申請があり、同日開始し翌日25000円を支給した。調査等に時間がかかり決定が遅れた。12月7日に出した通知は、保護費の変更通知のため理由の記載はしていない。
【寝屋川】 不正確な回答だ。寝屋川市の場合、保護の申請に行った際に手持ちのお金がない場合は2万円前後のお金を支給してくれている。これは保護の決定とは関係ない。
【大阪府】 11月18日が決定日になっている。生活保護は、特段の理由がない場合申請日が決定した日になる。
【寝屋川】 保護開始日は11月18日だが決定通知がきたのは3週間かかっている。
【大阪府】 決定通知書に14日を経過した理由を記載していないのはおかしい。
【大生連】 2週間以内に決定されないことが以前から常態化している。
【大阪府】 改善するよう話をする。
■民生委員へのあいさつ
【寝屋川】 保護の申請に行くと民生委員にあいさつに行くよう言われた。
【大阪府】 寝屋川市では、保護法22条の規定もあることから、申請した段階で民生委員にあいさつに行くよう言っている。しかし、行きたくない場合でも保護の要否には関係しない。
【寝屋川】 このような対応は正しいのか。
【大生連】 民生委員は協力機関だ。あいさつに行くことは強制されることではない。
【大阪府】 民生委員は協力機関。強制されるものではない。
【大生連】 寝屋川市に指導をしてほしい。
■ホームレスの方の保護申請について
【寝屋川】 ホームレスの方の保護の申請に行くと、ヒューマインドから報告がないため寝屋川にいるという確認が出来ないため保護の申請を待つよう言われた。ヒューマインドはどのような組織で府や市が委託料を払い、利用するよう指導しているのか。
【大阪府】 巡回相談については大阪府が委託している事業。ヒューマインドは社会福祉法人の大阪府総合福祉協会で設立23年になる。どこに委託するかは府下のいくつかの市町村ごとのブロックで決定されている。ヒューマインドから報告がなくても寝屋川市にいるという確認が出来れば申請は出来る。
【寝屋川】 委託料はいくら支払っているのか。
【大阪府】 大阪府が直接委託するのではなくブロックごとに市町村が共同して行っている事業でそこが委託する。委託料はわからない。
【大 東】 大東市ではホームレスの方が保護申請をする場合、巡回員の印鑑が必要だと言われた。
【大阪府】 ホームレスの方の場合、日常実際に住んでいる市に申請を行う。居住地を確認することは必要だが、印鑑は必要だというのはいきすぎ。

◆松原市の事例
【松 原】 職業訓練を受けることで生活資金が10万円支給されているが、交通費や教材費、勤労控除や技能取得控除が認められていない。そのことで生活保護基準より生活資金が900円上回り廃止された人もいる。自治体の福祉事務所とも交渉したが具体的な回答がない。府としての結論と国に要望をしてほしい。
【大阪府】 自立に役立つと判断すれば、個別に判断し検討を行う。
【松 原】 なぜ交通費が支給出来ないのか。また、自立に役立つかどうかをどのように判断するのか。厚労省は技能習得の生活資金支給は、自立支援といっている。
【大阪府】 個別に判断し、支給することはできる。福祉事務所に相談してほしい。

◆摂津市の事例
■転居費用について

【摂 津】 敷金は出たが、引越し費用が支給されなかった。両方はでないのか。また、離婚し転居したいが費用がなく家がないときは前夫の家からの申請は出来ないのか。
【大阪府】 生計を同一にしているかが生活保護の要否にも関わるため、却下の場合もあるということだった。引越し費用は、実費支給が可能。
■就労指導について
【摂 津】 2月10日にケースワーカーの訪問があり、稼動年齢のため熱心に求職活動するよう指導されている。指示に誠実に対応しなければ文書指導し、保護を廃止すると言われている。生活保護もらっているのだから好き勝手しないで、税金をあなたのために使っている。人によったら短期の臨時の仕事につきながら求職活動している。保護のお金をもらっている以上好き勝手なことは出来ない。このように言われ本人はプレッシャーに感じウツ状態になってきている。10月の茨木のハローワークの求人状況は0.38%で、求職活動したくても仕事がない。本人は、派遣切りにあって失業したため正社員を希望している。このような指導はどうなのか。
【大阪府】 担当者とどのような方向で仕事を探して行くのかなど相談することが必要。技能の状況や該当するような仕事もなく形式的に仕事を探しに行くだけでは意味を成さない。本人ともよく相談し、お互いの方針の合意の下で求職活動を行っていくのかが前提にある。
【大生連】 形式的に仕事を探しに行くというのはどういう意味か。そんな人はいない。みんな仕事をみつけ保護を打ち切り、自立したいと思っている。

◆門真市の事例
■63条の費用返還について

【門真・守口】 年金や借金の過払いの返戻金がある場合、生活必需品は認めるがクーラーやデジタルテレビの買い替えは認めてくれない。
【大阪府】 コンロや家の補修など保護費の支給範囲で認められているものについては認められる。自立更生への必要性、地域の普及率などもみて判断する。この品物は一律に認めるということではない。福祉事務所へ相談してほしい。
■バイク保有について
【門真・守口】 通勤と通院のみにしかバイク保有を認めない。求職活動などにも必要。
【大阪府】 @最低生活を維持するために必要、A地域との均衡を失しないか、B保険への加入、C維持費の捻出が出来るかで判断する。
■他法他施策の活用について
【門真・守口】 申請に行くと年齢が若い場合、他法他施策で貸付を利用するよう言われる。仕事もなく返済する目途もないまま借金を背負うことになる。このような指示は正しいのか。
【大阪府】 一律に年齢のみで貸付を利用するように言うのは適切ではない。生活保護の申請意志があれば、本人の意思を尊重する。

〈就職活動の移送費支給について〉
【大生連】 就職活動の移送費支給について「熱心かつ誠実」に就職活動した場合は支給されるというが、府として具体的な基準を示してほしい。
また、大阪市は挙証資料を添付し申請すれば検討し、申請用紙も問わないと回答した。府直轄福祉事務所で実施する予定と各自治体に交通費の保障について文書で通知はするのか。
【大阪府】 個別判断になる。回数のみで判断は出来ない。子ども家庭センターの場合は自立支援プログラムに則り求職活動している場合は支給している。それ以外でも個別で判断し支給している。申請があれば判断しそれに基づき支給する。
【松 原】 府として処理基準を文書で示してほしい。
【大阪府】 示せない。個別に判断するしかない。
【大生連】 回答が矛盾している。岸和田市のIさんの裁決では3日に1回の求職活動では十分ではないと判断している。子ども家庭センターに移送費の申請用紙はあるのか。
【大阪府】 専用の申請用紙はない。相談したうえで申請してほしい。
【松 原】 府下で支給されているところはあるのか。
【大阪府】 具体的な資料はないので不明だが、申請があれば各福祉事務所で判断をしている。
【大生連】 支給件数など資料はあるのか。
【大阪府】 支給件数などの資料はない。一律に基準を示すのはさしさわりがある。
【大生連】 それぞれの自治体で挙証資料を添付し申請すれば福祉事務所は判断を行い、それに基づき審査請求もできるのか。
【大阪府】 申請があれば判断を行い審査請求も出来る。
【大生連】 様式は問わないか。
【大阪府】 問いません。
【摂 津】 求職活動をすれば交通費がかかる。そうすれば生活費に食い込む。支給してほしい。
【松 原】 1日あたり1000円の交通費がかかればそれは2日分の食事代になる。生活費を削って求職活動している。それが不誠実なのか。
【岸和田】 実施機関で判断できないから府に判断を求めている。
【大阪府】 家族構成や健康状態など個別事情で判断する。子どもがいるかや健康状態なども考慮し、その中で熱心かつ誠実かどうかを判断する。一律に回数で判断は出来ない。
【大生連】 各自治体に申請をしていく。
【大阪府】 実施機関の指示または指導を受けて求職活動を行っている場合、必要最低限の移送費を支給することになっているので、まず相談をしてほしい。

〈一時金、老齢・母子加算の復活を求めてひとこと発言〉
【寝屋川】 生活保護を利用している方はウツや虚弱な方が多く1日中家にいる人も多い。そうすると光熱費も多くかかる一時金を復活してほしい。
【岸和田】 76歳になった。お正月も近づきひ孫にお年玉もやりたい。老齢加算と一時金を復活して。松 原 お風呂は週に2回、1回のときもある。下着もこの3〜4年買い換えていない。食事もスーパーの値下げ品でしのいでいる。今年2月に70歳になり扶助基準も下げられ生活も苦しくなった。元にもどしてほしい。
【豊 中】 食費だけでなく光熱費も節約している。ガス代を節約するためガスコンロを使用している。1日分のおかずをいっぺんに炊いて3回にわけ食べている。トイレも大のときしか流さないようにしている。保護基準をもっと引き上げてほしい。
【堺 市】 来年、娘が結婚するが何もしてやれない。保護を利用するようになってお風呂に1年ぶりに入った。これまでシャワーばかりでやっとお風呂につかれて人の温かみなどを感じ、生き返る思いがした。
【八尾・柏原】 老齢加算があれば1級地で17930円、2級地で16680円。これだけあれば下着も買え、食べたいものも食べられる。国へ復活を要望してほしい。
【門真・守口】 お風呂代1回410円かかり年々値上がりしている。保護費を減らすときには統計をとっているが、このような統計はとらないのか。
【八尾・柏原】 生活保護を利用できるようになり人間らしい生活が出来るようになってうれしい。八尾・柏原 お風呂屋さんも少なくなり八尾市から大阪市内まで通っている人もいる。
【摂 津】 今の高齢者は、戦後の日本の復興を支えてきた人たち。そんな人たちのためにも老齢加算を復活してほしい。
【大阪府】 保護基準については、健康で文化的な生活保障する基準に国の責任でされるべきだというのが大阪府の考え。府として国へは要望する。
一時金については、府として復活する考えはない。個人給付の施策より自立支援を行っていくという方向転換を行った。

◆問題提起
 出された私の要求や生活実態を国に伝えるともに、自治体独自の施策として一時金も復活してほしい。また、人権侵害に対しては、明確な見解や処理基準を自治体に示してほしい。
来年の夏についても従来通りの時間と規模で交渉日程を設定していただくよう、強く要望する。

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