府営住宅家賃減免制度の改悪についてのやりとり
【大阪府】 今回の制度改正は三つの観点から行う。
@国の家賃制度の改正との整合性、政令で家賃減免の対象である認定月収の第1分位が12万3千円→10万3千円に下がる。家賃負担率も変わる。
A生活保護基準との整合性をとった。
B減免を受けている人と府営住宅以外に住んでいる人との公平性をとった。
以上の三つの観点から改正したい。この案を大阪府議会政調会に示したところだ。
【大生連】 減免制度改悪の中身をくわしく教えてほしい。
大阪府の回答 減免対象者が減らされる
●認定月収の限度額が12万3千円→10万3千円に。
●収入分位第一以下の世帯で、生活保護に準拠した基準以下(減免基準)の収入の世帯を対象とする。住宅扶助費は実勢価格にする。(これまでは生活保護住宅扶助の限度額5万5千5円で計算された) また、これまで生活扶助費の1.3倍で計算してきたが、これを1.2倍に下げる。減免できる人を減らすことになる。
減免後の家賃があがる。
●家賃負担率を変える。今までは300万、200万、100万円の区分に負担率をかけていたが、280万、180万、100万円の区分に変更する。
●最低家賃4000円→第1分位の基本家賃の5割になる。
「基本家賃の5割とはいくらか。」の大生連 の質問に例として当局が示しました。
第1分位の平均家賃は22000円、その半分は11000円の負担になる。今まで4000円の家賃が大きく引き上げられます。
来年度中に実施する。 |
5000〜6000人が減免を受けられない!
【大阪府】 あくまで概算ですが、今まで減免を利用できたのに減免を受けられない人が5000件〜6000件でてきます。減免を利用する総額が15〜20億円減る。
【大生連】 @生活保護との整合性で見直すと言うが、老齢加算や母子加算もなくなり、最低生活費が下がっている生活保護基準に合わせるということは減免制度の改悪であり、制度の後退だ。
A府営住宅以外の住民との公平性を言うなら、大量建設をすべきだ。
【大生連】 国が制度改悪したときこそ、府は府民を守る立場に立ってほしい。
【大生連】 母子世帯でふたりの子どもを育てた。府営住宅に住めて、家賃が安かったから、生活ができた。もっと、母子世帯や低所得者が安心して生活できる公営住宅を大量に建設してほしい。今からの母子世帯は大変だ。
府の予算を減らすのが先にありきで、居住者の生活実態も考慮せず改悪されようとしている。府営住宅の駐車料が6000円から8000円にいっぺんに引き上げられときも、決まった後に値上げを言われた。こんな非民主的なやり方はやめてほしい。
改悪されたら家賃を払えない
【大阪府】 増収をはかるために制度改定をやるのではない。三つの観点で見直しをしたい。
【大生連】 改悪したら生活できず、追い出される人も出てくる。住民に制度が変わることをまず知らせて。アンケートなどをとって居住者の生活実態をつかんで改悪はやめてほしい。
【大阪府】 議論をふまえて示していく。
【大生連】 議論はどこでするのか。
【大阪府】 議会です。府民の皆様の声もお聞きする。
【大生連】 住民の意見はどこで聞くのか?議会にかける前にまず説明会を開いて。
【大阪府】 この案は素案の素案の段階だ。
なぜ基準を引き下げたのか?
【大生連】 減免対象者を生活保護基準の1.3倍としてきた根拠、そして今回1.2倍にしようとする根拠を示してほしい。
【当局】 1.2倍は生活保護の支給実態に近いからです。住宅扶助の限度額は現行55000円ですが、実際の支払い金額とする。減免後の家賃にするかどうかは検討している。
【大生連】 4000円の家賃を払っている人の年収はいくらですか?4000円の家賃の人の件数は?
【回答】 4000円を払っている人は負担率からみて年40万円です。件数は今は分かりません。
【大生連】 生活保護世帯の生活実態の紹介
今夏、生活保護世帯412世帯の生活実態を調査した。@クーラーがある人が7割だが、あっても使わない世帯が3割。A風呂の回数も前年より回数を減らした。B9割の世帯が食事の回数を減らした。
生活保護基準の1.3倍にあたる家賃減免の対象者はこんな生活を送っている。生活保護基準の1.3倍から1.2倍に下げることは認められない。
家賃減免制度の改悪は撤回を!
【大生連】 素案のうちに撤回して。
【大生連】 大量建設も進めてほしい。
【大阪府】 13万6000戸を減らす気はないが、今は財政がないので建替えが中心だ。
【大生連】 低所得者は国保、介護保険、医療費などの公租公課の支払いがあるため、生活保護基準の1.3倍を減免対象にしてきた。4人世帯で300万円の所得の人は、おおよそ100万円が国保料や市民税などの公租公課だ。家賃だけでなく、生活全体をつかんで住宅政策の立案をしてほしい。減免制度の改悪や家賃の引き上げについては府民や住民によく説明してほしい。
【大阪府】 この制度改定は議会にかけて議決をとる事項ではない。府民の皆さんの意見はお聞きする。
大生連は、引き続き話し合いをするよう求め当局は了解しました。
交渉に堀田議員が激励にみえました。
堀田議員のあいさつ 減免制度の改悪に委員会で反対しているのは日本共産党だけだ。今の制度に欠陥があるわけではない。減免を減らそうとして6年前改悪したのに、減免する人が増え総額が増えている。昨年の減免額は44億円(平成15年)から48億円(平成19年)に増えている。それは大阪の経済状況の悪化で居住者の収入が減っているからだ。収入をふやすために、減免制度を改悪して減免額を減らそうとしている。@改悪を言い出したのは知事だ。セイフティネットにふさわしいものといいながら、逆行することになる。減免制度の改悪は弱いものいじめだ。高速道路のむだな拡張などには目をつぶっている。Aたとえ知事の号令があったとしても、大幅な見直しを提案した現下の責任は大きい。B2万数千人の当事者に説明をすべきだ。4000円から2万円に家賃が上がる人も出てくる。制度改悪を知らない人も多い。減免制度の充実こそを望まれる。共産党は9月議会でも、この問題を取り上げて、居住者のみなさんと改悪反対の運動を進めたい。
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