大生連サブロゴ
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大阪府生活保護交渉
2008年12月15日 大生連
削られた一時金は自立支援の予算として使われていなかった!
一時金の復活を求める! 人権無視の保護行政はただちに改善を!
交渉2日目、15単組91名参加
2008年12月15日(月)日赤会館にて、大阪府健康福祉部社会援護課と二日目の交渉を行いました。当局は、深村総括補佐、生活資金貸付の担当などが応対。大生連からは15単組91人が参加。黒田まさ子府会議員が激励の挨拶をされました。

〈生活資金・貸付について〉
◆小口生活資金
給料未払い・遅配、傷病の方に貸し付けている。窓口は市町村社会福祉協議会。貸付金額は単身者で5万円以内、それ以外は10万円以内で必要最少限度の額を貸付。65歳以上で傷病中の方は、償還中であっても新たに10万円以内の貸付ができるようになっている。民生委員の協力を得ながら実施している。失業者は離職者支援資金貸付制度を利用してほしい。生活保護世帯は貸付の対象外です。なお、生活保護が支給されるまでの貸付は特例的に貸付可能。申請により借受人の死亡等償還が困難な理由が認められれば償還免除の制度を設けている。貸付を受ける人は3ヶ月以上の居住条件がある。

◆生活資金
国の要綱で運営。修学資金の保証人は原則不要。金利は貸付の種類により無利子〜3%以内。生業資金の場合は20%の自己資金が必要。

◆離職者支援資金貸付
府は条件緩和について強い要望を行ってきたが、連帯保証人と償還期限について緩和された。平成16年8月からは離職後期限を過ぎた場合でも上限まで貸付可能になった。

■小口生活資金 ■離職者支援貸付
件数 金額() 件数 金額
平成17 398 33,110,000 平成17 265 399,330,000
平成18 383 32,250,000 平成18 371 690,480,000
平成19 379 31,740,000 平成19 486 870,190,000

【大生連】 利用しやすい貸付資金があれば、サラ金に走らなくてもすんだケースが多い。この数年、原資を減らしており、多重債務への行政対応が遅れている。予算を増やし、貸付対象などの拡大・改善を求める。
【大阪府】 大阪府多重債務者対策協議会を昨年立ち上げた。社会援護課、府社協などが参画し、当問題の解決にあたっている。ホームページ、パンフレットで周知を図っている。生活福祉資金は返済能力のある人は活用できる。
【大生連】 多重債務で困っていても制度を知らない人が多い。どうやって府は対応するのか。
【大阪府】 制度の周知を図り、困った人は窓口でよく相談していただき、府はそういう人を貸付につなげていきたい。しかし借金の返済や破産申告の費用には貸せない。
【大生連】 多重債務や借金返済への利用できるように要望する。以前は緊急貸付で約三千件が利用していたが、現在は貸付改悪で約三百件と減少している。多重債務問題を解消するために府は対応してほしい。
【大生連】 冷蔵庫や洗濯機が壊れたら、生活保護世帯はローンが組めないので、生保世帯も貸付の対象にしてほしい。

〈生活保護世帯のアンケートを読んで感じたこと〉
【大阪府】 食料品の物価上昇で生活保護受給者の生活が苦しくなり、一層節約に努めておられることがわかりました。アンケートをみますと食費が、少ない人で2万円から多い人で8万円の間。全体の4分の3の世帯が3万以上5万円以下、平均3万8625円でした。食費だけで一類を上回っている世帯が過半数。二人世帯で5万1821円、三人世帯で8万1667円となっている。多人数世帯は食費と一類が同額程度。一類は食費だけではないので衣類などに当てられていない。また光熱費の節約をしないと食費が確保できない数字になっている。特に単身世帯はやりくりに苦労しているのではないか。生活基準については国の責任であり受給者の生活実態に応じて改正されるよう国に要望している。昨年、国の生活扶助基準に関する検討会が設けられ、60歳以上単身世帯の生活扶助基準が高めと言う報告が出されている。府としては基準の見通し検討について慎重にと要望した。老齢加算の見直しにより引き下げが行われている過去の生活水準についても十分考慮していただきたいと国に要望。このような場での皆さんの声をお聞きし国にお伝えし、生活実態をふまえた保護基準になるよう、また生活保護の施行が適正に運用されるよう努めたい。

〈一時金と自立支援プログラムについて〉
【大生連】 自立支援事業にいくら予算を使っているのか。自治体が行っている事業は把握しているか。回答してほしい。
【大阪府】 自立支援プログラムに使うといって一時金を廃止したが、国が同プログラムを実施したので、現在すすめているプログラム予算に府の持ち出しはありません。プログラム予算3億5千万円(平成19年度)は国から出ています。
【大生連】 7億円の見舞金を削って、その予算を自立支援プログラムに使っていた。騙された。保護費が削られ、物価高でさらに生活を切り詰めている保護世帯に一時金を復活してほしい。

●70歳になると保護費の一類が3760円減るのはなぜか。年よりは食事を減らせということか。
●12月に入ってリストラされた。生活保護申請をしたが、不安でたまらない。
●一時金を復活すれば、購買力もふえて府の経済に還元される。
●全国で実施され、市民に喜ばれている福祉灯油制度は国の補助金が二分の一つく制度。低所得者が利用できるよう、自治体に周知し活用を勧めるべきだ。
自立支援プログラムの予算はなぜ廃止したのかは来年改めて話し合うことになった。

〈交渉のやりとり〉
◆泉佐野市の回答とやりとり 
離婚調停中にもかかわらず、泉佐野市が本人の了解もなく前夫に扶養を求め、収入認定をしていた事例について
【大阪府】 見込みの収入認定は本人の確認が取れている場合は行っている。12月に調停がすむ予定。その後に収入認定を行うこと了解を得た。先の認定は既に修正をした。調停をしている最中の連絡ですが、福祉からは電話をしていないとのこと。文書の扶養照会をした際に前夫から連絡があり、その際に扶養額の話しをしたと聞いている。扶養届けの送付も本人の了解をもらったと聞いている。同一市内に住む母への実地調査も本人の了解をもらって行ったと言っている。市内の重点的扶養調査対象者への訪問は基本的には行っているそうです。しかし個々の事情あるので、すべてに訪問していることではないと。扶養調査については国も重点的扶養調査対象者への訪問を行うように言っている。府も実地調査について確認するよう監査の中で話している。金銭的のみならず精神的援助も大事だ。「15歳の子に1歳のこどもの面倒を見てもらい仕事に行け」とは言っていないとのこと。

【大生連】 本人は調停がすんだら前夫がいくら援助するかを報告すると何度も言っているのに市は養育費を請求し、勝手に収入認定し、二万円を引いている。本人の了解抜きにしてもよいのか。再度調査をして。泉佐野市に同様のケースがないか大阪府はきちんと調べてほしい。
【大生連】 本人に確認せず母のところに行っている。保護手帳のどこに訪問せよとかかれているのか。泉佐野市は扶養調査については保護手帳の160ページが法的根拠と言っている。
【大阪府】 泉佐野市が市内の重点的扶養の実地調査をしていることは間違いない。保護手帳で「管内に居住する場合は実地調査」と書かれている。国の監査でも市内であれば、特に前夫、親子についてできるだけ調査するよう言われている。

扶養義務調査
【大生連】 扶養義務者への訪問は強制されるものか?
親子との間、前夫との間に行政が本人の承諾なしに関与することは問題だ。扶養義務の取り扱いは当事者間の話し合いで解決することを基本としているのではないのか。
【大阪府】 強制ではない。来てくれるなといわれれば義務としては行っていない。
【大生連】 有無を言わさず母や妹を問するのは正しいか。
【大阪府】 常識的には正しくない。

【大生連】 問答無用の訪問調査はやめるべきだ。また15歳の子に1歳のこどもの面倒を見てもらい仕事に行けといわれた話しを作り話というのか。
【大阪府】 泉佐野市からは言っていないと聞いている。

◆岸和田市の回答とやりとり
夫婦(40代)で失業中。稼働能力の不活用を理由に4度の保護申請をすべて却下された。
【大阪府】 申請者の稼働能力の意思の有無、稼働能力を活用できる場の有無で判断すべきとの裁判事例があり尊重したい。また厚生労働省の同主旨の通知もある。審査請求の個別案件については審理中なので現時点では回答はできない。
【大生連】 われわれは岸和田市で闘う。

◆寝屋川市の回答とやりとり
地域の担当者がいないことを理由に申請を受理しないのはただちに改善せよ。
【大阪府】 この取り扱いは間違っていたので是正し、体制を改善するとのこと。
【大阪府】 法定期限を過ぎることが多いが迅速な処理を心がけたい。決定が遅れるような時は知らせるとのこと。
【大阪府】 バイクの保有等についての口頭指導が暴言に取られないよう懇切丁寧に行い、平素から信頼関係を築くように努めたいとのこと。


申請してから決定までの間、病院へ通院していることも言っているのに、ケースワーカーは病院へ連絡せず、病院の窓口で10割の負担をさせられた。
【大阪府】 五年前は保険証を回収していたが、現在はやめているという市の認識だ。いったん医療費を支払い、返還の手続きをする事例が増えてきたが、相談があれば福祉事務所から医療機関に連絡等の対応は取ってみるとのこと。

喉頭がんで療養中にもかかわらず検診命令を行っている。
【大阪府】 入院中を除き、医療要否や援助方針の決定など病状把握のために必要だ。総合病院での健診を基本としているとのこと。
【大生連】 病気がはっきりしているのに検診命令が必要か。かかっている病院に問い合わせたらすむことだ。
【大阪府】 稼働能力のための検診命令ではない。検査をうけるのに事情があれば変更もできる。不当であれば拒否できる。申請の抑制につながると思われることがないよう福祉事務所に伝える。

◆法定期限について
【大生連】 法定期限が守られない。松原市の状況を調べてほしい。府から指導もしてほしい。
【大阪府】 文書で指導し、監査でも法定期限を守るよう指導している。遅れる原因などについて市に確認したうえで回答する。

◆定額給付金の認定について
【大阪府】 政府与党の検討の段階で確定的な制度ではない。制度内容・実現性も含めて未定。収入認定の仕組みから言えば認定対象だが、平成11年の地域振興券と同取り扱いで認定の対象にならないのではないかと思う。

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