チケット手配する時はてっきり復刻版だと思っていた私。久しぶりに見たい
わ〜、と楽しみにしていたらセルゲーエフ版だった。セルゲーエフ版って確か
衣装が古臭かったんじゃ・・・と心配していたけど、衣装もセットも新しく
なっていたのね。(←私の認識って、相当古い?)
でも、何より素晴らしかったのはそういう外側のことではなくて、主役
テリョーシキナをはじめとするダンサーたちの踊りと醸し出される優美な
「眠り・・・」の世界。正統派の宮廷ものバレエを見たな〜と満足の思い
です。
テリョーシキナのオーロラは、1幕はすでに大人っぽい。これは、彼女の
容姿からして予想通り。なので、変に初々しい少女路線に走らず、宮廷の華
として華麗に1幕を踊るのは正しい選択だろう。
そして、2幕の幻、3幕の気品ある王女と踊り分けていく。
優雅なポール・ド・ブラは本当に美しかった。彼女の腕・手の動くところ
キラキラの星たちが付き従っていくみたい。また、跳躍した時の後ろに
伸ばされた長い脚の美しさには陶然となった。いまだに私の記憶に
鮮やかに留まっている。
彼女を見ていると、身体のコントロールは思うがままのようだ。2幕で、
アラベスクでターンした後、アティチュードに変えて続けてターン、そして
軸足でブレーキをかけて余裕で滑らかに停止するところなんてため息が出た。
デジレ王子のシクリャローフは、テリョーシキナより随分若く見える。
(実際、100年眠ってたオーロラより若いに違いないが・・・)
その分、美女の幻に魅せられ急速に愛へと気持ちが高ぶっていく性急さに、
説得力があったかも。2幕のソロで、舟に乗る直前の情熱的なマネージュは、
そんな王子の心情を表していて素晴らしかった。
リラの精を踊ったダリア・ヴァスネツォーワは初めて見る人。ヴィシニョーワ
とセミオノワを足して2で割ったような顔立ち。(私見) 踊りはおっとりと
優雅で、妖精たちの筆頭という風格があった。
他の妖精。優しさの精、マリーヤ・シリンキナ。元気の精、アンナ・ラヴリネンコ。
鷹揚さの精、エレーナ・ユシコーフスカヤ。勇気の精、ヤナ・セリーナ。
のんきの精、ヴァレーリヤ・マルトゥイニュク。
悪の精カラボスは、アントン・ピーモノフ。この版では、こんなに
出番が少なかったっけ?と思ってしまった。(色々凝った演出の版もあるので)
3幕にいきまして、ダイアモンドの精は、アナスタシア・ぺトゥシコーワ。
大きな動きが多いので、なかなか音楽的に動くのは難しいよう。
サファイアはプロローグで勇気の精も踊ったヤナ・セリーナ。金の精、
アンナ・ラヴリネンコ。同じく元気の精を兼務。銀の精、エリザヴェータ・
チェプラソワ。
フロリナ王女と青い鳥は、マリーヤ・シリンキナとアレクセイ・チモフェーエフ。
チモフェーエフはまだ少年のよう。(本当に少年かもしれないが・・・)
軽やかでまさに若鳥の翔ぶが如し。
シリンキナは優しさの精も踊っていたけど、本当に妖精のように愛らしい。
特に、踊りで強いインパクトがあったわけではないのだけど、この
パ・ド・ドゥに抜擢されるのだから、有望株なんだろう。
長靴をはいた猫、フョードル・ムラショーフ。白い猫は開幕前にキャスト
変更があって、クセーニャ・オストレイコーフスカヤからヴァレーリヤ・
マルトゥイニュクへ。(またも妖精兼務。このクラスのダンサーはあれも
これもと忙しい〜)
マルトゥイニュクは急遽の変更にも関わらず、余裕で演技も万全。(ま、
他の日にもこの役踊っているみたいだし)
赤ずきんはエレーナ・ユシコーフスカヤ。(やはり妖精も踊る。プロローグの
妖精5人は、キャスト変更もあって、すべて兼務だった) 狼はアナトーリー・
マルチェンコ。
子供たちは、バレエ・シャンブルウエストから。訓練の成果がよく出て
いました。
その他に思ったこと。ローズ・アダージオで、オーロラ姫が求婚者たちから
差し出されるバラの色が一色じゃないのは、初めて見たような気がする。
オーロラの手の中にまとめられた濃淡のあるバラの束もなかなか美しい。
東京ニューシティ管弦楽団の演奏は良くなかった。私はそれほど演奏の上手い・
下手を正しく評価できる人じゃないけど、そんな私でも分かるぐらい。
バランスが悪くて旋律のヴァイオリンが他の楽器に負けてたり、大事なところ
で管楽器が音はずしたり・・・。
いい舞台だったけど、客席の空席が目立ったのは残念。(埋まってるところも
あるんだけど) 不況もあって、財布の紐も締めますわね・・・。