平成19年5月

嗚呼、講演旅情

〜ホントにホントに不定期のきまぐれ旅日記でございます〜

【平成19年5月28日】 岐阜県揖斐川町

早朝、揖斐川町へ車で向かう。
少しひんやりとする朝。しかし朝日が眩しい。
早く目的地へ着きそうだったので、途中車をとめ、揖斐川を眺める。
水面がキラキラと輝いている。静寂である。土手にはきれいな花がたくさん咲いている。
生命力がイキイキ輝く季節である。

社会福祉協議会様主催のボランティア講演会。
皆さん熱心に心耳を傾けていただき、またたくさんの笑顔をいただいた。
参加された方の中に今年91歳になるおばあちゃんがいらっしゃった。
素敵な笑顔の方であった。
僕よりも半世紀以上も長く人生を見つめてこられた方の前でお話をさせていただいたことにただただ恐縮であるが、素敵な出会いをいただいたと嬉しく思うのである。

講演後に流し込む水の旨さにしびれる季節がやってきた。


【平成19年5月25日】 岐阜県各務原市

雨の一日。夜中から降り出した雨は止むこと知らず。
全国で水不足が心配されていると聞く。
恵みの雨か。

雨は良い。雨音を聞きながら、しみじみと内省内観の時である。
晴れの日の読書と雨の日の読書もどこかが違う。
精神生活を豊かにしてくれるのも、恵みの雨か。

と、言いつつも本日はシニアクラブ連合会での元気講演会。
雨にもかかわらず大勢の方々が参加された。
男性の方が多かった…全体の7割近かったのではないか。なかなか見られない風景である。

各務原市では昨年の人権講演以来、色々と講演依頼をいただいている。
縁尋機妙に感謝でございます。

来月もまた、シニアクラブ連合会で講演。参加者は別地区の方々とのこと。
たくさんの会員さんがいらっしゃる団体である。

息子のような年齢の僕の話に心耳を傾けていただけることに、いつも感謝しているのである。

ご縁の場所で只々一所懸命。僕にはこれしかない。

本日も只々一所懸命。

講演が終わり、白墨まみれのスーツに汗だくの姿…この興奮を鎮めるには雨の音がやっぱり良い。


【平成19年5月23日】 愛知県名古屋市

暑い日が続く。

名古屋は栄のホテル会場にてある業界の経営者の方々を対象に講演を行った。
コーポレートガバナンスやコンプライアンスなどという難しい言葉が登場しなければならない時代でもある。
企業活動にとって避けたいのがトラブル・不祥事。バタフライ現象やハインリッヒの法則などを切り口に…いつもの二宮尊徳の精神に照らしてお話させていただいた。
また、モチベーションという意志を支えるには価値“感”が大切である話を、いつものありがとうの内容に乗せてお話した。意志は萎える。これが人である。三日坊主は我等凡人の現実である。だからこそ、一人ひとりの其々の場面で仕事の価値を感じることが大切なのである。そのためにはどういう仕事の態度が求められるのか…。
ストレスマネジメントの知恵なども含め、色々お話させていただいた90分。
午後一番の講師泣かせの時間帯(眠くなるんだ、この時間)にもかかわらず、皆様熱心に心耳を傾けていただきメモなどお取りいただいた。
感謝でございます。

まだまだ暑い日が続きそうだ。
麦酒の季節である。


【平成19年5月17日】 愛知県高浜市

岐阜は朝から雨がふったり止んだり…。
「おっ、今は止んでる」と家を飛び出し、岐阜駅へ。
いつもながら駅に近いということはホントにありがたい。
JR刈谷駅へ。この駅は、サラリーマン時代からよく知っている。
駅隣のビルの一階奥にきれいなトイレがあることも知っている。
トイレを無断で借りるのは失礼なことなので、ビルにある喫茶店に入る。
アイスティー400円でトイレの借りを返す。

高浜青年会議所のS氏と合流する。
5月例会の講演である。
会場へ向かう途中、S氏のホットトークに心惹かれ、道中の景色を眺めることなく、あっという間に会場着。
高浜のどのあたりにいるのか分からず、ここで放り出されれば、間違いなく半泣きである。それぐらい楽しい元気な方であった。

「思いやり」というキーワードを事前にいただいておりました。
「凡そ人の人たる所以は、惟だ此れ惻隠の心のみ」と明の時代の哲人・袁了凡が謂うとおり、「思いやり」とは人間たるものの根っこである。儒教では「仁、恕」、仏教では「慈悲」、キリスト教では「愛」などがこれにあたる根本中の根本。根本を理屈で語れば語るほど根から遠ざかることを経験的に感じている僕は、命の尊さという大根本を感じていただきたく久しぶりに「ハテのウルマ」の話を講演後半にさせていただいた。大根本こそすべての出発点だからだ。

講演終了後、懇親会へ参加する。
またまたあっという間に時間が過ぎる。

またまたS氏に刈谷駅へ送ってもらう。
またまたホットトークの車中にて、あっという間に刈谷駅。

皆様ありがとうございました。

刈谷駅に独り立つ。
「しまった!締めとして熱いお酒をキュッと、しみじみといただいておけばよかった」
「まぁ、家に帰ってから少しやるか」
雨模様の夜の日本酒ちびりちびりが良いのである。

列車に乗る。
心地よい睡魔とともに、気がつけば岐阜駅。

家に着く。
「……酒がない」

【平成19年5月16日】 岐阜県池田町

自宅から車で約45分。池田町着。
信長の乳母が母であったため幼きときより信長の親衛隊であった戦国武将・池田恒興ゆかりの町である。

ボランティア連絡協議会での講演会。

町の人口が2万人弱に対し、ボランティア登録者数が4千人を超えるそうだ。
5人に1人がボランティア? すごい町である。

アットホームな雰囲気の中で講演会は大盛況!
皆様との出逢いに感謝です。

講演後、控え室で協議会の副会長曰く、「○月○日は、日程空いてますか?」
僕「はい」
副会長「講話をお願いします」

差し出された名刺には○○寺住職とある。(副会長は住職さんであった)

僕「お寺で?」
住職「はい」

生涯学習講演のルーツは寺での説法にあることは間違いないだろう。

今から楽しみである。

【平成19年5月11日】 愛知県豊田市

東名三好ICを降り、豊田市へ。

豊田市では公民館のことを数年前から交流館と呼んでいるそうだ。
良きネーミングじゃありませんか。講座が活発である。

講演会場となる交流館に、最近よく駅などでみかける「AED」があった。
心臓の突然停止の際に電気ショックを与える装置だ。正式名称は自動体外式除細動器とのこと。

交流館の方曰く、「豊田市の公共施設には全部これがあります」

おぉ、さすが豊田市、TOYOTAである。

高齢者講座の講演では皆さん熱心に心耳を傾けていただき、大いに笑っていただいた。特に熱心な男性の方々がたくさんいらっしゃったことが強く印象に残った。

爽やかな心地よい時間を終え、汗をぬぐい、主催者と歓談の後、「それでは失礼します」と挨拶して、車に乗り込み、エンジンをかける。

豊田市を走る一台の日産の車がそこにいた。

【平成19年5月9日】 和歌山県橋本市

朝7時台のJR岐阜駅は名古屋方面への通勤客で混雑している。
名古屋までの約20分程度のこと…ではあるが、昔から満員電車と交通渋滞が天敵の僕にとって、救いなのが大垣発名古屋行きの「ホームライナー」である。
310円の乗車整理券が必要だが、客席ガラガラ、座席は快適シート(名古屋駅に着くとホームライナーは富山行きの特急しらさぎに変身する)なもんだから、まよわず乗車である。

さて、名古屋駅の喫茶店で熱い紅茶を飲み、旅の始まりにこころを静める。

近鉄名古屋より難波へ。
(旅の友はいつもの「剣客商売」。今回は「剣客商売(六)新妻」。秋山大治郎と佐々木三冬がようやく結婚である。剣客商売ファンにはたまらない一冊なのである。めでたしめでたし。)

難波…「なんば(↑)」と尻上がりに発音する方々がおられるが、僕にとっては偉大な青春の盛り場「なんば(↓)」である。

難波より南海電車で橋本へ。

和歌山県橋本市にて講演会である。

橋本のすぐ先には、弘法大師空海が御入定された聖地『高野山』。

おかんの父、つまり僕の祖父は兵庫県但馬にて真言宗の坊主であった。若き頃、高野山で修行したらしい。何故か…それはわからない。祖父は若くして亡くなっているので、僕は何も知らない。(祖父と孫として、人間同士として、男同士として、一度でいいから語り合うことが出来れば…との想いをもっている。)今は僕の従兄弟夫婦が寺を守っている。そんなことで、祖父が縁のあった高野山に小さな頃に泊まりにいったこともあった。

また、高校時代の剣道部夏恒例の合宿が高野山であった。高野山小学校の体育館で大いに汗を流し、早朝の高野山を竹刀を片手にかけ声(「ヤー」の後に「トォー」である)上げて走りまわっていたことを思い出す。

というわけで、橋本は懐かしい場所なのである。

会場一杯に市民の方々。暑い日である。熱気ムンムンの会場で、「ヤー」「トォー」ばりに元気に講演だ。たくさんの笑顔や笑い声に後押しされて、ますます「ヤー」「トォー」である。気持ちいい汗を大いに流した。

今日の一日を「講演合宿」と命名したのであった。