平成18年12月

嗚呼、講演旅情

〜ホントにホントに不定期のきまぐれ旅日記でございます〜

【平成18年12月4日】 商人

滋賀県日野町にて講演。
昔から、一に近江商人、二に伊勢商人、三に大阪商人などというが、その近江商人発祥の地ともされる日野町。日野商人と呼ばれる。戦国の名将蒲生氏郷の城下でもある。

「商売繁盛・人生繁盛は、こころ元気から」と題した講演の中で、二宮尊徳を紹介するが、日野商人はかつてその「三方よし」の精神にて二宮尊徳の復興中の村へ寄付金を送ったりしていることが、役場にあったパンフレットで知ることが出来た。また講演では尊徳の「積小為大」の精神にふれるのですが、日野商人の家訓などを見ると、「積小為大」の精神を商いにおいて日々実直に実践されておられる。日野商人…色々と勉強になった。

人道の上に立った商道。「利は義の和なり」とも謂う。
さまざまな企業の不祥事などは、「利」のみに支配されているが故に生じている。「義は利のもと」とも謂う。

人道の上にたった商いこそ、道と言えるのだろう。


【平成18年12月7日】 阿波国

徳島県北島町商工会にて第二創業セミナー。

学生時代に四国旅をして以来の徳島である。その時は、徳島〜大阪をフェリーで4時間かけたものだが、今では明石・鳴門大橋の関係でものすごく近くなったそうだ。フェリーもなくなったとタクシーの運転手さんから伺った。

今回は、名古屋〜岡山〜高松〜徳島と特急の旅であった。(かつては神戸〜高松までフェリーで3時間かけて行ったこともあったっけ。懐かしき四国である。)
北島町へは徳島市から吉野川を渡ってすぐだ。この吉野川、あまりの雄大さにびっくりした。長良川や木曽川になれている僕も、びっくりするぐらいの雄大さであった。河口に近いとはいえ、対岸の明かりがほんとに小さく見える川幅である。

商売の話などをしたからには、やはり徳島にお金を落としていくのが礼儀と考え、セミナー後、徳島の米と水で作られた日本酒を相棒に小料理屋さんでこの日の良き出逢いに思いを馳せていたのであった。
小雨降る徳島の夜であった。


【平成18年12月12日】 静

下呂市教育委員会主催の家庭教育学級。

場所は、金山町である。下呂市は旧下呂町・金山町・萩原町などいくつかの町村が合併した広域な市である。旧町村単位の会場で家庭教育学級をご熱心に実施されておられる。

金山町の中心地は昔から好きな所だった。特に夜がいい。山に囲まれ、清流が中央を流れ、町の明かりがほのかに漂い、そして「静」の一文字である。特にこの日は、夜露とともにあり、空間の持つ力をしみじみと感じたのであった。

諸葛孔明はかつて息子に「静」であることを教えた。
現代社会の慌しい一面が強く押し寄せることが多いだけに、こころの「静」が大切となってくる。
「…静以て身を修め…寧静に非ずんば以て遠きを致むるなし」(孔明)
静かに心耳を澄ます時が人には必要である。


【平成18年12月16日】 桃

冬の朝。布団の中は極楽だ。モゾモゾ…なかなか起きれん。これ人情。
そんな冬の朝でも午前に講演がある場合は別である。
4時、5時であろうが、黎明即起(れいめいそっき)!目覚ましがなる前に布団をはねのけることもある。デジタル時計より正確なのが、ねばならぬ事を抱えた人の心ということか。人の心とは不思議也。
白々と夜が明けてくる暁。「よしっ、やるぞ!」という気に自然となる。
生命が活発に動き出すのが暁である。だから「朝」はいい。

今日もそうだった。寝不足の眼をこすりながらも、夜が明けるころには、100%講演モードである。
小牧市の桃陵中学校PTA講演。ニュータウンの中にある。

桃ヶ丘という場所だ。ピーチライナーという電車も走っている。桃づくしである。
(今はニュータウンだけど、きっと昔は桃の木がたくさんあったのだろうと考え…)

「昔は桃で有名だったんですか」
「今も有名で、時期には桃が道端でも売られてますよ」とPTA役員の方。

中国の故事に次のようなものがある。
「桃李不言下自成蹊」
桃やスモモはものを言わないが、その下にはおのずから蹊を成すのである。(勝手に人が集まり、道が出来るのである。阿部首相はたしか成蹊大学卒だったと思うが、成蹊大学の名称はここから由来しているのだろうか?)転じて、人徳ある人の下には勝手に人が集まるということだ。
桃ヶ丘も桃の樹の下に人が集まりだし、やがてニュータウンが形成されていったと考えると、面白いではないか。

講演では、皆さんホントに熱心に心耳を傾けていただき、また大いに笑っていただいた。今年最後の講演会、盛り上がった会となった。
良き出逢いに感謝である。皆さんホントにありがとうございました。

明日は、実業団女子駅伝。我が家のすぐ近くを1区及び最終区のランナーが走る!沿道で見てびっくりするのが、彼女たちの足のまぁ〜なんて早いこと。沿道にいる僕がテレビにもし映ったときは、指差して笑うべし。


【平成18年12月31日】 節と感謝

平成18年に“ありがとう”
多くの方々との素敵な出逢いに“ありがとう”
平成19年がやってくる…
幾度、この“節”を迎えただろうか…
想うことは、只々…
しみじみと、すべてに“ありがとう”である。
過ぎ往く歳(年)に感謝し、新たな歳(年)とともに生きる。
大晦日〜元旦…この瞬間こそ、過去、現在、未来…不変の“節”也。
節目、節目と言うが、人生において“節”はいいものである。
○○○節だよ、人生は!