◆開くドアは、さてどちら?
〜もと西武バスの3扉車〜

※12.6.3 いわさきバスネットワークと熊本市交通局(競輪場送迎専用車)の画像を追加しました。

西武バス
西武バス U−UA440LSN  1999-3 東京都板橋区

 3扉車・・その採用例はあまり多くありませんが、都市圏輸送の象徴のような車輛です。
7Eでも、3扉車の草分け的存在である関東バスをはじめ、東京ベイシティ交通、名古屋市交通局などで採用されていました。
 東京都西北部〜埼玉県西部に路線網を広げる西武バスも3扉車の大ユーザーの一つです。
東京23区内で使用する大型車のうち、1991〜1998年に投入された車(短尺車1997年以降)で採用されました。
型式ではU-UA440LSN、KC-UA460HSN、KC-UA460LSNになります。

 西武バスは多くの車両が各地へ移籍していますが、その中でも比較的古くから大量の車両を導入しているのが茨城交通。
西武の3扉車としては最も早く、1999年末に移籍がはじましました。
茨城交通は、オリジナルが前後折戸なのに対し、移籍車輌は前中引戸で、その双方が入り乱れています。
↓オリジナル車(U-UA440LSN) ↓西武からの移籍車(P-U33L)
茨交オリジナル 茨交 西武移籍車
2000.3 茨城県水戸市2000.3 茨城県水戸市

そこで3扉車はどちらを開けるのか、という疑問が発生しました。
その答えは↓
茨城交通 3扉車 茨城交通 3扉車
左:2001.4 右:2002.3 茨城県水戸市

前後ドア使用となりました。
どんなに移籍車が多くなっても、「うちはホントは前後」という方針のようだ・・・と、思っていたら・・・・・・
その後、2001年以降の移籍車は前中ドア使用になっています。うーん・・・。

それで、結局は前中ドア使用に統一されてしまいました。


なお、現在は他の事業者にも、もと西武バスの3扉車が移籍しています。
近江鉄道
近江鉄道(2000年 移籍)では、中扉・後扉双方に整理券発行機を取りつけ、
3扉で使用しています。
このような使用方法は、熊本電鉄P-MP218M(もと名古屋市)で見られます。

(U-UA440LSN 2011.5 滋賀県草津市)
宮城交通
宮城交通(2001年 移籍)では、前中扉で使用。
ここはオリジナルは前中引戸で、移籍車も前中が主力です。

(U-UA440LSN 2009.10 仙台市青葉区(広瀬通))
千歳相互観光バス
千歳相互観光バスにも2000年に移籍しています。
おもに千歳空港のランプバスに使用されている模様で、
路線使用時の開閉扉は確認できませんでした。

(U-UA440LSN 2004.6 北海道千歳市)
あつまバス
あつまバスには1台が移籍しています。
おもに千歳市内にある大学の送迎輸送で使われ、その間合などで路線運用にも入っています。
路線使用時の開閉扉は確認できませんでしたが、前扉に整理券発行機があるから、
同社の他の路線車と同じように前扉のみを使用していると考えられます。

(U-UA440LSN 2011.10 北海道千歳市)
シモデン
山陽地方・九州地方へは2003年頃から西武の移籍車輌が増加。
岡山県の下津井電鉄には、UA440LSNが数台移籍。
最後部のドアを完全に埋め、車内に座席を増設しています。

(U-UA440LSN 2005.12 岡山県倉敷市)
トモテツ
広島県福山市の鞆鉄道には、
UA440HSNと共に、3扉車が1台移籍しました。
こちらは、最後部のドアは締めきって、車内に座席を増設しています。

(U-UA440LSN 2005.8 広島県福山市)
JR九州
ジェイアール九州バスには2002〜2004年に大量の西武車が移籍。
3扉車も数台が在籍し、嬉野、直方、鹿児島に
配置されています。
こちらも最後部ドアは締めきり、車内に座席取付です。

(U-UA440LSN 2009.5 鹿児島県鹿児島市(鹿児島駅))
SHOWA
昭和自動車のには、もと西武のU-UAが纏まって移籍しましたが、
その中に1台、3扉車が含まれています。
鞆鉄道と同様の改造が行われ、最後部ドアは締めきりです。
当初は福岡県内を担当する前原営業所に配置されていましたが、後に唐津営業所に異動しています。

(U-UA440LSN 2013.5 佐賀県唐津市)
鹿児島交通
鹿児島交通には2005年に西武車が移籍。
3扉車も数台が転入しています。
やはり最後部ドアは締めきりですが車内はわかりませんでした。

(U-UA440LSN 2012.5 鹿児島県鹿児島市)
鹿児島交通(ドルフィン150)
こちらは、同じ鹿児島交通でも鹿児島市内の商業施設
「ドルフィンポート」と鹿児島中央駅を結ぶ専用車。
こちらのほうが早くデビューしました。

(U-UA440LSN 2012.4 鹿児島県鹿児島市(鹿児島中央駅))
いわさきバスネットワーク

鹿児島交通と同じいわさきグループのいわさきバスネットワークには
2011年に移籍してきました。
いずれも、KC-の軸距4.7m車です。

(KC-UA460HSN 2012.5 鹿児島県鹿児島市)
熊本市交通局
熊本市交通局には2006年に登場。
下津井電鉄と同様、後ドアを埋めていますが、
ドアの窓を生かしている為、なんとも妙な感じです。
→もと後ドア部分拡大画像

(U-UA440LSN 2006.5 熊本県熊本市)
熊本市交通局 競輪用
一方、こちらは熊本市交の車両でも、熊本競輪場の送迎専用車。
3扉のままで使用しています。

(U-UA440LSN 2012.5 熊本県熊本市)

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