◆自転車搭載バス、そのほか
〜日本中央バスの車両〜
※2010.8.15 KC-RM211GSN(M-1044)、KC-UA460KAM(M-1134)を追加しました。
1995年に路線バス事業から撤退した上毛電鉄の路線を引きついだのを皮切りに、次々に既存事業者の路線を受け継いで、今や群馬県の2大事業者に成長した日本中央バス。
全国でも有数のモータリゼーション発達県において、利用者を取り戻すために数々のユニークな施策を行っています。
そのため、これまた特色のある車両が登場しています。ここでは同社の富士重工架装の路線車を紹介したいと思います。
●(1) 日デKC-RM211GSN 自転車搭載バス(+α)
社番:M-1040(左 2009.1) M-1039(右 2010.1)
1996年4月、群馬バスの前橋〜石井市の木場(現在の富士見温泉線)を引き継いだ際に登場したのが、この自転車搭載車輛です。
裾野が広い赤城山麓では前橋へ向かって一方的な傾斜が続くため、自転車では「行きはよいよい帰りはつらい」となるわけです。
そこで考え出されたのがこの自転車搭載車で、ワンステップ車をベースに中扉以降を1段段上げし、5台分の自転車搭載スペースがあります。
また、自転車が無い時は客席として利用できるように、跳ね上げ式座席を設けてあります。
外観的には、旅客スペースの関係で非常扉の位置が前後輪間にある点が特徴です
また、日本中央バスの自社発注車全ての特徴ですが、社名が「切り抜き文字」で表示されています。
開業に備えて、1995年度に合計3台が導入されています。
社番:M-1044(2010.8)
一方、こちらは1996年度に導入された1台で、右側面の窓配置が上に掲げた車輌と異なり、非常口の位置が通常のものとなっています。
中ドアから後ろも2人がけの座席が並んでおり、自転車搭載対応とはなっていない模様。
●(2) 日デKC-UA460NSN 自転車搭載バス
社番:M-1048(左:2009.1 右:2010.8)
翌1997年、前橋〜桃泉・上野田の路線(榛東線)も引き継ぎ、そこでも自転車搭載バスを登場させました。
しかし、中型ベースでは座席数に限りがあるため、今度は大型車、それも長尺車がベースになりました。こちらは10台の自転車を載せることができます
外観的にはやはり非常扉の位置に特徴があります。また辻褄合せ的な小窓があり、ちょっと変わった窓配置になっています。
1996年度に3台が導入されました。
●(3) 日デKC-RM211GSN ワンステップ9m車
社番:M-1050 (左:2007.3 右:2010.8)
自社発注の車両の中では、最もノーマルな車両。
1997年度導入のワンステップ車で、当初は、前橋駅〜県庁前の路線に充当されていました。
窓か拡大タイプで、ワイドドアを装備しています。
●(4) 日デKC-RN210CSM ワンステップ7m車
社番:F-1002 (2009.8)
同じ1997年度に導入したのは7m小型車の日デRNで、同社主力のサイズで初のワンステップ車になりました。
なんといっても、スモークガラスを採用した点が特徴です。
車内の座席も2人がけが主体である点も少々目につきます。
合計4台が導入され、高崎線の新町から上野村方面へ向う奥多野線と、前橋駅〜吉岡町の吉岡線に投入されました。
このうち奥多野線の車両は代替され、1台は広島県の事業者に譲渡されています。
社番:M-1131 (2014.5)
ところが、2009年になり、もと京王帝都電鉄の車両が移籍してきました。
系統延長に伴う車両増備なのでしょうか?
1996年度発注の第一陣であるため、特徴ある京王顔の車両ではありません。
オリジナル車と異なり、窓周りが白いためすっきりした印象です。
●(5) 日デKC-UA460KAM・UA460KAM ノンステップバス
社番:M-1067 (2007.3)
1999年3月には群馬から撤退した東武鉄道の前橋近郊路線を引き継ぎましたが、この時ノンステップ車を登場させました。
3メーカーから2台づつ計6輌の車両を購入しましたが、その一つが当型式です。
RN同様、客室の窓が濃い目のスモークガラスになっており、この頃に入った他の型式(KC-MP747M、KC-LV832N、KK-RM252GAN)と共に、
日本中央のノンステップ車の特徴になっています。
社番:M-1125 (2009.1)
このタイプの車両、2008年に1台、増えました。
もと京王電鉄の車両です。窓の色の違いで随分印象が変わるものです。
社番:M-1134 (2010.8)
さらに2010年にはもう1台増えました。
今度は、もと西武バスの車両です。窓周りが黒塗りか否かで、これまた印象が変わってきます。
なお、これら3種類、いずれも「NON STEP BUS」のロゴが違っています。
●(6) いすゞU-LV324L 移籍車
社番:M-1116 (2007.3)
社番:M-1117 (2007.3)
日本中央バスには移籍車も一定数在籍しています。
7Eでは2006年に相次いでいすゞの大型車がやってきました。
上の2台は、もと西東京バスの車両で3台が在籍しています。
特に、M-1116は、ごらんの様に、窓を含めたフルラッピング・・・・
社番:M-1118 (2007.3)
一方、こちらは、もと東武バスの車両。
方向幕の位置を、中ドアの後にずらし、合わせてLED化されています。
一時期は死んだように淋しかった前橋駅のバスターミナルも、最近は各社の特色ある車両が入れ替わり立ち代り姿を見せ、活気を取り戻しつつある様に見えます。
前橋中心部の空洞化は相変わらずのようで、厳しさは変わっていないと思いますが、この先もアッと言わせる施策が登場することを期待しています。
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