◆南国のパワフルUA
〜鹿児島市交通局 KC-UA521NAN〜



 鹿児島市が7E架装車を採用したのはKC-のUAのみですが、それまでの西工58MC架装車がノーマルな「U-UA440LAN」なのに対し、
こちらは「KC-UA521NAN※」、つまり高出力の8気筒エンジンを搭載して登場しました。
 トップドアの郊外線車輌であれば、お隣の鹿児島交通など数社で見ることができますが、純粋な市内路線用車輌としては全国でもここだけでしょう。
鹿児島市は平地が少ないため、郊外の団地は大概台地を登ったところにあります。
そのため急勾配も多く存在することから、なるべく登坂性能のよい車輌を入れているようで、
他メーカーの車輌も高出力車(日野U-HU3KMAA 他)をそろえています。

←「521」の特徴である、エンジン部分。
通常の直列6気筒エンジン車が縦置き横倒しなのに対し、
8気筒車は縦置き直立のため、
三菱車と同様車内の張り出しが大きい。

 さて、この車輌の、車体も何かヘンだと思いませんか?
前頭部をよ〜く見てみると、あるものがありません。そうです、フロントガラスのセンターピラーがなく、左右一体の一枚モノなのです。
これまた、全国でもここだけのものでしょう。他メーカーの大型車もこうなっています。理由は定かではありませんが、鹿児島といえば桜島、火山灰対策なのかもしれませんね。

天文館通など中心部でも10分ぐらい待っていれば必ずやってきます。
爆音を響かせて走るその様は、市内線だけで走らせるのは勿体無いほどで、
そのまま九州自動車道をカッ飛んでいって欲しいなあ・・と思ってしまいます。


※<注意>
 この車輌の型式については、KC-UA521NANですが。
 実際はN尺(軸距5.50m)ではなく、ひとまわり小さいL尺(軸距5.24m)です。

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